「誰しも自分以外の存在になりたいけど、誰かの心を動かすのは本当の自分」竜とそばかすの姫 ゆっこさんの映画レビュー(感想・評価)
誰しも自分以外の存在になりたいけど、誰かの心を動かすのは本当の自分
サマウォや時かけを彷彿とするシーンが結構あった。
多少強引だったり、なんでそうなった?ってところもあったけど、伝えたいメッセージに胸を打たれたし見終わった後に勇気をもらえたから私は好きだ。
誰かを助けたいと心の底から思って初めて、なぜ母が自分を振り切って知らない子を助けにいったのかを知る
娘の必死の制止を振り切るなんて大切じゃなかったのか、置いてかれたような孤独感を抱えていたスズ。でもこんな気持ちだったのかと知ることで、母の気持ちと愛を知る
母は娘が大切だったからこそ、娘と同じくらいの子を必死に助けたかったんだ
自分と似たような孤独を持った竜を助けたい、大切だと思う自分と同じように
そしてそんな自分に父は「お母さんが育てた優しい子だよ」と言う
自分の中に母が生きた証みたいなものを感じる
誰かを救うためには、自分を認めなくては他人に認めて、信じてもらえない
誰かを救いたいと必死になることで、過去の自分が救われることがある
自分ばかりに目を向けていては抜け出せなかった、他人のために動くことで救われたのがよかった
でもだからこそ肝心の、竜の孤独に共感したりまず興味を持つ説得力がなくて、なんでこの子はこんなに竜を追うんだろう?竜もなぜこの子を助けるんだろう?っていうのがいまいちピンとこない
仮想世界という逃げ場所をしっかり持って、そこで自分を少しずつ解放して受け入れられることで自信を取り戻して、本当の自分に帰ってくるのはすごくいい
誰かの胸を打つのは、魅力的な容姿でもなく、元から持ってたあなたの心の中にある本質なんだよ、って伝えてくれるのに勇気をもらえる
だからこそ、かなりコンプレックスのある本当の自分をさらけ出してまで竜を助けたいのはなんでだ??そこまで大切になってたっけ??ってとこがピンとこなくて惜しい…
歌がとにかくすごく好き!声が綺麗で切なくて胸を打つし、映像は本当に美しい。自分も行ってみたくなる。キャラデザもすごくかわいい
くるくる変わるドレスも素敵だった
正直幼なじみの男の子ご都合だな〜とか、DV父親ひるむの早いなーとか、歌って竜を呼ぼうとするときみんながなんで応援したんだろーとかあるんだけど、よかった
父親はあそこで怯むことでまだ人の心があるっていう救いかもだしね…!