劇場公開日 2021年6月11日

  • 予告編を見る

「似てないてか・・・正反対の母娘」漁港の肉子ちゃん 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0似てないてか・・・正反対の母娘

2022年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

2021年公開のアニメ映画です。
原作(西加奈子の同名小説)に惚れ込んだ明石家さんまが企画・プロデュース。
肉子(声=大竹しのぶ)大阪弁の指導や、随所にアイデアを出して
心と時間を注いで完成に漕ぎ着けました。
笑いの要素は満載です。
国内外のアニメの作品賞やら観客賞などを多数受賞。

肉子ちゃん。
本名・見須子(みすじ)菊子。
16歳で大阪に出て働くものの、男に騙されては借金を押し付けられ北へ北へと。
なぜかたどり着く場所はどこも港町・・・漁港なのでした。
やっと腰を落ち着けたのは多分東北(石巻がモデルと西加奈子は言ってます)
焼肉屋なのに「うをがし」と言う名の店主サッサン(声・中村育二)に雇われ、
船で暮らすことになります(後に店の横の部屋に引っ越す)
そしてなぜか肉子ちゃんは小学校5年生のキクりんを連れてました。

アニメは賢くボーイッシュで短髪のキクりんの視点を通して描かれます。
キクりんから見える女子生徒たちのいざこざ。
(親友のマリアの巻き込まれる女子の権力争い・・そして孤立)
母親の肉子ちゃんへの不安。
(キクりんは、また母親が新しい男と違う町へ引っ越すのではと、恐れています)
そしてちょっと気になる男子・二宮のこと。
変顔をするのが気分転換なのか二宮は驚くほどの変顔術の持ち主。
好きとか嫌いとか、そんな気持ちはまだありません。
(ただ気になる男の子が二宮)
焼肉屋「うをがし」店主のサッサンも肉子ちゃんに救われたひとり。
肉子ちゃんを見て「肉の神様が現れた」と、妻を亡くして閉店を決めていたのに、
撤回したのです。
キクりんも内心、お腹を壊さないように実はプレッシャーを感じてます。
サッサンが肉子ちゃん母娘を雇う時の条件が「お腹を下さないこと」
アニメの中ではやや説明不足なのですが、
腹痛のキクりんが限界ギリギリまで腹痛を我慢したのはそのせいなのです。
・・・食べ物屋で食中毒は御法度だもんね・・・

キクりんの出生の秘密もサラリと触れる程度で
重い話にはなりません。
作画は素晴らしく見事です。
STDUIO4℃のスタッフや総勢500人のアニメーターが集結しました。
ラストを飾る主題歌GR eeeeNの「たけてん」もとても心地よいですね。
テンポ良く楽しめてジーンとする素敵な映画でした。

琥珀糖
iwaozさんのコメント
2022年11月21日

「マロナの〜」はワンちゃんが主人公だけど、本当に犬だって大変なんだよ!悩みながら生きてるんだよ!
って名作だと思います。オススメです。作画は天才的だと思います。
(^。^)

iwaoz
iwaozさんのコメント
2022年11月21日

絶妙なセンスの作画は本当にお見事でしたよね!(^^)
「マロナの幻想的な物語り」をちょこっと彷彿とさせられました。
肉子ちゃんの真っ直ぐで何も考えていないようで、実はとってもいろいろ悩んでたりして生きてきたんだな〜ってところに泣かされました。
本当に自分もそうだけど、ついてない人っているよね。(><)
それでも皆、生きるしかないんだから、出来る限り、楽しめたら最高だよね!

iwaoz