竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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映像美良し。内容もう少し…
話題作なので早速観に。
面白い、面白いんだけど、、
最初の盛り上がりに比べてラストの伏線回収がイマイチだなぁと。
最後どうなったの!?が中途半端
美女と野獣へのオマージュの割に、しのぶくんとも良い感じで、なんなんだろ?
世界中と繋がっているのに、運命的に出会った2人がたまたま日本人同士とかある??
歌の盛り上がりでみんなの心が一つになったところは泣けてきた。
合唱サークルのお母さん達や、友達のアバターもかわいかったし、すずを応援するところも良かった。
最も納得いかないのが、「大田区と川崎市の境目」というだけで、なんで出会えるの!?と納得いかず…。
しかもあんなどこにでもあるタワマンでが窓から見えただけで、なんて多摩川駅にいけちゃうのー?
あと、今すぐいかないと殺される勢いだったのに、夜行バスと新幹線で、一体何時間後に到着??
そして具体的にどうやって虐待を解決したのか一ミリも説明なし。
あれだけ、「助けるって口だけの奴らばかり」と、虐待を止めることの難しさを語ってたのにー。
あとどうでも良い細部では、あんな手すりのない橋を毎日通学してて、たまに転んだりして、危なくないのかしら?
全体的に映像と音楽が綺麗で良かったです
ラストの伏線回収がもう少し…
セリフに込められたストーリー展開が良かった。
この映画を見て初めてレビュー投稿します。
映像、歌、脚本、どれも非常に満足度の高い映画でした。
サントラも待ち遠しいです。
私は2回観に行って
セリフの中から読み取れる内容の多さに凄く興味が惹かれました。
セリフから前後の経緯を読み取ったり考察していた方は
ストーリーを楽しめ、結末もそこまでモヤっとしていないのではないでしょうか。
批判レビューの中で多かったストーリー内容の疑問について、
個人的な考察も含めていますがこういう事を伝えたかったのではないか、
そんな内容を記載しました。もう一度考察を兼ねて観に行きませんか。
・竜が嫌われいた理由がわからなかった。
アカウントを使用した格闘試合で(勝敗がついても)アカウント使用不可に
なるまで攻撃することから嫌われていました。
・竜がコンサート会場(球場)に来たのは何故
ベルの曲が好きで聞きに来ようとしていた。
自警団に絡まれても強行突破で入ってきたのではないでしょうか。
(ジャスティスの竜の炙り出し作成後、ベルがユーザーに
囲まれていた際の「ベルが歌えば竜が来る、前もそうだった」ぽいセリフから)
(鈴に対して、「大好きだよ」と伝えていたことから)
・竜と自警団がコンサート会場で戦いだしたのは何故
ジャスティスがコンサートに来た格闘試合で悪評が上がっていた竜を
悪として周囲に知らしめ、公式からは警察組織が不要といわれた自警団を
ユーザーの力を借りて正当化しようとしていたからではないでしょうか。
・忍の発言は無責任ではないか。
鈴が兄弟を助けたい、だが兄弟からはベルと認識されておらず、
他の助けようとした大人や若しくは面白がって視聴していた連中と同様と思われていた。
"鈴が鈴の母親と同じように他人(兄弟)を本気で助けようとしている"なら、
Uzの世界で「連絡を取った時のカメラで顔を見せた鈴」として歌うことで
信じて貰うしかなかったと思ったからではないでしょうか。
配信を切断し、竜のアカウントにはSNSや身元の紐づけがされてなかったこと、
Uzの世界でも居場所が分からなく、連絡が取れない状況でありましたし。
・なぜ合唱隊の大人(2人)は東京に鈴を1人で行かせたか
鈴本人の意思で押し通したようなセリフが送り出した合唱隊の大人からありました。
・DV親父はなぜ怯えたのかわからなかった。
兄弟の父親は城に放火して竜を炙り出していた最中で、竜を応援する配信中に
在宅で仕事中とセリフがあった為、ジャスティスであったとのではないでしょうか。
Uz上でアンベイルした鈴を目の当たりにし、ベル本人が来たとなればそりゃ
Uzの有名人でありますし、今後の事考えても怯えると思います。
ベルへの尋問シーンでアンベイルしようとしていた姿と兄弟を守ろうとした鈴を
殴ろうとしていた姿が鏡写しであったことからも示唆しているのではないでしょうか。
・兄弟が父親に立ち向かい救われたのかわからない結末だった。
高知に戻った時に「鈴が2人(兄弟)を守る姿をみた」と忍が言っていました。
それまで兄弟を守る姿を忍は見ていなかったので、高知に戻るまでの数時間に
拡散された動画、東京に行く前の通報、兄弟の証言で救われたんじゃないでしょうか。
ヒロは生配信の録画を取っていましたし、鈴が東京に行って戻ってくるまでの間に
できることとして虐待していた事実を拡散していたと思います。
期待以上、感動未満…。
これは、期待以上ですね!
