竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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やっぱり私たち合わないのかも・・・
Bellの最初の歌がクライマックス。
それ以降の展開がまー入ってこない、テンポも悪い。
すごい薄っぺらいものを壮大に見せられている感。
インターネット世界×「美女と野獣」とか言われているが、
何故Bellが竜に対してあのような感情を持ったとかもよくわからないし、
下手なストーリーを無理矢理こじつけるくらいなら、「U」でのライブをずっと流してもらった方がよかった。
ひとことで言うと合わない。
#歌と映像美はオススメ
仮想世界が大規模なのに活かせきれてない
大規模に他人を捲き込んだわりには収束が小さい。
物語の導入から中盤までまったくキャラに感情移入できず、ストーリーも意味不明な感じ。
ネットの怖さを謳ってるのに終盤で一切影響なしとかはあり得ない。
主人公が強くなって成長する物語なのだろうが、肝心かなめの過程が描かれてない。
脚本が悪い。
ツッコミどころを許容できないとモヤモヤするかも
終盤は特にですが、ツッコミどころが多くて若干盛り下がったというか、冷めた目で見てしまっている自分がいました。
そもそも竜と出会って、竜のことがもっと知りたいと言って捜索(ストーキング)してるのがどうしてなんだろう?って思いました。ストーキングまでする動機が理解できなかったというか、無いですよね?
途中の竜と主人公が踊るシーンもなんで踊ってるんだろう?とか思うのは無粋なんでしょうね。
虐待する父親が竜とクリオネ(障害があるのかわからない弟)にUにアクセス出来る環境を許容するのか?ネット自体アクセスできないように束縛するのでは?というそもそもの設定に疑問を感じてしまってからは一気に陳腐になったと言いますか…。そこからクライマックス〜結びだったのでなんだか尻すぼみで終わってしまったように思います。
映像の出来はとってもよく、最初の10分は最高にワクワクしたのでまあまあ見る価値はあるとおもいます。
細田監督、お見事です
細田守監督の作品は「バケモノの子」と「未来のミライ」のふたつを鑑賞したが、いずれも説教臭いし偽善的だという印象で、あまり高い評価は出来なかった。
ところが本作品は打って変わってニュートラルなものの見方をしている。インターネット時代というか、SNS時代というか、兎に角賛否両論がネットに飛び交う中で、そういったことを気にせず自分の世界、現実の世界をしっかり生きる。いいものはいい、駄目なものは駄目だとはっきり言う。誰も参加してくれなくても、たったひとりでも、やりたいことをやる。主人公内藤鈴の周囲は、そんな魅力あふれる人たちでいっぱいだ。安っぽい説教はどこにも出てこない。
声優陣が素晴らしい。コーラスグループのおばちゃんたちの歌がやけに上手いので、鑑賞後に確認したら、森山良子、坂本冬美、岩崎良美などの錚々たるメンバーだ。みんなアフレコの喋りも上手い。
そして主人公すずとベルの声と歌を担当した中村佳穂。当方は不勉強にしてこの女性歌手を知らなかったが、語るように歌うところやソプラノの声の伸びやかさに少し驚かされた。本作品は圧倒的な歌の巧さが要求される映画で、よくこういう人を探してきたものだと、細田監督のキャスティング能力に感心した。
ストーリーはゲームとリアル、アバターと本人という、割とありがちな組み合わせで進んでいく。主人公のトラウマと家族関係とラブストーリーを上手く融合させて、軽い感じの物語に仕立てている。ともすれば重くなりそうな設定を、コーラスグループのおばちゃんたちなどを絡めることで、サラッと流しているから、観客も辛くなく気軽に鑑賞できる。「ああ、面白かった」と思えるエンタテインメントアニメの傑作だ。細田監督、お見事です。
思ってたのと違う
細田守監督の作品はどれも好きで上映する度に見に行っています。
今回のも予告を見てレビューはあまりよくありませんでしたが、とても気になったので見に行きました。
見てみると自分が思っていたのと違う感じでした、。
内容が所々難しく読み取れない部分がありました、
それとちゃんと解決してない場面がいくつかあってそこも気になりました。
Twitter上で美女と野獣と言われていたのが納得しました。
たしかにあまり納得?行かない部分はありましたが、とても絵の綺麗さには感動しました。そして歌がとても良かったです。
