「衝撃的でした」竜とそばかすの姫 しじみさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃的でした
ネタバレだらけのレビューです。
普段映像作品はあまり観ないのですが、中村佳穂さんが声優をしていると知ってDVDを借りて鑑賞しました。
観終わった感想としては、映像・歌声が素晴らしく、テーマはどれもよく、演出も最高なのに、ストーリーや設定がツッコミどころ満載。
なんでライブをぶっ壊されて竜に惹かれるの?竜だけ城があるって、仮想空間の世界観どうなってんの?竜が日本人である確率低くない?なんで女子高生がひとりで飛び出して関東行ったら決着つくの?など、ハテナが尽きなくて苦笑しながらレビューサイトを開き、星3くらいの評価を読んでは「そうだよね」と思いました。
20分後、2021年8月12日にmogachyoさんが投稿されたレビューを読んで世界が一変しました。
先述したストーリーの違和感と、気付いてはいたのに気に留めていなかった映像上の要素(欠けた湯呑みや壊された母親の写真など)が全て美しい一本の線で繋がり、目の覚めるような思いとともに、自分がこの作品を全く読解しようとしていなかったことが猛烈に恥ずかしくなりました。
元レビューの方が文学的と表現されていたように、映像で描写された小説のような作品だと感じます。観る中で感じた違和感をひとつひとつ拾い集めて、点と点を繋いでこそ理解できるストーリーに対して、点だけ見ててもそりゃよくわかんないですよね。
今までは(軽度な伏線は理解できるにせよ)そんな映像作品の見方をしたことがなかった私にとって、文字通り衝撃的でした。
レビューを閉じてお風呂に入りながらもう一度ストーリーを辿り、共感できなかった登場人物の心情を理解しながら、ストーリーに再び新たな発見を得ました。「仮想の城が燃える」「大量の人がいる巨大空間なのにミクロなやりとりができる」みたいな設定も演出上なら仕方ないし、オマージュもアニメでやるって新鮮なんじゃない?と思えてきました。なんだか映像に見落としている要素がある気がしてきました。
多分、明日もう一度観ると思います。数十円しか変わらないからという理由で1泊じゃなくて7泊を選んだ数時間前の私とGEOの価格設定、ありがとう。
ついでに、こういった小説的な映画をもっと他にも観てみたくなりました。それとも、私が知らなかっただけで映画って全部そうなんですか?
映画の開拓のしかたはまだわかっていませんが、いくらか探してみようと思います。