「映像音楽良し ストーリー微妙」竜とそばかすの姫 アジさんの映画レビュー(感想・評価)
映像音楽良し ストーリー微妙
一言で表せば、サマーウォーズと美女と野獣の世界観を無理に組み合わせたような作品だった。
映像と音楽はとても美しくて感動できた。アズのキャラクターデザインはとても可愛いし、生体認証から自動生成されるという仕組みはユニークで現実にあれば面白いだろうなと思わせるようなUの世界観はすごく良かった。
けれど、ストーリー単体で言えば、全体的に取ってつけた感がすごく、違和感が残りすっきりしない。まずキャラクター達の行動理念に説得力がなく、感情移入しづらい。えぇ…??と思うシーンが何度もあった。たぶん、色々な人間関係が広く浅く描かれているせいだと思う。主人公親子の関係、幼馴染との関係、竜との関係、同級生達との関係どれか一つでも深堀りされていればまだ感動できたのかもしれない。どれもいまいち釈然としないまま終わった。
以下、残った疑問違和感。ネタバレ注意
・主人公が現実で歌えなくなってしまった理由
いくら歌が母との思い出深いものであったとしても死因と関係なさすぎてトラウマ的理由として微妙と思ってしまった。
・しのぶくんは結局何者?
なんでそんな主人公のことお母さんみたいに気にかけてたん?幼馴染だからという理由だけであんな気にする?2人の関係性が深堀されてなさすぎて説得力がない。
・ひろちゃん何者?
なんであんな技術お持ちなの?
・竜の行動理念がいまいち理解できない
結局竜は何がしたかったの?どのシーンでBellのことを信頼しようと思ったの?あの秘密の薔薇って結局何?なんでBellが歌うと現れるの?
・カミシンとルカちゃんの関係性描写必要あった?
あんな時間かけてこの2人の関係表す理由あった?あの駅でのシーンは何を見せられてるの感が強かった。
・主人公と父親はなんであんなに関係に溝があったのか。
・普通、虐待親父のところへ女子高校生一人で向かわせるか?
ぶっちゃけ女子高校生が一人で向かったところで何ができるの?と思ってしまったし、普通に危険。
・兄弟の父親にバレて、兄弟との通話が切れるとき、あんなに鬼気迫る感じだったのに結局何事もなかったんかーい。
普通に兄弟何も怪我なく外に出てきてますやん。あの危機感なんだったの。
・あの兄弟は結局どうなったの?
普通に主人公帰ってきたけど兄弟どうしたの?
他にも細々あった気がするけど思い出せるところだけ書いてみた。
ハッピーエンドなんだけど、すっきりしない映画だったなと思う。たぶんもう見ることはない。
期待が大きかっただけに残念だった。
・カミシンとルカちゃんの関係性描写必要あった?
カヌー部に入らないかとカミシンが中庭に出てくるシーンで演奏中のルカちゃんそっぽ向いてます。そもそも私たちが物語を見る前からルカちゃんはカミシンのことが好きだった。ということだと思います。