竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
全1494件中、1121~1140件目を表示
いろいろ描写不足が否めない作品
この作品は、過去に母親を
他人の子どもを助けようとして
命を落としてしまったことで歌えなくなった少女のすずが
仮想空間の「U」で歌姫ベルとして頭角を現していくなかで
Uの荒くれものの竜がライブに突如あらわれ
ライブを滅茶苦茶にしたことをきっかけに
ベルが竜が何者なのか知ろうとする
というのが大まかなストーリーだと思う
ただ、個人的にはUという仮想空間が
どういう仕組みなのかイマイチわからない
例えば、竜がUで暴れて他人のアバター(AZ)を傷つけるというが
やられた側はどうなるのか?とかの
説明がないのなら、竜が暴れるのは悪いことという説得力がない
また、ジャスティンがなぜ他人の現実の姿をわかる道具をもっているのか
スポンサーが多いとUでは特権を与えられるというのかもしれないが
それでも描写不足だと思う
また、竜の城とはなんなのか、竜にAIの臣下が何体かいたが
それはUのシステムと関係があるのかよくわからない
あとは登場人物が多い割には
竜の正体のミスリードのために出ただけという感じの人が結構いるイメージ
タトゥーの芸術家とかマダムやメジャーリーガーとか
あとはカヌーとか学校のマドンナの存在意義がわかりにくい
女子のギスギスしたシーンのためなのかもしれないが
ストーリーの本筋に必要かという疑問があった
終盤で竜の正体が
虐待をされていた兄弟の兄のほうだということが判明をする
その兄弟から信用されるために
しのぶが急に現実の姿で歌うようにすることを提案をしたり
東京にすず一人で行ったりして
本人の意思もあるかもしれないが、もう少し筋の通った理屈が欲しかった
すずが現実で兄弟の家にいき
そこで兄弟が父親に立ち向かうという言葉を聞いて
虐待問題は解決したという雰囲気になったが
正直、そこに説得力を感じなかった
兄の「助ける」連呼のセリフをきくと
公的な機関は入っても虐待は解決しなかったというイメージがあるし
現実の児童相談所は
この映画みたいにそこまで頼りないのかという印象が
現実と合致しているかわからない
ちなみに竜の城のシーンでは女性の絵が飾られていたりしたので
その女性を母親と考えると
家族関係でなにか理由があるという側面の
掘り下げというものもなかったのちょっと残念
個人的にいろいろ思うところがあったが
映像と音楽はよかったと思うのでストーリーの細かい矛盾は気にしないのなら
映画として悪くないのかもしれませんが
個人的にそこそこ気になるところがありました
すずは本当は美女(ベル)。
インターネットの仮想空間「U」を舞台にした作品。「美女と野獣」をベースにしたミュージカル風な作りも面白い。仮想空間というと、自分が理想とする好き勝手なキャラクター(アバター)になって活躍するのかと思いきや、あくまでも本人の属性から作り上げられるという所がポイントだ。ベルも竜も姿を変えた本人自身ということになる。ミュージカルでは魔女によって王子が野獣に変えられるが、「U」では隠された本人の本質がキャラクター化しているということだろう。現実では歌うことができないすずが、「U」では思う存分歌って絶大な支持を得る。人がベルの歌に魅かれるのは、それが心から生まれた歌であり、すずの美しい心を反映しているからだ。外見でも、そばかすだらけの田舎娘が絶世の美女になるのも、本当はとても美しくて魅力的な女の子だと言いたいのかもしれない。一方竜はあざらだらけの人から恐れられる醜い野獣(ビースト)であり、人を攻撃するばかりである。これも本人が受けている苦痛や孤独、怒りが形になったという事だろう。
心に傷を負った少女が、同じく傷ついている少年を救うことによって自身が成長する、ただそれだけの物語にもなりそうである。しかし、主人公を応援して力になる多くの人物をまわりに配置することで、細田守流の暖かい世界観が出来上がっている。同級生達は、それぞれ役割を持ってすずを助けている。合唱団のおばさん達はすずが子供の時から暖かく見守っている。錚々たる声優さんも楽しい。辛い内容も入っているが、見終わった時に暖かい気持ちになれるのは、すずのまわりが暖かい人ばかりだからだろう。
すずの目覚めが神々しい!
