劇場公開日 2022年10月14日

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スペンサー ダイアナの決意のレビュー・感想・評価

全82件中、1~20件目を表示

4.0ジャッキーとダイアナ。重圧に抗う女性の系譜

2022年10月19日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

英王室のチャールズ皇太子(現国王)と結婚し世界中から注目と憧れの的になるが、その後1996年に離婚、翌年に事故死した悲劇のヒロインとして今なお多くの人の記憶に残るダイアナ。その人生の重要な数日間を映画化する企画と聞けば、英国人の監督も女優も食指が動かないわけがなかっただろうと単純に思うが、意外にも監督にはチリ出身のパブロ・ラライン、ダイアナ役には米国人のクリステン・スチュワートが起用された。王室と王族のような絶大な存在を、少し離れたスタンスで客観的に描いたり、大胆な創作を加えて語ったりするのは、むしろ外国人のほうがやりやすいのかもしれない。

ダイアナの人生を端的に表現できる期間として製作陣が選んだのは、チャールズとの結婚から10年後、1991年のクリスマス休暇の3日間。映画の冒頭、ダイアナは道に迷った人として登場する。ロイヤルファミリーが集うエリザベス女王の私邸を目指し、ひとり車を運転していて迷ったという状況なのだが、もちろんこれは彼女自身の人生における迷いと焦燥を象徴していて、その後の会食などの場面でチャールズとの関係が冷え切っていることや、王室の堅苦しいしきたり、警護役やパパラッチから四六時中見張られている状況に、悩み苦しみ追い詰められていく姿が明らかになる。

振り返れば、ラライン監督の「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」も、1963年のケネディ大統領の暗殺から葬儀までのジャクリーン・ケネディ夫人の日々にフォーカスした映画だった。生涯をダイジェストのようにたどる伝記映画ではなく、その人の生きざまを凝縮したような数日間をシンボリックに描くのが得意なのだろう。ジャッキーとダイアナは、政治権力や王室の伝統といった圧倒的な存在によるプレッシャーに苦しみながらも、女性として、また母親として、自らのアイデンティティを貫こうと抗ったという点で共通している。クリステン・スチュワートの熱演も相まって、世の圧力に生きづらさを感じている多くの観客に勇気を与えるはずだ。

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高森 郁哉

4.0名優たちが演じる”名もなき人々”が味わい深い

2022年10月18日
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この映画に大きな展開を期待してはいけない。ストーリー性でグイグイ引き込むというよりはむしろ観客が能動的に足を踏み入れていくタイプの作品と言おうか。それゆえ、ダイアナに興味を持ち、彼女が王族を離脱する決意を固めるまでの心理過程をじっくり見つめたい人にとっては、望みどおりの親密なる映像体験となるはずだ。本作のダイアナは聖人でもなければ悲劇のヒロインでもない。時に少女のような自由奔放さと成人女性としての毅然とした表情を併せ持ち、孤独と不安に押し潰されそうになりながら、暗闇の先の光に手を伸ばそうとする。この等身大の人間像をかつてない存在感で体現するクリステン・スチュワートが見事だ。また本作が興味深いのは、王族たちではなく、彼らのためにお仕えする”プロフェッショナルな人々”を物語の前景に立たせているところ。このアウトサイダー側の目線と言葉がダイアナの存在感と絡まり、深い香りと味わいをもたらしている。

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牛津厚信

3.5 1人の人間らしく生きた女性の物語と捉えたい

2022年10月17日
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悲しい

今は亡きエリザベス女王やダイアナ妃の実像に迫るとしたら、ドキュメンタリー映画という手段が相応しいかもしれない。英国王室にまつわる記録映像は山ほど残っているし、作者はアーカイブ映像を元手に個々の編集と視点を駆使して実在の人物を画面上に再構築できるからだ。

その点、作り物と見られがちなフィクションはやや分が悪いのだが、本作は、ダイアナとチャールズ元皇太子の関係が冷え切っていた1991年のクリスマスイブ前後の3日間にフォーカスすることで、散漫になりがちな人物像を深く切り取っている。そこで、クリステン・スチュワートの登場である。ダイアナのインタビューやNetflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』をチェックすることは勿論、イギリス英語のイントネーションからダイアナ独特の話し方、首の傾け方、歩き方を習得してから撮影に臨んだというクリステン。だが、絶望感と不信感でいっぱいの元妃の目に映る、ロイヤルファミリーの冷徹さ、排他性が、演じる俳優の演技を介して観客にまで伝わって来るのは、真似事ではない、生まれながらの資質だと思う。