幻想的な映像をバックに、透明感のある歌声が響きわたり、仮想世界を軸としたストーリーが織り成されていきます。
中身は「美女と野獣」ですね。仮想空間に「美女と野獣」の世界が存在し、現実空間に普通に生きている高校生や子供達が存在します。
ただ…、「U」はアカウント50億の巨大な仮想空間のはずですが、実際のスケール感は高知県と品川区の範囲に落ち着きます。
後半になればなるほど、それは顕著になり、あれ?これは「君の名は。」か?あれ?またまた、聖地巡礼が始まっちゃうか?みたいな感覚に襲われ始めます。
ラストに近付き、帰って来た“すず”を迎えに、お父さんが駅のホームにやってきますが、ここらあたりになってくると、あれ?これは何の映画だ?高知県のご当地アニメだったか?という錯覚に陥ってしまいます。
もし、これが、実写映画だったら、駅のホームにお父さん役のトヨエツが現れ、“すず”を家に連れて帰り、美味しい鰹のたたきを作って食べさせてあげるところでしょう。
このチグハグな、世界観はスゴイ!というしかありません。50億というスケール感でありながら、海外のシーンは一度も出てきません。
なにはともあれ、「美女と野獣」をベースとした、透明感のある歌声と幻想的な映像で、最初から最後まで押し切ってしまう、方言は一切使わない、高知県ご当地アニメを観たい方は、映画館に直行し、巨大スクリーンと最高品質の音響で、ぜひ、ご鑑賞ください!
期待を裏切ることは、決してありません!特に“中村佳穂さんの歌”は必聴ですよ!
そういえば、佐藤健の“竜”は隠す必要あったのかなぁ…。
細田守版 美女と野獣。
前情報だけで言えば、細田守監督作品で1番好きな「サマーウォーズ」に似た世界観作品で、正直面白そうだとおもっていた作品だったのですが、まず声が恒例の俳優さんメインという点でもう不安でした。ジブリしかり、生の演技を演出したいかなんなのかやたらと俳優さんを使うのはやめて欲しいと思ってしまいます…「声優」というちゃんとした職業があるのに。
その点は100歩譲るにして、映像と音楽は文字通り大変素晴らしかったです。作中でウルッとしたのは素晴らしい映像と音楽のおかげです。是非劇場スクリーンで観るべき。
そして肝心の中身。声に関しては上記に述べたとおりリアルさを追求した演出ならまあ良かったかなと思います。でも案の定セリフが聞き取りづらいし若干の棒読み感が私の中で強く残り残念でした。そしてここまで声優さん以外を起用するなら全キャストをそうして欲しかったです。何人か声優さんが演じていたのでそちらの方の声が悪い意味で浮いてしまっていました。
内容に関しては、序盤は派手な演出で興味をそそられる内容だったのに、他の方のレビューにもあった通り和製美女と野獣の違和感や、各キャラの掘り下げ方、主人公と父親との関係性(希薄すぎる)、周りの大人の放任ぶりが気になりました。
映像と音楽が素晴らしかっただけに本当に残念です。
ストーリーに説得力を与えた切なくひたむきな歌
細田守が中村佳穂を抱えて突っ走ってる感じ
バケモノの子あたりから監督への期待値は低くなっていたが、サマーウォーズ以来の仮想世界の話ということで期待もしつつ行ってきた。結果、タイトルの通り。
映像は良い。音楽も良い。ただそれだけ。
「こんなの現実的に考えて有り得ない」という感想は野暮なので置いておくとして、それでも脚本のお粗末さは否定できない。
1番の見所は「50億人のアカウントから1人を探し出す」ことだったはずだが、あれよあれよという間に見つかって結果万事ヌルッと解決。
重要な役どころであろう周りのキャラもほとんど内面や関係性を深堀りされずに進むので、終盤になって「え、いきなり出てきてお前何言ってんの?」となってしまう。
