ホロコーストの罪人のレビュー・感想・評価
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ナチスのホロコーストをめぐる、ノルウェーに実在した家族の物語
これは、ナチスのホロコーストをめぐる、ノルウェーのユダヤ人一家ブラウデ家の物語だ。
プロボクサーであるチャールズは、美しい娘ラグンヒルと結婚し、幸せな時を過ごす。
しかし、その幸せもつかの間、ナチスドイツのノルウェー侵攻が始まる。
ノルウェーを占領したナチスは、ユダヤ人に対し、調査票の提出を求め、身分証に“J”の字の赤いスタンプを押し、ユダヤ人のリストを作成していく。
ある日、チャールズは父親と二人の男兄弟とともに逮捕され、ノルウェー国内のベルグ強制収容所へ送られる。
そこでは、厳しい強制労働を課されるが、チャールズは家族の絆で毎日を乗り越えていく。
しかし、ついにノルウェー国内にいる、すべてのユダヤ人を港に集め、ドイツ行きのドナウ号に乗せるよう、命令が下される。
ベルグ強制収容所で、一人ずつ名前が読み上げられるが、なぜか、チャールズと数人だけが、収容所に残るよう命じられ、家族は引き裂かれていく。
チャールズやその家族、そして、ノルウェー国内のユダヤ人をベルグ強制収容所へ送り、港へ送り、アウシュビッツへ送ったのは、ノルウェー人だ。
ナチスが命令したことではあるが、直接手を下し、ナチスに加担したのは、まぎれもなくノルウェーの警察だ。
事実は風化していくかもしれないが、ナチスの教訓は絶対に忘れてはならない。
現在も、隣国で数多くの虐殺が行われている。世界中の民主主義国家の力で、これを阻止しなければならない。
日本も他人事ではない日が来るかもしれない。それを肝に命じなければならないだろう。
傀儡政府の罪
第二次世界大戦中、ホロコーストに加担したというノルウェーの秘密警察の手により離れ離れとなるユダヤ人の家族を描いた作品。
終始とにかく重い作品。ホロコーストについては、ナチスの重罪として当然知っていたが、ノルウェーがこういった形で関わっていたとは知らず。このテの作品は何度見ても、新しく哀しい発見がありますね。
実在したブラウデ一家に起こった悲劇を中心に描き、映画作品としてのエンタメ性等々は粗皆無。
幸せな日常が一転、罪もなくバラバラにされる家族。男達が連れていかれたのはベルグ収容所。
例の如く、ナチス兵に酷い目にあわされる毎日だが、家族一緒なのがせめてもの救い。収容所長の蛮行後、チャールズを囲み笑いあう家族。せめてもの救いですね…。
同じ頃、家に残った母親も財産差し押さえの目に遭い。。情けはあるって、どういう気持ちで観れば良いの?
収容所では急に2グループにされるユダヤ人達。お父さんの判断、最初は「何故?」とも思ったが、何となく予感がしてたのでしょうか。まぁいずれにせよバレちゃったらよりマズかっただろうし。。
直後のチャールズのせめてもの抵抗に少し胸がアツくなった。
そしてクライマックスは胸が締め付けられる。大切な人と共に、ってのが僅かな慰めかな。
全体を通し、テンポは悪くないものの、あまり起承転結というか起伏を感じさせない展開。映画を「楽しむ」という作品ではないのである意味当然ではありますが。
ホロコーストに加担したということであれば、確かにそれはノルウェーの罪ではあるけど、言うまでも無くそもそもの悪は別の所にありますからね。実際に、当時のノルウェー国家を操っていたのはナチスなんでしょうし。
終始悲しい作品ではあるが、その中でも助け合う家族の心強さに勇気づけられた作品だった。
2021年現在も各国で様々な事が起こっておりますが、武力や金をちらつかされて正義が屈するようなことがあってはなりませんね。
あと、これも事実に沿っているのかもしれませんが、ハリーに比べてイサクが何となく冷遇されているような…?
