竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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難しく考えすぎなんじゃない?
映画を観た余韻に浸りつつ、その余韻を共有したくレビューサイトを見てみると批評が多い?何で?思わず登録をしてレビューをば。
これは作品の品評ではなく、観た後にコーヒーでも飲みながら、こんな所が良かったよねと吐き出すような感想です。ネタバレを過分に含みます。
映画を見る前に主題歌のPVを観て、テンション上がる。
歌単独だと響いてこなくても映像と一緒だと印象も評価も上がる。
アニメや映画の歌は映像ありきで良くも悪くもなるし、逆に良い作品には良い歌や音楽は必須。
そういう意味でも映画館に足を運ぶ前から期待は高かった。
ストーリーは非常にシンプル。
幼少の頃にお母さんを亡くした鈴。お母さんは、増水で中洲に取り残された子供を助けようと川へと飛び込み、子供は助かるけど、結局自分は亡くなってしまう。
鈴は音楽が好きだけど、そのショックで歌う事ができなくなってしまう。
思いを吐き出そうと書き殴っても、それは形に、歌にならず。
でもUと出会って、もう一人の自分を手に入れることで、歌うことが出来るようになる。
その世界で、同じように傷ついたAsの竜と出会い、ひかれる。
あなたは誰?
これはこの映画の予告からも再三鈴が呟くメッセージ。
黎明期のMMO経験があるから共感する部分もあるのだろうか。匿名性の高いもう一つの世界で、気になる存在。ひかれるプレイヤーに、あなたは誰?と問いかけるのはそれほどおかしな事ではないように思える。
そして、ついには竜の存在突き止める。彼を救うために自らアンベイルを受け入れる事。それはありし日の川に飛び込んだ母の姿と重なって。ずっと、何故自分を残して見も知らぬ子供を救おうと思ったのかが理解できなくて、でも、その瞬間に、きっとそれは理屈ではないのだと理解する。
そしてそれは歌に乗って、多くの人々が共感をする。涙する。
あなたは誰?これはベル自身にも再三向けられた言葉でもある。彗星の如く現れた新進の歌姫。その正体は?
Uでは、誰もがあたらしい世界で新しい自分を手に入れる事が出来る。
アンベイル、強制的にアバターではなくその人の本来の姿、オリジンを暴くその光は、Uの世界でのもう一人の自分を殺す事でもあり、裁きでもある。
にも関わらず、その光を自ら受け入れた鈴の姿は、自らをかえりみず川に飛び込んだ母と重なる姿でもある。
そしてUの世界のベルは死すかと思われたが、結果として人々に受け入れられ、Uの世界にも受け入れられる事になる。
鯨は、Uの世界を管理するAIのもたらした演出だし、ベルの自己表現の一環でもあり能力でもある。
まぁその辺りの解釈は人それぞれだろうから置いとくとして、鈴が竜にひかれ、自分を顧みず救いたいと思い、自らアンベイルを受け入れる一連の流れはシンプルだし分かり易い。
そして、歌う事が鈴にとってかけがえのない自己表現であり、自分を曝け出して、それでも歌うその姿に共感し思わず涙が溢れる。
諸々の世界観の整合性や、竜をリアルで助けに行く所の妥当性の考察や、そうした一切合切が蛇足。脚本の作り込みが甘いと指摘もあるが、これ以上ディテールをごちゃごちゃにしても意味が無いよね。
古き良きアニメ、特にSFや特撮物を、リアリティーが無いと酷評する人が居る。それこそ、ドラえもんにリアリティーが無いと言い、キャプテン翼にそんなシュートを打てる奴はいないとダメ出しをする。それはナンセンスだ。
映画冒頭の鯨に乗って唄うベルの姿は、時系列だと本編の後だと考えられる。
多くの人々がベルのオリジンを目にして、冴えない、何処にでもいる女の子だと皆が知っている。それでも、ベルはUの世界で新たな自分を手に入れた、最も有名なAsの一人だと説明をされている。でも、それは仮初なんかじゃ無い。
Uとは、仮想現実の中で仮初の自分を手に入れる事ではなく、Uを通じてその人が秘めていた才能や能力を開花させるアプリである事。
それは、視聴者へ向けたメッセージとも取れる。
冒頭のUを説明するナビゲーションと、最後でもう一度繰り返されるUの説明。十分に伝わる内容ではなかったろうか。
あなたは誰?それは視聴者へと向けられたメッセージでもある。
映画のテンションとしては、冒頭のベルが歌うシーンがクライマックス。見終わった後に、もう一度あのシーンが見たいと思うほどには。
レコ直のランキングで1位を獲得し、サブスクでも一気にランキングをあげてるのは、きっと同じように映画を観た後に余韻に浸りたいと思う人がいっぱいいるからなのだろう。ある意味、レビューのポイント以上にこの映画の評価を見定めるバロメータになっている様に思える。
まぁ歌が好評を博したのに本編はイマイチだった作品もあるんだけどね。
そんなこんなで、主題歌を大音量でリピートしたくなる位には、この映画は良い映画です。
2022.9.24 追記。ホームスピーカーで家で試聴するも、劇場程の感動は得られず。やはり、大画面+高音質スピーカーに勝るものは無し。
美女と野獣のオマージュなので一連のストーリーの流れはわからなくも無いが、終盤の流れは仮想現実の世界でリアルを晒す事への動機付けがメインであって、そこに現実世界での妥当性を論ずるのはやはりナンセンスに感じる。
時系列としてはUの世界で有名になる⇨リアルを晒す⇨OP。OPではUの世界で最も成功した人の一人としてbellが紹介されている。
子供の頃母を亡くし唄う事が出来なくなった鈴が、仮想世界で唄を取り戻す話だと思うのだが。
母の心情を理解し過去を乗り越えるため、Uの世界のbellのアンベイルという擬似的な死を乗り越える為の動機付けとして兄弟を救う話があるのであって、それ以外は蛇足でしかなく、なしては映画と言う尺の中ではこれ以上掘り下げるのも難しい。動機付けとしてはやや弱い事は否めないが、現実的にあり得ないと言ってる方達は単に読解力が無いだけの様に思える。
ネット恋愛の経験
それがあるか無いかで、感情移入の差が段違いだと思うこの作品。男性は病んでる一匹狼な最強荒らし、それでも仲良くしてくれるヒロインと、心の闇を労り合うのは、泣けてくる程センセーショナルな作品だった。好きなシーンは駅の告白のところ笑、場内でも笑い声が聴こえてきてなんとも微笑ましく、ジブリの系譜を感じる。後半、竜があんな簡単に見つかるところは、手抜きなアニメって感じだった。その後、あっさり忍のとこに戻り、竜と忍の三角関係泥沼フラグが見えて終わるのは、少し嫌な気持ちにさせられる…笑
あ、これディズニーだ!