”仮想世界での出会いを経て自分を変える”というテーマは伝わってはくるが、その変わる過程や鍵となる出来事が一貫性無く勢いで詰め込まれている感じなので、ストーリーを追おうとすればするほど置いていかれてしまう。
声優の布陣から薄々感じてはいたが、本当に声優の豪華さと音楽だけで勝負しに来たんだなという感じ。期待していただけに残念。もう時をかける少女やサマーウォーズでの興奮は味わえないのだろうか。
最後にもう一つだけ、
オマージュはわからない程度に散りばめられるのが良いのであって、あそこまで丁寧になぞられると逆に恥ずかしくなる!
壮大なミュージックビデオ
音楽には疎い私だが、
主人公すず/ベルの歌声には鳥肌が立った。
見終わってから数時間が経った今でも
歌声が頭の中をずっと駆け巡っている。
決して誰もが歌いやすいものではないこの曲を歌う
ディーバベルの美しい歌声は
Uとは別世界にいる映画を鑑賞しているだけの我々を
仮想世界Uの中へと誘ってくれる。
ただ、これを映画にするには
上映時間が足りなかったように感じる。
各々想像してほしいという作り手の思いかもしれないが
登場人物の多さゆえからくる置いてけぼり感を少し感じてしまった。
もう1時間、いや2時間。
いやいっそ2本立てなら!
あの人物とあの人物とあの人物の裏側を描け
もっとよかったのではとも思うが、完全大人向けというより夏休みの家族連れも対象にしていそうなのでこれ以上長くは厳しいのだろう。
そんな思いはあったが、
あの歌声を大きなスクリーンで見聞きするというのも
映画館で見る1つの醍醐味かもしれない。
とりあえず、
明日はサマーウォーズを再び見ながら
カツオの刺し身を食べようと思う。
ストーリーが残念すぎる
映像だけならとても良かったです。
自分は映画はストーリーに重きを置くタイプなので、最低評価です。
理解に苦しむ点
・すずの母親が他人の子供を命がけで救出。助けに行くなら行くで、もう一つライフジャケット持ってなかったのか?危険なことがわかってるにも関わらず準備が悪すぎるのでは…。
・なぜ父と不仲なのか?母親が亡くなった悲しみからなのか?(これが理解できないのは自分の経験値が少なく理解できないだけか)
・突然ライブに乱入してくる竜。まず、ライブ会場どんなセキュリティしてんだよ?ライブ観客を気にせずいきなり戦闘開始。アザもマントの柄にしか見えず、説明がないとわからない。
・主人公以外のキャラが薄すぎる。いる意味なし。
・途中からいきなり美女と野獣感。なぜ嫌われ者の竜が立派な城に住めているのか?説明不足すぎる。
・竜の正体…みなさん書かれてますが、誰やねん。伏線が薄すぎるし、ライブに乱入してきたりとハッキングが得意なのかと思えばそうでもなさそう。
正体が分かり助けに行く主人公…こんな大問題、普通の感覚の人間であれば大人がついていくはずなのに誰もついていかない(笑)まず、正体を知ろうと思う動機も理解できない。
助けに行って、タイミングよく土砂降りの中外にいるこども。
虐待オヤジも他人の子のことは殴れないらしいが、それで改心したのか?そんなわけないだろと言いたい。ハッピーエンドだとは思えない。
・そもそもUの謳い文句、現実はやり直せないけどUならやり直せる とゆうキャッチコピーもグッと来ない。
結論。起承転結もクソもない。色々な要素を盛り込みすぎて見てる側が迷子になる。
初めから終わりまで共感できることがなく、問題も何も解決してないように感じました。
本当に残念です。ツッコミ出したらキリがありませんが、引っ掛かる点が多すぎて話に入り込めませんでした。もっと設定を練って欲しかったです。
次に期待しますね…!