終始重苦しい映画には、意外に救われるラストシーンが用意されている。でも、その先には非業の死が・・・・・。とは考えず、人間らしく生きた女性のある物語として捉えると、これもありか、と納得できるのではないだろうか。

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清藤秀人

4.5アカデミー賞ノミネートも納得の一方、ダイアナ妃のことをどのくらい把握しているかどうかで評価は大きく分かれそうな作品。

2022年10月14日
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本作は、良くも悪くも「上質で本格的な映画」だと思います。
それは、予備知識となる前提の説明がなく、ダイアナ妃を中心としたイギリス王室のリアルなクリスマス前後の伝統的な3日間を行事を描いているからです。
日本では「プリンセス・ダイアナ」が本作の前に公開されていたこともあり、ダイアナ妃の半生を把握することができていたため、私は、この「断片的な3日間の映画」に入り込むことができました。
そこで、前提となる状況説明を簡単に紹介します。
舞台は、1991年のクリスマス前後のエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウス。そこに伝統として王族たちが集まるしきたりがあります。
ただ、この時は、ダイアナ妃とチャールズ皇太子の関係は、チャールズには、そもそもダイアナに愛があったわけではないことなどが発覚していて、ダイアナの精神状態が壊れかけてるような状況でした。
本作では、まさに、「ダイアナがチャールズとの離婚を決意したクリスマス休暇の3日間」を描いているわけです。
クリステン・スチュワートがダイアナを演じていますが、ダイアナが女優以上に華やかさのある存在なので非常に難易度の高い役柄だったと思います。しかし、見た目も含めダイアナになりきっていて、苦悩に満ちたダイアナを見事に演じ切り、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたのも納得でした。
音楽の使い方が上手い上質な作品で、ダイアナの胸中と共に「イギリス王室の伝統」の内実などを知ることができたりして、いろいろと考えさせられます。
クリステン・スチュワートの演技が光っていたことに加え、ダイアナが心を許すマギー役のサリー・ホーキンスはやはり上手いです。

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細野真宏

3.52023 155本目

2023年11月26日
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実際にダイアナ妃本人を見事に演じているかはわからないが、王室の窮屈さや、子供達に普通の暮らしを挿せてあげたい母親の心情など、クリステンが演じていると思います。
やはり演技力は同世代の中でも抜けているなと。

どんな役も見事に演じますね

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しゅん13

3.0真実に基づいた寓話

2023年8月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

決意するまでのダイアナさんのストーリーでした。
ちょっと物足りない気もしました。
その行手を誰も遮る事ができない大英帝国の王位継承第一位である大人物であるが故か、年の離れた馴染みにくい新妻を温かく辛抱強くフォローできなかったのかと。
ダイアナさんが若すぎた故、肩入れしてしまいますが、ダイアナさんの奇行の原因を改善する方向には周りの誰も動こうとしなかったのが悲劇ですね。
演じた俳優の方が斜め上に顔を上げた時そっくりでした。クリスティンスチュワートさんのwikiとかの写真と見比べるとダイアナに似せようとだいぶ努力されたのがわかります。
息子二人を大事にしていただけに現在が辛いですね。

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りか

3.5ヘンリーおまえってやつあ

2023年7月17日
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ダイアナ妃をクリステンスチュワートが演じているという映画の告知を見たとき、すこし驚いた。
(それはけっしてconsポイントではないが)スチュワートはおしとやかな感じでもなく、イギリス人でもない。
なんで英国王妃役を彼女に充てたんだろう──と率直に思った。

が、彼女の演じたダイアナ妃は批評家から絶賛された。
のみならず、じっさいのダイアナ妃を知るボディガードやロイヤルシェフから“過去にダイアナ妃を演じた俳優のなかでもっともダイアナ妃に近い”と称讃されたそうだ。

個人的には違和感のあるダイアナ妃だった。むろんじぶんは何も知らない素人だがスチュワートのダイアナ妃はなんか不自然だった。ただし、その不自然さがよかった。

──

80年代、ダイアナ妃は海をこえて日本でも連日報道された。小か中だったわたしも覚えている。立体感のある髪型がダイアナカットと言われてはやった。極東でもダイアナ妃はアイコンだった。