歌は説得力があり、歌い手も文句なしに素晴らしい。誇張なしに100点。映像も特に仮想世界内は縦横無尽でこれもまた素晴らしい。新しいディズニープリンセスの誕生です。
パンフレット見て気付いたけど、Belleのキャラクターデザインはディズニーの有名デザイナーによるものでした。キャラだけでディズニー感をここまで溢れさせるとか、本当にとんでもない才能。
ネガティヴに言うならば、細田守監督じゃなくても作れる映画。ポジティブに言うならば、ネットヴァーチャル世界の最先端ミュージカル映画で、細田守監督の真骨頂であり新領域の開拓。
個人的に腑に落ちない点として、Uの世界がここまで魅力的ならば、もっと現実の世界のあちこちに濃い影を落としてくるはずって所ですね。電脳コイルみたいに、自治体に使われたり、公共機関のサービスがあったり、国家や省庁の縄張り争いがあるだろうし、色々と現実世界を侵食してくるはず。四国の田舎だから!で説明がつくかもしれない。渋谷はとんでもないことになってるかもね。
映像、音楽が素晴らしい
30代♀、18歳♀、12歳♂の親子で観に行きました。
内容が現実とバーチャルを行き来する為、SNSとは無縁のスポーツ少年にとっては、イマイチ内容を理解出来なかったようでした。
親世代としては、現代社会における10代のバーチャルと現実の境界線を超えての物語となる為、映画としては丸く収まってるものの、SNS上に顔出しをする事でのリスクを考えてしまいましたが、フィクションの映画として観るのであれば、胸を締め付けられる箇所が多々ありました。
まるでディズニーの世界観…リアリティあるファンタジーを感じさせる映像に、映像にふさわしい楽曲、歌声とその映像に自然と涙が溢れました。
水や星、空や光、本当に綺麗だな〜と、圧巻です!
普普通に良い映画でした
ひさびさの細田作品。
未来の二の舞かなぁと心配しましたがとても良かった。
映像美、音楽などとても良かったし、敢えて美女と野獣のような演出を入れつつも全く違った展開にするなど、解りやすくも期待を裏切るような展開などを効果的に取り入れていて見所が多かった。
年寄りには少しわかりづらい?
音楽良くて、けっこうストーリーも良くて、途中涙することもありました。
けど、ややごちゃごちゃした画面が、年寄りや年配な方にはわかりづらいかもです。
高知が舞台とのことで、高知ではけっこう動員が多いようです。
そうですね。厳しくいくと
1.龍とそばかす姫 というタイトルの割には、なんか龍の正体があっさり
2.金持ちでパソコンも出来る親友役は、ちょっと都合良すぎだろ
3.そもそも龍はなぜ、城を造れるほどの力があり、また取り巻き君達もなぜいたのか?