我慢できなかった
ネットで不評だったので期待せずに来場。
普段は鬱陶しい最初の映画広告だが、
今季はなかなか良さそうなラインナップだからこの映画ダメでもまぁいいかと心を落ち着かせた。
音や描写が良いと言われていたが、天気の子ほど綺麗でも音にこだわってもいなかった印象。
ストーリーもあらかじめグダグダだと知っていたので、それを踏まえると許容できる範囲内だったと思う。
割引で1100円で見れたし、その意味ではまぁ悪くはないと思ったが、通常料金の1800円なら後悔したと思う。
でも、
最後の30分トイレが我慢できなくて本当に辛かったです。ストーリーも別にオチが気になるようなものでもなかったし、「はやく終わってくれ!!」ととにかく祈っていました。普段はおまけ映像を期待してクレジットまで座っているのですが、今回はそのおまけ映像(が見れる可能性)よりも膀胱を優先してとっとと退室しました。
クレジットの途中でも、退室すると迷惑になると気が引けますが、400席ある中で、私のほかに2人しかいなかったので許して欲しいです🙏
絵は綺麗、歌もよいがオチが・・・
CG技術の向上によって、アバター世界の表現が増えている
サマーウォーズより進化している点として
主人公のアバターデザインが人型になり演技、演出がよくなっている。
ディズニーのように目が大きく表現されて感情が分かりやすいる工夫をしている。
現実の問題を解決するために非現実世界で冒険することはわかりやすかった。
しかし、現実のオチは話のスジに無理があった。
途中までは美女と野獣のストーリラインをなぞっている。
ディズニーでは主人公の少女が父を救うため勇気をだして野獣とコミュニケーションをとっていた。
野獣と共感するためにアバターで武装してることを書くのかと思ったが、
現実では武装がなくても動かなくてはならない問題があることに展開になった。
現実のほうでは、周りの幼馴染や大人がいまいち物語の中に入っていると感じなかった。
出番カットしすぎたか?
CG映像は総じて綺麗だし、最後のオチ以外は楽しめました。
予算のかかった中村佳穂のミュージックビデオ
ミニマルな世界の自己再生のはなし
先日、みんな大好き(僕も好き)『サマーウォーズ』が金曜ロードショーで公開されてて、久々に視聴しました。ババアのコネと数学の才能とおばあちゃん譲りの花札で世界を救う映画で一番ドラマとして心に残ったのは侘助おじさんの葛藤でした。愛に飢えた少年のまま成長したラブマシーンa.k.a侘助は『サマーウォーズ』では誰に手を差し伸べられるわけでもなく、彼自身の歩み寄りで家族という集団に取り込まれていきました。
そこから12年。改めてインターネットの世界を描いた本作では、世界の存亡など関係なく、コミュニケーションを巡るミニマルな物語に終始していたのがよかったです。
主人公すずは幼い頃に母を亡くしたトラウマから歌うことができず自分の殻に閉じこもっている少女。作品全体を通してすずの視点で物語は進んでいきます。そこではお父さんとの不全な会話や、親友との気の置けない会話、ネットリンチ、「応援する」、嫉妬する/嫉妬される、「好き」、根拠のない憶測・・・などなど、様々なコミュニケーションが図られます。ここの肝は出てくる多くのキャラクターが描き込みが足りない、「他者」として現出することにあると考えます。私のことを気にかけるイケメン幼馴染、タイミングのいい相談を持ちかけてくる美人ブラスバンドリーダー、素っ気ない会話をやり取りする父親、彼ら彼女らはその裏で何を考えていたのかは想像や憶測に頼ることになり、物語が進むにつれてそれらは次第に明かされます。現実の人間関係と同じく他者というのは理解するのが難しいです。それは翻って、周りに心を閉ざすすずも周囲の人から見たら理解しづらい他者だと容易に想像がつきます。この周囲の人たちとの繋がりを横軸に、「自分を見捨てて」他者を助けにいった母との葛藤が縦軸として存在し、その延長としての竜への関心が物語を引っ張ります。
クライマックスのライブシーン、これまで他者の心配に対して「何でもない」と心を開かなかった少女は信頼を勝ち取るため竜に対して、そのものズバリな自己開示を以って応えます。同時にここは(歌うという)コミュニケーションをネットでしか行えなかった彼女が、現実の世界でのコミュニケーションに向かい合うというシーンでもあり、大変エモーションを刺激します。(但し、それを誘導するしのぶくんの強引さには抵抗を感じます。責任とれんのかテメエ。)