鳥肌が凄かったです。
目指すは「東洋のディズニー」か? 遂に開花した細田守の作家性🌹
電脳空間〈U〉の中では歌姫ベルとして華々しい活躍をするも、現実世界では冴えない毎日を送る女子高生のすず。
彼女と「竜」と呼ばれる存在との出会い、そしてその出会いを通して成長していく様を描いたファンタジー・アニメーション。
監督/原作/脚本は『時をかける少女』『サマーウォーズ』の、日本を代表するアニメ監督、細田守。
すずの幼馴染であるしのぶくんを演じるのは、『君の名は。』『翔んで埼玉』の成田凌。
すずのクラスメイトであるカヌー部部員、カミシンを演じるのは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』といった細田守監督作品にも出演している染谷将太。
すずがコンプレックスを抱いているクラスのマドンナ的存在、ルカちゃんを演じるのは『オオカミ少女と黒王子』『ダイナー』の玉城ティナ。
すずの父親を演じるのは『渇き。』『バケモノの子』の、日本を代表する名優、役所広司。
〈U〉のお尋ね者である謎の存在、「竜」を演じるのは『るろうに剣心』シリーズや『何者』の佐藤健。
マスコットの様な見た目をしたYouTuber、ひとかわむい太郎&ぐっとこらえ丸を演じるのは、『バケモノの子』『亜人』の宮野真守。
1956年、日本アニメ史における最重要スタジオ、「東映動画」が設立される。
「アニメーションの神様」と言われる森康二を初めとして、大塚康生、高畑勲、宮崎駿、小田部羊一などのレジェンドを排出したこのスタジオは「東洋のディズニー」を目指して発足された。
この「東洋のディズニー」という言葉を実現するかの様な作品を、東映動画出身の細田守が創りあげた。
キャラクター・デザインは『アナと雪の女王』などのキャラクター・デザインで知られるジン・キム。
見た目だけでなく、すず/ベルの卑屈で殻に閉じこもる性格は『アナ雪』のエルサを思わせる。
ベルという名前、そして見にくい姿をした怪物とのロマンスという展開からは『美女と野獣』の影響が感じられる。
というか、竜の屋敷から逃げ出すベルがジャスティスに取り囲まれ、間一髪のところを竜が助けに来るという展開。そのまんま『美女と野獣』で観たんですけども…。
着飾った2人がダンスホールで踊るシーンも出て来たし、屋敷にガストン的なやつが押し入ってくるし、けっこう臆面もなく『美女と野獣』の展開をトレースしている。これディズニーの許可取ってんのかな?
現実世界では歌うことができなくなったすずが、電脳空間で姿を変えることで歌うことが出来る様になるという展開は、望む姿へ変身した代償として歌うことを封じられた『リトル・マーメイド』と鏡像の関係にある様にも感じられる。
ほとんどミュージカルといっても良いような、中村佳穂の歌唱力を全面に押し出した作風であり、ここもディズニーを意識していると言わざるを得ない。
このように書き出すと、まさに「東洋のディズニー」と呼ぶに相応しい、明るくて心の踊るプリンセスアニメかと思われるだろう…。
しかし、本作の内容はディズニー・アニメとは程遠い。よくぞこの内容でファミリー向け夏休みアニメとして売り出したな東宝っ!
これまでの細田守作品があまり好きになれなかったのは、あまりにも綺麗事が過ぎる世界観が鼻についたから。
ファミリー向けを狙っているからか、良い子ちゃんに収まってしまい作者本人の内面が全く見えてこない、いわゆる「パンツを履いたまま」の作品作り。
これでは真に人を感動させることなんて無理でしょ。と思っていたのだが…。
すずのお母さんが溺れている子供を助けるために荒れ狂う川に向かうというヒロイズムあふれる場面。
またいつもの通り綺麗事を描くのかと思いげんなりしたのだが、その失望は裏切られた。
死んだすずの母親に対して残酷な(しかし一理ある)コメントが寄せられ、それを観たすずが心を病んでしまうという展開。
このシーンを観た瞬間に、「遂に細田守がやってくれた!」と嬉しくなった。
『ぼくらのウォー・ゲーム』や『ONE PIECE/オマツリ男爵と秘密の島』、『時をかける少女』などの2000年代の細田守作品から感じられた、ナイフのような鋭さ。
これらに共通して描かれているのは、残酷なまでに主人公を追い詰める世界と、それに抗う姿。
作品の中では決して主人公は甘やかされない。キャラクターを突き放すような冷静さと、燃えるような情熱が共存するストーリー。
自身の立ち位置に満足しておらず、さらに上を目指したいというハングリー精神が画面から伝わってくるような熱意にあふれていた。
