ホロコーストの罪人のレビュー・感想・評価
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出来れば思い出したくない事。
今年のホロコースト3本目
占領下だったとはいえ、ノルウェーがナチスに協力してユダヤ人を狩ったという事実を実在の家族の運命をもとに世に知らしめる目的で作られた贖罪映画。
長年事実を認めてなかったが2012年に国として初めて謝罪したそうだ。
まず謝らない事には許される事もない、、、自分で自分を許してはいけない、、だれも見ていなくても神が見ている、、こういうのはやっぱり宗教の違いかなぁ?
「裏切り」と「家族愛」
本日、「沈黙のレジスタンス」に続いて鑑賞。
こちらは上記作品より、時系列や登場人物がわかりやすく観やすい映画だと思います。
当時のノルウェーのお国事情で、自国の警察によって追い詰められていくユダヤ人家族がやるせない。同じ国民だったのに、事務員でさえ淡々と収容所にユダヤ人を送る仕事をこなす姿も怖い。隣人も信じられない環境で疑心暗鬼になりながら、家族や同じ民族を救いたいと願うユダヤ人たち。家族がバラバラになり財産も没収され処刑され、というのはよくあるお話かもしれませんが、アウシュビッツでの別れ方がとても切ない。「ソフィーの選択」を思い出しました。
個人的には、主演の男優さんが好み❣️
「J」の押印
1940年のナチスの侵攻により壊れたノルウェーのユダヤ人一家の実話に基づく話。
ユダヤ人ではない女性と結婚したボクサーの二男を中心に、ある日突然ベルク収容所に連行された3兄弟と父親、及び、残された妻と子供達、そしてノルウェー人の加担等をみせていく。
ユダヤ人であるということを軽視した発言に対する父親のリアクションは、ルーツとか信仰とかそういうものに拘りの無い自分の胸には嫌な引っ掛かりがあったけれど、それはホロコーストの結末を知っているからいえることだよな…。
どこまでわかっていたのか、想像出来たのかわからないけれど、少しゆったりし過ぎにもみえた母親の後悔とか、スウェーデンへの脱出に対する葛藤とか、ある一つの真実の姿がみられてなかなか良かった。
現在では既に常識として何があったのかはわかっているだろうという前提なのだろうけれど、伝える作品としてラストはもう一歩先までみせて欲しかったし、字幕の部分ももう少しドラマとしてやって欲しかったかな。
【差別/沈黙する神】
ナチス・ドイツは、第二次世界大戦中、大陸欧州のほぼ全域を占領下に治めていた。
ノルウェーの他、北欧ではデンマーク、ベルギー・オランダ・ルクセンブルクのベネルクス3国、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト3国、アウシュビッツのあるポーランド、いまは2国分かれたチェコスロバキア、ハンガリー、アルバニアなど東欧、オーストラリア、そして、フランス。一部地域や小国を含めたらもっとだ。
この作品のエンドロールの後に流れるテロップが、メッセージとしては、実は、様々なことを示唆し、重要であるように思う。
ノルウェーでは、映画に描かれてはいないユダヤ人に対する差別が他にも多くあったこと、更に、1200人ものユダヤ人がノルウェーからスウェーデンに逃れたことだ。
先に述べた国々では、ユダヤ人に関する調査が実行され、それは、虐殺を前提にしたものとは考えられなかったため、多くの人が、誰がユダヤ人であるのか知らせたり、半ば、告発のようなことが行われた。
ユダヤ人は人種ではなく、ユダヤ教を信じる人達のことだ。
しかし、昔から、苛烈な差別を受けたことにより、パレスチナを追われ、ヨーロッパ中に散り散りになった後も、ユダヤ人は、団結し、分け合い、困難を乗り切ってきたのだ。
教育水準は高く、音楽など芸術にも通じ、実は豊かでもあり、それを、他の人々は恐れ、嫉妬心を募らせたのだ。
往々にして、差別などというものは、こうして起こるのだろう。
いくつか、大戦中のユダヤ人のおかれた過酷な状況を映画化したものはあるが、このユダヤ人家族が出て行けば、この土地屋敷は、自分のものになるといった動機付けが描かれたものもあって、人は恐ろしいなと考えたりもした。
ナチス・ドイツは、こうした古くからある差別を巧妙に利用し、罪を共有させたのだ。
(以下ネタバレ)
映画の間中、結果を想像してか、重苦しい雰囲気がずっと続く。
事実に基づいた物語なのに、もっと早く逃げなよ、余計なことするなよ、神は沈黙しているじゃないかなどという想いが頭をよぎるが、最後に、最大の拠り所が実は家族なのだと気付き、更に胸が苦しくなる。
