「歌と映像で厚化粧しているが、中身はクソブス」竜とそばかすの姫 グレッグビソネットさんの映画レビュー(感想・評価)
歌と映像で厚化粧しているが、中身はクソブス
まず、褒める所は歌と映像です。
歌はとても心惹かれるもので、映像もとても美しく、舞台で有る高知県に足を運んでみたいと思うほどでした。
そこには最大限の敬意を払いたいと思います。
私はただ貶したい訳ではございません。
公開初日の1番初めの上映会に行き、劇場で予告を見た時から歌と映像に心を掴まれとても楽しみにしていました。
だからこそ、ストーリーの拙さに憤りを感じます。
この映画を見て思ったことは、旗を立てる場所は合ってるけど、その導線が雑すぎると思いました。
冒頭から指摘させて頂きますが、どこまでが回想シーンなのか、ぶつ切り過ぎてわかりませんしあらゆる部分で圧倒的に描写不足です。
青春を描くにしても、恋愛を描くにしても、家庭環境を描くにしても、児童虐待やネットの怖さにしても、すべてに置いて消化不良です。
そもそもそばかすの姫、とタイトルで言ってる様に、そばかすが顔に浮かぶ引っ込み思案な女の子の精神的に成長していく、的なストーリーかと思えば結局中途半端。
タイトルにある1番大事なことすら抜け落ちています。
この映画は何を伝えたかったのでしょうか?
風呂敷を広げ過ぎて畳めなくなった感が否めないです。
世界中の何億人を田舎の高校生が魅了するほどであれば、幼い頃からその片鱗をもっと丁寧に描いたりできたと思うし、その方が母が亡くなってから歌えなくなった描写にも説得力があったと思います。
そもそもそこの描写も適当すぎて、急に歌えなくて吐き出したシーンではお前歌えなかったんかい!!と思いました。
さらに、そこからの立ち直りも適当すぎる。
長年歌えなかったのに、仮想空間に始めて入った一発めでもう簡単に歌えてしまうの??
幼少期から摺ってきたトラウマがそんな簡単に解決してしまうの?
そこでもう一悶着あってやっと、母の死を乗り越えてやっと歌えた方が深みも出ると思いました。
長年のトラウマも軽々乗り越え、一発めで歌えて、一夜にして世界的大スター。。。
感情移入もできません。
それと、冒頭で母が川へ飛び込んでしまったが、その描写も適当かと。
映画内のニュースサイトのコメントでも、自分の子供を残して他人の子を救うなんて無責任だ、とありましたが本当にその通りだなと思いました。
恐らくですが、世界的歌姫の才能がある高校生のサクセスストーリーを描きたいけど、最初は歌えない方がいいから母親殺しとくか。それに舞台は高知県だし死因どうしよう?せや、四万十川で殺したろ!!みたいなもんでしょう。
何回も言いますが、旗を立てる場所は正しいけどそこの導線が本当に適当すぎます。
母親というものは我が子がなによりも1番大事だし、それなのに他人の子を救いに行くか?そもそもお前の親は何をしとんねんと思いました。
しかもその子、その後出てこないんかい。
ネットの怖さを伝えるなら、その後残された遺族の葛藤や自分のせいで死なせてしまった辛さも描けたでしょう。
急に出てきた新キャラが竜よりも、残された子供が竜の正体でしたの方が伏線にもなって良かったのでは?
中盤に急に出てきた父子家庭の男の子が竜でしたと言われても、はぁそうですか。。って感じでした。
だからこそ助かった見ず知らずの子供が、過去に人を死なせてしまった後悔と、それによりネットで叩かれたことで攻撃的になって暴れ回っていたと言われた方が理解できます。
なんでこんなに使える要素を手放すのでしょうか。
竜が児童虐待されており、あの強さはこれによるものだったんだ!!ってすず達がいってましたが、だからってなんでネットで暴れてるの??
