劇場公開日 2021年7月16日

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「再度観てみたいと思える映画だったかどうかって意外と大切な要素かもしれない」竜とそばかすの姫 ディマジオさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 再度観てみたいと思える映画だったかどうかって意外と大切な要素かもしれない

2025年12月3日
PCから投稿

2回視聴した後のレビューです。初回時の印象は主に心理描写の部分になんとなく違和感を感じたせいでストーリーに没頭できずよくわからずあまり楽しめなかったなぁというものでした。星2.5~3くらいだったでしょうか。

これまで「時をかける少女」「サマーウォーズ」など細田監督作品には大いに楽しませてもらっていて、本作も人物描写から美しい映像、音楽に至るまで細田節漂う作風でしたので惜しいなと感じました。そこで改めてもやもやしていた部分を思い出してみて再試聴してみようかとなりました。
①鈴が竜になぜそこまで執着しようとしたのか?
②川原で鈴が忍に今まで気になっていた何を聞こうとしたのか?
③横断歩道で鈴が忍に何を言いたかったのか?
2度目の視聴で大体スッキリしました。ちゃんと直接あるいは関節的に分かるように描写されていますね。個人的に得た正解はここではあえて書きません。なにが言いたかったかといいますと私の場合、初回視聴では物語のスピードに理解が追いついていなかったんだなぁということです。私は10代の少女でもなく、そこにメタバース社会を描く情報量が合わさっていろいろ細かいところ見落としていたのかなと。そして思い返してみれば似たようなことは多くの映画視聴に当てはまるのかもと思いました。再度観たいと思える映画でなかったならそのまま低評価になってしまうんだろうなと。本作は2度目の視聴でしっかり楽しめる良作品でした。

父親以外の人の前では問題を抱えながらも普通の10代の少女のように元気に喜怒哀楽を見せる鈴。父親だけがそんなきらきらした娘の姿を見ることができない…。ずっと一緒に暮らしているのに…。それがただひたすらに寂しく胸が締め付けられる。でもリアリティがある。最後お帰りのシーンでは泣かされました。これからはもうそうじゃないんだよという希望が見えました。

ディマジオ
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