美しい高知の風景に心が和みました。故郷の駅舎にそっくりでしたので、懐かしさで胸がいっぱいになりました。そして最初から最後まで知らずに泣いている自分がいました。本当に優れた力作です。ヒロインのすずが母親の死による臆病を乗り越え、成長していく姿が一番の見所でした。架空の世界で、すずが歌姫として世界の脚光浴びますが、自らの成長は現実の3次元の世界にしかありません。14歳の苦しむ少年の心を解き放つこと、そしてすずの母親への執着を溶かすために、ネットの世界や現実の世界の友人や親たちがすずを守ります。その健気な縁する人々の愛情があまりにも純粋で綺麗なのです。その愛情が後押しをして、素顔のすずは人を守る人間へと大きく脱皮する姿に涙暇なしです。仮想世界での竜(なんと声は佐藤健)とヒロインの汚れのない愛は、確かに美女と野獣をオマージュしたものでしょう。かの作品を思い出して心が熱くなりました。その愛を現実の世界でもすずは成し遂げます。だから彼女は素敵で美しいのでしょう。あと、声優たちを調べると、サプライズ的に豪華な人たちが出ているので、驚きとしか言えません。いずれにしても、最後には、すずは今一緒に生きている父親との愛情を復活させ、竜は勇気を持って父と対峙することを決意します。その生身の血の通った人間の目覚めが、どれほど偉大で神々しいのかを教えてくれる秀逸な作品です。
惜しい!!!!
映像と音楽が素晴らしかっただけにストーリーが結構貧弱にみられました。説明不足な感じがしたし、もっと盛り上げるべきところがあったと思いました。キャラクターも、こいついる必要あったんか?って思うキャラがいました。願わくばもうちょい登場するキャラ減らして、主要キャラの細部まで映して欲しかったです。
ただ本当に映像と音楽が素晴らしすぎて圧巻でした。Uの世界が本当に美しかったです。中村佳穂さんの透明感のある凛とした歌声にも聞きほれてしまいました。特にオープニングが最高でした。中村佳穂さんの歌と美しい映像に包まれて本当に幸せでした。
また、cgのキャラデザも良かったです。流石ジン・キム氏。これまでの日本アニメ映画には見られないいかしたデザインだなと思いました。個人的にはベル、ヒロちゃんのアバター、ジャスティンのデザインが好きです。
結論的に言うと、ストーリーに納得いかないところもありましたが、映像と音楽の素晴らしさがそれを上回るので観れて良かったとは思いました。
歌と映像は映画館で見る価値がある
予告の歌が綺麗だったので公開前から楽しみにしていました。
歌と映像は迫力があって本当にライブに行ったような、心に響いてくるような物を感じられて良かったです。
友達の口が悪い、同級生もネットの人も陰湿すぎるなど毒気のある描写が結構あるので気疲れしました。
最後の問題もスッキリ解決したとは思えないのでモヤモヤしてしまいました。
SNS社会ならでは?
簡単な話の流れとしては「現実世界で自分に自信のない鈴がUの世界で「竜」と出会うことで成長していくストーリー」です。
観終わってすぐはストーリーの軸(作者の意図)を理解するのが難しかったです。
しかし、考えているうちにSNSが蔓延する今の社会に対してのメッセージを感じました。全体としては「普段匿名で何気なく叩いてる相手にも1人間としての背景があるし(すずの母親の死に対して何も知らない人が叩いてるシーンとか)、ネットで荒らし等をやってる人にも1人間としての背景がある(Uを荒らしてた竜が虐待されてたとか)。
そして、ネットで人気な人も特別なわけではなく、その辺にいる普通の女の子と変わらないんだよ。(すずとベルの関係)」ってことを伝えたかったのかなぁ〜と。
終盤では、「現実では自分に自信のない」すずが母親譲りの優しさによって殻を破り、「現実世界」で竜を助けた。ここでは「ネットの世界ではなく現実・ありのままのあなたに価値がある。」というメッセージを感じました。(フォロワーの多い・少ないなどで自分の良し悪しを判断しがちな現代人へのメッセージ?)