細田作品に久しく失われていたこの残酷さと情念。本作ではそれが戻ってきているように感じられた。
本作で執拗に描かれるのは、表現者に対するバッシング。
誹謗中傷にも近いコメントを見て傷つくすずに、親友のヒロちゃんは「賛否の意見が半々なのは良い作品の証拠」であると告げる。
このセリフには細田守の想いが込められているように感じられる。
というのも、前作『未来のミライ』はアカデミー賞にノミネートされるなど高い評価を受ける一方で、興行的にはそれほど振るわず、一般の観客からの酷評も少なくなかった。
この経験が本作に大きく影響を及ぼしたのではないか。
細田守に対する激しいバッシングは、作品に毒気を与えるに至った。
ポスト宮崎駿などとメディアにもてはやされたのも今は過去。
宮崎駿の愛弟子である庵野秀明は『シン・ゴジラ』により『エヴァ』だけのクリエイターではないことを世間に知らしめた。
宮崎駿の元で腕を磨いた片渕須直は『この世界の片隅に』で、アニメファン以外の人間にも広く受け入れられた。
サブカル好きにしか名を知られていなかった新海誠は『君の名は。』で一躍時の人に。今では最も注目されるアニメクリエイターとなった。
上記の3作品が発表された2016年。ここを境にアニメ界の潮流が変わった感じがする。
『バケモノの子』『未来のミライ』が賛否両論だったこともあり、細田守が持て囃された時代は完全に幕を閉じた。
この残酷な現実が、細田守の新作である本作に何らかの影響を与えたことは間違いないと思う。
相変わらずシナリオはめちゃくちゃ。
すずが想いを寄せる幼馴染の忍。彼は「竜」の正体をミスリードさせる為に存在するキャラクターなのだろう。
その意図はわかるのだが、はっきり言ってキャラが弱すぎ。全く魅力的なキャラクターに見えず、ほとんどただのモブ。
クライマックスの展開はあまりにも強引。あんなに都合よく少年達の家が見つかっていいのか?
大体高知から東京まで、夜行バスで何時間かかるんだ?10時間以上かかると思うけど、よくあの少年たち無事だったなぁ…。
石黒賢お父さんの迫真の雄叫びからのヘタレ化にはちょっと笑った😅
ベルがジャスティスに尋問されるシーンとか、ログアウトすりゃあいいだけじゃないの?とか思ったし、ちょっと現実⇄〈U〉の移動に対するルールが決まって無さすぎる。
そもそも、ベルがあそこまで竜に関心を持つ理由が弱いし、竜が執拗にジャスティスに付け狙われることに対する理由付けも弱すぎる。
かなりご都合主義的なところが多く、無駄なキャラクターも多い。脚本がぐちゃぐちゃなのは間違いないと。
でもこの作品に限ってはそれでも良いと思う。
なぜって細田守のパッションが画面全体から伝わってきたから🔥
主人公ベルの見た目が、コンプレックスの元であるルカちゃんをベースにしているという設定が素晴らしい✨
彼女の卑屈な性格を端的に表しているし、自分とはかけ離れた姿になるという点では『美女と野獣』における呪いと共通している。
『美女と野獣』では醜い姿になることが「呪い」であった。これは非常にわかりやすい「呪い」の表現であるが、匿名性を良しとするネット社会における「呪い」とはそれとは全く反対のものなのではないか。
現代における「呪い」とは匿名性を隠れ蓑とし、本当の自分よりも大きなもの、優れたものであるかのように振る舞ってしまうことであると本作では説いている。
『美女と野獣』では、他者からの愛により呪いが解けるが、本作では自らを愛することにより呪いを解いている。等身大の自分を認めることが、呪いを解くということなのだ。
ベルというキャラクターの成り立ち、他人と比較してしまい卑屈になってしまうというすずの性格、父親とのモヤっとした不和etc…。
全体を流れる重苦しい雰囲気は全くファミリー向け夏休みアニメにそぐわない。
だが、ここまで思春期のモヤモヤをリアルに描き出すことができる作家がどれだけ存在しているのか。
細田守はこのような陰鬱な描写が恐ろしく上手いということを、本作で証明してみせた。
これまで細田守作品の家族描写がピンとこなかったのは、本来は陰を描くことに長けている作家が無理やり陽を描いていたからなのかも。
石黒賢お父さんの虐待シーンの生々しさは、本当に胸に迫るものがあった。短いシーンではあるが、『おおかみこども』の親子描写よりもよっぽど真に迫った表現だと思う。
もう明るい青春映画は新海誠に任せ、これからは青春の痛みや暗さを描いた作品を作るのが良いのではないか?
