「歌はとても良かったし、好みの曲調。大画面で観たUの世界の映像は美し...」竜とそばかすの姫 えとせさんの映画レビュー(感想・評価)
歌はとても良かったし、好みの曲調。大画面で観たUの世界の映像は美し...
歌はとても良かったし、好みの曲調。大画面で観たUの世界の映像は美しく迫力があった。田舎の風景も綺麗だった。
だったが、なぜか学校の学生たちの作画が荒くなる。Uの映像が綺麗なだけなぜ?
その荒さに比例するのか、人間関係が薄い。2クールアニメの劇場版かと思うくらい、人間関係の構築の説明がすっ飛ばされるので腑に落ちないまま話が進んでいく。クラスLINEで炎上する件必要でしたか?ボート部の子とか合唱のおばちゃん達とか親友とか、なんなん?どうしたいん?端折られすぎてて疑問ばかりが残る。最たる疑問は、竜が現れた時になぜ何をしたいのかとではなく、あの人は誰?という感情になったのか。なんでそこからあんなに惹かれたのか。
思うに現実世界でもUの中でも主人公以外のキャラクター、物事は全て記号でしかないのかもしれない。見せたい図を詰め込んで、それを表す為の記号を置いていっただけだから、厚みが感じられないのではないだろうか。
その割に片足のない飼い犬とか変にインパクトのある記号だけ置きっぱなしだし。考察と察するは別物だと思う。ちゃんと考えると、竜の少年達の問題は何一つ解決してないのだが、そこは目を瞑って一件落着で終わらせたいのを察しなければいけないのって、本当どうなんでしょう。
やりたかったのは、美女と野獣とサマーウォーズとマクロスFのシェリルなのかしら?
サマーウォーズやぼくらのウォーゲームの時代はまだネットのコミュニケーションに夢を見られたけど、もうあんなにネット上が一丸となる事はないって分かってしまっているから、素敵な理想の世界を見せてもらったなと思った。
おおかみこどもやバケモノの子みたいな変な気持ち悪さはない。可もあり不可もあるといった作品。