書いているうちにまとまりがなくなってしまいましたが、伝わる人に伝わったら幸いです。
最後に、「日本のアニメ映画ってすげー!」と感動するくらい映像が綺麗なので映像だけでも楽しめるかなと思います。
びゆうていあんどびいすと。進化したSWの世界。
歌だけなら5にしたい。
鈴(ベル)のセリフ然り、他の人たちもだけど「あーあー」「ハッ…あぁ……」とか「うわぁぁーー!」とか、酷すぎる。
鈴が特にセリフの殆どの「あぁ…あぁ…あぁ…」が耳障りすぎて、脚本どうにかしてほしかった。
後半の姿を晒すかどうかの葛藤のシーンも、カラオケから逃げるときの絶叫も、クゥちゃんかよって思ってしまった。
ちゃんと言葉を紡いでください。
そんなに気持ちが焦燥してるってことなんですか。
竜のお父さんも、犬畜生とやってる事は同じ、子供をぶってた時みたいに何かしら言葉が出てこないものなのか。
小物感はすごく出てたけど。
竜とベルの見つめあいんとこ。
ベルの「ここ、ここでキス」って感じの迫ってる感気持ち悪かった。
Uの世界は別人として!っていう謳い文句があるからベルと鈴では別人として見るにしても、やっぱり中身は鈴なのだから、鈴が「ちょっといいかも」って思った人にネットの世界だとは言えキスしそうになるのみてられなかった。
きついよぉ…。
とくに、竜と忍のミスリードが上手くいってない中でのあのシーンだから、余計に「うわぁ。。。」ってなった。
あと、もうちょっとお父さんに優しくしてやってもええんやないかと、思ってしまうよ。
そんなに拒絶するほどの事だっただろうか。
心閉ざすにしても、なんでお父さん?
お父さんは何も悪いことしてないのに。
加えて、片足無いイッヌ。
不憫だな。
お母さんの事が大好きだったからとは言え、もうちょい上手になれよと思ってしまいました。
お父さんは鈴ちゃんの事、あんなに信用してたのに。
難しいお年頃なんだね。
ベルが有名になる前の歌姫もパッと出で何をさせたかったのか、よくわからずに終わってしまった。
もったいない。
まだまだまだまだこの作品に言いたい事が尽きなくって書き切れないんですけど、ただ言いたいことは「がんばれ」って思えれなかった。
「時かけ」「サマウォ」この2作品が中でも大好きな作品なんですけど、この2つは両方とも「がんばれ!」って思えて楽しかった。
まことにもケンジにも「がんばれ!」って言える思える作品だったのに、それからの特に新目のやつは主人公に「がんばれ!」って言えなくて。
まだ「オオカミ子供」では、花に対して言えるけど
後はもぉ……。
今回の鈴(ベル)に対して、その細田監督作品を観た時に感じる「応援したい!」がなくて
そもそも、どの目標に向かっていきたいのかも曖昧で、家族に対しても歌に対しても、友情や恋愛にもなんだか薄っぺらで感情移入ができなくて。
応援っていうよりかは「どうしたの?」って聞きたい。
「そんなに騒いでどうしたの?」って。
もしくは「落ち着いて」って言いたい。
みんなみんな焦って何かしなきゃ何かしなきゃで動き回ってずっとずっと何かがあって止まらなくて、結局一人一人何を大切にさせたいのかわからなくて。
ほんと、歌と映像の素晴らしさで言えば☆5は余裕で行くと思うのに。
それについて行けない内容が足を引っ張る。
もっと素敵な作品になると思っていたのにな。
細田作品の絵が好きです。
お前ら誰だよ!
主人公くらいしか過去とか心理描写描かれないし、メインのモブには役割が振られてる訳でも無い。
しかも竜も対してバックボーンが無いせいで結局竜の詳細も不明なまま。竜のリアルに会いに行ったが、その話も無し。
1番気になったのが声優クソヘタ
音楽に鳥肌がたった
仮想現実空間はスタジオ地図の得意とする所でサマーウォーズを彷彿とさせる場面もあって、でも、サマーウォーズより進化したテクノロジーで全く一緒に感じさせない。
ベルと竜の絡みは美女と野獣をイメージされてるのかな?と思う。
最後の歌唱シーンの歌声と映像に鳥肌と涙がヤバい。
迫力があって完全に世界観に引き込まれる
でも、内容は、ん??ってなる事がある。
言いたい事は、分かるけどもうーん??って感じ。
歌を楽しみに観るのが良いと思う。
素晴らしい絵と音楽と世界観、なのに少し残念なストーリー
圧倒的な映像美。この一言に尽きる作品です。
現実パートの自然の美しさと、仮想世界の描写に圧倒されます。
華美さをうりにしていないシーンであっても、背景の一コマ一コマの緻密さに感動を覚えました。
