「初めて細田守いい!と思った」竜とそばかすの姫 ひかるみかんさんの映画レビュー(感想・評価)
初めて細田守いい!と思った
歌と映像がキレイで凄い。ベルじゃなければあの歌があんなに凄いと思えなかったし、映画館で映像を見ながら聞けたから感動した。かほさんを見つけた監督がその声の良さを届けたいと思って創り出した作品かも知れない。確実にちゃんと意図は達成されて誰もがかほさんの声と歌に魅了されたと思う。これをきっかけにかほさんの他の歌も聞いたけど、歌詞とか雰囲気がもったいなくて、ミレニアムパレードとしての歌がもっともっと聞いてみたいと思いました!!!!
また、確かに何か物語は薄いと言われるのはわかるから、物足りない感や達成されなかった感があって満足出来ないのはわかるが、よく理由は知らないが、監督の作品はいつも主人公が片親で、ちょっとキツイ目に合っている主人公だ。幸せな子供時代を過ごした人にはわからないかもしれないが、辛いことがあった人、そういった人には、直に響くと思うし、共感できるし、応援されてるって届くと思う。今回も、なんで自分を置いて他人の子を助けようとして死んだの?という主人公から母への問いが、自分も人をどうしても助けたくて動いてしまった、という行動で、母と同じような気持ちがわかったと思うし、乗り越えられるようになったと思う。そして、Uで変わってきた主人公は現実で人を助け、そんな自分になったこと、親のことを恨むのではなく、理解し受け入れて成長したことで、もう暗いことばかり考えて後ろ向きに生きていくのはやめるだろう、確実に。
震災や、豪雨災害や、コロナやDVや…辛い目に合う人、とりわけ辛い目に合った子供に寄り添って力づけてくれる物語だ。
そういった意味では、ただの物語ではなく、現実の現在、監督から辛い目に合った人への処方箋やラブレターのようなものだ。
これを期に、題名から食わず嫌いだったバケモノの子を見たが、やはり、若者の内側にある黒いものから来る犯罪が多かったのだろうか、そんな黒いものを抱えた若者に寄り添う内容だったし、親子は血の繋がりだけじゃなく、育ての親でもいいのなら、子供が実際にはいないひとだって、親子という関係性がない人同士(作家と読者、おばちゃんと近所のこ、先生と生徒でも)でも、本当に心を込めて育ててれば、伝わるし、子の親としての役目はできるのだな、とも思った。
映画自体をどうにかしたいんじゃなくて、映画を手段にして、世の中を良くしたい、子供や若者に愛を伝えてるな、と感じた。立派な大人だ。尊敬する。行動で示していて凄い。私も、と感化された。
ベルは現実の顔をさらし自信を持って生きはじめたが、かほさんも凄い歌声の持ち主として映画で注目されて、もっともっと歌声を披露する場面が増えて広がればいいな。それを後押しする愛も入ってるんだろうな。
あと、すずは監督自身でもあると思う。映画を通して弱者に寄り添って応援して助けてる。
気になったのは竜としのぶ君どっちが好きな人?ってこと。竜は助ける相手?しのぶ君は応援してくれて、ベルとわかっても動じず、前から知ってたっぽいし、同等なレベルっぽいから、しのぶくんと切磋琢磨して行くのだろうか。
映画館グッズが全然無くて悲しかったので、グッズの量が増えたらいいな。アミューズメント品をフリマサイトで買ってしもた!