が、人気だったのは成婚から数年間で、不仲になってパパラッチに追われるダイアナ妃はあまり日本ではニュースにならなかった。(と記憶している。)

映画Spencerは1991年のクリスマスを描いている。Spencerとはダイアナの生家姓だ。
チャールズとの仲はすでに冷めており、ダイアナは離婚および王室からの離脱を考えていた。

郊外の邸宅でご馳走に明け暮れるのがクリスマスの王室恒例行事になっていて、邸に来たとき体重を量って去るときまた量る、体重が増えているとしっかりクリスマスを楽しんだことが証明される──という伝統なのだそうだ。
翌26日は雉撃ちのための専用雉がいる野原でチャールズとウィリアム&ハリー王子らは雉撃ちに興じることになっている。

ダイアナはそんな慣例と規則だらけの息苦しい王室ライフに辟易している。パパラッチを避けるため籠もっていなければならず、愚痴や侍女への発言、一挙手一投足がチャールズやエリザベスに報告される。豪奢な生活だが内実は牢にいるようなものだ。そんな窮屈な生活のなか、彼女の生き甲斐かつ味方はふたりの息子ウィリアムとハリーである。

──というコンポジションが描写されていく。多少アレンジはあるが実話をベースにしているそうだ。

前述の通りスチュワートが高貴なイギリス英語を話すのが似合っていなくて面白かった。
ちなみにわたしは英語をまったく解っていない。それでもスチュワートがダイアナ妃を模している気配は可笑しかった。

だから海外評でも、さぞかしスチュワートへの違和感が表白されているのだろう──と思った。
が、ほぼ無かった。

参照したのはRottenTomatoesだが、批評家の総意を端的にまとめると、描写はやり過ぎなところもあるが、スチュワートの演技力に支えられた──というもの。誰もが彼女の演技を称讃し、実際主要賞レースでノミネートされ幾つかは獲っている。

わたしもスチュワートの演技に文句はない。ただし彼女がダイアナ妃なのが妙だった。語頭が強くなる口調と前髪から覗くように上目遣いするダイアナ特有の仕草も真似ていて、それが上手ではあるのだがパーソナルショッパーやキャンプXレイやトワイライトのスチュワートが演じていると思って見るとやたら可笑しいのだった。いい意味の違和感だった。

imdb6.6、RottenTomatoesは83%と52%で批評家とは真逆にRottenTomatoesの一般評にはスチュワートの演技をさげる評もけっこうあった。
少なくない一般評が(彼女のセリフが)ささやきだと不平を述べていて、こちらは非英語圏だから字幕があるので助かったが、確かに語頭だけ聞こえるようなしゃべり方だったと思う。
また(一般評には)抽象表現への戸惑いもあった。Pablo LarraínはときとしてBrady Corbetのような軋み表現をするので、そのアート値が賛否を分けたと思われた。

抑圧されたダイアナはしばしば躁的な行動をとり、それを王室は歓迎せず擁護もしなかった。
あらためて年譜を見るとダイアナ妃の事故死は1997/08/31。映画はそれより6年ほど前の出来事だが、縁あってプリンセスオブウェールズになってしまった彼女のはかりしれない苦労がしのばれた。

『1983年彼女はニューファンドランド州首相のブライアン・ペックフォードに「ウェールズ王女としてのプレッシャーに対処するのは非常に難しいと感じているが、それに対処する方法を学んでいる」と打ち明けた。』(Wikipediaダイアナ妃、ウェールズ王女より)

ダイアナ妃のときも離れてからもホームレス/麻薬中毒者/高齢者/若年の貧困/エイズ/ハンセン病/癌・・・あらゆる弱者や疾病にたいする基金/募金を主導する慈善事業家で、どんな人にも分けへだてなく接して、誰からも愛された。

『彼女はエイズ患者との身体的接触を嫌がらず、そうする最初の英国王室人物となった。1987年、彼女はエイズ患者の偏見を払拭するための初期の取り組みの一つとして、エイズ患者と手を繋いだ。』(Wikipediaダイアナ妃、ウェールズ王女より)