登場人物達の個性も立っているので「これダレだっけ」って混乱することもありません。
「天気の子」でも感じましたが、これは音楽を壮大に彩る凄まじいクォリティのミュージックビデオです。
一方で。
ストーリーがちょっと残念。
分かりにくいとかではなく、これだけの映像とこれだけの壮大な世界観、裏にものすごい設定を用意して、
思いきり風呂敷を広げた後、実際に展開されるお話はがすこし尻すぼみ(悪く言えば「え、これだけ?」という感じ)
逆に言えば、もしこれがミュージックビデオならばこんな壮大なストーリーを用意してくれてありがとう、です。
2時間以上の映画を見に来てこれはちょっと悲しい。
また、あくまで自分だけの好みの問題ですが、Uの世界のアカウント達の見た目、特にベルの絵柄が好みではありません。
サマーウォーズのナツキのアバターみたいな見た目のほうが嬉しかったな。
また「いま、Uって言ったの? 竜って言ったの?」というシーンがちらほら。
これは声優さんの技量というより、主要登場人物と世界の名前の発音が近いという設定ミスだと思います。
極論、Uである意味が映画の中にはなく、それならOzでいいじゃん的な。
総合的な感想として。
映像はこの上なく美麗で繊細で素晴らしく、音楽は力強く、
しかしストーリーは綺麗にまとめようとして小さくまとまってしまったという印象の作品です。
これは多分、金曜ロードショーで地上波放送されるとしてももう一度見ようという気にはなれない。
採点しにくい映画
日本語は母国語ではありませんので、文法の間違いだらけのレビュー申し訳ございません。
この作品は全体的に見ると映画として良かったと思います。
とくに、ストーリー、主人公の成長、ユーモアと感動のバランス、結末等はかなり上手く描写されています。
細田さんは監督として才能があるに間違いありません。
三星以上を付けられない理由は仮想世界の映像です。
現実の世界はアニメーションといい背景といい、とても綺麗で芸術監督とアニメーターのチームは素晴らしい結果を果たせました。
ただ、仮想世界はCGを用いて描写され、正直に20年前の低予算の和ゲーム似たような映像とアニメーションにしか見えませんでした。
CGはこんなに苦手であれば仮想世界も2Dにした方が良かったと思います。。。
もちろん、Uの世界はSNS似たような世界なのでディズニーのような綺麗な映像は非現実的すぎて要らないかもしれませんが、映画の半分ぐらいは仮想世界のシーンになりますので、汚い映像を長く鑑賞することは映画を台無しにする感じがします。とくに、映画の真ん中ぐらいに低質アニメーションで美女と野獣を再現するシーンがありますが、その時はマジで途中退席しようと一瞬思いました(笑)
残念なことは、仮想世界に起きている感動的なシーンは幾つかありますが、映像の醜さに集中することによって部分的に監督のメッセージを受け入れなかったと思います。
日本の3Dアニメーター、頑張ってください!
やっぱ日本はアニメ
細田作品ではサマーウォーズの次で2番目に入ってきたかな。
サマーウォーズと比較されがちだけど、ネット世界を描いているだけで、テーマはかなり違うかな。余計な雑音と先入観無しに観れば、普通にポカポカした気持ちになれる良い映画。クライマックスでの歌唱シーンは本当に泣けた。
作品中にあるセリフで、賛否両論、アンチによって鍛えられるみたいなのがあったけど、細田監督の実体験なんでしょうね。マジでアンチが多い。おおかみこども辺りで急増したように思えますね。ハナの行動原理が理解出来なかった層がアンチになったと思われますね。あとは日本テレビでポスト宮崎駿と持ち上げられるのが気に入らない層も多いでしょう。★1を付けてる人はほとんどがこの作品に批判するためのアカウントか、その人が他にレビューしている作品とは明らかに異なる「粗探し」視点で書かれている。ツッコミ所が箇条書きにされているレビューなんて、「それ、あなたが★5つけてる作品もそうですが?」と突っ込みたくなるような、限られた尺の中で敢えて省いた説明に対するものばかり。しかも大半は流れの中で読み取れる物ばっか。
個人的には「未来のミライ」だけはミスキャストによる減点は大きかったけど、それ以外の細田作品は日本のアニメの平均点を上げるものばかりだと思っています。
今回の素朴な女子高校生という役は、アニメ声の人気声優当てるよりは適役だったと思いました。
ベル≒リン・ミンメイ!?
