劇場公開日 2021年7月16日

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「滑稽な設定に目をつぶれば傑作」竜とそばかすの姫 良太さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5滑稽な設定に目をつぶれば傑作

2021年8月13日
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楽しい

単純

寝られる

特に事前知識なく鑑賞したが、bellの歌はすごく迫力があったし、映画としてもよく纏っているなーと感じた。
全体としては「人には誰しも秘密がある」がテーマであり、登場人物たち全員に大なり小なり秘密があり、それが中盤以降で明かされていく構成だ。伏線も多く、よく練られたストーリーであった。
しかし、細かく見ようとすると余りに非論理的で一瞬で冷めてしまうので要注意。
まず、Uというサービスは50億人が利用しているらしい。(現在、地球上のインターネット利用者が、36億人であることを考えると途轍もない数字)にも関わらずUには国家が関与せず無法地帯。主人公は高校生まで利用したことがなかったそうだ。それで、世界中を賑わせるbellも竜もペギースーも全員日本人、それも未成年というのには流石に笑った。どんだけ人気なんだ日本人w
現在危険の為封鎖されている高知名物沈下橋を通学路に使ってるし…周囲の建物がリアルすぎてキャラクターが浮いてるし…今回は細田監督の取材の周到さが裏目に出てる気がした。
あと、描かれる群衆やジャスティス、登場人物たちの行動が全員短絡的すぎる。そして思ってることを、逐一セリフとして言わせるから矢継ぎ早に台詞がとんできて割とイラッとする。あと主人公に近づく人間は、みんな人気者で良い人で、彼女を攻撃する人たちは安直で性悪という少女マンガ的な描き方もどうも好きになれない。
ただまあパロディは面白かった。スマホゲームのkingdomっぽいのとか、美女と野獣とか。それに入道雲がだんだん膨らんでいくのが本当にリアルでとても上手なのでぜひ見てほしい。
というわけで、細かい設定には目を瞑ってミュージカルだと思って見たらわりと楽しめると思う。

かたかた牡蠣