レッド・スネイクのレビュー・感想・評価
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女性が兵士になる~知られざる民族紛争
「レッド・スネイク」は、女性戦闘員のコード名です。
映倫区分は、PG-12なので、小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が
必要となります。
過激な描写もあるので、子供向け映画ではないことは確かです。
クルディスタン地域に住むクルド人とイスラム教の過激派組織のISとの対立を
描いた映画です。
クルディスタン地域の旗とISの旗が象徴的に使用されているので、知らない人
はネットで確認すると良いでしょう。
クルディスタン地域の旗の中央に描かれているマークは、ヤジディ教のシンボル
マークです。
ヤジディ教は、クルド人の一部が信じている宗教です。
ヤジディ教は、信者が他宗教への改宗を禁じ、他宗教の信者からヤジディ教に
入信することも禁じ、ヤジディ教徒の子供しか、信者として認められません。
イスラム教徒は、ヤジディ教を邪教と見なし、憎悪し、迫害しています。
イスラム教の過激派組織のISは、2014年10月、奴隷制を復活し、ヤジディ教徒の
住民を拘束し、奴隷とし、人身売買を行っています。
イスラム教徒は、女性に殺されると、天国に行けないと信じています。
「蛇の旅団」が叫びながら、イスラム教の過激派組織のISを攻撃する理由は、
女性たちの声を聞いただけでも、イスラム教の過激派組織のISの人々は怖がるからです。
フランス人女性が、イスラム教の過激派組織のISと戦うためにシリアにやってくる
のかも理解することが難しいです。
フランスは、アルジェリア、シリア、レバノンというイスラム教国家を植民地と
して支配していた国々から移民を受け入れたことで、イスラム信者が多いです。
フランスでは信仰の自由と同様に宗教批判の自由が尊重されるので、
週刊風刺新聞「シャルリー・エブド」は、ムハンマドの風刺画を掲載しました。
フランスのキリスト教とイスラム教の信者が対立しました。
2015年1月7日、イスラム過激派テロリストが、週刊風刺新聞「シャルリー・エブド」
の本社に、乱入し、編集長、風刺漫画家、コラムニスト、警察官ら合わせて12人を
殺害しました。
この映画の監督のカロリーヌ・フレストは、ライターとして、この週刊風刺新聞
「シャルリー・エブド」に寄稿しており、この事件で殺された人々の同僚です。
「蛇の旅団」のような組織が存在するのかというと、2013年に結成されたクルド女性
防衛隊(YPJ)が存在しています。
クルド女性防衛隊(YPJ)は、政府に頼ることなく、自らの手で、自らの住む地域を
守っています。
クルド女性防衛隊(YPJ)の司令官は、オランド仏大統領により、パリのエリゼ宮へ
招待され、会談に出席しています。
日本では、クルド女性防衛隊(YPJ)は知られてはいませんが、フランスでは有名です。
フランス人女性が、クルド女性防衛隊(YPJ)に志願したとしても不思議はありません。
このような複雑な情勢を理解することができる映画です。
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