「こんなもんかぁ…」竜とそばかすの姫 ultimate__orgさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなもんかぁ…
□冒頭の大迫力のBelleのライブシーンは、バーチャル世界のトンマナを全て塗り替えられる名作かもしれないと思った。
Belleのキャラデザはとてもよかったと思うし、あのレベルの歌唱シーンを連発されたら完敗だった。
最先端のグローバルトレンドを意識した楽曲に、しっかりと"聞いたことがない"要素を加えて、未来のヒット曲というイメージを形成していたと思う。
□近未来SF的なディティールの詰めに関してはかなり消化不良である
→現在のSNSやVRプラットフォームにおいてまだ環境が整っていないバーチャルライブ体験が、どう描かれるのかについても期待が高かったし、バーチャルライフとリアルライフがどのようにバランスし、人間にどのような変化をもたらすか、とか結論としてバーチャルライフって良いものなの?とかどう描かれるのかとか気になっていた。
これについては、かなり甘かったかなと。
生体情報によって、1人の人間が複数のアバターを持つことはできない。アバターはAIが画像を読み込んで自動生成されていたが、どんなUIになっているのかとかもっと描いてほしかった。
あの耳につけるガジェットは簡単に手に入るものなの?「U」がどういう時間軸で世の中に浸透したのか、かなり謎だった。テレビのニュースになったり、おばちゃんたちが知ってるレベルなの?プラットフォームがどういう運営になってるのかとかもチョロっとでいいから情報として欲しかった。
□主人公の変化が描かれてなさすぎる
幼い頃に母を亡くしたことを引きずっている=かけたコップや、曲作りは母からの影響
だが、人前で歌えないほどシャイだし、曲を作ってることとかは「U」を始めるまで誰も知らなかった?
バーチャルライフに居場所を求めた理由として、ある程度うまくいかないと日常は描かれてたけど、そこまで絶望的な状況ではなさそうだし、心に闇を抱えてそうなかんじでもなさそうで、Belleというアーティストが何を歌ってるのかとか、なんでバズったのかとかが薄くて疑問が残る。
アバターが可愛くて歌上手いってだけ??詞曲が本人ならもうちょいなんかあってもよさそうだったのに。ラブソングなんて書いたことないやとか言ってたし。
バーチャルライフにおいてスターになったことで、スズは自信を持つことができたなら、リアルライフのほうでもその変化を描いて欲しかった。周りのみんなが気づいていたということは、Belleとしての活動をしていて、スズという女の子は良い意味で変わった部分があったのだろうか。
□結局のところメインテーマなんなん?てなる
→要素が散漫的で、恋愛なのか、成長なのか、インターネットがもたらす光と闇なのか、伝えたいメッセージがなんなのか
よくわからなかった。
□一番首を傾げちゃったシーン
→物語のクライマックスといえる、スズが自分の素顔を晒して歌う場面とそれによる展開はさすがに理解不能でしたね。
なんで小学校にみんな集合?
スズは身の回りの人にBelleであることがバレたのにノーリアクション?
なんでBelleと竜の関係をみんな知ってるの?竜は世の中的には悪と考えている層も多いはずなのに?
歌い終わって、ビデオチャットが繋がって「やったぁ」ってなるの本気で意味わかんなかった。なんも解決してなくないから東京行くんだよね?このまま東京まで車で行く?ってなってるのに夜行バスに未成年を1人で乗せたの?
東京着いてからは場所の特定とかサポート体制なくなるのなんで?Mapとかあるっしょ。家に子供2人は軟禁されている可能性はなかったのか?部屋番号とかわかんなかったよね?で、結局児童虐待の何を解決したの?竜は結局世の中的に善なの?悪なの?どうなったの???
モヤモヤが残りました。