「本当に怖いのは人間」アンテベラム Naofumiさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に怖いのは人間
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こういう価値観の白人、口には出さないだけで今でもまあまあいるんだろうなあと思わされて、めっさ怖くなる映画だった。これってアメリカの白人の少なくない数が持っている隠れた願望なんじゃないのと思わせることに成功している点で優れた作劇と言える。生半可なオカルトより、人間の方がよほど怖いのである。幽霊はいるかどうかもわからないが、こういう人間はたしかにいるわけで、どういうきっかけで最悪の人間性が発現するかもわからない。テーマは明らかに現代アメリカの人種差別だが、ホラーの性質としては貴志祐介の『黒い家』に近い。人間が秘めて隠している嗜虐性の発露を描いている。
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