科捜研の女 劇場版のレビュー・感想・評価
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付き合いの長い人ほど楽しめる作り
1999 年に放送が開始され、20 年以上の歴史を持つこのドラマは、「相棒」シリーズと肩を並べる息の長さを誇っている。捜査権を持たず、証拠の分析だけで見せる筋立ては一貫していて、ファンを裏切らない。劇場版は本作が最初である。本作では、冒頭に各メンバーの家庭風景など、普段は見られないシーンが連続して目新しかった。また、歴代主要メンバーが総出演しているところがファンサービス満点であった。これまで多くの回を見てきた人ほど満足できる作りになっている。
細菌研究がテーマであるが、伝染病ではなかったのは、仕掛けを簡素化するためであろうか。被害者は海外にまで及んでいるが、あの犯人が一人で全部行ったというのはかなり無理があるような気がした。大学の研究室がいくつか出て来るが、特に佐々木蔵之介の研究室は豪勢なもので、羨ましい限りであった。ただし、定期的に投薬するだけであるのにあのようなドーム型の設備が何故要るのかは非常に謎であった。
謎といえば、学会誌に掲載前の論文の内容をどうやって知ったのかとか、海外の大学の建物の構造や相手の研究室の位置など調べるのは大変だし、国際電話でタイミングよく高いところに呼び出すなんて出来るのだろうか?同じことに気づく研究者は世界中で続々と出て来るはずだが、全員を同じ目に遭わせるのは不可能ではあるまいか?そもそも箱を開けるのが当人とは限るまい。などなど、いくらでも突っ込める話になっていた。
犯人が何故あそこまで忠節を尽くすのかも全く分からなかった。映画に描かれていないもっとドロドロした人間関係でもなければ、あの行動はちょっと釈然としない。薬の投与によって凶暴化したとかいう話でも良かったかもしれないが、他人の生命を奪うのに何の躊躇もないというのはいくらなんでも、と思われた。
歴代の登場人物はそれぞれ見せ場があって良かったと思うが、マリコの母だけ少し可愛そうだった。星由里子と野村宏伸は現在 BSP で再放送中の「あぐり」に出演中なので特に目につくのだが、星がそれほど変わっていないのに対して、野村の激変ぶりには本当に驚かされた。
音楽はテレビシリーズと同じであるが、映画館の音響で聴くと随分印象が良くなるものだと感心させられた。加速器まで登場させた道具立ては面白かったが、被害者の脳髄液に当該細菌が出て来るとは思えないのに、随分気を持たせたのは少し怪訝に思われた。シリーズに付き合いの長い人ほど楽しめる作品だと思う。
(映像5+脚本4+役者4+音楽4+演出3)×4= 80 点
科学は嘘をつかない。
科捜研の女 オールスターズ集結!
TVドラマシリーズはテレビで放送しているとごく稀に見る程度のど素人です。この度試写会に当選したので観させていただきました。
感想
結論、TVドラマシリーズの集大成的な作品でした。良い意味でTVドラマの空気感がそのまま映画になっています。過去作の登場人物が続々と登場してそれぞれに与えられた役職の能力をマリコの為に使う(使わされてる⁈)というマリコ節の集大成を見せてくれました。
物語
連続自殺事件とダイエット菌の関係をチーム科捜研で探るというお話。映画ということで世界の事件も取り扱う大規模な事件になっていて規模観は広まったように感じました。ダイエット菌自体は以前ニュースで見かけたような気もするので親近感がありつつ見ていましたが、予想以上に楽しめました。完全犯罪とそれを解く伏線回収が上手くまとまっていて見やすかったです。過去キャラの人物関係、科学の専門用語は沢山出てきますが出る度にキャラクターにセリフで説明させていたので初見でも直ぐに理解できました。マリコさんに振り回されるチーム科捜研が面白かったです。
演技
犯人役の俳優さんが実力派俳優さんだったので犯人としての貫禄も出ていたと感じました。しかし、それすらも超えてこる沢口靖子さんのマリコ節は流石だと思いました。
個人的には、某有名声優さんが出演されていてその点には驚かされました。
総評
TVドラマシリーズを見てきたファンの方々には必見の作品。TVドラマシリーズを知らない人でも見やすいとは思いますが、知っていた方が楽しめると思います。
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