贖罪の映画
これはノルウェーのユダヤ人への贖罪の映画なのだろう。数百万人のユダヤ人が殺されたホロコーストの犠牲の中では、この映画で語られる数百人のノルウェーからの移送者はごく一部に過ぎない。しかし、もちろん一つ一つの尊い家庭の生活があり、それが奪われたことが、収容前の生活が描かれていることで心に響く。最近まで政府の公式の謝罪もなかったということが信じられないが、屈辱的な対独協力はできれば語りたくない過去だったのだろう。
単純にノルウェーが悪いのか、というとそれも微妙なところ。
今年110本目(合計174本目)。
今日は4本視聴。その中で、ナチスドイツを扱った映画は2つ連続になります。
こちらは、あまり知られていない、ナチスドイツのいわゆるユダヤ人迫害に、一見すると無関係なノルウェーが関与して、結果的にノルウェーにいた(逃げていた)ユダヤ人が被害にあった、という実話をベースにするストーリー。
一見すると、じゃ単純に関与したノルウェーが悪いんですねということになりますが、それもまた微妙です。映画および実史通り、当時、ドイツとノルウェーは戦争状態で、ノルウェーはドイツに降伏したのです。そのため、ノルウェーの政府は事実上機能しなくなり、ただのドイツのいいなり政府と警察等しかいない状況になってしまったのです。
最後に語られる「ユダヤ人迫害はドイツによって行われたが、わが国(ノルウェー)も加担したと言われればその通りだ」と語っている点がそれを物語ります。
そのような事情があるため、単純に「ノルウェーが悪い悪い」と言うだけなら簡単ですが、そう簡単な状況ではないわけです。
しかも、ユダヤ人は当時多くの国に逃げていましたが、ノルウェーは人口比率に対して逃げてきたユダヤ人が少なかったため、結果的にほぼ全員が被害にあったという事情があり(他の国では助かった命もあった)、このことが事情を複雑にしています。
確かにこの映画「それ自体」を観れば、迫害行為に加担したノルウェーが悪いというようには言えます。それ自体は確かにそうでしょうが、それだけだと何の意味もありません。当時のノルウェーはドイツに降伏した状態でまともな政府が存在せず(いわゆるドイツの言いなり政府だった。特に司法権に関してはドイツの言いなり)、そのような特異な状況でノルウェーの起こした出来事をことさらに取り上げてどうこういうのは簡単ですが、それもまた違うのではないか…というところです。
※ もちろん、高校世界史まで含めて、そのようなことは一切教えないし学習する機会も存在しない。
上記に書いた通り、ノルウェーに逃げてきたユダヤ人はもともと少なかったのに、降伏したために被害が拡大したという複雑な事情があり、さらに、ノルウェーにとてはユダヤ人迫害問題はある意味「どうでも良い」話でしかないのに「ドイツの言いなり国家」化した降伏後は、「結果的に」迫害に加担してしまっているわけです。この「結果的に」という点がポイントで、ノルウェーはごく最近まで(2002年)無視を決め込んだものの、ユダヤ人問題は当時(現在、2021年も)解決していなかった(現在形でも、「していない」)という事情、さらにこのような告発もされるようになり、動かぬ証拠を叩きつけられた当時のノルウェー政府が正式に謝罪し、迫害されたユダヤ人の名誉回復と今後の再発防止等を約束したわけです。
本映画はこの点が最大の論点で、この点をはずすと「ドイツ以外に最低な国があるよね」に「しかならず」、しかし、それは当然、映画が伝えたかったことではないはずです。
公式サイトなどでは詳しくこの辺書かれていますので、観る前に予習必須かなという感じです。
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※ 日本も似たような歴史があります。
日本は第二次世界大戦に敗戦するとGHQがやってきて政権を握りました。
いわゆる、在日韓国人(朝鮮人)問題の原点と言える「阪神教育事件」(昭和23年)もその1つです。
この事件は、表向きこそ日本政府の指示、文部省(当時)の通達ですが、もとはといえば、GHQが「在日朝鮮人も日本の教育基本法、学校教育法の対象にさせる」と言い始め、政府に何も確認をとらずに(取らせてもくれない)、当時の政府もGHQに逆らえないので「じゃそうしましょう」とやってしまったのが、あの事件です。
ほか、日本も同じような、「占領下で起きたできごと」は、戦後の混乱期ではいくつもあります。
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こういう映画が公開されること、それ自体に評価が高いし、かつ、特に評価点を下げる要素はないので、フルスコアにしています。