4.特別な薔薇の意味もよくわからん
5.クジラもどういう意味なのかちょっとわからん
とこまやかにいろいろありますが
全体的には飽きずに楽しめたし(目は少し疲れたけど)
歌もよかったし
楽しめました。
ずっと心に残るほどではないし
観たから人生変った、というほどでも無いかな。
詰め込みすぎなのかな
多くの方の言うように、音楽、映像が素晴らしくそれだけで一見の価値のある映画です。
そして殆どの方の言うように、脚本はもうちょっと頑張って欲しかった。
色々な要素を詰め込みすぎてどう言うものを描きたかったのか、おざなりな印象でした。
ディズニー映画の美女と野獣をオマージュして、ベルと竜が惹かれ合うという描写があるのですが。表面上(ビジュアリティ)のみのオマージュに見えてしまい、残念でした。
美女と野獣をモチーフにして、SNSに絡めて描くのであれば、野獣は誰で、魔法が解けるとはなんなのか、みたいな、ストーリー上にまで至るオマージュも見たかった。
また、終盤の事件としてDVから少年を救う、というのが、ありますが、
竜が立ち向かう、と言う解決方法になってしまったのは残念でした。
今まで一人で立ち向かってたから暴力を受け続けていたので、立ち向かわなかったからダメだったとか弱かったと言う話ではないはず。
ここでは竜ではなく、お父さんが変わる展開があって欲しかった。
『U』の通り、自分が変わり、世界が変わり、やり直せる、というロジックを現実世界に反映できるような、そんな解決方法なら良かったな、と思いました。
歌は素晴らしいが全体的に独りよがり
幼い頃に母親を亡くし歌うことができなくなった少女すずが仮想世界Uのベルとして歌姫になり、凶暴な怪物として知られる竜と出会い……という話を美女と野獣をモチーフにミュージカル調の演出で描いた作品。
なのだが、表題にもある通り本編を彩る音楽は素晴らしいものの、肝心のその本編(脚本)は人物の感情の導線が雑で、感情移入が難しい。ただでさえ主人公すずの時点で少々煩雑な人物設定であり、ここに仮想世界などさらに煩雑な設定が加わるというのに、本編ではミュージカルをやっているため、正直歌うよりも先に説明することがあるだろう、と思わずにいられない。
登場人物たちの感情の導線や変化、交流、とくにベルと竜の関係性に関してすら互いの感情の変化やそのきっかけすらなく歌と映像で強引に演出しようとしているため、本来それらが結実してカタルシスとなるべきストーリーの後半にゆくにつれて登場人物たちと見ている側との感情のギャップがひどくなっていく。有り体に言えば「いや君たちいつそんなに仲良くなったの?」的な気持ちが常にどこかに残る。
そういう意味で、監督の独りよがりをひどく感じてしまう作品だった。
また仮想世界Uについても違和感を覚える点が多い。
私は本編の設定など予習はせずとくに情報を持たない状態で観たのだが、その状態だと仮想世界Uは非常にふんわりした世界という印象を抱く。Uという世界の描写は基本的に無数のアバターが仮想世界を飛んでいるところにベルがストリートライブをしているというのが大半なので、この世界においてUとはどういう役割を持った世界なのかがよく見えてこない。
サマーウォーズのOZではまず主人公らがプログラム関連のバイトをしていたり、各種公共料金やインフラの管理一本化などの利便性、またそれこそ現代におけるSNS、動画配信サイトなどの役割を一手に引き受けた世界として分かりやすく、そこが壊されることでの現実世界への影響も非常に分かりやすく描かれていた。
しかし現在、SNSも動画配信サイトなども存在すると描写されているこの映画の世界で、この世界の50億人ものユーザーの人々は何を求めて何が目的でUにアクセスしているのかよく分からない。
竜が出没している闘技場なる場所もあるらしいので、各種アクティビティは充実しているのだろうが、それなら台詞ではなくそれを楽しんでいる人々の映像で描写してほしい。
また竜とそれを敵対視する人々の描写もハテナとなる部分が多い。
闘技場なる場所でその凶暴なファイトスタイルから嫌われる竜についてはまだいいのだが、それを敵対視しているのは公式の運営でもないただの自警団的な集団であるはずなのに、アバターから本人の姿をUの世界に描画するという、いわゆる身バレを強制的に行える手段を認められているというのは変な話だ。またその身バレがUの世界においてとても恐ろしいことのように描かれているが、それを一方的な権限で、フォロワースポンサー多数の有名人とはいえ、ただのいちユーザーに行えるUという世界が50億人に受け入れられているというのも不思議である。それってクソゲーすぎじゃない?
しかも違反とかチートを使っているとかならともかく、ファイトスタイルが批判されているとはいえUの仕様上に則ったプレイングをしているだけの竜にそのペナルティを課そうというのは、明らかに職権乱用というか権利の私物化で、そんな人にそんな権限が与え続けられている『U』という世界とそこに暮らす人々とはなんなのだろうか。
そうした実像の見えないふんわりした『U』の世界、上記の身バレ関連などから危機や事件をシナリオ上に都合よく起こすため何かと『便利』に使われているという感が否めない。少しばかり語弊を承知で乱暴な言い方をしてしまうと昨今の異世界アニメでよく言われる「原作者が現実の物事を描けないから便利な異世界を舞台にしている」という評価における「便利な異世界」そのもののように感じる。そこに暮らす人々の生活が見えてこないのである。
これに関しても、やはりシナリオ上の要点をあまり描写せず歌と映像でごり押しているというのがあると思う。本当に、歌うより先に説明するべきことが多々あると思う。
ついでに言えば炎上案件や反社会的行動で嫌われているユーザーならともかく、ポジティブな意味で有名なユーザーもひっくるめて異様に『身バレ』を恐れている点や、そのわりにネット上に明らかに児童虐待が疑われる映像が流れていても警察などが動かないこと、さらにPCの前で平然と横暴な振る舞いをする、「ネット上に虐待の証拠映像が流れる」ことに無頓着で無警戒な、誰もがVRの仮想世界にダイブできるという時代なのにやたらと昭和のデジタルオンチなオヤジ然としたムーブをする虐待父など、あまりにも現実世界とネット世界が乖離した、それらを『二分化』して考える視点は個人的に、十年前にサマーウォーズを制作した監督にしては少々前時代的と感じざるを得なかった。
さらには本編開始一時間、登場回数でいえばたった二回目のシーンで、竜の正体やバックグラウンドがほとんど分かってしまうのもどうかと思う。あまりにも露骨なのであえてなのかとも思ったが、そのわりに後半の正体が判明するシーンはやけに引っ張る。
そこも含めて煩雑な設定をミュージカル調の映画にまとめるには、色々と脚本を作る力が不足しているように感じる映画だった。