細田守の資質は絶対にそっちだよ。
今回で遂にその細田守の資質が開花したと思う。
手放しで褒めることは出来ないガバガバさではあるが、愛すべき映画である。
細田守の次回作にも期待が膨らむ!
深いテーマ
近いうちに実現できそうな「Uの世界」の中で人気の出る歌い手の物語と一見派手な世界の中でのストーリーが展開されるのかと思いきや、アバターでは無い現実の世界の、それぞれの人が抱える悩みや苦しみを捉えた深いテーマの作品です。
売れたアニメ監督は、映像がキレイになりシナリオがダメになるの典型
〇感想
率直に何を表現したかったのだろう…という感じ。
冒頭のシーン(圧巻!)を見たとき、序盤は、
Uで歌姫として成功していく話 + 現実世界とのギャップ
が描かれていくのかと思った。
実際にはその辺の過程はほぼ省略されていて
Uに登録 → いきなり歌い出す → 次の日から人気歌手に(体感5分)
余った時間は美女と野獣に使われた模様。
どんな人にだって好きなこと、こだわりたいことがある。
スズにとってはそれが歌。
嘔吐してしまうとしても歌をやめずにいるほど強い思いが歌にあるのだろうけど、
そこに至るまでの描写がほぼないので、彼女がどんな思いで歌っているのか、
なぜ人を魅了するほどの表現力があるのか想像できない。
憧れた歌手がいるとか、母親に教えてもらったとか、歌を好きになったきっかけが知りたいです。
母親が川で死ぬ描写するくらいなら、歌へのこだわりが見たかった。
助けられた子どもも伏線になってないみたいだし(登場してたっけ?)
なんか主軸であるはずの歌の扱いが軽いような。
〇いろいろつっこみたい
・声優使って
→意図的に使わないのだとしてもなぜ芸能人一択?
説明不足のシナリオを補うくらいの表現力はプロの声優さん持ってると思う
・ルカちゃんなんで仲良くもないスズにカミシンの恋愛相談をした?
→好きな人がシノブなら幼馴染ってことでわかるけど。
・シノブに手つながれて、のくだりいらない。
→シノブがベルに興味をもって、スズとベルの関係を疑って…ならまだなんとか。
見守ってただけとかオカンなの? 炎上も秒で解決。
・竜と出会い「あの人は誰?」
→リアル割るなって。そりゃケイ君もビビるよ。
・シノブ「素顔をさらして歌う」
→無責任になんてこと言ってんの?お前オカンじゃないの?
ネット社会に対するメッセージが素顔をさらそう、ってひねりなしかよ。
・雨の中ズッコケ
→イラッ。 傘買え。てかなんで一人で来た。そしてケイ君見つかるんかい。
親父はなんで左手で殴ろうとする?右なら正義マンとの関連も想像できたのに
水たまりの表現すごい。
・欠けたコップ、足欠損してるイッヌ
→母親絡みかなあ?もしくはみんな完璧じゃない的な暗喩?
〇その他
色々批判的な事書いてますが、オリジナル映画を作ってくれる監督さんは大好きなので応援してます。他のレビューにもある通り、映像・歌は本当によいです。映画館での視聴がお勧め。
自宅のテレビなどで見てしまうと良さを感じにくいかも。
その他AI、アバターキャラかわいかった。
ひとかわむい太郎とぐっとこらえ丸もいい感じ。
よくよく考えてみると発見がある映画
・ストーリーについて
人物の背景描写や感情の描写が少ないので、いまいち「何故その行動取った…?」と思われる場面が多い。それ故に没入感が低い。でも自己補完して「こんな感情なんかなぁ」と思いながら見ると結構面白いと思う。しかし如何せん時間が押してるせいで描写不足な場面が多かった。
また、作中におけるインターネットがかなり強調されたものになっていた。感動する場面ならば「感動した!!!!!!!!」と声高らかに叫び、批判する時は徹底的に攻撃を行う。出てくるキャラクターも個性極振りで、少々リアルさが無かった。
ただ、マクロ目線で見るなら、リアルなものである。確かに声の大きい人のニュースばかりネットにあふれてるしね。
映像はとにかく最高、音楽最高。これだけで見る価値あるんじゃね?と思えるぐらい。
あと最初に出てくる子とAI達が可愛い。
・仮想世界Uについて
理系人間としてはこの世界の設定が非常に気になる。「竜」という、いわゆる害悪プレイヤーを放置し、「必要なものはこの世界にあるので…」とだけ残して何も対処しないのはヤバくない?と思う。
それこそサマーウォーズにおいては相手がインターネットウイルスであったために運営も応援するぐらいしかできなかったのではあるが、今回は人間相手である。BANなり警告なりあっても良いのでは?と思った。
一つの説として「AIが管理を行っている世界」という設定であればどうだろうか。もしAIが管理を行うのであれば、正常な管理動作を可能にしつつ、そこにある種の「わがままさ」を導入することが可能と考えられる。例えば、「絶対にBANは行わない」など。
