劇場公開日 2022年12月3日

「スラムダンクの観たい姿とは?」THE FIRST SLAM DUNK 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スラムダンクの観たい姿とは?

2022年12月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スラムダンクを見て中学バスケ部に入り、
スラムダンクを読んで漫画家になりました。

映画の15秒CMが出る度にこれは大丈夫なのか?
観るのが怖いと言う気持ちになったけど、
やはり動く湘北高校のメンバーが観たくて朝イチで
観ました。

オープニングはスゴくカッコ良かった。
スラムダンクのキャラ全員にカリスマを感じました。

昔、井上雄彦さんご自身で自分のキャラをCMで
動かしてたように、
自分のキャラを映画の大きなスクリーンで動かす
と言うのは夢だったんじゃないかな?と想像しました。
THE FIRSTと謳うくらいなので、永遠に続くドリブル喋ってばかりで進まない展開のアニメ版を良しとしてなかったんじゃないかな?とも思いました。

ボクは井上雄彦さんのスラムダンクが好きなので、
井上雄彦さんの絵で動くキャラクターたちにやはり
感動しました。
だけど同時に妙に無機質でリアルな絵と動きは
スラムダンクのダイナミズムでドラマチックな演出を
削ぎ落とされてるような気もしました。
クライマックスは感動したのだけど、
映画で感動したと言うより漫画を思い出して感動して
いる気がして、
観終わった今も映画で感動したか?と自分に問うても
よく分からないと言う感じです。

全体的に雰囲気も暗くて、
このまま各キャラの暗い部分を描いて行くと
俺たちのスラムダンクが闇に飲み込まれてしまう!
と怖くなりました。

リョータの過去の部分は観た人によって、
見れてよかったとも思うだろうし、
そこは今更描かなくてもとも蛇足だとも思うと
想像します。

ただ、最後には映画を観て良かったなと思える
井上雄彦さんからファンへのプレゼント的な部分が
あって、
とにかく今複雑な気分です。
一つ思うのはアニメは脚本、監修までの参加にして
優秀なアニメーターさん達に任せた方が
良かったんじゃとは思いました。

時間が経って追記
パンフレットを読んで
井上雄彦さんはやはりリアルさや痛みの部分を描きたかったんだと思う、彼らも普通の高校生なんだと。
だけど、ボクがスラムダンクで観たいのはそこじゃなかった。底抜けな明るさや青春の清々しさが観たかった。その溝があったように思う。
それに、何十年か経って実はこのキャラはこうでした、
と言う手法が好きじゃない。
思い入れやこのキャラはこうなんだと言う想像が、
読者それぞれにあると思うけど、リョータの見方が変わってしまう事に今寂しさすら感じている。

出来れば彼らの明るい未来が観たかった。

奥嶋ひろまさ
ばるすパパさんのコメント
2022年12月11日

自分は旧アニメが糞だと思ってたおっさんです。当時のジャンプアニメはみんなそうでしたけど、尺伸ばしの無駄演出が多く、ギャグシーンも当時からセンス古いと感じてほとんど観ませんでした。
そのトラウマが井上雄彦さんにはあったのかな?と思いました。
1人の作家が自分の命を削って関われるのは一作品が限界で、あのように切り取るしかないのかな?と思いました。
最後の一文は物凄く同意します。

ばるすパパ