「アメリカ人はほぼ移民で、日本人はほぼネイティブ」ミナリ にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人はほぼ移民で、日本人はほぼネイティブ
もういないですが、うちのおばあちゃんはセリ農家でした。
歩いて行けるくらいの距離に住んでました。
地元に「ねまれ」という方言がありまして、
「家に上がってゆっくりしていってね。」という意味です。
さんざん遊んで帰ろうとすると、「なんで?」って言われます。
「晩御飯食べていけばいいでしょ。」と言う意味で言われているのです。
”近所”や”知り合い”ってだけで信頼し合い、
ドアに鍵なんてしない、いい時代のおばあちゃんでした。
助け合うのが当たり前なので、”助け合う”という概念すら
なかったような気がします。
生きる能力がなく、人としての価値観がないと
意味がないから誰よりも頑張る父親。
他の家庭と同じように都会で”普通に”暮らしたい母親。
そして、簡単に周囲に溶け込み、ゆっくりだが
着実に成長している子ども。
時代や科学は急速に変化していても、
自然環境はいつも美しいままそこに存在している。
何をいがみ合う必要があるのか。
他人を否定する必要があるのか。
自分一人では生きていけないだろう?
そこに種さえ植えれば、セリは勝手に生えて
あなたを助けてくれるのに。
2年前にいなくなったおばあちゃんに
笑われているような気がした。
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