「心地よいファンタージーで観たかった・・」竜とそばかすの姫 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
心地よいファンタージーで観たかった・・
クリックして本文を読む
今、若者たちの関心の高いメタバースを舞台にして細野流の美女と野獣の物語が花開く。
メタバースを実写セットで描いたらとてつもない手間と予算だからアニメだからこそ実現できたと言えるでしょう。お馴染みの空飛ぶクジラも登場してステージは見応え、聴きごたえ十分でした。
ただ、物語構成はちょっと疑問符、テーマは自己犠牲は美徳か?と言うことでしょうか。
観客の共感を得やすい薄幸のヒロインを作りたいのだろうが劇中では娘が行かないでと懇願するのに振り切って濁流に飛び込む母親を描いているが泳ぎに自信があったとしても単独では無謀としか言えませんね。
DVの父親も登場しますがこれまた極端、昨今は例のテロ事件のせいでカルト宗教に嵌った親のせいで子供は地獄、家庭崩壊という報道が喧しいですが親の主義や信条などで子が犠牲になる例は胸が痛みます。
長じた娘は現実逃避の効用かメタバースでは別人のよう、ただお節介は遺伝なのだろうか、繰り返される自己犠牲、何の勝算も無く上京する無謀振りまで母親ゆずり・・・。
ディズニー顔負けの技量があるのに何も社会派ドラマ風に寄せなくてもよいでしょう、できるなら心地よいファンタージーで観たかった。
コメントする