脚本という名の「設計図」の重要性。
映画館での予告を観て、こんなに感動したのはいつぶりか。画力と音楽の力の総合芸術エンターテイメント。まさしく「映像美」とはこのこと。
実は、細田守監督作品は初です。
予告がすごく良かったのと、millennium parade が楽曲提供とのことで、期待度!早速、IMAXで観てきました。
現実に生きる地味めな女の子が、実は唯一無二の歌姫。
…までは普通のような気がするけれど、その唯一無二の世界はまさかの「仮想世界」。
発想力が、尋常ではない。
ですが個人的に少し残念だったのは、物語の全体的な構成といいますか、シナリオといいますか、登場人物たちのバランスといいますか、、
一番引っかかるのは、BelleのLIVEで竜が出現し、「あなたは誰?」とBelleが突然問いかけるところ。突然すぎるので、Belleが初対面の竜をなぜこんなにも気にかけるのかがロジックに説明されない。(ので、観客には突然のように思える)
ジブリ作品のような「描きたいことをあえて描かない」手法は、よほど繊細に描かないとセンス(感覚)では伝わらない。伝わらないと、引っかかったまま観ることになるので、後に回収されないと不満が起こる。
・昔、川で助けられた少年
・すずが川に入水しようとした時に手を差し伸べ助けた少年(忍くん)
・合唱隊の1人が語った、ある中学2年生の少年の話
・すずがなんだか無性に助けたくなった竜(14歳の少年)
ポイントは、幾度も出てくる様々な表情をした「川」。
生死の分かれ目を描いています。(たぶん)
Belleが歌う(すずが作った)楽曲「U」の中でバックコーラスに「レクイエム」と聴こえる(違かったらごめんなさい)箇所がありますが、「レクイエム」はラテン語で「安息を」という意味なので、「U」は死者を弔う鎮魂歌とも受け取れます。
宗教的ではありますが、”「生死」とは繋がっているもの″という見方をした場合、「生」とは「おはよう」であり、「死」とは「おやすみ」を意味する。生死は繋がっており、延々とループし続ける。そう考えると、この作品は生死のディープさを描いているとも思えてきます。
「U」の歌詞は明らかに「生」をイメージしているのに、死者を弔う鎮魂歌である件。
あとは「クジラ🐋」や「三日月🌙」などのモチーフにも何か意図はありそうなんだけど、、
さり気なく(あくまでさり気なく)作品とリンクしている部分はさすがミレパだなぁと感じ、鳥肌が立ちました。
頭をフル回転させて作品の意図を読み取りたいと思いました。すべてを説明してしまうような作品は私も好みませんが、少し伝わりづらく、本当に本当に残念でした🥲
最初は、川ですずの母が助けようとした子供が実は竜で、その子も成長過程で批判を浴び傷付きながら生きてきて、助けられた時に出来た背中のアザにBelleが気付いてるのか?そうか、ラストでわかるのか!と余計な考察しましたが、まったくの見当違い💦
Uでカリスマ的存在として君臨する歌姫・ペギースーなる人がおりましたが、その人が川で助けられた子供か?と、なんか「川で助けられた子供」がめちゃくちゃ気になるのはなぜなのか(笑)←たぶん、伏線のような描かれ方をしているからだと思うが、、
そして。
タイトルにきている「竜」についての情報がイマイチ少ないのは、物語のコアだからなのかもしれないと思ってはいましたが、コアになりきれずにラストの見せ場が物足りなかったかもしれないなぁ、、なんて、少し。
美女と野獣の世界観や、風の谷のナウシカのラスト(光り輝く王蟲の上を歩くシーン)なんかを想像させるあたりは、少し既視感を覚えます。この部分では制作側も批判覚悟で臨まれたのではないかと。(推察)しかし、それでも踏み切ったということは、、
言いたいことはすごくわかるし、伝わります。
各界で活躍するプロのクリエイターを大結集させた素晴らしい×100✨作品であることには間違いないので、新たな才能を発掘したり、その才能を適材適所に据えるあたりのプロデュース力には脱帽でした。
偉そうにズラズラ書きましたが、総合的にとても良い作品だったと思います。
【追伸①】