それは理由にならないし、本当に雑だなと思いました。
幼少期で世界的音楽の才能の片鱗も描かず、歌えなくなってしまうほどの母親の死すらも適当。
もっと母親から愛されてる描写もあった方がそのトラウマを乗り越える感動もあったと思います。
そのトラウマすらも軽々乗り越えるのですから、どうしようもありませんがね。
それにただ映像の良さを伝えたいだけの、ストーリー的に何の意味もない青春の切り抜き。
どこまでが回想シーンかわからないぶつ切りダイジェスト。
映像きれいやろ!ノスタルジックやろ!青春やろ!?と言わんばかり。そういうのはストーリーと絡めて主張してくれ。
どうでもいいことに時間を割き過ぎだし、かと言って丁寧に描いてないしどうしようもない。
ストーリー的に何の意味もないのに、なんでわざわざ冬を跨ぐ必要あったのかな?と思いました。
冬の描写見せたかっただけやろ。
それよりも、回想シーンなら幼馴染との描写をもっといれてくださいよ。
すずが好きになっていった理由もほどほど。
だからこそ、数十億人の前で顔晒して歌えって言った時は、お前全く出てきてないくせに何を言ってんの?無責任すぎるし、それこそネットの怖さを伝えるなら矛盾しすぎでしょと思いました。
中盤も雑すぎる。
恋愛模様も丁寧に描く訳でもなく、カヌーのモブなども出す必要あったの?と思うほどの適当具合。
青春するのか恋愛するのか、SNS風刺したいのか児童虐待について触れるのか、何がしたいの??
それに美女と野獣の露骨なオマージュがありましたが、そういう事は本筋がしっかり整った上でやってくれよ。
何回も言うけど旗を立てる場所は合ってるけど、本当に雑すぎる。
なんで何十億とユーザーがいる中で城があるの?そんだけユーザーいたら見つかるんじゃないの?SNS上の空間に何でAIがいるの?なんでAIなのに竜を慕っているの?なんで踊り始めるの?パロディしたいから唐突に踊ったの?そもそも竜に惹かれる理由もわからない。
細田に勘違いしてほしくないのは、語りすぎない美しさというのは、心情をセリフや描写で過度に説明しすぎないことであって、お前のはただ単に描写不足だからな。
新エヴァみて勉強してこい。
それに最近流行りのネット警察も描き切ることはなかったしね。
平定!!とかスマホの中華ゲーのパロディやってる暇があるなら世界観をもっと広げるために時間使えや。
父との和解もそんなすんなりしないでくれよ。
そもそも、父親とギクシャクした理由も曖昧だしね。
コメント書いてて腹立ってきましたので、足早にいきます。
ネットの怖さを伝えたいくせに、何十億の前で顔を晒させるパッとでの幼馴染。
すずは歌えないと、友達もロクに信じない親友。
すずを暴力的な大人の男の元に一人でいかせる合唱団のババア達。
しかもそんな雑に東京に行かせるなよ。
なんの緊張感もないし、教室出る→電車乗る→夜行バス→といったワクワク感もないダイジェストでお届け。
すずは守るとかいってるんだったら、幼馴染ついてけや。
ましてやネットのことに触れるなら、正の部分もふれなよ。
すずが勇気をもって顔出ししたんだから、ネットの力を借りて助けることもできたでしょう。
上記の様に東京に行くまでの描写はかなり適当すぎて引きました。
しかもバスの中でLINEで長年の父との葛藤も簡単に解決!!!
けど役所広司さんの演技は本当に素晴らしかった。
そして、東京に着く。
写真だけを頼りに偶然それっぽい場所に到着。
水曜日のダウンタウンでその企画やってくれ。
児童虐待されてやばい家庭なのに、なぜか簡単に外をほっつき歩いてる竜達。
そしてすずがついた途端に偶然遭遇するご都合展開。
ここで街中で歌い始めて、近隣の人達が顔を出して、竜もそれに気づいて、なんとかして助けを求めるとかだったら感動的だったのにね。
子供に暴力振るうヤバ人の分際で、女子高生にビビる大人。しかも何で殴ろうとするシーン2回繰り返したんや。
しょうもない演出なんだから2回繰り返すだけむだ。
結局竜の家庭環境は解決したの?エンディングそんな描写一切なかったけど。
あの後保護された訳でもなさそうだし、また家帰って虐待がエスカレートするだけやんけ。
助ける助ける助ける助ける助ける助けるって口だけで結局助けてくれない的なセリフを竜が言ってたけど、なるほどね。
作者自らが結局中途半端に描写しきって根本的に解決させなかったわけか。
最低の見本を提示してくれてありがとう!!!!!
こんな映画のコメント打つのに時間かかるのがバカらしくなったのでもうやめます。
この星2の評価は映像と歌のためや。
勘違いするんじゃねぇぞ細田。
とにかく、全てが中途半端でした。
それと、犬の片足をわざわざ無くした理由をおしえてください。