博愛な人だったのにパパラッチに追いかけられて亡くなった。英国民の怒り悲しみはいかばかりだったことだろう。

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津次郎

4.5悲劇のプリンセスの実像に迫った映画

2023年6月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

実際の悲劇に基づく寓話との、但し書きがありますが、
かなり実像に近く感じました。

亡きダイアナ元王妃の離婚の間近の3日間。
1991年のクリスマスに焦点を当てた映画ですが、
クリステン・スチュワートの
迫真の名演技により非常に優れた作品だと思いました。

連なる軍用トラックの車列。鉄材の幾つものケース。
物々しく運ばれるそれらはクリスマスの休日を過ごす王族たちの
食糧でした。

この重装備や重圧を窺わせるシーン。
ダイアナは常に感じていたのでしょう。
ダイアナが主に会話を交わすのは、お世話係のメイド。
ダイアナに好意的なシェフ。
お目付け係のグレゴリー少佐(ティモシー・スポール)。
ダイアナが友達のように慕うメイドのマギー(サリー・ホーキンス)。

離婚間近のダイアナは精神が非常に不安定で、不貞などの罪で
夫のヘンリー8世に処刑されたアン・ブーリンと自分を
重ね合わせてしまいます。

不安神経症、適応障害、過食と拒食の摂食障害。
その内面は美しい外面とは想像が付かないほど荒廃しています。

食事時間に必ず遅れる。
(30分も待たされたら誰だって怒り心頭・・・)
(お騒がせのプリンセスは孤立無援です)
子供たち(ウィリアムとヘンリー)にまで、
「マミーがまた怒られるよ」と
本来なら守るべき役目の母親が、8歳のウィリアムに心配される。
不甲斐ないマミー。
カメラはダイアナの幻覚や心の中を描写していきます。
愛人カミラさんと同じパールのネックレスを貰ったトラウマから、
ディナーのグリーンスープに引きちぎったパールが飛び散り、
それを飲み込むダイアナ。
便器に顔を突っ込み嘔吐して鼻水を垂らし口を拭う。
クリステン・スチュワートはそのシーンを美しく演じるのです。
嘔吐シーンまで美しく映るクリステン・スチュワート。
(ゲボの音声は赤裸々でしたが・・・)
次のシーンではネックレスは見事に復元している。

音楽が秀逸で場面場面のダイアナの内面を活写して見事ですし、
ダイアナがクルクルと衣装を変えるシーンも、
大袈裟に盛り上げることない音楽が寄り添うのです。
幼い日々を過ごした実家のスペンサー邸。
特別な思い入れのある場所。
レースの凝りに凝った豪華なイブニング・ドレスに、
父親の赤いコートを羽織り真夜中に訪れるダイアナ。
階段の朽ち果てた屋敷。
(ダイアナの内面もまた朽ちていたのかもしれない)

イギリス国民に、全世界の人々に愛されたダイアナ・スペンサー。
マスコミの犠牲者のようなその生涯。
輝きを失うことなく人々の心に今も生きる。

かなりダイアナの実像に迫った映画だと実感しました。

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琥珀糖

4.0伝統は大切。やはり守らなきゃあ

2023年6月20日
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クリステンスチュワートの真に迫る熱演だけでもハラハラするのに
被さるバロック調の音楽でサスペンス度は十二分に。
ただこの映画がダイアナ妃の心境のどのタイミングでの描写か
全くわからないので映像だけのドキドキで終わっている。
幸せの絶頂とかこのあとすぐ離婚となったのかの時系列が
見えなかったのは残念。
もちろん含めて2時間に収めるなんて無理でしょうが。
80点
2
イオンシネマ桂川 20221018

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NWFchamp1973

4.5ダイアナの悲しみが突き刺さった。

2023年6月3日
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クリステン・スチュワートがほんとにダイアナに見えた。アン・ブーリンがあんなふうに出てくるとは思わなかった。

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だいず

4.5映画「スペンサーダイアナの決意」は映画「ガス燈」へのオマージュだ。

2023年2月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

映画「スペンサー」を見た時私は直ぐにある映画を思い出した。1944年に制作されたアメリカの「ガス燈」という映画だ。イングリッド・バーグマンが主演して、アカデミー賞主演女優賞を取った。サスペンス・スリラーの傑作で、フィルムノワールとしても格調の高い映画だ。この「ガス燈」と「スペンサー」には同じようなシチュエーションが使われていると思った。