もしここの管理が会社などの組織なら、利益を出さねばいけないし、社会理念を守らなければいけない。となるとこういった害悪プレイヤーは対処して然るべきである。だって不利益にしかならないし。でもそれをしないという事は、ここの管理者は組織ではないと考えるのが自然である。となると一部の人間によって管理されてると考えるべきだが、少ない人数で管理を行うにはあまりに世界が膨大すぎる。となれば自分たちの理想を反映したAIに管理を任せるのが一番あり得る設定なんじゃないだろうか。
・廃墟エリアについて
よく仮想世界を舞台にした物語で出てくる「廃墟系エリア」であるが、それは①そうデザインされたエリアと②データの破損が発生したエリア の二種が大多数と思われる。では今作における廃墟エリアはどれに相当するかと言えば①である。②の説もあり得るが(データ破損らしき演出から)管理AIらしきAI達、そして「城」という特殊エリアの存在から、元々そうデザインされたエリアだと考えるのが妥当である。
作中においてAI達が「ご主人様」と言っている場面と、隠しエリアと思われる城エリアの存在から、いわゆるクエスト報酬的な存在なんだろうか。「この城を見つけ出せた場合はその人物に所有権が移行する」みたいな。
・ヒロちゃんについて
「あーよくあるわこの超ハイスペック系毒舌メガネ女子~~~~」の真骨頂。一番好きなキャラ。
何が面白いかと言うと、主人公をサポートする立場で相手を気遣う心の優しさを持つ反面、劇中の悪態をつく大衆のように「性格の悪い」属性を付与されていることなんですよ。まさに「インターネット住人」…というか2ch的人物の属性で作られたキャラなんですね。「高い技術力と優しさを持ちつつも、相手を傷つける事を厭わない側面を持つ」という。でもなんやかんや善の行動をするあたり、いい人なんでしょうね。
・ラストのリアル姿→アバター姿について
「いやそのままの姿で歌わんのかい!」と思った。でもよく考えてみると、これこそが監督の伝えたいメッセージなんじゃないかなと思う。そうなんですよ、リアルも大事だけどバーチャルな世界も切って離せない、自分の個性なんですよね。結局どっちも大事なんだよなぁって。
なんかこんなメッセージどこかで聞いたな……「レディー・プレイヤー」だわ
・告白シーンについて
なんだろう、無駄にリアルな描写やめてもらっていですか???
動きこそ強調されているが、抱えている感情はまさにそのものだった。一番好きなシーンかもしれない。
・全体的通して
「レディープレイヤー」と「美女と野獣」を混ぜてベースにして、それに思春期の成長物語を作った感じ。モブキャラがいい味出している。
・疑問点
①Asが人の潜在能力を無理やり引き出すのはわかったけど、そうなるともっと才能人だらけでは
→やっぱこの二人は最強クラスに潜在能力優れてたんじゃね?知らんけど
②ジャスティンくんのアンベイルビームについて
→あまりにチートが過ぎない?なんであんなシロモノこの世界にあるの?あれなのかな「必要なものは全て揃っている」ってこの事なのかなと。きっと正義力診断テスト的なものでSSSランクを出すと貰える武装なんじゃないかな。
よほどの天才でない限り監督は脚本を兼任してはいけない
監督が脚本を兼任した「バケモノの子」、「未来のミライ」もヒドかったけれどこれも本当にひどかった。
主役の中村佳穂さんを売り出すためだけのPV。
星は圧倒的なビジュアルと〈U〉の世界観と音楽と高知の自然に。(といっても高知でなければいけない必然性もない)
物語に対しては評価のしようがありません。
何がやりたいのかまったく意味不明。
突っ込みどころについてはほかの方も書かれてるので割愛しますが、最初から最後まで何を見せたい話なのか、説明不足、描写不足でストーリーの内容も薄くテーマもみえず。展開だけは荒唐無稽な作品でした。
監督の演出家としての力量すら疑われます。
映像作家としては素晴らしいのでしょうが、作品を作り上げる監督という器ではないです。
本当に映像が良すぎてもったいない…
素晴らしい歌とストーリー
泣けた
シナリオ、キャラクターは最悪、音楽と映像は最高なチグハグ映画
中村佳穂さんの歌を含めて劇中の音楽はどれも素晴らしかった。
また、ベルのライブシーンなど美しさで曲を際立たせている。
見ていて引き込まれたし、音楽は映画内だけに留まらず、CDなどを買ってでも聞く価値があると言える。
ただし、シナリオだけは最悪としか言い表せなかった。
ツッコミどころの多い展開、感情移入しづらい主人公たちの行動原理。
映画的、ファンタジーな展開にも限度があると思ってしまう。
何より、キャラクター全てがシナリオの操り人形で終わっている。
自然に生きている感じが一切なく、「こういう展開にしたい」「こういう絵面にしたい」というのがありきで駒のようにキャラクターたちが動かされていて見るに耐えなかった。