敗戦国の宿命
原題は、「Betrayed」で「裏切られて」です。
邦題は、「ホロコーストの罪人」です。
映画には、ヒトラーの写真は出てきますが、邦題に「ヒトラー」という単語が入らなかったのは良いです。
原題の方が、ユダヤ人の気持ちを表しています。
歴史を淡々と描いているので、ホロコーストについて、興味がない人は、寝てしまう映画です。
実際に、映画が始まると早々にいびきをかいて寝ている観客がいました。
この映画に興味のない人が勉強のためとか、教養のためとかで鑑賞しない方が良いです。
多くのナチスに関する映画が公開されてきました。
ナチスに関する映画をよく見る人にとっては、貴重な事実を知ることができる映画です。
リトアニアは、17世紀にスウェーデン軍によって、壊滅されました。
リトアニアは、ロシアに占領されました。
ドイツとロシアは、19世紀に戦争が行われ、リトアニアから多くの人が移住しました。
ブラウデ夫婦は、リトアニアからノルウェーへ移住しました。
ブラウデ夫婦が、ノルウェーからスウェーデンへ逃亡したくない気持ちにも歴史があるということです。
主人公は、移住した親の子供ということで、移民第2世代です。
主人公は、ノルウェーで生まれ、育ち、ノルウェー代表のボクサーとして、スウェーデン代表として試合で勝利し、ノルウェー人と結婚するなどして、ノルウェー人という意識が強く、移民であるユダヤ人である意識が薄いです。
主人公の親は、ノルウェー人である前に、ユダヤ人であるという意識が強いです。
ノルウェー人は、移民であるユダヤ人に対する反感を持ちました。
今でもノルウェー人は、移民に対する反感があることは、映画「ウトヤ島、7月22日」の事件についての背景を調べればわかります。
ナチスは、ノルウェーへ侵攻し、占領しました。
この経過については、映画「ヒトラーに屈しなかった国王」を鑑賞するとわかります。
一部のノルウェー人が、ナチスに協力しただけで、ノルウェーに住んでいる全てのユダヤ人を集めて、強制労働させ、アウシュヴィッツへ移送させます。
アウシュヴィッツについては、映画「アウシュヴィッツ・レポート」を鑑賞するとわかります。
些細なことで、生死を分けるということは、映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」を鑑賞するとわかります。
ナチスに、敗戦し、占領され、親ナチス派の政治家や警察官のノルウェー人が、ノルウェーを支配したということです。
日本も、敗戦し、戦勝国である米国や中国の言いなりになり、親米派、親中派という日本の政治家達が、日本を支配していることを痛感しました。
パンフレットは、良くできています。
ストーリーも、人物関係も、キーワードも、歴史も、解説もよくまとめられています。
理解できないことがあるなら、パンフレットの購入をお勧めします。
以上。いや、もう一つあったかな?
ファイザー社製新型コロナワクチンの第二回目の接種を終えました。
新型コロナウイルスに感染することなく、ファイザー社製新型コロナワクチン接種を終えました。
今後も、新型コロナウイルスの感染防止に努めます。
新型コロナワクチンを接種する人が増えることを願っています。
過去の汚点を堂々と映画化できる土壌
第二次大戦時にノルウェーで行われたユダヤ人の強制連行に、ノルウェー人が加担していたという罪を真正面から捉えているが、スクリーンに映し出されるのはユダヤ人への止めどない悲劇。
7~8月にかけてナチス・ホロコーストが題材の映画が数本公開されるが、本作が一番救いがなく、観終わって一番気分が落ち込んだ。いや、救いはあるにはあるけど、重苦しさがそれを呑み込んでしまっている。
過去の自国の汚点を描く映画なんて、金を払ってまで観ようとはなかなか思いにくい。だから映画会社としても収益は見込めないから、あまり作りたくないというのが本音だろう。にもかかわらず知るべき過去として映画化するという土壌が備わっているのは、純粋に凄いと思う。情けない事に我が日本映画界にはその土壌はない。ジョニー・デップの『MINAMATA』みたいな映画だって、本来ならこの国で作るべきテーマなのに…
あまりにも辛い内容なので日本でもヒットは厳しかろうけど、それでも本作を買い付けて公開に踏み切った配給会社さんに敬意を表したい。
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