「馬が上手い」アンテベラム YOUさんの映画レビュー(感想・評価)
馬が上手い
スマホが出てくるまで、2元中継ものかと思った。
皆ここで「やられた」と思うのでは?
(これは制作側のアイディア勝利)
この制作陣の得意技「終盤あたりに仕掛けを一つ解除する」(シャマランの影響か)
個人的にはジョーダンピール監督作品の「ゲット・アウト」「アス」が好みだが、今回は監督を変えての作品となる。
時系列を反転させ、現代と過去の境界線を曖昧にする脚本と演出。
アイディアは良いが、現実問題として、主人公のヴェロニカ以前に拉致られてきたであろう人々の扱いはどうなっているのか?
上院議員の力で結構な規模のプランテーションだが、少しずつ拉致してきたとしても、大勢の行方不明者が出ていることに疑問を持つ者はいなかったのか?(短期間であればなおさら)最も長くいる者はどれぐらいなのか?定期的に入替えでもしてるのか?(主人公の失踪も結構時間経っているように見えて6ヶ月ほどしか経過していない)
おそらく彼女が最初の脱出者(生存者)だろうから、彼女の影響力は凄かろう、上院議員(白人至上主義者)側もただでは済むまい。
本作は、過去の負の歴史である黒人奴隷制度を通して、現在もなお根強く残る差別意識を可視化した物語となっている。
差別意識を自覚的、無自覚的に持っている人たちもいる。つまり、黒人たちにとって黒人差別とは過去のものではないということ。
日本の芸人が顔を黒く塗っただけで「差別」というぐらいですから(-_-;)・・・
人種差別は根深いものではあるが、まだ引きずっているのか、とも思う。(映画のネタとして)
歴史の浅い国なのでそれしかないのかなと…
料理の仕方でいくらでもできそうだが、単一民族の日本人としては根深いところにはピンとこないのよね。