特筆される「歌と映像」の「映像」に関しても、確かに美麗ではあるが監督がこの十年で作ってきた映像に対してさして新しいものを生み出したという印象はなく、モチーフや作り方などいつもと同じことをしているという感じは否めない。そういう意味でサマーウォーズを超える作品にはなれなかった……というのが個人的な感想である。
ただしそんな本作、主人公すずを取り巻く様々な環境やネットの負の側面の中でルカちゃんとの交流や彼女の意外な想い人やその告白シーンなどに関する描写、演出はほどよく瑞々しくとても爽やかだったため、監督はあまり重いテーマは取り扱わずこうしたある種ポップな作風に今からでも舵を切り直した方がいいのではないかと思う。そも時をかける少女もサマーウォーズも、大部分はそうした軽さの中にひとつまみのシリアス要素や切なさが私としては好きだったのだが、おおかみこども以降は明らかに配分を間違えているというか、「テーマの高尚さ」という呪縛に囚われ続けているように思えてならない。
サマーウォーズの次に
題材の類似性からサマーウォーズが思い出されるためか、比較されて酷評される方が多いようですね。
ただサマーウォーズの頃がSNSが本格的に普及し始めた時期だとすると、今は世界中に浸透し良いこと悪いことがある程度認識されている時期になっていることから、ネット世界を舞台にするのであれば扱うテーマは自ずと変わるだろうなと思います。端的に言うと、サマーウォーズがネット世界の可能性を見せるものであったのに対し、本作はネット世界の現実と希望を提示するものです。
舞台、人物設定として
・主人公は母親を自然災害によって亡くしており、自分は残された犠牲者意識に苛まれている。
・トラウマにより母親から教わった歌を人前で歌えなくなる。
・父親をはじめとして幼馴染や同級生と関わることに難しさを感じ、コンプレックスになっている。
・唯一の親友から誘われた仮想空間で、アバターを介して歌を歌い自己実現を図る。
・ライブを行おうとしたところに、自警団に追われた竜が乱入してきて興味を覚える。
・竜は突然現れ、非常に暴力的であることから嫌われており、自警団によって正体を晒されようとしている。
一度観ただけなので細かいところは違うかもしれません。登場人物はみな、現実ではコンプレックスや障がい、悩みをかかえています。仮想空間は言わば現実世界の負担から解放される、もう一人の理想の自分で生活できる世界になります。人種や民族、世代を超えて一つの世界で平和的に暮らすことのできる世界を実現できる可能性があるのが仮想空間です。サマーウォーズが提示したのがこの可能性だったのに対し、本作はその理想のはずだった世界で起こるネットいじめやセーフティネットから外れてしまっている少数の人々の救済です。大きく見れば世界は救われたかもしれませんが、より個人にフォーカスすると世界は残酷であり、それでも人々によって助け合えることが示されます。
残念ながらアバターがないと本心を伝えることができない、本音を吐き出してしまうとすぐに炎上してしまう、ということが現実のあちこちで起きています。前半は細田監督らしくその様子をコミカルに描いていました。また規範意識が強く現れすぎた結果、そこから逸れる言動はすかさず批判されてしまいやすくなっています。「あなたは誰?」とその背景を探り、分かり合おうとすることは少なくなっています。主人公が終盤にとった行動は、現実の世界と仮想空間双方の事態の解決を図る極端な行動でしたが、周囲がそれを認め支えることで世界の在り方を理想的に示します。仮想空間であっても人とのつながりは、言わずもがな大切であり、テクノロジーを介することでより多くの人が繋がり幸せになる世界を作り上げることができるのではないかという点は、常に一貫していると思います。
脚本について否定的な意見が多いようですが、私自身の意見としては良い点でもあったかと思います。それは、同じ劇場内にいた中高生や20代前半と思われる比較的若い世代の人達は概ねよい印象を抱いているように感じたからです。説明をあえて省くことで、自分を重ね感情移入しやすくなっていたのではと思いました。現実の若い世代は非常に繊細で傷つきやすくなっています。そして、親世代は幸せとは何なのかと迷い自信を失っています。誰もが自分を投影しやすいように練られた脚本と言えなくもないのかなと思います。展開についていけず、後から考えるとそういうことだったのかなと思うこともありましたが、考えながら観るのが好きなので、私はOKでした。
一つ細田監督にお願いしたいのは、本作の歌やサマーウォーズの数学など、一芸や才能に依らずに自己実現を図る主人公を軸とした作品も作っていただけないかということです。でもそれだとキャラクターが弱くて大衆向けの作品には向かないでしょうか。難しいですね。
考察では消えない違和感
細田守監督作品は未来のミライちゃん以外鑑賞したことがあり、Huluでも何度も観る程好きな作品が多いです。
人の繋がりやあたたかみを描くのがお上手で、観た後はやさしい自分と向き合える、そう感じていました。
本作はエンタメとしては面白いと思います。
ただ観賞後にやさしい自分とは向き合うことはできませんでした。
演出やサントラは魅力的な場面も沢山ありましたが、
突っ込みどころがいくつも出てきてしまい、素直に見ることができませんでした。
・Uの世界でのキャラデザが豊かでもっと観ていたかった。
・カミシンの演技がずば抜けて良かった。
・忍君との関係を疑われた際の炎上〜火消しまでの見せ方がゲームっぽくイキな演出で魅力的でした。
・竜の弟君のクリオネのコメント、歌を口ずさむ様子は何か引き込まれるものがありました。
×母を亡くした主人公が歌えなくなってしまう過程にもう少し尺があっても良かったと思いました。
×主人公のセリフに「あぁ!あぁ〜」が多すぎて変だなと思ってしまいました。色んな場面で転びすぎて、表現方法の雑さを感じてしまいました。
×どうしてあんなに優しい父に対してあそこまで距離を置くのか、理解できませんでした。
×最後に主人公が素顔をUの世界で晒し歌った後に、またアバターの顔に戻した意図がわかりませんでした。
×美女と野獣をあそこまでオマージュする必要はあったのでしょうか。何か意図があるとしたなら知りたいです。
×50億人のうちの1人を見つけ出すまでの流れがあまりにご都合主義すぎではないかと、、、
×主人公のフォロワーの増え方、支持を集めるまでの展開が急すぎで、そんなわけないでしょうと思ってしまいました。いくらなんでも歌が上手い人は沢山いて、主人公が頭一つ出て皆を注目させるには努力の過程をもっと見せる必要があったのではないかと。
×Uでの経験が実世界での主人公に影響を与えたのはわかるのですが、歌いたくても歌えない潜在意識をUの世界では取っ払える仕組みがわからない。
一緒に観に行った知人も矛盾を沢山感じていたらしく、互いに考察を交わしましたが、解消されませんでした。
岡田斗司夫チャンネルで解説してくれないかなぁ。。
現代版美女と野獣?