妻が非ユダヤ人だったことで、生き残るチャールズ。
エンドロール前のテロップで、戦後、チャールズ夫婦が離婚したと知って、チャールズの背負った、自分だけが助かったという十字架の苦悩を改めて考えてしまう。
約600万人のユダヤ人がナチスによって虐殺された。
コロナ禍でやや風向きが変わっているかもしれないが、近年のヨーロッパでは、人種主義に基づいた大衆迎合主義の台頭が著しかった。
しかし、こうした作品が作られることの意義を理解し、差別を背景にした悲劇が二度と起こってはならないと考える人が多くいることは大切なことだと思う。
ユダヤ人に対する嫉妬や差別が虐殺を助長したことは、ヨーロッパの人々は決して忘れてはならないし、戦時中の日本軍の行った他人種への虐殺を顧みることを日本人も止めてはならない。
日本は無宗教的な人はもとから多いが、アメリカやヨーロッパでも、熱心に宗教を中心に生活する人は少なくなってきているようだ。
元来、宗教の担っていた分け与えるといったところを、社会保障など社会システムが肩代わりしてきた結果だろう。
しかし、民主主義が十分じゃない地域や、紛争地域では、未だに、宗教を背景にした争いが続いている。
戦後、ユダヤ人を厄介払い出来ると考えて、イスラエル建国に傾いたヨーロッパの人々には、現在パレスチナで起こるイスラエルと、イランの支援を受けるハマスやヒズボラとの争いを、協力・仲介して、無くなるよう責任を持った行動が必要だと思うし、日本もイランと友好国であることを活かして、役割を共有して欲しいと強く思う。
アフガニスタンでタリバン政権が復活し、女性や教育を受ける権利は奪わないとする一方、あくまでもイスラム法の解釈の下でという括弧書きが付け加えられている。
国際社会は、強く団結して取り組まないとならないのだと、改めて強く思う。かつて、苛烈な差別に対抗するために団結し分け合ったユダヤ人のようにだ。
申し訳ないが、神はまた沈黙するだろう。
だが、それは、人間が自らの知恵で解決することを期待しているからに違いないのだ。
無力感に気が遠くなる
観ていて辛い作品である。第二次大戦時のユダヤ人の受難を扱った作品は何本も観たが、本作品はどういう訳か、登場人物の誰にも感情移入できなかった。
ユダヤ人家族の描き方に問題があると思う。描かれたブラウデ家は家族第一主義であり、ユダヤ主義である。家族を大事にしているかという説教があり、食事の前の長ったらしい祈りの儀式を後生大事に守ろうとする。愛情よりも形式なのだ。これではこの家族に好意を持つ人はいないだろう。
しかしユダヤ人でない嫁を受け入れた点を考えても、実際のブラウデ夫妻は映画が表現するようなスクエアな人格ではないと思う。製作者の意図は不明だが、少なくともユダヤ人に対して好意的な描き方ではない。ブラウデ家の人々に感情移入できなかった理由の多くはそこにある。もしかしたらノルウェー人にはいまでもユダヤ人に対する差別意識が残っているのではないか。
何をもってユダヤ人とするのか、いくつか議論があるようだが、少なくとも日本人や中国人がユダヤ教を信じて儀式を完全に行なったとしても、ユダヤ人とは呼ばれにくい気がする。ヒトラーがユダヤ人と呼んだ定義は不明だが、アジア人や黒人は見た目だけでユダヤ人ではないと判断されただろう。白人でも、日頃からヘブライ語を話しているならともかく、ノルウェーに住んでノルウェー語を話す人間をユダヤ人と判断できるのはどうしてなのか。
このあたりが日本人にはなかなか理解し難いところである。在日の朝鮮人や中国人がいても、日本語を流暢に操れば日本人と区別がつかないし、戦後の日本人には朝鮮人や中国人を差別する意識は殆どないだろう。無宗教の日本人には食事前に祈るような厄介な風習もないから、差別にも繋がりにくい。そもそも隣人や同僚を中国人や朝鮮人ではないかと疑ったりすることがない。在日三世の人たちは日本語しか話せない人も多い。
ところが戦前の国家主義や国粋主義を引きずっている精神性の人間の中には、石原慎太郎のように「三国人」といった発言をする者もいる。2000年4月のことだ。ニュースでその発言を聞いたときは腰を抜かしそうになった。ヒトラーが「ユダヤ人」と言ったのと同じだからである。ドイツで同様の発言を政治家がしたら、政治生命を失うどころか、逮捕すらされかねない。石原は戦後55年を経ても尚、民主主義に首肯しなかった政治家である。不寛容さにかけてはタリバンにも引けを取らない。