ここからは覚醒したすずぼんのコミュニケーション攻撃のつるべうち。まずはお父ちゃんとしっかり向かい合います。(個人的にここが一番催涙効果高かった)そして幼い竜の兄弟と雨の中道路でばったり遭遇し、石黒賢と対決します。ここではっきり石黒賢を見つめるすずの瞳を見ていると、中盤ジャスティンとの対話の中で言っていた「あなたは人を抑えつけようとしているだけ(うろ覚え)」というセリフが思い起こされます。強くなったね、すず。
ここで雨に打たれている兄弟は親からの愛を十分に享受できなかったラブマシーン2号3号であり、社会からこぼれ落ちそうな彼らを主体的に拾い上げようとする本作は『サマーウォーズ』から更に進んだアンサーと言えよう。
言及するまでもないかもしれないが、主演中村佳穂の圧倒的なパフォーマンスは素晴らしいの一言二言。冴えない陰キャがネットから現実へ向き合うミニマルな話に華と説得力を添えている。また、ネットと現実のコミュニケーションがシームレスに共存した世界というのも現代的であると思う。
大変好意的に書いたが粗を探せばゴマンと出てくる作品でもある。言及したい部分としては高知からの旅路を女性ひとりで行かせる危険性、虐待された少年に「これからは僕も戦うよ」と言わせ、大人たちは何かするわけでもない描写。
前者はお父さんに車で送って欲しかった。「車で送って行こうか?」と語りかけた前半のセリフは伏線になるし、そのまま良い父/悪い父の対比として描くこともできる。「ただいま」「夕飯どうする」に繋げたかった気持ちもわからんではないが。
後者の描写の問題点は「助ける助ける助ける」と言って助けてくれなかった「大人たち」は結局何もせず、すずの愛(母性とも言い換えられる)を以って立ち直った子どもが自分でなんとかしていく自己責任に落とし込んでしまうことにあると思います。既存の社会制度によるアプローチをきちんと描いて欲しかった。
最後にUの世界の描き込みについて。ビジュアルは素晴らしいんだけど、恐ろしく整合性のないSNSで都度ツッコミを入れたくなった。まあこの世界観には細田監督もそんなに興味ないんだろうなあ。あくまで舞台装置であって、そこから匿名のネットリンチ、衆愚性、新しいコミュニケーションを描きたかったのだと想像。CGと動き回るカメラのネット空間と手書きでフィックスのカメラの現実社会の描き分けは好き。
途中で帰るか本気で悩んだ
見終わったあと近くの席から「これってサマーウォーズの監督だよね?」という声が聞こえた。
いやほんとに確かめたくなる気持ちがよくわかる。
とにかく内容が薄くて、ツッコミどころが多い。
全然主人公に共感できない、話に没入できない。
いらいらしたので細かく突っ込みたいと思います。
仮想現実で歌ってみたら人気出た。どうしよう。まあここまではわかりました。
その後、親友との会話で「お金は全部チャリティーに寄付するから安心して♪」というのがありましたが、まずここがリアルじゃない。
お金がたくさん入るっていう過程を描けず。
このセリフ一言で面倒を片付けた感があってここら辺から不穏な空気が自分の中で漂ってきました。「安心して♪」イラッときました。
ネットの声を読み上げる演出もダサすぎます。(ニュースかよ
その後主人公のLIVE中、竜が登場。なぜかみんなから嫌われていて、自警団に追われてます。
まずこの嫌われてる理由もよくわかりませんでした。
強いから恐れられてるし、嫌われてるのかと思ったらそんなに強くないし、キャラがブレブレ。
戦闘シーンも普通で特に「竜が残虐な戦い方をしてる」と思わせるようなシーンもなく。ただモブのセリフで説明してます。
なにも描いてないのに、モブがあいつは危険だ!と終始言っていて全く意味がわかりませんでした。
痣もマントに付いてるしなんか説得力がないんですよね。
その後なぜか主人公が竜の正体を探ろうとし始めます。(ただのネトスト)
好きな同級生もいるし、竜もいるしで主人公の動機というか熱が分散してて非常に見づらいし共感しづらいんですよね。
仮想現実世界に入ったと思ったら、「城を探してるの」と言ってただけで、いとも簡単に竜の棲家を見つけてしまうのも意味がわかりませんでした。
(世界中の人や自警団?が探してる危険人物じゃなかった?)