冒頭、Belleが歌う「U」の歌唱シーンと、「仮想世界・U」の説明ナレーション、被らないで欲しかったなぁ🥲
歌姫・Belleの初登場はナレーションなしで、よりダイナミックに観たかったです。
あと、忍くんのアズって何だったんだろう。エンディングで忍くんだけアズが登場してなかったけど、Belleがすずだと知ってたのにも関わらず、 、U登録してないのかなぁ。
【追伸②】
いろいろな、様々なレビューを読みました。皆さん、細田守監督作品に愛があるんだなぁ、と感じました。
見た目のパッケージが良くても、美味しくなくては商品は持続的に売れない。
アニメーションは絵が上手くないと誰も観てくれない。けれど内容云々でこんなに素晴らしい作品が酷評されてしまうことが残念で仕方ありません。
酷評は、期待の裏返し。
苺のショートケーキ(苺無し) ただし、スポンジとクリームは凄く美味しい
今回の映画は、細田監督の出世作「サマーウォーズ」で見せたデジタル世界の描写に、
「美女と野獣」と「デジタル社会的シンデレラ」をぶち込んだ作品。
正直、「バケモノの子」あたりからは監督には裏切られ続けている印象。
それでも「サマーウォーズ」の頃の、あの演出力の高さを、もしかしたら見られるかも……と、予告映像に少しの期待をして、劇場に足を運んだ。
さて、見てきた感想だが、
件名の通りの感想である。
この作品、個々の描写や演出は素晴らしい。
キャラクターの目線の入れ方。
アニメーションにおける高度な演出・演技を見せてくれる。心理描写や葛藤が繊細に描かれており(しのぶくん除く)これがキャラクターを支えてくれている。
お手本のような伏線。
上記の演技による伏線の入れ方は、まるで教科書のよう。一部、まるわかりのもの(特に竜の正体は、最初の登場カットで一発で分かってしまう)もあるが、それなりのカタルシスは感じる。
豪華俳優陣の声優起用も一部の方はお世辞にも上手いとは言えないものだったが、田舎の人間感は出ていたし、そこで躓くような違和感もなし。
デジタル世界の描写は、やはりワクワクさせられる。
惜しむらくは、現実世界への影響がどれほどかが分かりづらい事。これだけの技術がある世界にもかかわらず、高知の田舎が舞台だからなのか、クラスメイトが噂をする程度。
ベルの姿が東京の大型ビジョンとかに映ったり、株価に影響を与えたり、音楽の収入を寄付しているのであればそこに確かに影響を与えている事が分かったりすると、もっと「デジタル世界⇔現実世界の延長」感が出て良かったかも。
ただ、なりたい「Uならなりたい自分になれる」がウリ文句とも言える電脳空間なのに、自身の生体情報からアバターを生成するシステムなのは意味不明かも。
あと、同じようなモブビジュアルのアバターがいるのも謎(ジャスティスの部下とか……)
……スキンとかあるのですかね?
何よりも音楽が素晴らしい。
オープニングの世界観説明から、歌唱シーンへと入る様子は流石の一言。
鈴役の中村佳穂さんの歌声は、まさにディーバとも言える出来栄え。
作品全体の音楽パートへの力の入れ方は、近年の邦画では見られないほどのクオリティだったと断言できる。
※しいて言えば歌唱自体は素晴らしいのだが、近年のオシャレポップスよろしく一発で歌詞が入って来ないので、心情を吐露するような場面を曲で説明されるような演出は若干置いてけぼりをくらいがちかも……。
ここまで書いていると、「なんだ、やっぱり傑作・良作なんじゃん」と思われるかも知れないが、
残念ながら致命的構造欠陥がある。
この作品、演技演出は上手いのに、キャラクターの行動における動機付けが圧倒的に不足しているのだ。
特に、
・主人公すずが、何故竜に興味を持ち「すごく、あなたの事が知りたい」と思うようになったのか?
については、本当に分からない。
自身のライブコンサートに乱入した無法者に対して、ある程度の関心を持つのは分かる。
もちろんこの世界では「竜は誰?」と色々な人が思っているのだが、彼女の関心の高さは異常である。
いきなり自分のライブ会場に、無法者と自警団が入ってきて、そこで特に何が起きた訳でもないのに、無法者の方に興味を持つのだろうか?
「俺を見るな……」みたいなセリフと目線だけでいけるのか?