にもかかわらず石原はその後の都知事選で3回も圧勝している。当方はこの結果を見て、東京都の有権者に絶望してしまった。ヒトラーと同じ精神性の政治家に都知事を4期も務めさせたのだ。このことの恐ろしさに気づいている有権者もそれなりにいるかも知れないが、圧倒的多数は気づいていない。同じ精神性の小池百合子が何度も都知事選で圧勝するのがその証拠だ。そして同じような精神性の政治家はたくさんいる。つまりそういう政治家を当選させる有権者が膨大に存在するということだ。無力感に気が遠くなる。
チャールズを演じた俳優がマット・デイモンみたいでなかなかいい。ブラウデ家がまともな描き方をされていたら、この人に感情移入して、本作品を観るのにもう少し気持ちがこもったと思う。
ただ、連行されて強制労働させられ、裸にされてガス室に送られるのがユダヤ人だけではなく、そのうち日本人もそういう運命になるのではないかという悪い予感はした。パラリンピックの学徒動員を見て、その日はそう遠くないのではないかと思った。
ナチスのホロコーストをめぐる、ノルウェーに実在した家族の物語
これは、ナチスのホロコーストをめぐる、ノルウェーのユダヤ人一家ブラウデ家の物語だ。
プロボクサーであるチャールズは、美しい娘ラグンヒルと結婚し、幸せな時を過ごす。
しかし、その幸せもつかの間、ナチスドイツのノルウェー侵攻が始まる。
ノルウェーを占領したナチスは、ユダヤ人に対し、調査票の提出を求め、身分証に“J”の字の赤いスタンプを押し、ユダヤ人のリストを作成していく。
ある日、チャールズは父親と二人の男兄弟とともに逮捕され、ノルウェー国内のベルグ強制収容所へ送られる。
そこでは、厳しい強制労働を課されるが、チャールズは家族の絆で毎日を乗り越えていく。
しかし、ついにノルウェー国内にいる、すべてのユダヤ人を港に集め、ドイツ行きのドナウ号に乗せるよう、命令が下される。
ベルグ強制収容所で、一人ずつ名前が読み上げられるが、なぜか、チャールズと数人だけが、収容所に残るよう命じられ、家族は引き裂かれていく。
チャールズやその家族、そして、ノルウェー国内のユダヤ人をベルグ強制収容所へ送り、港へ送り、アウシュビッツへ送ったのは、ノルウェー人だ。
ナチスが命令したことではあるが、直接手を下し、ナチスに加担したのは、まぎれもなくノルウェーの警察だ。
事実は風化していくかもしれないが、ナチスの教訓は絶対に忘れてはならない。
現在も、隣国で数多くの虐殺が行われている。世界中の民主主義国家の力で、これを阻止しなければならない。
日本も他人事ではない日が来るかもしれない。それを肝に命じなければならないだろう。
傀儡政府の罪
第二次世界大戦中、ホロコーストに加担したというノルウェーの秘密警察の手により離れ離れとなるユダヤ人の家族を描いた作品。
終始とにかく重い作品。ホロコーストについては、ナチスの重罪として当然知っていたが、ノルウェーがこういった形で関わっていたとは知らず。このテの作品は何度見ても、新しく哀しい発見がありますね。
実在したブラウデ一家に起こった悲劇を中心に描き、映画作品としてのエンタメ性等々は粗皆無。
幸せな日常が一転、罪もなくバラバラにされる家族。男達が連れていかれたのはベルグ収容所。
例の如く、ナチス兵に酷い目にあわされる毎日だが、家族一緒なのがせめてもの救い。収容所長の蛮行後、チャールズを囲み笑いあう家族。せめてもの救いですね…。
同じ頃、家に残った母親も財産差し押さえの目に遭い。。情けはあるって、どういう気持ちで観れば良いの?
収容所では急に2グループにされるユダヤ人達。お父さんの判断、最初は「何故?」とも思ったが、何となく予感がしてたのでしょうか。まぁいずれにせよバレちゃったらよりマズかっただろうし。。
直後のチャールズのせめてもの抵抗に少し胸がアツくなった。
そしてクライマックスは胸が締め付けられる。大切な人と共に、ってのが僅かな慰めかな。
全体を通し、テンポは悪くないものの、あまり起承転結というか起伏を感じさせない展開。映画を「楽しむ」という作品ではないのである意味当然ではありますが。
ホロコーストに加担したということであれば、確かにそれはノルウェーの罪ではあるけど、言うまでも無くそもそもの悪は別の所にありますからね。実際に、当時のノルウェー国家を操っていたのはナチスなんでしょうし。
終始悲しい作品ではあるが、その中でも助け合う家族の心強さに勇気づけられた作品だった。
2021年現在も各国で様々な事が起こっておりますが、武力や金をちらつかされて正義が屈するようなことがあってはなりませんね。
あと、これも事実に沿っているのかもしれませんが、ハリーに比べてイサクが何となく冷遇されているような…?