故にキャラクターたちは常にブレており、行動や心理、内面の造形が揺らいでいる。
それは終盤になるに向けて、雑さを帯びてくる。
ネット上で鈴に素顔を晒すことを勧めたあたりから特に描写が気になった。
今時は田舎育ちでもネットで素顔を晒す危険性くらいは判っているだろう。
しかもフォロー大勢のアカウントの持ち主が素顔を晒すのだ。
なのに誰もこの後、鈴がネットで叩かれる、住所や個人情報を特定されるとか考えてない。
虐待から救うためというのも素顔を晒す行動も映画としては見せ場で、それ自体は良い。
だが、ちゃんと周りがちゃんと危険性を提示し一旦、止めてから鈴はそれを振り切って素顔を晒すべきだった。もしくは周りが例え叩かれても晒されたりしても守ってやる、支えてやるとか言ってあげて欲しい。
親切で鈴を思っている友人や合唱団の大人たちのはずなのに、「鈴にこうしてほしい」という気持ちばかりが見えて、劇中を通して、気遣いができる、フォローができる友人や大人たちを描いていたはずなのに、いきなりこの描写で、雑で身勝手なキャラクターに変わってしまう。
誰一人として、素顔を晒すかどうかの選択が迫られる中で「鈴を大事にしたい」「守ってあげたい」が伝わっていこない。
ずっと鈴をプロデュースしてきたヒロちゃんも「折角築き上げたベルの秘密がー」とか言って素顔を晒すことを止めていたが、正直理由がそれだけかとガッカリした。
ネットに詳しくてプロデューサーもしていたなら鈴が顔を晒すことで起きる危険性は想像できるはず。しかも彼女は劇中で、母親を失った鈴に気を遣い、自ら母親の話題を口にした時は申し訳なさそうにするなどの配慮ができる人物としても描かれていた。
鈴に顔を晒させるという展開にもっていきたいためか。
それとも時間がないから、さっさと展開を進めたいと思ったのかは分からないが。
いきなりネットに詳しくない、気遣いや配慮がない友人になって、ガッカリした。
他にも気になる点はある。
最後、鈴一人で虐待父親とその子達の所に行かせるところ。
暴力振るってる場面を見てるなら友達も合唱団の大人たちも一緒に行ってあげろよ。
鈴のために校舎に駆けつけたりと優しくて思いやりがある癖に変に薄情だな、と思った。
同監督の作品であるサマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪、バケモノの子、未来のミライ。
これらでは大人がある程度、大人としての役割や責務を負っていた。
自分の子を守る、育てる、大人としてできる限りのサポートをする等。
例えば、サマーウォーズ。(以下ネタバレにもなるので見ていない人には注意していただきたい)
この作品でも子供であるカズマがラブマシーンと戦ったり、子供である健二が問題解決をしたりと子供が立ち向かう場面が多い。
だが、それを大人はただぼーっと見ていた訳ではない。
できる限りのサポートをし、人工衛星が落ちてくる中でも健二を一人残すようなことはせず、側で励まし、人工衛星が落ちてきた中では子供や家族を守るように覆いかぶさったりと、細かい部分で大人は他者を守ることをしっかりとしていた。
それに対し、今作はどうか。
今作の大人たちは子供を見守るというより、見捨てている。
鈴の父や合唱団の大人たちも良いことを言っているように見えて、虐待するような暴力的で、犯罪に王手をかけているような男の元へ、女子学生を送り出している。
子供を見守るという行為を履き違えているようにしか見えない。
なんだか鈴が一人で、助けに行った方が絵面がいいから、とか。
そういう理由でキャラクターたちを動かしているようにしか見えない。
加えて、最終の虐待父親との対峙。
諦めず対峙してくる鈴の顔を見て腰を抜かす。
いくら映画的な処理でも鈴が退かないからって虐待父親が腰抜かす訳がない。
子供が逃げたら外まで追いかけてきて、しかも初対面の鈴をいきなり顔を引っ掻いたり、肩を乱暴に揺さぶる男。
それが突然、気迫か何かにおされたように腰を抜かす。
悪役キャラの性格や態度の描写までものがぶれ始める。
ちゃんと、このキャラクターたちのバックボーンや環境、性格や態度などを考えて造形しているのかと疑問をもってしまった。
そして、最後の最後。
助けられた少年たち、顔から血が出ている鈴を見てそれぞれの第一声が気になった。
少年たちは虐待されてきた分、自分や他人の痛みに敏感のような立ち振る舞いをしていた。
父親から乱暴されそうになっても、互いに庇いあったり心配したり、守りあったりしていたりと。
のだが鈴が血を流しているのに対し、「大丈夫?」でも「ありがとう」でもない。
自分達の言いたいことだけを言う。
ここでもキャラクター描写が崩れて、終わりまでガッカリした。
2時間じゃ足りない?
