「タップダンスに胸締めつけられる」ファーザー デブリさんの映画レビュー(感想・評価)
タップダンスに胸締めつけられる
認知症を患ってからの日々を当人の視点で描くと、こんなにサスペンスフルな映画になるんだ。ナイスアイデア。面白かった。
一方で、やっぱり胸がつまるところもある。こんなふうに悪い夢の中にいるみたいなのかな、認知症の当人は、と思うと。
アンソニー・ホプキンスの役がまた、うちの父(今のところは体も脳も元気)に少し似ている。新しく出会った若い女性の前でおどけてみせたりする感じなんか、あるある。認知症になるまでは、自分の世界をしっかり持ちつつも社交を楽しんだ人なんだろうな。
寂寥感はあるけど、決して絶望的ではなくて、いいエンディングだった。少なくとも、心無い言葉でいじめてくる男(娘の当時の夫)はもういないし、娘はわざわざ会いに来て一緒に散歩を楽しんでくれる。
私から薦めると傷つけそうだからダメだけど、両親がどうかしてこの映画に出会ってくれたらいいなとちょっと思う。
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デブリさんのコメント
2021年6月11日
> m-hakubaさん
娘さんが5年前(?)に離婚したのは、夫婦の家にお父さんを引き取ったことで夫がイライラするようになって夫婦仲がうまくいかなくなったのかなと思っています。私なら、自分の伴侶の親にあんなに冷酷な人間は願い下げだし、娘さんのほうから切り出した離婚かもですね。