贖罪の映画
これはノルウェーのユダヤ人への贖罪の映画なのだろう。数百万人のユダヤ人が殺されたホロコーストの犠牲の中では、この映画で語られる数百人のノルウェーからの移送者はごく一部に過ぎない。しかし、もちろん一つ一つの尊い家庭の生活があり、それが奪われたことが、収容前の生活が描かれていることで心に響く。最近まで政府の公式の謝罪もなかったということが信じられないが、屈辱的な対独協力はできれば語りたくない過去だったのだろう。
単純にノルウェーが悪いのか、というとそれも微妙なところ。
今年110本目(合計174本目)。
今日は4本視聴。その中で、ナチスドイツを扱った映画は2つ連続になります。
こちらは、あまり知られていない、ナチスドイツのいわゆるユダヤ人迫害に、一見すると無関係なノルウェーが関与して、結果的にノルウェーにいた(逃げていた)ユダヤ人が被害にあった、という実話をベースにするストーリー。
一見すると、じゃ単純に関与したノルウェーが悪いんですねということになりますが、それもまた微妙です。映画および実史通り、当時、ドイツとノルウェーは戦争状態で、ノルウェーはドイツに降伏したのです。そのため、ノルウェーの政府は事実上機能しなくなり、ただのドイツのいいなり政府と警察等しかいない状況になってしまったのです。
最後に語られる「ユダヤ人迫害はドイツによって行われたが、わが国(ノルウェー)も加担したと言われればその通りだ」と語っている点がそれを物語ります。
そのような事情があるため、単純に「ノルウェーが悪い悪い」と言うだけなら簡単ですが、そう簡単な状況ではないわけです。
しかも、ユダヤ人は当時多くの国に逃げていましたが、ノルウェーは人口比率に対して逃げてきたユダヤ人が少なかったため、結果的にほぼ全員が被害にあったという事情があり(他の国では助かった命もあった)、このことが事情を複雑にしています。
確かにこの映画「それ自体」を観れば、迫害行為に加担したノルウェーが悪いというようには言えます。それ自体は確かにそうでしょうが、それだけだと何の意味もありません。当時のノルウェーはドイツに降伏した状態でまともな政府が存在せず(いわゆるドイツの言いなり政府だった。特に司法権に関してはドイツの言いなり)、そのような特異な状況でノルウェーの起こした出来事をことさらに取り上げてどうこういうのは簡単ですが、それもまた違うのではないか…というところです。
※ もちろん、高校世界史まで含めて、そのようなことは一切教えないし学習する機会も存在しない。
上記に書いた通り、ノルウェーに逃げてきたユダヤ人はもともと少なかったのに、降伏したために被害が拡大したという複雑な事情があり、さらに、ノルウェーにとてはユダヤ人迫害問題はある意味「どうでも良い」話でしかないのに「ドイツの言いなり国家」化した降伏後は、「結果的に」迫害に加担してしまっているわけです。この「結果的に」という点がポイントで、ノルウェーはごく最近まで(2002年)無視を決め込んだものの、ユダヤ人問題は当時(現在、2021年も)解決していなかった(現在形でも、「していない」)という事情、さらにこのような告発もされるようになり、動かぬ証拠を叩きつけられた当時のノルウェー政府が正式に謝罪し、迫害されたユダヤ人の名誉回復と今後の再発防止等を約束したわけです。
本映画はこの点が最大の論点で、この点をはずすと「ドイツ以外に最低な国があるよね」に「しかならず」、しかし、それは当然、映画が伝えたかったことではないはずです。
公式サイトなどでは詳しくこの辺書かれていますので、観る前に予習必須かなという感じです。
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※ 日本も似たような歴史があります。
日本は第二次世界大戦に敗戦するとGHQがやってきて政権を握りました。
いわゆる、在日韓国人(朝鮮人)問題の原点と言える「阪神教育事件」(昭和23年)もその1つです。
この事件は、表向きこそ日本政府の指示、文部省(当時)の通達ですが、もとはといえば、GHQが「在日朝鮮人も日本の教育基本法、学校教育法の対象にさせる」と言い始め、政府に何も確認をとらずに(取らせてもくれない)、当時の政府もGHQに逆らえないので「じゃそうしましょう」とやってしまったのが、あの事件です。
ほか、日本も同じような、「占領下で起きたできごと」は、戦後の混乱期ではいくつもあります。
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こういう映画が公開されること、それ自体に評価が高いし、かつ、特に評価点を下げる要素はないので、フルスコアにしています。