正直、各キャラの背景が薄いので、特にだけど龍が誰なんだろ?という興味があまり沸かない
そして50億人から1人を探さなきゃ!ってシーンも尺の都合なのか、すぐ見つかる
その見つけた龍に会うために東京に向かい、これも尺の都合なのかすぐ見つかる笑
カヌーと吹奏楽の告白シーンに5分くらいかけるなら、龍を探すシーンを5分増やして欲しい
全体的に薄っぺらいし、盛り上がりに欠けるんよね
ただ作中で使用されてる歌に関しては物凄く濃厚
むしろPVみたいな感じなので、ストーリー3で、PV5の評価で中間の4
結果として満足なんだけど、中身がうーんって感じ
細田守として見ちゃいけないと思う
アニメ×音楽×歌を融合した新しい映画スタイル
私はとても感動しました。
コロナ禍でイベントやライブに行けない中、未来の世界観と、変わる世の中でも変わらない人と人との大切な関わり方、そこに音と歌が融合された、ミュージカルでもなく歌手のライブ映画とも違う、新しい形の映画だと感じました。
賛否両論あり、確かにストーリーに「うん?」と感じる箇所はありますが、音楽が聞こえない漫画”BECK”に共感し、震えるような感動をするのと同じ感覚です!!
ストーリーや監督の想いを、頭で考えながら観るような、良い意味でこねくり回した映画と捉えずに、、、肌感覚で世界観と音を感じることで熱さが伝わってくる作品です。
人と人との関わり方が希薄になるこれからの世の中で、一体感を感じさせる映画はとても気持ちがいいものです!!
ただただ合わない思考に倫理観。オマージュの定義とは
今回内容については酷評です。酷評というか、あまりに"自分と合わない"といった個人点では星1.5、ただ一般目線で見ると、素晴らしい映像と曲、スタッフの頑張りでエンタメとして星3以上はつけざるを得ないかなと。中村佳穂さんの歌声、圧巻でした。素晴らしいです!
以下は個人の感想です。
まず大枠ですが、なんで細田監督のここ最近の作品、どれも1番のビジュアル的盛り上げどころを上映時間の7割くらいのとこに持ってきて、そのまま尻すぼみで終わらせちゃうんでしょうね。盛り上がりー!>ちょっとホロリEP>スタッフロール!でいいと思うのですが。
その点、新海監督なんかは恥ずかしげもなく青春真っ盛りに終盤に向かって盛り上げてくれて、多少の内容なんか目を瞑れるほど作品に浸らせてくれます。大人感……?謎です。
問題の脚本。細田監督の作品は全て視聴済みですが、今作はとにかくキャラの思考や倫理観で現実と剥離があって、全くノリ切れません。
ファンタジーならファンタジーで良いのです。ディズニーなんかまともに考えたら正直サイコキャラばかりですしね。でも私は大好きですし、バケモノの子も好きです。
あれらはちゃんと「ここはそういう世界である」と認識させてくれるのですが、未来のミライと特に今作、話の根幹があまりに"現実"に寄せてくるため、私たちの世界の思考で見ざるをえません。その上でのあまりのモヤモヤ感……
・結局VRも見た目と才能なの…?竜は醜いの?そもそもバケモノアバターいっぱいいるし
・24時間テレビのような取ってつけた障害犬
・自治厨は普通は真っ先に炎上する
・何なんですか?その唐突なチートアイテム
・校内SNSのあまりの現実離れ
・ヒロインがあなたは誰?あなたは誰?って、そもそもそれをバラしたくない!っていうのがこの話の根幹なはずなのに…
・というかSNSで誰?誰?!とか来る知らん人は即ブロしか選択肢がない
・DV父親動画とか真っ先に炎上すべき案件。50億SNSとは
・周りが正体知ってる描写、伏線も無ければその意味もない。え、もしかして声一緒…?もう一人の自分とは…
・視聴者のミスリードのためだけの幼なじみ。行くだけでほんとに何もしないおばさま's
・暴力大人に女の子一人で行かせる上にアシストも一切無しの周り
・腰抜かす父親。。大好き……???