他の映画作品の予告編で見てからずっと気になっていた作品。
しかも、私の大好きなサマーウォーズと同じ仮想現実世界で繰り広げられる物語と言う事で期待値爆上がりでいざ鑑賞!
こ、これは、現代版美女と野獣?
途中何度か「これディ○ニー映画だったっけ?」と頭を抱えた。
サマーウォーズと同じく一人の少女の成長物語ではあるものの、爽快感がない。
それは恐らく作品のゆったりしたテンポに比べて人物描写が唐突過ぎるから。
どうして、ベル(鈴)が竜にそこまで興味を持つのか、どうして、兄弟に会いにわざわざ高知から東京まで行ったのか。
なんとなくは解るけれど、その行動に説得力がない。
また、ネットトラブルや虐待などテーマが沢山ありすぎてとっ散らかっている印象。
少女の成長物語でまとめて欲しかったかな。
とは言え、映像の美しさと歌の力強さに涙が止まらず、必死に鼻啜るのを抑えてました。
私は、昔、虐待されていた子どもを上手く助ける事ができなかったので、恵の言葉を聞く事もとても辛かった。
鈴と向き合った時の台詞も色々と唐突だなとは思ったけれど、最終的には前を向いてくれて良かった。
そういった感傷を抱えている方には響く作品かも知れません。
ネックだった声優さんもそこまで違和感なく見れたので良かった。
ツッコミどころ完備
取り敢えず 「未来のミライ」からV字復活…かと思ってたらL字だったわ。テーマが見えない。すずちゃんを救いたかった?何から?彼女は何に気付いたのかしらん?
歌が上手な子を起用したのは分かる。ミュージカル仕立てでディズニー寄り?と思ったら歌詞が聴こえてこない。アレンジが前に出過ぎ。ここはちゃんと歌詞を聴かせなきゃ説得力に欠ける。歌ってる時の映像が回想シーンだなんて手抜き?もったいない。仮想空間の映像美を期待したのになぁ。それから…しのぶ君必要?どんな闇を抱えてるのよ?って期待したら普通に幼なじみだった。もうちょっと絡んでもよかったんでない?憶測炎上は瞬で自力で火消ししたけどこれからどうするんだろ?身バレしたし…ねえ?そう言えば…Uの世界はその後…?あー聞いちゃいけなかったか そうか。ご想像にお任せしますしますってヤツね。声優さんの起用には文句はありませぬ。田舎ぽい朴訥な感じが出ててよかったのではないでしょうか?(褒めてないな) 「未来のミライ」よりマシの☆3です。観といてよかったデス。
【考察】忍君にはお母さんが乗り移っている!
◆ ストーリー
内向的な女子高生鈴は友人の勧めでスマホアプリ<U>に登録する。<U>は登録者数50億人を超える巨大SNSで、会員たちはバーチャル空間でアバター(仮の姿)で交流を楽しんでいます。
<U> 内での鈴は歌姫ベルとなり一躍人気者となります。バーチャル空間での初ライブ中に突如竜と言う名の獣人が乱入してきます。彼はネット世界で言う荒らし行為を働いていてバーチャル空間では暴力行為を振るい、暴れまわっています。
なぜ竜は暴力的なのか、なぜ竜は時折寂しそうな眼をするのか、そんな竜をベル(鈴)は放っておけずそのあとを追っていきます・・・。
◆ 本当に恐ろしいスマホ依存
子供は父性と母性の両方の影響を受けて育ちます。鈴には母親がいません。幼い頃に川の事故で亡くなりました。鈴の父親は物語中父親らしいところが一つもありません(影が薄く、出てきても同じセリフしか言わない)。ですから鈴が内向的に育つのも不思議ではありません。
(※もう一つ父性・母性の影響の例を挙げると、エヴァンゲリオンのシンジ君。彼も母親を早くに亡くしていますし、父親も厳格過ぎます。その影響を受けて彼も内向的な性格に育ちました。)
性格が内向的で塞ぎ込んでいると、自分の枠組みから中々抜け出すことが出来ずに他者との関りを失い、どんどん自己肯定感が低くなっていきます。
私は鈴も自己肯定感が低い子だと思います。両親の影響に加えて <U> 登録初日にベル(鈴)の歌がバズってフォロワー数が爆増しますが、鈴は「たくさんの人が自分を批判している!」と大慌てします。大きな成功体験よりも、ネガティブな出来事にフォーカスするのは自己肯定感が低い証拠です。
自己肯定感が低いと、お酒、ギャンブル、ゲーム、スマホと言った簡単に手に入る刺激や快楽にドップリハマってしまい、そこから中々抜け出せなくなります。
家に閉じこもってゲームばかりしている自己肯定感が低い人がある日突然外の世界に出て「よし!就職するか!」とはなりませんからね。
私は鈴が歌がバズって、フォロワー数が爆増し、ファンの承認欲求などによる “一時的な” 興奮・快感・熱狂 ―― いわゆるドーパミン的幸福の中毒になり、<U>から抜け出せなくなっていく・・・・という展開になると思っていたのですが、実際はそんな展開にならなりませんでした。これには全く予想を裏切られました。
◆ つながり・愛による幸福=オキシトシン的幸福
