「【アメリカの分断】」アンテベラム ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【アメリカの分断】
こうした作品が制作されて世に出るほど、アメリカのリベラルな人々と、白人至上主義者達の分断は、埋めることが出来ないほど根深いのだろうか。
トランプ支持者や、Qアノンは発狂しそうだなとか、一度は、笑ってみたものの、よく考えると、かなり暗い気持ちになる作品だ。
この作品を観たアメリカ人は、どう感じてるのだろうか。
トランプ支持者や、白人至上主義者が観ると到底は思えないが、Qアノンは、例の如く、陰謀だと騒ぎ立てているのだろうか。
(以下ネタバレ)
物語は、一言で言うと、”ナイト・シャマラン的”だ。
彼の作品の中では、かなり好きな方の「ヴィレッジ」を思い出す。
この「アンテベラム」は、途中で、この作品の仕掛けが分かるように描写が配置されているが、その動機など全貌は分からないままになっている。
所詮、こんなことを考える人間の頭の中を全部理解するのは不可能だと言っているようにも思える。
首謀者が上院議員という設定も、結構攻めているなと思ったりしたが、かなりのロングランの映画「American Utopia」で、亡くなったかなりの数の黒人の方々の名前がシャウトされたのを思い出して、やむを得ないのかと考えたりもした。
差別主義者や、人種主義者に言い分があるとは思わない。
僕のオフィスのネット右翼のおっさんは、昔、在日韓国人の人に嫌な思いをさせられたと動機を話していたが、彼は、中国人も嫌いだし、イギリスのEU離脱や、トランプ政権の誕生を目撃して、新しい世の中が来ると嬉々とし、安倍チーン三は知能指数が高いと言っていた。
合理性など、どこにも存在しないのだ。
だから、こういう人間に政治や組織の運営を任せられないのだ。
世の中は、以前にも増して、急速に、自動化や、IT化、あらゆる分野でのAIの活用が進んでいる。
差別や人種主義に勤しむのは止めにして、もっと勉強する方が合理的な気がすると考えるのは僕だけじゃないと思う。
※ あと、余談だけれども、上院議員を見て思ったのだけれど、男は外で働き、妻は家を出て守るって父権主義も皮肉っているのだろうか。