まあ当然「出て行け!」となるんですが、その後急に美女と野獣ダンスをし始めてなんだこれは…となりました。
もうここで本気で帰ろうかと思いました。
その後もツッコミ所しかなく
・無責任に主人公へ顔出ししろ!という幼馴染。
・竜をDVから救う!と言って飛び出す主人公に誰も付いて行かない友人達。
・危険なDV男がいる所に主人公を一人で行かせるコーラスのババア達。車で送ってるからもしやと思ったらあんたらもか、大人である意味はなんだ?
・危険なところに1人向かう娘に親切な子だね。がんばれ👍的なことをLINEで言うだけの親父。
・街で待ち合わせしてたかのように、ばっちり会う主人公と竜。もうここまでご都合展開だと興醒めもいいとこ。
・奇声を上げ続ける竜のオヤジ。(ガキ使のハイテンションベストテン?) 自宅の前で少女殴ろうとするし…
全体的に人物がリアルじゃないんですよ。キャラクターがキャラ的。人物ではなくて物語の部品として存在してるだけ。
・顔に傷が付いた娘を見て一言、晩飯どうする?
いや親父はなぜそんな落ち着いているんだ。冷たすぎない?
・その後ろでおかえり〜!!とか言ってる同級生とコーラスのババア達。白々しい。
ここまできたかと思って笑いました。感動の押し売りです。
結果途中で帰ってれば良かったです。本当にガッカリを通り越して心配になるレベルの出来でした。
【なりたい自分を考える】
「サマーウォーズ」より更に壮大になった仮想空間を舞台にした作品だ。
そして、そこにいるのは、幼い頃から思い描いた「なりたい自分」だ。
僕の育った東北の山間部の街は、合流扇状地にあって、二つある川の片方には、すずが通学路で渡るような沈下橋がかかっていた。
今は、ずっと上流に大きなダムが出来て、豪雨でも氾濫することは無くなったが、昔は、よく川から水が溢れていたらしい。
小学生の時、友だちとその川で泳いでいたら、友だちのひとりが溺れて下流に流された。
何人かの友人で助けに向かったが、川の流れが速いうえに複雑で、ダメだった。
その時、さらに下流で釣りをしていた大人がいて、川に飛び込んで、友だちを助けてくれた。
友だちは病院に連れて行かれて、怪我などなかったが一晩入院した。
僕達は、親にも学校でもこっぴどく叱られた。
そして、川に飛び込んで友だちを助け出した大人はすごいと思った。
すずの母親が、中洲に残された子供を助けに入る場面で思い出した。
小学生の頃は、戦隊ヒーローの如く、病気を理由にイジメにあっている友だちを助けに入って、ボコボコに返り討ちになって泣いて帰ったり、僕は無力だったが、いつかは強く、そして、祖母に教えられたような正義感を身につけたいと思うようになった。
仮想空間で多くの人が描くアバターは、きっと「なりたい自分」じゃないのかと思う。
この作品を観て、もし、虐待にあっている子供が助けを求めるようなことが実際にあったらと、胸が締め付けられるように感じることもあった。
なかには、現実社会で抑圧されたように感じ、周りに八つ当たりをしたと考える人もいるかもしれないが、多分、そうした人は、既にTwitterでもそうだが、仮想空間でも生き辛いだろう。
やっぱり、どこでも、人は前向きな方が受け入れられやすいように思う。
それに、「サマーウォーズ」からも引き継がれているメッセージだと思うが、実際の人と人の繋がりは大切だ。
仮想空間の「なりたい自分」が、そのままの自分になれるように、多くの人は努力していると僕は信じている。