せめてここで、竜が瓦礫からベルを庇うシーンや、目があった瞬間に「救い」を感じるシーンなど、彼女のその後の行動への動機付けを支えるカットが入ってくれると、有難かった。
それが無いせいで、この映画は「どうしてこうなった感」が強くなってしまうのだ。
まさに本作の核とも言える
「そばかす姫が竜に対して、何故興味を持ち、深く知りたいと思ったのか」
と言う、ケーキで言う「苺」とも言えるものが、かぎりなく透明に近いゼロなのである。
その後も、
「何故彼女は竜のもとへたどり着く事が出来たのか?」
「何故彼女は竜に脅されて罵倒されても竜に対してアプローチしたのか?」
と疑問は続く。
……竜の城に辿り着いた事に関しては、弟(クリオネの子)意思も介在しているとは思うけど。
竜の城では、「ディズニー版美女と野獣」のオマージュをこれでもかと使用し、互いの心理的距離を詰めていくのだが、これが唐突すぎて、心理の機微を感じず、完全に置いてけぼりをくらってしまう。
せめて彼女を動かす強い動機があれば……。
・母が助けた子供とのリンクを入れる……命を懸けて救った母の背中や、助けを待つ子供の眼などを、竜に対して感じる。
・庇われるシーンを入れる……自分にとって竜は本当に悪い人なのか→知りたいという動機になる。
などあれば……。
それが無いせいで、合唱隊のおばちゃんの「悪い男に惹かれる」でお茶を濁されてしまうのだ。
いやいや、そもそもこれって全編通すと分かるけど、恋愛感情じゃないですし。
どっちかと言えば「親愛の情や家族愛」に近いものですし。
ディズニーの「美女と野獣」で言えば、
・父親の代わりに城に残るシーン
・狼から助けられるシーン
・図書室を開放するシーン
などがなく、
・街で野獣の噂だけ聞いて
・いきなり城に辿りついて
・勝手にバラのある部屋に入り
・野獣に「出ていけ」と言われたのに
・いや。あなたの事、もっと知りたいの
と言って、いきなりダンスシーンに行くのだ。
これが、どれだけ物語における「心理的動機」に欠けているのか、
ベル何がしたいねんって感じが凄い。
個人的に主人公すずの描写で気になるところは、
「お母さんが死んでから、ずっと話してない」的な発言をするのだが、それまでの描写から避けているのは明らかにすずの方である。せめて、「私の方が変な感じになっちゃって…」的な言葉の一つでもあれば……。
この監督、主人公を視聴者から愛されたいと思ってない……?
最近は「行間を読む力が足りない」とか、「細かい伏線を回収し忘れている」とか言う輩もいる。
いや、だって何もなかったよ? あったとしても、それは強い動機まで結びつかないよ?
と思ってしまった。
冒頭で触れたように、各シーンは素晴らしい。
ミュージックビデオ的な観点で言えば、最高の作品だし、
ショートムービーの詰め合わせとしての価値もある。
しかしながら、
作品全体としての連なりや纏まり、一本の映画として見た時、
個々のパーツの良さだけでは補えない、欠落を感じてしまった。
確かにスポンジとクリームは美味しかった。皿も美しくてフォークも純銀のような極上の品だった。
ただ、僕は苺のショートケーキを食べたかったのだ。
苺が乗っていない苺のショートケーキではない。
一番大事なものが、物語から欠けてしまったような、そんな映画である。
そう言えば、傑作と言われている「時をかける少女」も「サマーウォーズ」は脚本別。
若干微妙と言われ始めた「おおかみこどもの雨と雪」は脚本共作。
賛否がハッキリ分かれた「バケモノの子」「未来のミライ」は細田脚本。
優れた監督は、優れた脚本家ではないのかも知れない。
あらゆるクオリティは一級だが、
脚本のせいか、凡作レベルの視聴感に落ち着いてしまった本作。
まぁ前作よりは面白かったので、次は細田監督には監督演出に専念して頂き、
脚本を別でつけて頂けると良いかなぁ……。
私は良いと思った
SNSに気軽に書き込んだ言葉が、人の人生を左右することもある。
そんなことを感じた作品。
細田守監督が手掛けてきた今までの作品の要素が随所に滲み出ていて、ニヤニヤしながら鑑賞した。
その中で現代版「美女と野獣」であったり、先述したネット社会の縮図や、毒親、アナ雪の「ありのままで良い」といったテーマが盛り込まれており、よくまとめたなぁという感じだった。
賛否両論な部分も、物語とリンクするので、そこを俯瞰して観れるともっと楽しめそうに思えた。
観てる人の経緯がそれぞれ異なるのも踏まえて否定的な意見があるのは分からなくもない。
色々と違和感はあったけど、普通に泣いたし、終盤にかけては特に違和感が気にならなくなるくらいにとても感動した。(特に終盤の役所広司さんの声はズルかったw)
誰が何と言おうと、私にとっては良い作品だった。
「素晴らしい作品を創ってくれてありがとう」と、細田守監督はもちろん、クリエイターの方々に感謝を込めて言いたい。
良かったけど、美女と野獣はやらなくていい
美女と野獣+レディ・プレイヤー1+エイス・グレードというのは本当だわ!(笑)
細田守の最新作。
今作では近年で描かれていた親子の主題はサイドに残しつつ、サマー・ウォーズで描かれたネット社会や顔の知らない相手との繋がりといったテーマが主題となっているので、その意味では今までの細田守作品の集大成とも呼べるかもしれません(事実、時をかける少女の名シーンを思わせる演出もあったり)。
まず、冒頭から圧巻です!
