劇場公開日 2021年7月16日

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「ベルサイユ宮殿」竜とそばかすの姫 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ベルサイユ宮殿

2021年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

こういう作品は、映画館の大スクリーンで観ないとダメだろうなと思って鑑賞。
そして正解だった。

自分はアートが観たくて鑑賞しており、ストーリーには全く期待していないので、映画「えんとつ町のプペル」同様、つまらなくても、不自然すぎても気にならなかった。
映画「美女と野獣」のパクリが言われるが、その他にも映画「パプリカ」や、お城の外観は「カリオストロ」や「ラピュタ」や「ハウル」を取り入れており、またジャスティン一派は石ノ森章太郎のアニメキャラのようであり、いろいろと“勝手に総決算”(笑)をした映画なのかなと思って観ていた。

CGそのものについては、マシンパワーがあれば、キャラクターや“紙吹雪”をわんさと散らすことは容易であろうから、この“物量作戦”には自分は感心しなかった。
ただ、これだけスクリーン一面に色々とゴチャゴチャ敷き詰められているのに、決して見づらくないのは、構図や色彩設計が素晴らしいためではないかと思う。
現実世界の背景画の描き込みは、こだわりを感じた。びっしりと隙がなく、美しかった。

「貧すれば鈍する」とばかりに元気のない日本であるが、文化というのは、そういう“しみったれた”世界からは決して発展しない。
文化とは“余裕の産物”であり、ある意味、貴族的なのである。
本作の賛否はともかく、細田監督が“集金力”のある「ルイ14世」であることは確かだ。
エンドロールを観ると外国人の名前もあるが、日本人の名前が圧倒的に多い。「ルイ14世」のもとで、クリエーターがチャンスを得て羽ばたいて、豪華な「ベルサイユ宮殿」を作ったとすれば素晴らしいことだ。

Imperator