その方が、あちこちで八つ当たりを繰り返しているネット民を見るより、ずっと希望がある。
世界一美しい映像
ネットの怖さ
マクロスと美女と野獣
演出が良いだけに残念
ぼんやりとした作品だった。
ミスリードを誘ったわりに、中盤でちらりと見せたぽっと出の少年が竜の正体だと知らされる。
そのため本来そこを担うべき中心人物の一人である幼馴染の少年に弱い役が与えられ、正直こいついるかな? と、疑問に思った。
主人公が歌姫であるためいっぱい歌う。そこがこの作品の持ち味だし然るべきなのだが、いかんせん尺を取られる。
散りばめられた登場人物のいくらかは残った短い尺に満足することが出来ておらず、映画を見て三時間しか経っていないのに思い返しにくいキャラが多い。それにパッと浮かんだアイディアに大した肉付けをせず、突貫工事的で見え透いた継ぎはぎもいくつか目についた。
梯子を外すなら最後までやりきるべきで、消化不良では満足できない。時には思い切って大事なところも削る決断をして欲しい。
この作品を手放しでほめることは出来ない。
とはいえ、演出はさすがの一言でそこはお金を払ってみる価値はあると思う。
細田ファンの一人として次回作に期待する。
エンタメ作品は素直に楽しんだもん勝ち!
長女熱望で公開2日目の土曜に観てきました。
映像美に目を奪われた、歌と音楽に震えた、
こういう作品は映画館の大画面で観たほうが
その世界に没入して、魅力をより堪能できると思います。
バチバチにアクションとCG駆使した映画とかも。
『竜とそばかすの姫』では、
ネット世界<U>の奥行や輝き、
歌姫ベルの華やかな歌唱シーンも
大画面だからこその迫力が楽しめました。
そのほか、ネットにはびこる悪意や集団心理、勝手な正義感の暴走とか、
甘酸っぱい青春シーンから、
『美女と野獣』のオマージュまでてんこ盛り。
一方、レビューでよく指摘されてる通り、
フィクションならではのご都合主義な部分もあり、
視聴中、キリンラガーと現実の苦味をすすりたがる心の中のスレた大人さんが
「え、そんなアッサリと!?」と囁きだしもしますが、
そういった局面ではいつも
天空の城が崩れる3文字の呪文を唱えて、
大人さんを蹴散らすことにしています。
“うっかり言っちゃうやん”っていう、危険なほど短い呪文の非現実性よりも、
エンターテインメント作品は、
多少のことは観たときの爽快感で押し切ったもん勝ち。
観客側も、没頭して、楽しんだもん勝ちじゃないかと思うんです。
そんなこんなで、私はというと、
序盤、主人公が辛い過去を思い返す場面から
早くも泣いてました。
終盤、お母さんの想いと同調するシーンで
ダバダバ泣きました。
実際はキリンラガーでなく映画館のアサヒスーパードライプレミアムをすすりながら観ていたこともあり、涙腺がゆるみまくりました。
で、映画が終わって娘ズとともに
たこ焼きとラーメン、私はビビンバをほおばりながら、また思い出し泣きしていました。
長女はしんみり共感、
小1次女は「また泣いてるじゃ~ん、ひゃひゃ」と、かつて私も母をちゃかしてたみたいに笑っていましたとさ。
めでたし、めでたし。
(とにかく中村佳穂さんの歌声と劇中歌が良くて、
長女もサントラCD欲しがったけど発売は8/18💦)
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