スペンサー ダイアナの決意のレビュー・感想・評価
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王家に嫁いだダイアナの悲劇をデフォルメした
クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じた。時間が経ってしまったけど㊗️アカデミー賞主演女優賞初ノミネート。
そしてこれは観るに辛い作品だった。
1991年のクリスマス休暇の数日間が描かれた。このときすでに壊れていたダイアナ。常軌を逸した彼女の行動にヒリヒリした。
王家に嫁いだことが悲劇だった。
これはちょっと、、何のための映画?
英国好き・ダイアナ妃のファンなので鑑賞。
本作はほぼ全編、故ダイアナ妃と王室の確執(発端はチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫だが)が描かれているのだが、、日頃から被害妄想気味で、集合時間や食事の時間に遅れて皆を待たせる(何度も何度も執事達が呼びにくるのに)、お気に入りの衣装係じゃないと"1人で着る"と怒ったり、夜中に勝手に外出して立ち入り禁止状態の実家を見に行ったり、食事の時間に食べなかったから結局腹を空かして夜中勝手に冷蔵室に入って手当たり次第食い散らかしたり、銃声鳴り響くキジ狩りの場に乱入して息子2人を連れ帰ったり・・とダイアナ妃の子供じみたワガママっぷりをこれでもか、と言わんばかりに見せられ続けるので、「???何だ、これ?ダイアナ妃のディスり映画?」と感じた。果てはアン・ブーリンの亡霊まで登場してオカルト風に。何かもう「あ~、ダイアナさんて精神おかしかったんだ~」と世界中にお知らせしたいために作られた映画なのかと。。真実に基づいた"寓話"とのことなので、本作のどこまでが真実なのか不明だが、1997年8月31日に亡くなられて25年。もう故人の不名誉になる内容の映画はこれで最後にしてあげてほしい、と願う。
俳優さんの演技に問題は無いのだが、やはりご本人があまりに美しすぎて、どうしても比べてしまう。あの美貌と抜群のスタイルを再現するのは難しいだろう。
服、食事、王室
3DAYS
どう捉えるか
タイトルなし(ネタバレ)
【良かった点】
まずは主演のクリステンスチュワートが素晴らしい、ダイアナに見えるし、とても美しい。彼女がスクリーンの真ん中にいるだけで目が釘付けになる。演出も見事で、常にダイアナが感じていた圧迫感、窮屈な王族という世界をこちら側に感じさせられた。これは悲劇の御伽噺だ。
【良くなかった点】
海外圏では、ダイアナについては基礎情報で、周知の事実であるという前提で作られた作品。ダイアナが不倫され離婚する辺りから物語が始まるため、予備知識がないと若干ついていけない可能性あり。
居酒屋があればよかったのに
最初から不機嫌モード全開で始まる。
皆んな知っているからいいが、そうなる過程は欲しかった。何か暗い雰囲気になってしまっている。
そう思いながら観てたら気がついた。自分が単身赴任で名古屋に行っていた時と同じ思いをしているのだと。
あの時は疎外感いっぱいで、しかも名古屋の人たちはそこに所属している事が、最優先事項だった。
そんな中、耐えられない私は、毒を吐き、居酒屋で心を回復していた。
あ、仕事はこなしてました。
主人公と同じだと思った時から、共感モード。
結局、愚痴を言える居酒屋とか毒を吐ける同僚(同族)が居ればよかったのかな?
カミラさんとか、キャサリンさんとか役割をこなしていれから、人によるのかな?
うまくやっている女優さんでしたが、本物を知っていて、好きだったから、似てない部分が印象に残る。
あ、今も私に居酒屋は大事な存在です。
いまいち
ダイアナの映画なのに上映館数が控え目だなと思っていたら、案の定だった。
ドラマチックな37年の生涯の中のたった3日間にフォーカスした意欲作、というと聞こえは良いが、そんなに軽く扱っていいの? というのが率直な感想。
それに対する言い訳めいた冒頭の「寓話」というフレーズが更に印象を悪くしている。
確かにこれまでにも、彼女の庶民的な面や普通の弱い人間だという部分を捉えたものはあったが、本作では自傷癖のある変人ぶりが殊更に強調され過ぎている感じ。
アン・ブーリンのくだりは、それに対する補正というか中和させるような意味合いで取ってつけたような感じ。
それと、細かいことだがゲロを吐くシーンがあるのも個人的にはダメ。
制作側としては死後四半世紀という節目に、今まで散々語り尽くされた感のあるダイアナ物に少し違った視点でアプローチしてみようという意図だったのだろうが、少し中身が伴ってなかったかな。
クリステン・スチュワートは美しくエレガントでダイアナを演じるのに相応しいとは思ったが、本作においてはセミヌードも厭わない美人女優という位置付けだけでキャスティングされたのかなとしか映らないし、決して、彼女の代表作にはなり得ないと思う。
ところどころ過激
面白くはないが、変わった映画で楽しめました。
「事実をベースにした寓話」と本編冒頭にクレジットがありましたが、自叙伝や暴露本、インタビューなどから組み立てた「推測と想像の創作」という色合いが強いように感じました。
冒頭の第一幕では、一見すると生活習慣や伝統に適応できないワガママ女の錯乱話に思えます。
だが途中、二幕目あたりから、しっかり旦那が浮気しているのがバレた時期ゆえ、精神が壊れた、という描写となっておりました。
