「自分が良いと感じたのならそれで十分では」竜とそばかすの姫 mahalo_77さんの映画レビュー(感想・評価)
自分が良いと感じたのならそれで十分では
映画を見た後に本サイトで皆さんのレビューをさっくり確認させていただきました。思ったより評価点が低いと感じたからです。
総論としては「歌と映像は素晴らしいがストーリー展開、特に終盤で賛否が分かれる」ということのようでした。
後半を説明不足と見るか表現の余白と見るかは人によって異なると思いますが、
作品は文芸であって家電の取り扱い説明書では無いのであるから読み手が読み解く要素があってしかるべきではないか。というのが私の結論です。
いくつかの要素が最終的に説明が無いまま提示されています。自分としてはそれらは製作者から渡された読み解きの鍵ととらえています。
(竜の城にあったひび割れた写真、忍と合唱隊はBelleが鈴であると気づいていたほか)
見解が分かれている疑問について個人的な見解を記します。
・恵(竜)の自宅の場所は特定可能なのか?
ビルの正面と側面の面積比が映像の通りになる方角は一箇所しかない
室内の物品から窓の大きさは推測可能であり窓に映り込んだビルの大きさから三角測量原理でビルからの距離がわかる。方角と距離の交点が当該場所となる。
高知には後方支援部隊がいて(ヒロとしのぶ)逐次計算結果を伝達したのではないか。
・なぜ鈴一人で出かけたのか?
この事案は中州に取り残された子の救出の投影であり自分が追体験することで長い間の疑問に自ら答えを見出すためだった。
未成年者の単独行動にはリスクが伴うため、あるいは父親が隠れてついてきていたのかもしれない。合唱隊から情報は入手可能であり描かれていないだけで可能性は否定できない。鈴のスマホは父親が与えたものであろうしMDM(位置情報確認)が入っていてもおかしくはない。
・男親の行動には違和感がある?(鈴父もも恵父も)
配偶者の喪失は大人にも影響を与えると考えるべきではないか。
・恵(竜)の父は鈴を見てなぜ狼狽したのか
全くの個人的な解釈としては次の通り
恵の母は夫とのトラブルにより自ら死を選んだ、それを憎んだ時期に恵が写真を傷つけた。恵の父は子供たちをを守る鈴の姿に亡くなった妻を見たのではないか。
この作品は2時間1分の映画部分だけでなく、視聴前後も含めて評価すべきかと感じました。