「現代社会の縮図なのか」プラットフォーム mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
現代社会の縮図なのか
以前、『ハイライズ』という映画を見たのですが、難解でよく理解できず、翻訳本を買ったものの、なかなか読み進まず・・・そんなとき、動画配信でこの映画をちらっと見て、これもヒエラルキー系かな?と思って鑑賞。
主人公ゴレンが目覚めると、コンクリート張りの建物の「48」階にいた。部屋の真ん中に大きな穴があり、そこは上層階から順番に食事(といっても上層の残飯)がエレベーターような食卓台(これが、プラットフォームらしい)にのって運ばれてくる仕組みになっていた。しかも、ほんの数分?で降りてしまう。「後で食べようと」食事をとっておくと、気温が上昇(下降)して、生命維持が難しくなる。その場で手づかみで食べるしかない。そして、1ヶ月後には、違う階層に移され、下の階層に行けば残飯にもありつけず、人間を襲わざるを得ない、というサバイバルタッチで進んで行くのですが、食事のシーンが汚らしく、人肉を喰らったりのグロくて、えぐい描写があり、何度も目を塞ぎたくなりました。
ショッキングなシーン続きですが、資本主義社会が生んだ格差社会の姿が、この穴のある施設そのものなんでしょう。管理者と映画では言っていましたが、果たして管理者とは誰なのか?政府か?? ゴレンは48階層、171階層、33階層、202階層へ移動され、最後に目覚めた時が6階層。ここで、ゴレンは黒人のバハラットと最下層の人にも食事が渡るようにと、二人がプラットフォームに乗って下へ降りていくのは、ある意味革命的な行動とも思えたのですが、一筋縄ではいかず。
最下層の333階層にいた女の子(ミハルの子?息子ではなかったか?)、あの子は本当に存在したのか。最下層にいたのに衰弱しておらず。あの女の子が上層部まで昇り、それが「メッセージ」となったのか。
OL時代、大きなホテルの裏側を通った時、生ゴミなどの入ったと思われる大きなゴミ箱に顔を突っ込み、箸を持って、残飯をつついていたルンペン(差別用語になるのか?)を目撃したのがすごく目に焼き付いており、この映画を見て、その時のことを強く思い出してしまいました。食べられなければ残飯食べるしかない。そういう意味でかなりリアルでした。