鬱によって正常さを失った女性と、それを取り巻く環境を、ホラーやサイコサスペンスの技法で描いていて。
「いかに怖がらせるか?」のあとに「この緊張をどう破綻(解放)させるか」。
『シャイニング』のような積み上げで、『ジョーカー』に近い解放の仕方かな。
カカシに着せていたダイアナの父の古着がキーワードとなり、「私はカカシのように立っているだけにはならない」と「私は王室に負けない、スペンサー(旧姓)として自分らしく生きる!」と決意するだけの内容だから、その気になれば10分程度でも表現可能なほど薄いのですが。
その決意に爽快感を覚えられるかどうかが、この作品を楽しめるかのポイントかな、と。
「あんな豪華な暮らしで、なんの不満が?」「大人ならちゃんと役割を果たせ」と、パワハラ肯定派なご意見の方には、全くつまらない映画だと思います。
表現はところどころ過激。
執事や衣装係にSPが四六時中付き纏い、監視している目を振り払うためとはいえ、
「〇〇がしたいから一人にして」
ってセリフはやり過ぎ感。
ダイアナが信頼する侍女のマギー(サリー・ホーキンス)が、「愛してます」と告白するシーンは、コミカルな百合に見せてますが、おそらく「国民の代表」として、ダイアナへの好意を代弁する意味なのだろうと解釈。
ロイヤルコーギーにしては、犬の毛の手入れがちょっと荒かったように感じました。
正直退屈してしまいました
3日間だけで描ききるダイアナ妃の苦悩
ダイアナ妃の苦悩をクリスマス休暇のたった3日間だけで描ききった脚本と主演のクリステン・スチュワートの演技が秀逸でした。
ダイアナ妃視点での寓話ですからどこまで真に迫っているかわからないですが胸が苦しくなるよう映画でした。でも息子たちとの時間とサリー・ホーキンス演じるマギーの存在とラストの決意のシーンは救いだったな。
ひたすら孤独
寓話
本作、冒頭の但し書きは「事実を基にした“寓話”」。
これが作品のすべてを物語っていると言っていいかもしれません。
(他のジャンルも同様ですが)伝記映画には、自分が見たいと思う主人公の人物像、背景、周辺人物とよく知るエピソードなどを求め、それに共感や感動することを期待しがちです。さらに、出来ればなかなか知りえないエピソードなどもあったりして、仮にそれがやや「盛り気味」だったとしても、ストーリーさえ巧くまとまっていれば、より興奮したりするものです。
果たして本作はどうかと言えば、はっきり言って意外性や新鮮味は感じない「さもありなん」と言った印象で、おそらく、普通に淡々と物語れば実に退屈な内容になったと思います。
実際、ダイアナとイギリス王室に関することは、既に色々な媒体で(虚実)語りつくされています。
だからこそ、そこに作品として成立させるアングルが「寓話」という表現方法なのでしょう。
他者から見ると「我儘を通り越し、最早奇怪な言動をとるダイアナ」が、彼女自身の混沌とした精神状態そのままに見せられる映像は、最早、何を信じていいのか、誰の身になって感じ、考えればいいのか、どう解釈したらいいのか、結果として誤魔化されているようにも感じます。
確かに、クリステンの好演、怪演は見ごたえあり、アカデミー賞主演女優賞ノミネートも伊達じゃありません。
また、ダイアナが「ウィンザー家」と一緒にいる唯一の理由であり救いの息子たちとの時間は、観ている私にもやはり救いでした。
元々、それほどに期待していなかったとは言うものの、疲れもあったせいか途中眠気に襲われるほど、正直「面白みに欠ける」仕上がりに思います。残念。
カカシと真珠のネックレス
自分でポルシェを乗り回しているなんて、結構自由が与えられてるじゃん!といった描写の冒頭部分。遅刻魔として、王室の写真撮影にも平気で遅れちゃったりするダイアナ。決断のクリスマスの3日間ではあるけど、すでに決意していたような気もする。
ドキュメンタリー映画はまだ観てないけど、俄然観る気満々になったし、『わが命つきるとも』(1966)や『ブーリン家の姉妹』(2008)をもう一度見たくなった。アン・ブーリンに喩えるところなんてゾクゾクしました。それにしても身につけるドレスが全て決まってるのもすごいエピソードだ。
そんなダイアナのおかしくなる精神状態描写の中でも真珠のネックレスをぶっちぎり、スープと一緒に飲み干すところは衝撃的。多分、このシーンだけは記憶に残りそう。
市民にも愛されたダイアナ妃。あの事故の当時は泣いた・・・2枚組CD「ダイアナ・トリビュート」も持ってるし、彼女の記憶は永遠だ。そんな苦悩の3日間の後、マギーにも会えたし、KFCも食べることができたし、ホッとした。ワンピースでもチキン早食い競争があっただけに、食いたくなったぞ。
エレガンスの中に渦巻く闇
本作の凄いところは、プリンセス・ダイアナの人物像と半生が、エリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスで過ごす3日間に凝縮し、描いているところ。
時は1991年のクリスマス前後。ダイアナ妃が自ら車を運転をし、迷子になっているシーンから始まる。出だしから、“一体どうなってるんだ?”とグイグイ物語に引き込まれていく。
本作では古いしきたりや規則を嫌い、“自由”を求める子どものようなダイアナ妃が印象的だった。
夫・チャールズ皇太子には愛人がいて、ダイアナ妃との仲は既に冷めきっている。
贅沢な生活に、羨望の目を向けられる彼女は、我儘に映るかもしれません。だけど、“幸せは本人が決めるもの”。それぞれその人の地獄があるということを描きたかったのではないでしょうか?
