「賛否両論あるが良かった」竜とそばかすの姫 からあげクンさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否両論あるが良かった
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歌と映像だけで内容が無い、という前評判を耳にして、期待せずに観たが、酷評されるほどではないのでは?と感じた。
珠玉の一作、とまでは言えないが、良作と言っても問題ないだろう。
ただ、中盤からの展開に難があったことは否めない。
何故ベルが竜に惹かれたのか。
それが見てる側に全く伝わってこない。
映画を最後まで観た後で、竜とすずの共通点などから、何となくこうなんじゃないかな〜と想像力を働かすしかない。
行動原理が分からないと全ての出来事に「は???」という感じになるし、気持ちが冷めてしまうので、そこが無ければな〜〜〜という感じだった。
終盤、すずが竜に会いに東京まで逢いに行く展開は賛否両論だった様だが、とても良かったと思う。
自分に何かあった時に、どんなに遠くにいても駆けつけてきてくれる人がいるという事は、とても幸福なことだからです。
ほんの一瞬の出来事だったけど、自分のことを気にかけてくれる人がいる、という事実が人の精神の支えになることは往々にしてあるし、竜の心にずっと残り続けると思う。すずは竜に対して、これから辛いことがあっても乗り越えていけるような勇気と自信をあたえられたと思う。
歌と映像は本当に良かったと思う。
ベルの歌声は、手嶌葵のような、カリスマ性があって深い悲しみを心に宿しているような声だと感じた。本当に良かった。
映像も、アバターたちの涙がこぼれ落ちるシーンなんか、とても美しかった。アニメでしか描くことのできない、でもアニメとは思えないようなリアルな質感を感じる映像だった。
細田守監督の最高傑作なんじゃないかと個人的に思った。
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