「正真正銘の芸術作品!!」竜とそばかすの姫 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
正真正銘の芸術作品!!
ようやく観ることができました。素晴らしかった。すごかった。
僕はほとんど日本のアニメ映画は観ないのですが、役所広司など声優陣が豪華なこともあり、鑑賞した次第です。
「いやぁ~、日本のアニメーションはここまで来ているのか!」と驚きました。想像を超えていました。
圧倒的な映像美、圧倒的な音楽。それだけでも、この作品を観る価値があったと感じました。
肝心の主人公の声が誰か知らずに観たのですが、エンドロールで中村佳穂とわかって納得。やっぱり抜群の歌唱力ですね。
そして、仏教やキリスト教の思想を反映したとも思われる、慈悲に満ち、善に根ざしたストーリー。グッと来ました。
ネット社会に対する危惧も描かれていて、それにも共感したり、考えさせられたりした。
本作は、「現実世界」と「仮想空間」、「静」と「動」、「善」と「悪」、「生」と「死」、「愛」と「憎」、「美」と「醜」、「悲しみ」と「喜び」、「自然」と「人工」、「田舎」と「都会」……などなど、様々な対比によって構成されています。
たしかに少々詰め込みすぎ、「お腹いっぱい」感はあったし、多少のツッコミどころもあるかもしれません。
でも、全体的に見るとそんなことはほとんど気にならなかった。
第一あまり理詰めで組み立てていくと物語がかたく窮屈になるのではないでしょうか。
それに、我々鑑賞者もあれこれと粗探しをするのは、野暮というものかもしれませんね。おとぎ話なんだから。
この映画で監督がいちばん描きたかったことは「現実世界で奮闘することの大切さ」だと思うのですが(僕はそう解釈したのですが、違うのかなぁ。違ってもまあいいや)、そのメッセージにも胸が熱くなりました。けっきょく最後は現実世界で勝負するしかないんだよ、と。
あと、これもエンドロールを見て知ったことですが、常田大希がテーマ曲を作ったのですね。これにも納得。やっぱり才能あるな~。
衣装も素敵だなと思っていたら、森永邦彦が参加していたのか。この起用もすごい。
とにかく、観てよかった。
現代でしか創れない、日本でしか創れない、映画でしか創れない、アニメーションでしか創れない大作。
世界のどこに出しても恥ずかしくない、正真正銘の芸術作品です!!
スタッフの制作者魂、職人魂、気合、気迫がビンビン伝わって来る、胸おどり、こころ震える映画体験でした。
追記
この作品は絶対に映画館で観るべきですね!
大画面で、大音量で♫