敗戦国の宿命
原題は、「Betrayed」で「裏切られて」です。
邦題は、「ホロコーストの罪人」です。
映画には、ヒトラーの写真は出てきますが、邦題に「ヒトラー」という単語が入らなかったのは良いです。
原題の方が、ユダヤ人の気持ちを表しています。
歴史を淡々と描いているので、ホロコーストについて、興味がない人は、寝てしまう映画です。
実際に、映画が始まると早々にいびきをかいて寝ている観客がいました。
この映画に興味のない人が勉強のためとか、教養のためとかで鑑賞しない方が良いです。
多くのナチスに関する映画が公開されてきました。
ナチスに関する映画をよく見る人にとっては、貴重な事実を知ることができる映画です。
リトアニアは、17世紀にスウェーデン軍によって、壊滅されました。
リトアニアは、ロシアに占領されました。
ドイツとロシアは、19世紀に戦争が行われ、リトアニアから多くの人が移住しました。
ブラウデ夫婦は、リトアニアからノルウェーへ移住しました。
ブラウデ夫婦が、ノルウェーからスウェーデンへ逃亡したくない気持ちにも歴史があるということです。
主人公は、移住した親の子供ということで、移民第2世代です。
主人公は、ノルウェーで生まれ、育ち、ノルウェー代表のボクサーとして、スウェーデン代表として試合で勝利し、ノルウェー人と結婚するなどして、ノルウェー人という意識が強く、移民であるユダヤ人である意識が薄いです。
主人公の親は、ノルウェー人である前に、ユダヤ人であるという意識が強いです。
ノルウェー人は、移民であるユダヤ人に対する反感を持ちました。
今でもノルウェー人は、移民に対する反感があることは、映画「ウトヤ島、7月22日」の事件についての背景を調べればわかります。
ナチスは、ノルウェーへ侵攻し、占領しました。
この経過については、映画「ヒトラーに屈しなかった国王」を鑑賞するとわかります。
一部のノルウェー人が、ナチスに協力しただけで、ノルウェーに住んでいる全てのユダヤ人を集めて、強制労働させ、アウシュヴィッツへ移送させます。
アウシュヴィッツについては、映画「アウシュヴィッツ・レポート」を鑑賞するとわかります。
些細なことで、生死を分けるということは、映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」を鑑賞するとわかります。
ナチスに、敗戦し、占領され、親ナチス派の政治家や警察官のノルウェー人が、ノルウェーを支配したということです。
日本も、敗戦し、戦勝国である米国や中国の言いなりになり、親米派、親中派という日本の政治家達が、日本を支配していることを痛感しました。
パンフレットは、良くできています。
ストーリーも、人物関係も、キーワードも、歴史も、解説もよくまとめられています。
理解できないことがあるなら、パンフレットの購入をお勧めします。
以上。いや、もう一つあったかな?
ファイザー社製新型コロナワクチンの第二回目の接種を終えました。
新型コロナウイルスに感染することなく、ファイザー社製新型コロナワクチン接種を終えました。
今後も、新型コロナウイルスの感染防止に努めます。
新型コロナワクチンを接種する人が増えることを願っています。
過去の汚点を堂々と映画化できる土壌
第二次大戦時にノルウェーで行われたユダヤ人の強制連行に、ノルウェー人が加担していたという罪を真正面から捉えているが、スクリーンに映し出されるのはユダヤ人への止めどない悲劇。
7~8月にかけてナチス・ホロコーストが題材の映画が数本公開されるが、本作が一番救いがなく、観終わって一番気分が落ち込んだ。いや、救いはあるにはあるけど、重苦しさがそれを呑み込んでしまっている。
過去の自国の汚点を描く映画なんて、金を払ってまで観ようとはなかなか思いにくい。だから映画会社としても収益は見込めないから、あまり作りたくないというのが本音だろう。にもかかわらず知るべき過去として映画化するという土壌が備わっているのは、純粋に凄いと思う。情けない事に我が日本映画界にはその土壌はない。ジョニー・デップの『MINAMATA』みたいな映画だって、本来ならこの国で作るべきテーマなのに…
あまりにも辛い内容なので日本でもヒットは厳しかろうけど、それでも本作を買い付けて公開に踏み切った配給会社さんに敬意を表したい。
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