鈴の周囲にはいつも人がいます。親友でありよき理解者のヒロちゃんや、所属している地域の歌唱サークルのマダム達、そして何かと気にかけてくれるイケメン男子忍君。
人間はリアルに人とつながっていると幸福を感じます。この時脳内からはオキシトシンという物質が分泌されています。友情による結びつきや、地域コミュニティに所属している帰属意識によりオキシトシンが分泌されるのです。
ギャンブル、お酒、スマホ、ゲームなどのドーパミン的幸福は幸福感が直ぐに切れてしまいます。一方でオキシトシン的幸福は低減しません。例えば、去年政府から特別定額給付金として10万円貰えるというニュースが流れた時や実際に貰えた時は興奮して喜んだものですが、いまだにあの時の10万円うれぴ~~~~~~~!!!!!とその幸福感が持続してる人はいませんよね?(むしろ「おかわりはまだか!」ともっと!もっと!の状態になっている人もいると思います。)
オキシトシン的幸福は低減しません。オキシトシンは赤ちゃんを抱っこしている時などにも分泌されます。例えば10日間連続で赤ちゃんを抱っこしても赤ちゃんはかわいいです。11日目に突然「赤ちゃんキッッモ!!!」とはなりません。
私は人とのリアルな繋がり、オキシトシン的幸福が鈴(ベル)の精神を健全に保っていたのだと思います。
◆ イチ推し!忍君!
忍君とは鈴のクラスメートで、学校中の人気者!イケメン!女子の憧れ!スポーツ万能!の男子です。しかし私は彼の魅力はそんなところではないと思っています。
忍君は何かと鈴のことを観察していて、微妙な変化に気づき「何かあった?何かあったなら言ってよ」と気にかけて声を掛けてくれます。多くの世の男性はこの辺り鈍感で観察眼がありません。(よく言う恋人が髪を切っているのに気づかないというやつです。)
学校イチのヒロイン、ルカちゃんも忍君を「よく気づくお母さんみたいだね」と彼を評します。
また、忍君は鈴がベルであることをいち早く見抜きます。男性でありながら、この観察眼の持ち主である所が彼の最大の魅力なのです!
さらに物語の最後で難事件が解決して、少し大人になった鈴に忍君はこう言います。
「これでもう鈴のことを見守らなくてよくなった、これからは対等に付き合えるな。」
2人はまだ友達同士の関係で恋愛関係には発展していません。このタイミングでこのセリフは暗に、
「懸案事項も無くなったことだし、僕は君に安心した。これからは恋愛対象として踏み込んでいくからね。」
と言っているように聞こえます。もうね、キュンッッッッッッッッッッッッッッッキュンッッッッッッです!!!天才です!!!巧です!!!策士です!!!!!!!!!!!!エロいです!!!!!(?)
◆ 大人はアテにならない
鈴の父親は影が薄く、出てきても同じセリフしか吐きません。地域の合唱サークルのマダム達は鈴に「幸せってなに?」と問われるとみんな「えっと、えっと・・・!」と慌てふためくだけで閉口してしまいます。サークル内で一番年長者のお婆さんも「この年になっても幸せなんて分からないわ」と穏やかに答えます。(ここめちゃくちゃ意外でしたね。)
物語最大の山場となる、鈴が一人で高知から東京の見知らぬ子供を救けに行くシーン。ここはかなりネット上でも賛否があるところですが、影の薄い父親が娘を信じて送り出すのは最大の功績だったと思います(現実的であったかは置いといて)。父性とは規律、規範を示すなどの他に「断ち切る」ものですからね。これが機能しないと子は地元や家にへばりつくようになってしまいます。(もし仮に鈴の父親が黙って飛び出して行った鈴に憤慨して「子供のお前のすることじゃない!!今すぐ戻ってこい!!」なんて展開になったら・・・恐ろしい事になっていたでしょうね。)
◆ 人とのリアルな繋がり
映画作品に置いて繰り返されるセリフは重要なキーワードとなります。物語の冒頭で巨大SNS <U> の広告コピー「現実はやり直せませんが、あなたも <U> でもう一度やり直してみませんか?」というセリフが作品中3度は出てきます。
しかしながら、<U> 内で人生をもう一度やり直すことが出来た!というようなシーンは一度もありません。重要なキーワードに見せかけたミスリードなのか、あるいは無機質な機械音声のそれは不気味な悪魔のささやきかもしれません。物語の比重もバーチャル空間での内容よりはリアルな繋がりの方に重きが置かれています。
物語最大のトラブルも人とのリアルな繋がりによって乗り越えていきます。ここがこの作品の肝だったように思います。ご時世的に我々の日常生活はどんどん人とのリアルな繋がりは薄くなっていく一方で、ネットの方が重くなりつつあります。ですが、ここで、今一度、リアルの繋がり、その大切さを見直す時だと私は思いました。
※ 今回の感想は下記の書籍で読んで得た知識をもとに書きました。
『父滅の刃』『精神科医が見つけた3つの幸福』『察しない男説明しない女』
惜しい!!
