「惜しい」竜とそばかすの姫 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
惜しい
序盤の映像と音楽が本当に素晴らしくここで物語にグッと引き込まれます。
そして次に現実パート、ここで日本の田舎の原風景というものがとても美しく表現されていて電車の中のシーンでの電車の微妙な揺れの描写など細かいなぁと思います。
そしてUの世界にログインした主人公が初めて歌を歌うシーン。
音楽と歌がとても素晴らしく聴き入ってしまいます。
ここまでは本当に素晴らしい導入でした。
ですが、ここからがうーーーーーーむとなってしまいました。
すごく個人的な感想ですが、
見たいと思ったシーンがあっさり飛ばされて、そこまで興味ないシーンがかなりの時間をかけて流される
そんな感じがしました。
勿論これは監督の描きたかったものと僕自身が見たかったものが根本的に合っていなかったということだと思うのでしょうがないことだと思います。
嫌なら見るなという話でもあると思います。
ただ、とても個人的な感想としてはベルがUの世界でどんなふうにして人気者となったのか、冒頭でそこに興味を抱いてしまったのでそこからの展開がかなり呆気なかったです。
まず、たった1回歌っただけであそこまで拡散される?
というかそもそもUの構造自体がよくわかりません。
ベルが歌っている動画が上がって全世界に拡散されていく様は描写されていますがその動画はUの中で見れるものなの?それとも他のサイトに拡散されているということなの?
Uの中で見れるのだとしたらその操作方法は??
一回引っかかると疑問が止まるところを知りません。
そもそもあの一曲、一回だけで一億人も観客が集まるとは到底思えません。
例えば、新曲を作ってUの中で発表してさらにフォロワーが増えていくとかそういう描写があればまだ溜飲が下がったのかもしれませんが、監督が描きたかったのは当然そこではないわけで、この時点で相性は最悪だったのでしょう。
その後も途中美女と野獣まんまの展開が入ってきたり、美女と野獣を観に行ったわけではないのに何を見ているのか・・となってしまいました。
途中何億人の前で素顔で歌うのも映像的には美しかったですが歌を歌えない主人公が勇気を出して歌うというストーリー的にはビデオ通話のところで歌うのでよくない?と思ってしまったり。
そもそも母の死と歌が何の関係性があるのかも釈然とせず。
消化不良感が否めませんでした。
すごく良い作品な気がするけどなんか惜しい。
そんな気がしました。
音楽と映像は前述の通り文句なしの素晴らしさ
声優さんはみなさん素晴らしく、特にYOASOBIのikuraさんが何の役で出演していたのかわからないほど溶け込んでいたのには驚きました。