「待ちに待った細田守の新作」竜とそばかすの姫 smtsさんの映画レビュー(感想・評価)
待ちに待った細田守の新作
長年積み重なっていた期待はいとも簡単に裏切られました。
わたしが懐古厨だからというのも否めませんが、この映画を観て、時かけやサマーウォーズでワクワクさせてくれていた細田守はもう居ないんだという気持ちさえ出てきました。
映画の始まり方はサマーウォーズ感があり、そう!これが見たかったんだ!と期待値は観る前より更に高くなります。
映像は綺麗だし、どこかサマーウォーズと時かけを足している感じもあって嬉しいんですがディズニー映画への憧れが強い。
美女と野獣をオマージュしているんだろうけどそれがなんだろう…ふわっとした感想で申し訳ないけどとりあえずなんか嫌。
ディズニー映画は好きだけど細田作品は細田作品であってほしくてほんとに観ててそうじゃないんだよなぁとしかならない。
内容に関してもツッコミどころ満載。いや、アニメ映画なんてそんなもんでしょ?っていうのも分かる。分かるんですけど虐待を受けてる子達のところへ行くくだり。
まずあんな映像から流れてた小さな音楽の掛け合わせと窓から見えるマンションで日本全国の中から場所特定。さすがに無理がある。近くの地区とかだったらまだ分かる。え、日本全国から特定したの?え?!
いや、いいよ。アニメだもん。そうだよねあるよね。そういうこともあるよね。
でもさ、そんな場所にいつもすずを心配したり見守っている幼馴染や親友もついて来ない。周りの大人も行ってこいで見送って終わり。あそこは女子高生一人で行かせちゃダメだと思うんですよ。
虐待とか重めなテーマに手を出さなきゃよかったのに。せめて近場で起こってました!とかだったらよかったのに。
高知から多摩川辺りまであの状況で1人で行かせるって…
細田作品はさ、人の成長的なのがよく描かれているなと思うけど今回はなんだかなぁ…としか。
さすがにあそこでほんとに冷めてしまいました。ほんとに何度も言うけどなんだこれ。
ファンタジーと現実世界を重めに織り交ぜちゃってる作品かつ今回は何かの不思議な力でとかじゃないからさ…さすがに設定に無理がありすぎるよ…
時かけは中学生、サマーウォーズを見ていたわたしは高校生でその時と同じ気持ちで見ろという方がおかしいのも分かっています。
それでも久しぶりの細田作品だからと期待していた分本当にがっかりしました。
細田作品をこれが初めて見るという方にこんなものなのかと思われてしまうことが悲しく悔しいです。
わたしは酷評をしてしまいましたがわたしの価値観が細田作品にハマらなくなりつつあるだけで、実はこの作品が万人受けのもので評価が高くなればいいなとは思っています。
一番好きな監督が細田監督なので今回は自分の価値観がおかしかったということにして次回作に期待することとします!!
次回に期待してる投稿主は優しいね。
最高のスタッフだったからこそ、もう監督には脚本に関わって欲しくない。
素晴らしい見た目の料理でも作った手順の酷さで最後味わえない結末、悲しさのみ残る。どうしてこうなった。