「U」という仮想空間のワールドをロングカットで魅せていき、サマー・ウォーズ以上の細かで綺麗なCG映像でさながらUの都市をジェットコースターに乗って見渡しているかのような感覚に陥りました!
そして、劇中でベルがクジラに乗って出て来て歌う場面が現れて、ベルを演じたキャストの個性的で素晴らしい歌声に聞き惚れ、King gnu常田大希率いるmillennium paradeの楽曲も独特で幻想的な世界観に非常に合っていました。
あの冒頭だけでベルという存在がいかに「U」でカリスマとなっているか理解出来る場面で、本当に素晴らしかったです。
作画も相変わらず素晴らしいです。
細田守らしく現実パートの作画が写実的で美しいので、どの場面においても映像に酔いしれていました。
また、竜の正体について探すという展開がほぼメインの物語として進行していき、その正体に関してもよくある在り来たりな展開ではなく、良い意味で意表を突かれるものになっていて驚きと感動がありました。
(*^ー゚)b グッジョブ!!
そして、今作ではネット世界をサマー・ウォーズ以来に描いていましたが、サマー・ウォーズは2007年の作品で驚きが多かったのですが、今作ではYoutubeやアバターを使って匿名で歌を歌うという、最近だと「うっせえわ」のAdoのようなキャラクターの視点で展開されていき、そこに「竜」という謎のキャラクターとの交流が描かれるのですが、前作の「未来のミライ」とは違って最後までストーリーが納得のいく方向に進んでくれますし、なおかつ「竜とそばかすの姫」というタイトルにもちゃんとマッチしていました。
そして、この映画においても「親子」の物語が描かれますが、本作では親子が主題になってるはずの「バケモノの子」や「未来のミライ」よりも全然心動かされました。
主人公の鈴は川の事故で母を亡くした経験を持っており、この子はどことなく母を受け入れられない姿を感じました。
しかし、そんな主人公が終盤に起こした行動がそんな母親の行動と重なるため、母親を受け入れたように感じ、そこに感動しました。
さて、ここまで語った好きな所は殆どが満点クラスです!
なので、そこだけ見れば本作は今年ベスト級なのですが、残念ながらこの映画には自分が看過できない点が何個かあります。
まずは主人公の鈴を演じた中村佳穂さんの演技。
前述通り、歌は素晴らしいのですが、声優としての演技は正直結構酷かったです。
勿論、本職は歌手の方ですし声優は初挑戦というのは承知の上ですが、細田さんはもう少し彼女に演技指導をさせてあげてほしかったです。
あと、竜が"自称"治安警察部隊に追われてる理由について。
「U」を脅かす存在として追われてる理由が全く解りません。
例えば竜が薬物等の違法物品の販売に関わってるというのならまだしも、劇中の犯罪で相当するのは自分を襲ってた"自称"治安警察を何人かオミットさせてたくらいです。
でも正直それくらいの犯罪なら少なからずやってる人いるんじゃ...?
また、観る前から話題になっていた美女と野獣のパロディ。
正直あそこまで露骨にやるとは思わなかったです。
主人公の名前のアバターは同じ「ベル」だし、竜とベルの一連の交流やアジトの内装においても殆どが似ていました。
でもあんな安易で露骨な既存作品のパロディなんて細田さんにやってほしくなかったなぁ...
正直、あんなに露骨にやってしまうとかえって世界観のオリジナリティが損なわれるのでだいぶ幻滅してしまいました。
他にも色々と突っ込みどころはありますが、名前の知らない相手との繋がりや親子の話としては面白く、そこに細田守的な美しいアニメーション演出と素晴らしい楽曲で充分カバーされていました。
正直好みは分かれると思いますが、個人的には「賛」です。
ただ、「絶賛」ではありません。
全1494件中、1121~1140件目を表示