本当のダイアナ妃がどうだったのかは分からないが、本作で描かれるダイアナはあまりにも真っ直ぐで不器用。
なんといっても、ダイアナ妃を演じたクリステン・スチュワートがとびっきり美しい。ダイアナ妃が憑依したのではないかというほど、スタイルも表情も激似。
そして、ファッションも素晴らしい!!早速真似してみたい。
芸術性、演技力、美術、音楽、衣装、全てにおいてレベルが高い。とびきり上質な映画。
エレガントさの中に、英国王室の謎や歪みが比喩的に描かれているところも良かった。
ティモシー・スポール、サリー・ホーキンス、ショーン・ハリスと大物俳優達が脇を固めているのも見どころ!
主演のクリステン・スチュワートの熱演に注目!
ダイアナ妃を主人公にした映画は、つい先日ドキュメンタリー映画である「プリンセス・ダイアナ」を観たばかりでしたが、ほぼ同時期に本作「スペンサー ダイアナの決意」も上映していたので、比較してみるのも面白いと思い観に行きました。「プリンセス・ダイアナ」はドキュメンタリーなので、当然ダイアナ妃ご本人が登場する訳ですが、本作は俳優が演じる創作。しかしチラシや予告編を観ると、主演のクリステン・スチュワートが本物かと思うくらいダイアナ妃にそっくりなので、まずそれに驚かされました。初めて観る女優さんなので、元々ダイアナ妃に似ている方なのかと思ってググってみると、実際は全くそんな雰囲気はなく、寧ろ対極に位置するような感じの女優さんだったので、さらにビックリしました。因みにチャールズ皇太子を演じたジャック・ファーシングは、さほど似ているとは思えませんでしたが、エリザベス女王を演じたステラ・ゴネット、結構似ていたと思います。
内容については、ダイアナ妃が丁度30歳の時、1991年のクリスマス前後の3日間を舞台に、ダイアナ妃の心的風景を描いたものでした。当時ダイアナ妃は、夫であるチャールズ皇太子(現イギリス国王 チャールズ3世)の浮気に思い悩んでおり、後のインタビューで自傷行為や摂食障害にもなっていたという史実を膨らませる形で創られていて、幻覚にも悩まされているというお話になっていました。
面白かったのは、16世紀当時、自らの離婚のためにイギリスをローマ教皇圏から独立させ、英国教会を設立したことで有名なヘンリー8世と彼の2番目の妻であるアン・ブーリンにまつわる話と、チャールズとダイアナの話がリンクされて創られていたところ。ヘンリー8世は生涯で6人の妻を娶った稀代の好色家でしたが、そうした自分は棚に上げ、アン・ブーリンを不義密通などを働いた廉で処刑しました。本作の中のダイアナ妃も、チャールズ皇太子がカミラ女史(現 カミラ王妃)と通じているにも関わらず、他の男性と通じているのではないかと疑いが掛けられ(実際ダブル不倫することになる訳ですが)、周囲から窘められます。
この辺りは、イギリスの歴史を知っているとより楽しめると思いますが、知らなくても充分に楽しめる創りになっていたかと思います。(実際私も映画を観た後に調べました(笑))
ただ、ダイアナ妃の混乱した内心を表すため、アン・ブーリンの幻覚が登場すると同時に、ホラー映画チックな音楽が多用されていたのには、ちょっと違和感を覚えました。制作の意図は分からないではないですが、完全なホラー映画ではない訳で、あのホラー調の音楽は中途半端感が満載でした。
また、本作が描かれた3日間の体験を通じてダイアナ妃が離婚を決意し、自由に羽ばたくということで締めくくられていましたが、鳥かごを飛び出た「雉」が、その後どうなったかを知っている我々としては、非常に複雑な思いを抱かざるを得ないことも事実でした。
そんな訳で、主演のクリステン・スチュワートの熱演には大いに拍手を送りたいところですが、作品全体としてみると手放しで称賛できるものではなかったため、評価は★3としました。
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