「批判の理由を理解したうえで、「素晴らしかった」と評価します。」竜とそばかすの姫 谷舗悠人さんの映画レビュー(感想・評価)
批判の理由を理解したうえで、「素晴らしかった」と評価します。
鑑賞後にこちらのレビュー欄を観てみると、酷い評価が乱立しており驚きました。
確かに批判の理由は理解できます。しかし、細田監督が敢えてそうしている事は明らかで、何故そうしたのかというところに意識が向いていない方が多い。
映画を観る前の方に読んで頂きたいので、ネタバレはしませんが、なるべくその意図が読めるように、簡単に書こうと思います。
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「なんでこうなるのか」を観客の想像に委ねる余白がありました。数多くの説明が必要な設定でしたが余白をつくったお陰で魅せる部分をケチらず120分に収められています。某ディズニー映画感が否めない点とあわせて批判の対象となっているけれど、これは肯定的に解釈できる部分だと思います。
某ディズニー映画感を拒絶する前に、そこが「仮想空間」であるという事を忘れないでほしい。
物語の重厚さに比重はかけられていませんが、“薄っぺら”くはありせん!。映画の価値はその点だけでは無いはずです。
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細田監督は舵の切り方が上手かった。
条理を貫くことよりも、如何に映画として魅せるかということに傾注しています。
これは映画であり、フィクションなのです。
“あり得ない”ことは無いのです。
僕は好きでした。そのおかげもあってアニメがかなり活きていたし。
それと、歌声、演出、メロディは最高です。
この点は皆さん評価は一致していますね。やはり常田陣はすごい。中村佳穂も大正解。
敢えて言うならリップシンクにCGの限界が出ていて気になりました、割り切りましたが。
ですが、総合して素晴らしい作品だったと思います。
鑑賞するか迷っている方は、評価の低さで判断せず、是非映画館に足を運んでほしい。劇場で観る価値は十分にあります。
僕らは批評家ではありません。どう楽しんでやろうか!と、肯定的な姿勢で鑑賞することが良いように思います。
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ps.どうであれ、かなりの酷評を浴びている事は事実です。酷評が悪いわけではありません。納得できる批評なら良いんです。
しかし、あまりにも感想すぎるというか、前提すぎるというか。。思う事は自由です!しかし書く、コメントするとなると別です。ここのコメント欄はきっと沢山の人が見ます。映画を観る前の判断基準にする方も沢山いらっしゃると思います。
全くの素人である僕たちが、基準になっていい訳はないのです。細田監督が伝えたかったメッセージは、そういう点でもあるんじゃないでしょうか?
一点に気を取られて、頭ごなしに否定する。それでは自分で自分の体験を無駄なものにしてしまっているようで、勿体ないなぁと感じます。
ですが、細田監督があの(一般から酷評を浴びるであろう)構成を貫徹する上で、この荒れた状況を予想できなかったはずはありません。もし仮にここ(映画内構造が現実にも表出した現状)まで意図されたものなのだとしたら、非常なエンターテイナーだと思います。
僕は楽しく鑑賞できました。
貴殿の意見参考になりました。
ただし、私は「評価はできるが低評価」になります。
まず、深読みしなければ理解できない内容がダメです。勿論深読みできる奥深さが有るのは結構な事ですが、表層のみで判った気になる方が多いのも事実です。つまり、最低でもその表層部分にもしっかり理が通る様にはしておかないと作品を通して言いたい事は伝わり辛いし、違う解釈に取る人もいるでしょう。
この作品は鈴のトラウマ克服成長物語となるのかもしれませんが、個々のシーンが成長の為のパーツで、それぞれの扱いがリアルな筈がファンタジーに描かれ、現実を知る人にとっては「は?何だこれ?」となる訳です。
意図的に賛否が割れる様に作ったとするなら、何故その様に作ったのかも疑問です。話題作りの為ならやらないで欲しいです。
音楽映像でゴリ押し、微妙なシーンも音楽映像で感動を上書き、そう言われても仕方ないかな?と思います。
そういう点を踏まえて私は、総合点は4/10程度となります。
mmntmrさん はじめまして。mmntmrさんのレビューを読ませていただき、はて?私はどういうことで共感をして頂いたのだろう?と 戸惑っております。私は、点数こそ3を付けましたが、低評価されてる方々の気持ちに共感しています。ただ、1とか0.5とかは ちょっと低過ぎるなと思います。素晴らしい点は明らかにあるので。
ファスト映画の台頭問題に関しては、なるほどと思います。
今回の件でようやく自覚したのですが、大衆は“脚本主義”的に映画を観ていますね。そんなんだから“ファスト映画”が台頭しているのだと思います。だるまさんはどう思いますか?
私も同じようなことを感じました。美女と野獣パクってベルって名前付けるかな?と、前半は、イライラしたり負の感情に支配されました。手元にスマホがあれば、「なんだこれ?」と呟いたでしょう。それは、この映画の匿名の群衆と同じです。
そのうえで、鈴が勇気を出すところから、群衆と同じように心が温かくなります。
前半はそのフリなのだろうと思います。
酷評している人には顔を晒す勇気があるだろうか?私には絶対にない。