 正式な心理学用語に「ガスライティング」という言葉がある。この「ガス燈」という映画が元になって作られた言葉だ。どのようなことを指すかというと、心理的虐待の一種で、故意に誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気、もしくは自身の認識を疑わせるように仕向ける手法の事だ。

 例を挙げれば、嫌がらせの事実を加害者が何もなかったかのように不定して見せたり、被害者を混乱させるために、モノや行動で脅して見せたりすることだ。映画「スペンサー」の中では明らかにこの手法が使われている。例えば、真珠の首飾り、体重計、アン・ブーリンの本、そして極めつけは、チャールズ皇太子による、彼女の疑念への全面不定だ。これらの事物が、ダイアナの混乱を増大させ、取り返しのつかないところへと追い込んでいく。

 2本の映画は、時代も内容も全く違う映画なのだが、主人公の味わう混乱と恐れ、自己不信は全く同じと思えるほどに良く似ている。ただ理解しなければいけないのは、このことでわかるように映画「スペンサー」はあくまでも、ドキュメントではなく創作であり、初めにクレジットされていたように、悲劇を伴う寓話、おとぎ話として理解すべきだと思う。そうでないと映画の中に潜まされた様々な比喩やメタファーを、あたかも真実であるように誤解してしまうのだ。あえて言うならば、真実と虚構の境目を不明瞭にすることによって、逆に真実を浮かび上がらせようとしているのかも知れない。とにかくそれなりの見識を持ってみるべき映画なのだ。

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グリーンリーフ

2.5ひとことReview!

2022年11月24日
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怖い

知的

難しい

「真実の悲劇に基づいた寓話」で、1991年のクリスマスのダイアナ妃の葛藤なんだとか。実際に観たら、何がしたいのかよく分からない感じ。偏差値50以上の大卒向け。

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極東新天地

2.5これも・・・

2022年11月21日
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悲しい

単純

求めていた内容とかけ離れた作品だった。
最初に、「寓話」なんて字幕出たから嫌な予感はしたんだけど。

ダイアナ妃の精神状態を、「こんな感じで描いてみました。」って言われれば、「まぁそうなんだろうな。」とは思えるけど、個人的には、頭がイカれた美人にしか見えなかった。

ビックリしたのは、『パニック・ルーム』の少女が美人になって、ダイアナ妃を演じていた事か。

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案山子男

3.5ダイアナの魅力とは

2022年11月20日
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クリステン・スチュワートも、美しく充分魅力的ではあるのですが…。
ちょっと背が低いこともあり、
改めて、ダイアナ妃のオーラの強さを思い知りました。

王室を出る三日間の出来事だから、神経衰弱した姿は痛々しかった。

遠い異国のことで、テレビからの情報でしか知らないし、
今となっては、何が真実か判らないけど、
ダイアナ妃って、本当に人を惹きつける魅力的な人だったのだなぁ…。
だから、パパラッチもあんなに過剰に追いかけてしまう、魔力のような魅力。
でも、私が見ていたのは、無理して笑っているダイアナ妃だったのかなぁ…。

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hkr21

2.0●主演女優がダイアナ元妃に容姿も雰囲気もよく似せている。これが最大...

2022年11月19日
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鑑賞方法:映画館

●主演女優がダイアナ元妃に容姿も雰囲気もよく似せている。これが最大の見どころだと思う。
●知らなかった英王室のしきたりも興味深く楽しんだ。
●主役の感情に沿ったバロック調のBGMも○。
●パンフレットがおしゃれでかわいい。

▲淡々と悲劇が描かれる。ところどころで主役の心理があまりに痛々しすぎて観ていられなくなる。
▲英国好きなら楽しめる。そうでなければ暗く陰鬱な作品という感想にとどまるだろう。隣の若い女性は早い段階から飽きてそうだった。

※制作費…1800万ドル

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Minoru

3.5ダイアナが英国内はもとより、世界中で人気を集めたことが、ダイアナにとっても王室にとっても不幸だったのかもしれない。

2022年11月14日
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鑑賞方法:映画館

たった3日間の話だとは、観るまで知らなかった。
冒頭で「寓話」だとテロップで示される。
“A FABLE FROM A TRUE TRAGEDY”…真実の悲劇に基づいた寓話…だと。