主人公のネットの中の世界 ベルのデザインが良くて 見惚れてしまっていました。
つかみは良かった けど 竜というキャラが出てからは置いてきぼりに・・・
竜にどんな目的があるのか、竜がどんな犯罪?
を犯したのか全くわからないまま 一億 2億の数の人々に恨まれて 正義を名乗る謎の組織に追われています。主人公もなぜかよくわからず竜というキャラに興味を持ち 執着します
そして追われている竜を助けよう!って雰囲気になります 終盤も主人公が一人で現地にに突っ込んで何故か解決できたらしい雰囲気醸し出して戻ってきます。そんな感じです、
ベルのデザインと設定は良かっただけに 惜しい!!って感じでした。
音楽や映像はいいのですが…
まず観ていて話の進み方が早いという印象がありました。その上そこは重要なのかと聞かれると悩んでしまうような部分に時間をかけているという感じ。特にかみしんが顔を真っ赤にしながらるかに話しかけに行くあの駅のシーンはもう少し時間短くても良かったのでは?
それと観ていていくつか疑問点が
・なぜそこまで父親に当たりが強いのか
ここは詳しい主人公の心情が語られないため観ている側も違和感を覚えるレベルです。
・竜、心開くの早くない?
あれだけ人を寄せつけない印象を抱かせておいて案外あっさり主人公に心開いちゃうんだ…と思いました。
・ジャスティンの存在感が雑
結局そこまで重要なオチはないのにやたらデカく爪痕残してくる
・トモとケイの父親の存在感も雑
主人公を殴ろうとする描写、殴れず尻もちをつく描写はまだいいとして、最後なんであんなに恐がって逃げたのでしょうか?上手くいきすぎじゃないですか?あれだけ頑固で最後の難関みたいな存在感出しておいてあっさり引いてしまうんですね
・しのぶは必要なのか
ここは正直本当に分かりませんでした。ただ作品において華を加えたかったのでしょうか、ヒロインがいればヒーローもいて欲しいものですが、でもそれってケイだけでいいのではないでしょうか。
・しのぶや合唱隊はなぜすずがベルだと気付いたのか
ここは大きく触れられていないので理解が追いつきませんでした。
・かみしんとるか、ベルのことめちゃくちゃ語ってたのにすずがベルだったこと案外あっさり受け入れてる
ここももう少し心情が知りたかったですね。
・ベルのライバル歌手との対峙が案外少ない
あの歌手、重要人物なのかと思っていたらそうでは無いみたいで驚きました。しかし最後ベルに声をかけるのは胸熱でしたね。
・匿名インターネットでの匿名コメントに色が無さすぎる
味方になるか敵になるかが極端すぎてむしろ気持ちが悪いレベルです。
正直主人公の母が生前助けた子供があとでなにか大きな手がかりになるのではないかと最初考えていましたが全くそんなことはなかったのでここも驚きましたね。特に重要ではない人物にもフォーカスをかなり当てていくのは良いのか悪いのか…といったところです。
それでも音楽や映像は流石でした。とても美しく透明感が癖になりますね。
面白い映画で賛否両論だと思う。私は少し否定側。
細田守監督の「インターネット」を題材とする映画として、私の知る限り2作目の今作は、
良し悪しはあれど、良作だったと思います。
○まず良かったと思った点
音楽が映画館で聴くべきものだと感じました。音楽はこの物語中で非常に重要なものであり、その設定がしっかりと納得できる程素晴らしいものでした。映画館ならではの身体の中心が震えるような音だからこその臨場感は流石と言うほかありませんでした。
また演出が素晴らしく、現実部分を通常のアニメで、作中に登場する「U」の世界を3Dで描き分けているのが素晴らしいと感じました。さらに言えば、現実のクジラにはフジツボが付いているのですが、それをスピーカーに見立てた発想は非常に面白いなぁと思いました。
○少しイマイチだと思った点
ストーリーが駆け足で、心理描写が中盤から分かりづらかったことです。とは言っても全体の流れは面白かったです。
サマーウォーズは勧善懲悪の特徴が色濃く出て、非常に分かりやすい映画であるのに対し、今作ではネットの匿名性や誹謗中傷を題材として人間模様が描かれています。この作品は現代の問題を内包しており、誹謗中傷をしているキャラクターを軽々しく責めることが出来ず、考えさせられる内容だと思いました。
ただ、場面が変わるのが少し早く、あくまで私の意見ですが、キャラクター同士の関係の変化に関して取り残されたように感じました。
また、この作品の賛否両論になりそうな部分ですが、現実世界の自分の価値というのが薄弱であると感じました。一応、「現実でも勇気を出せばなんとかなる」という風なストーリーであり、主人公のアバターの価値が高いからこそのストーリーですが、もっと自分を労って欲しいと思うようなことがありました。
○総評
長々と書きましたが、レビューの題名とは違って、私はこの映画を誰かに勧めたくなりました。それはインターネット社会を生きる私たちが考え直さなければならないような内容が、この作品にはあるからです。誰かをコメントで叩くことが多い現代、自分は正義を持って叩いているつもりが、周りがヒートアップしているから自分もそれに乗っかっているだけである事がかなり多いと思います。この映画は、その気付きを与えようとしているのだと感じました。
それと、作中に登場した高知駅がもう完成度が高すぎてビビりました。
匿名社会での、、、
今作は、今までと比べて社会へのメッセージが強かったように見えた。
匿名での叩き合いとか、身勝手な正義とか、抑圧されたアイデンティティとか、
そういうメッセージを伝えたかったのかなぁ?