毎分首捻る箇所、話のためだけのキャラだらけで、あまりに多すぎて書き切れませんが、ファンタジーならファンタジーに浸らせて欲しいのです。社会派ならしっかり下調べや心情を練って、社会派をして欲しいのです。。かなしい。
そしてこれは個人的に私が好きすぎるため一番ですが、美女と野獣オマージュ、これは…アリなんでしょうか…?
古今あらゆる作品で、名作のオマージュはあります。キャラ、相関、構図、モチーフ、セリフ、展開etc。そんなことは承知で、パクリだとかそういうことを言うつもりは毛頭ありません。
ただ、これを全てやってしまうのはさすがにチキンレースを振り切っています。しかも"BELLE"の名前を使って。
それも必要な要素であったなら私も何も言いません。
本当にディズニーから連れてきたキャラデザ、ベルの名前、ベルのローブ、エントランス、小さい使用人たち、窓際の部屋、唐突なタキシードに舞踏会、信じてもらえないベル、ガストン、閉じ込められるベル、救助、乗せられてしまう暴徒達、燃える城、そして、バラ。
はたして、この中に脚本に必須な要素何個ありましたか…?触れられたくないはずのバラ、意味ありましたか…
その上で、なんとこの映画のビジュアル的見せ場の半分近くが、ただただモチーフを流用しただけのカットなんですよ。
正直、正気か?と笑ってしまったくらいなんですがどうなんでしょうか。ただただ「利用している」としか感じられませんでした。憤慨というか、あーあーあー……って感じですが。
それをやってもオリジナル部分に説得力があればまだ良かったのですが、上記の通りふわっふわなもので、パクリとかでなく、ただただ「あぁ、美女と野獣のアレンジしたかっただけなんだな」と。これは二次創作ですね。二次創作に原作のスタッフ連れてくるのはどうなんでしょう。
とにかくオマージュ要素に意識が行きすぎて、周りが全然頭に入ってきません。
そもそも美女と野獣って「内面で惹かれ合う恋愛」が主題で必須なわけですが、今作って「共依存や他人への興味から始まる自身の救い」なんですよね。
おいおい、そんだけ使っといてそこ外すんか、と。じゃあもう全オマージュ要素いらんくない?と。実際不要だった……。
さんざ酷評していますが、この作品に星4以上をつけられている方もいて、そういう人もいるだろうなと私でも思える程には部分部分で素晴らしい点も認識しています。
ただなんというか、内容、制作、全ての点で今作は私と倫理観が合いませんでした。
細田監督、一体どうしてしまったのか……。脚本も絶対であるなら、せめてファンタジーをやって欲しいという気持ちでいっぱいです。
※オマージュ部分すごかった!って意見も見かけます。この点に関してそういう方への「そんなレベルじゃ無いでしょお!」的な批判はあまりなく、あぁ、価値観倫理観が自分とはちげぇんだなぁって感じです。
内容が軽くて薄い
薄い。内容が薄すぎてびっくりしました。映像もキャラも歌も良い感じなのに、ここまで駄作なのは凄いです。高級食材を使っても料理人が駄目だと全て駄目になりますね…
キャラクターの中身が主人公以外薄くて、説明不足が否めません。主人公の恋愛の相手役が竜と思いきや別にいるし、登場人物たちがとっちらかってしまってもったいない。一途に1人を追いかけて助ける純愛が観たかったのに。予告と違う。
また、それまでのエピソードでほぼ触れられて来なかったキャラクターたちがいきなり集合して一致団結するんですが、正直そのノリについていけず…置いてきぼり感は否めませんでした。
最後、竜のお父さんがなぜあんなに怯えたのか謎すぎます。児童虐待って何の力もない主人公が会いに行ったくらいじゃ解決しません。私自身児童虐待の当事者です。ただの引き延ばし、自己満足としか思えず…ご都合主義な感じが否めませんでした。
好評価つけてる人は何を基準に好評価にしているのか理解に苦しみます。
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