ダイアナ妃とチャールズ皇太子の関係は既に冷えきっていて、ダイアナの精神状態は限界に差し掛かっていた。
クリステン・スチュワートは、時に目や鼻を赤くして、壊れそうな、あるいは既に壊れたダイアナを迫真の演技で表現していた。
観ていて心臓が痛むほどに、ギリギリの状態が伝わってくる。

ただ、チャールズ皇太子(ジャック・ファーシング)、女王(ステラ・ゴネット)、グレゴリー少佐(ティモシー・スポール)は、冷徹に見えるような演出がなされてはいるが、大人になれ、王族らしく振る舞えと、ダイアナを諭すそれは決して横暴なレベルには見えない。むしろ、ダイアナの行動が奇行に見える。だが、適応できない人にとっては、当たり前の要求も拷問と同じなのだから難しい。
実際、ダイアナは最初から王室には馴染めず、むしろ馴染もうとしなかったと言われるほどで、チャールズ皇太子はそれに辟易としていたようだ。
ビリヤード台を挟んでチャールズとダイアナが対峙する場面で、チャールズ側のその様子も汲み取れる。
決してダイアナ擁護に徹した映画ではないと、感じた。

たが、王室という我々には知ることができない閉じた世界が、ある程度奔放に育ったらしいダイアナにとってどれ程棲みにくい場所だったのかは想像もできない。
クリスマスを祝うためにサンドリンガムに集まった王族の人達が無機質に冷ややかで、ダイアナから見たその世界の違和感を示している。

映画の序盤、軍の車列が進む田舎道でローアングルのカメラが鳥の死骸を手前に見せる。
それが、王族の嗜みであるキジ射ちのために飼育されているキジだと後に分かるのだが、それが何の隠喩かを考えることがこの映画が示す悲劇を探ることになる。

馴染みの衣装係(サリー・ホーキンズ)と引き離された後にダイアナが目にする幻影、誰かが意図的に置いたアン王妃の伝記本に支配されていくダイアナが、朽ちた生家パークハウスで襲われる妄想、破綻していくダイアナの心証風景が幻想的に描かれる。

二人の王子と密かにゲームに興じたとき、戻ってきた衣装係と海岸で戯れたとき、ダイアナは健康で可愛い女性に戻っていた。

今や立派な大人となって紆余曲折を経験した二人の王子たちは、この映画を観たら何をどう感じるのだろか、はたまた観るのだろうか、と気になってしまった。

日本の皇后様も、皇太子に嫁いだ直後に体調を崩された。彼女を今も支え続けている皇太子→天皇陛下のケアと当時のチャールズ皇太子を比較して良いとは思わないが、頭をよぎることは避けられない。

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kazz

3.5彼女の人生の苦悩を上手く切り取っている。

2022年11月7日
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着る服も自由に選べない着せ替え人形のような存在にされ、圧倒的な歴史と伝統に潰されそうになりながらも、自らの尊厳をかけて抵抗した人の壊れそうな、でも水々しい息吹を感じるドラマだった。最初は小さな抵抗や拒否だったのが、時代遅れの行事にノーを突きつけるさまは痛々しくも爽快である。チャールズを演じる俳優の人選はどんな映画でも手こずると思うが、この映画は押し出しが弱過ぎだろうと思った。ただ、ああいうプレゼントは王室だろうが平民だろうが同情されないし、ダイアナが苦しんでいるのに、自分には甘い彼に誰も同情できない。その彼がついに王になったのも感慨深い。それにしても、建物も小道具も本物を使えるわけでもなかろうに、よく似せてそれらしく見せる王室もの映画にいつも感心する。

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Boncompagno da Tacaoca

4.5もう、辛い…

2022年11月6日
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結末がわかってるから…

もう、クリスティンを助けてあげられない…

エンディングの曲な通りにはならないのは知ってる…

王子、特に兄貴、もう、いいです!

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かし

3.0クリステン・スチュワートの熱演と音楽が良い

2022年11月3日
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映像もあえて古めかしい色合いになっており音楽とのマッチングが良かった。

内容はクリスマス前後の3日間だけでダイアナ妃の苦悩と決意を上手く表現している。ただ、大きな起伏はないのでストーリー面での退屈さは否めなかったか。

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Chapman

3.5苦しい。

2022年10月29日
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ずっと苦しくて辛い。

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はな