「考察では消えない違和感」竜とそばかすの姫 hitomintさんの映画レビュー(感想・評価)
考察では消えない違和感
細田守監督作品は未来のミライちゃん以外鑑賞したことがあり、Huluでも何度も観る程好きな作品が多いです。
人の繋がりやあたたかみを描くのがお上手で、観た後はやさしい自分と向き合える、そう感じていました。
本作はエンタメとしては面白いと思います。
ただ観賞後にやさしい自分とは向き合うことはできませんでした。
演出やサントラは魅力的な場面も沢山ありましたが、
突っ込みどころがいくつも出てきてしまい、素直に見ることができませんでした。
・Uの世界でのキャラデザが豊かでもっと観ていたかった。
・カミシンの演技がずば抜けて良かった。
・忍君との関係を疑われた際の炎上〜火消しまでの見せ方がゲームっぽくイキな演出で魅力的でした。
・竜の弟君のクリオネのコメント、歌を口ずさむ様子は何か引き込まれるものがありました。
×母を亡くした主人公が歌えなくなってしまう過程にもう少し尺があっても良かったと思いました。
×主人公のセリフに「あぁ!あぁ〜」が多すぎて変だなと思ってしまいました。色んな場面で転びすぎて、表現方法の雑さを感じてしまいました。
×どうしてあんなに優しい父に対してあそこまで距離を置くのか、理解できませんでした。
×最後に主人公が素顔をUの世界で晒し歌った後に、またアバターの顔に戻した意図がわかりませんでした。
×美女と野獣をあそこまでオマージュする必要はあったのでしょうか。何か意図があるとしたなら知りたいです。
×50億人のうちの1人を見つけ出すまでの流れがあまりにご都合主義すぎではないかと、、、
×主人公のフォロワーの増え方、支持を集めるまでの展開が急すぎで、そんなわけないでしょうと思ってしまいました。いくらなんでも歌が上手い人は沢山いて、主人公が頭一つ出て皆を注目させるには努力の過程をもっと見せる必要があったのではないかと。
×Uでの経験が実世界での主人公に影響を与えたのはわかるのですが、歌いたくても歌えない潜在意識をUの世界では取っ払える仕組みがわからない。
一緒に観に行った知人も矛盾を沢山感じていたらしく、互いに考察を交わしましたが、解消されませんでした。
岡田斗司夫チャンネルで解説してくれないかなぁ。。