「メッセージは共感するけど内容が薄く感じる」竜とそばかすの姫 J24さんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージは共感するけど内容が薄く感じる
当初は見る予定はなかったがやはりIMAXで鑑賞できるというのは映画ファンとしては擽られる。予告の歌の場面も非常に魅力的で急遽この度IMAXにて鑑賞。
基本的にアニメ映画は個人的にはそこまでハードルを上げた鑑賞スタイルではなく、またあまり細かい設定などを気にする見かたをする方ではないが今作においては期待していたハードルを下回りそして内容もだいぶ薄く感じた。
主人公のすずちゃんが地味で内気な性格でありUの世界でもう1人の自分を作り上げる事で内に秘めた美しい数々の力を発揮する。まぁこの辺りは昨今の映画ではよくありまぁ何度見ても魅力は感じる。
ただその発揮の仕方、発揮までの経緯が非常に薄っぺらい。
母の水難事故死のトラウマや父との関係性、幼なじみとの恋心などなど色々と心に抱える問題はあるのだがそれらを解決に導くまでの過程が非常に雑。結果ありきで事を強引に進めていく感が強く「なんでそうなるの?」という疑問を抱く展開が多い。
竜との関係やUの世界も同じく。このUの世界観があまりにも大雑把すぎる。世界全体のメディアでも大きく取り上げられるほど大きな世界のはずだが結局近い存在内でのごちゃごちゃでありやたらと個人を晒したがる、晒すことのできる環境下である事も意味不明。
竜との出会いや彼の存在に惹かれ合う展開もあまりにも急で駆け足すぎて全く魅力を感じない
。
結局は最初から最後までうちに秘めた素晴らしいものを発揮していく流れは変わらずでなんの裏切りも期待を超える展開もなかった。
加えて学校のマドンナとカヌーの友達の恋愛描写とかあまり本編と関係ない無駄な描写も多く感じる。
あと序盤から中盤にかけての美女と野獣感を覚える演出はなんだったんだろう。主人公のアカウント名のベルといい…最終的には全然違うし…
直近で見た作品の中では個人的にはなかなか合わない作品となった。
ただ作中の歌は非常に魅力的で心震えた。