オリジンになって歌うシーンは、感動した。
ただ、主人公の周りの学友たちが全然感情移入できんかった、、、、
でも、そこがリアルなのかな?
みんな自分の思いがそれぞれあって行動してるんかな
んー、、難しい。
最初のmillennium paradeの曲が良かったな。
個人的にはサマーウォーズの次くらいに好き。
76/100
作品の良し悪しとは?
一度は見てほしい作品であるのは間違いない映画でした
まず初めにキャラクター達は好きです
流石細田監督、サマーウォーズのキャラクタ達みたいに皆生き生きしていて応援したくなります
くすりと笑ってしまうような描写もあり、あぁこの世界(青春)を味わいたいなと思ってしまいます。
次に歌もかっこよく映像美もすごく、キャラクター達の個性豊かで序盤から引き込まれてしまう
またクライマックスで主人公が歌う姿には感動も生まれるぐらい非常に綺麗だった
ストーリーもあらすじだけ書き出して見てみると中々面白い展開だった
とまぁここまでは良かった点
これだけ書くと良い映画のような気がしてくる
悪い点書く前に自分は美女と野獣が初めてみたディズニー作品で大好きな作品、実写版も好き
オマージュの如く美女と野獣の要素をいれてくれて正直嬉しかったが何故美女と野獣は名作なのかがわかってしまう作品となった
また、グレイテスト・ショーマンなどのミュージカル映画も大好きなので見た直後は歌も良く、もうワクワクドキドキでした……が
ストーリーのテンポというか構成がジェットコースター
歌もよくキャラクターもよく世界観に入りかけていた私は都度現実に戻されてしまいました
何故そうなる?なんで?どして?となること間違いなし、また美女野獣的な展開は名シーンや印象に残るとこだけを抜き出したような感じ、いやいや?ベルと野獣はこういうことがあって、あんな仲になりあのシーンになるんだよ?と叫びたくなりそうでした
そんな叫びたくなりそうなシーンがカットされ、美女と野獣の名シーンオマージュを見てやっぱりなんで!?と叫びたくなりました
またそれ以外にもそうはならんやろというシーンもしくは「早い!早いよ!」と叫びたくなる場面が次々と襲ってきました
これはやばい、特に美女と野獣という比較作品があったのが更に駄目なところを強調してくれる
改めて美女と野獣を見てこの映画の駄目だったところ美女と野獣が良かった点を語り合いたくなる
そんな作品でした
(体験版やあらすじなどのカタログだけみて名作だと確信したアドベンチャーゲーム、ネタバレのシーンを見てめっちゃ面白そうと思ったら本筋だけでクソゲーと言いたくなる珍しいゲームをした昔を思い出しました)
長々と書きましたがなにはともあれ、是非一度は見てほしい映画だなーとは思っています
写真も材料も料理も美味しいカタログやコースの写真を見ても最高のコース料理が味わえるなと思ったらこちらの都合お構いなしに次々と料理を出されて「は?」と言いたくなるそんな映画(コース料理)でした
忍の存在意義
全体的にいろんな要素(サマーウォーズ、美女と野獣、時かけetc)がざっくばらんに混ざった感じのストーリー。ところどころ良いシーンもあって駅でのカミシンとルカちゃんのやりとりやお父さんとのラインのシーンなんかは細田守作品ならではのシーンだった。
ひとつ大きく不満だったのは幼なじみの忍の存在
鈴の見守り役みたいなポジションで「なにか困ってない?」といつでもお金貸してあげるよおじさんみたいな事を言ってるくせに全然ストーリーに絡んでこず挙げ句の果てにラストシーンで「これで鈴のことちゃんと同じ目線で見れるようになったわ」と何もしてないくせに謎の上から目線で「お前はもう俺の手助けなしでもやっていけるな」とでも言いたげなクソ上司みたいな発言でもう消えてくれないかとも思った。
前半のストーリーはこいつとの恋愛要素があって学校内でけっこうモテてる設定なのだがどこが良いのかまったくわからんし鈴も幼い頃に「俺が守ってやる」とプロポーズされたと勘違いしたまま好きなってるだけで結局勘違いで好きになってるのでこの辺りは観てて全然ストーリーにのれなかった。
ストーリーの流れはしっちゃかめっちゃかでキャラも現実世界とUの世界で実はこのUは現実ではコイツでしたーみたいなのも無く薄い内容だが細田守らしいコメディさやハッピーエンドへの強引な持っていきかたは嫌いじゃなかった、ただ忍の存在この作品唯一の醜さだ。
映画館で見るべき映画
ストーリー自体には色々難あり。東京行ったけどあれで兄弟を救えたの?(戦う勇気を与えたということかな)仮想世界の技術があんなに進化してるのに日常生活は相変わらずなのね、などなど。
「この映画は映画館で見るべき!」というコメントはよく見聞きしますが、この映画こそ大スクリーンで観て、そして良い音響で聴くべきだと思います。作品の魅力の一つは映像美、そして最大の魅力は主人公の歌声だと思います。美しくて、透明で…言葉が見つからない。とにかく魅力的。ミュージカル風だという批判もあるようですが、美女と野獣へのリスペクトが作品の根底というのを事前に聞いていたので割とすんなり受け入れられた。それより、ミュージカルチックになると「あの歌声がまた聴ける」とテンションが上がりました(笑
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