片袖の魚

劇場公開日:2021年7月10日

片袖の魚

解説・あらすじ

自分を不完全な存在だと思い込むトランスジェンダーの女性が新たな一歩を踏み出そうとする姿を描いた短編映画。詩人・文月悠光の詩を原案に、ゲイ老人の性と苦悩を描いた「老ナルキソス」で高く評価された東海林毅監督がメガホンをとった。トランスジェンダーの新谷ひかりは、周囲との間に言葉にできない壁を感じながらも、同じくトランスジェンダーの友人・千秋や会社の上司である中山、同僚の辻ら理解者に恵まれ、東京で一人暮らしを送っていた。そんなある日、出張で故郷の街を訪れることになったひかりは、高校時代の同級生・久田敬に現在の自分の姿を見て欲しいと考え、勇気を出して連絡するが……。自身もトランスジェンダーであるファッションモデルのイシヅカユウが映画初主演を務めた。

2020年製作/34分/日本
配給:みのむしフィルム
劇場公開日:2021年7月10日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15

(C)2021 みのむしフィルム

映画レビュー

4.0 息苦しさを感じる世界を変える方法はこんなにも難しいのか

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

東海林毅監督作品は初見。

物語の最後で清々しそうな顔をひかりはしていたけれど、個人的にはひかりの周りの男の無理解さや無神経さ、無粋さが目に付いて悲しくなった印象だった。
劇中で差別を受けている最中、ゴポゴポと水の中で溺れているような音が聞こえてくるけれど、当事者で無い人も、あの無粋だったり無遠慮、無理解の人間の中に放り出された際の空気を求めて出ていきたくなる苦しい状況はきっと共感出来ると思うし、当事者の辛さを別の形でも共感して欲しいと思う演出だった。

昔に比べたら今はLGBTQ+に関しての理解が得られるようになったと言われるけれど、この作品を観ている時に自分も思えば2014年辺り池袋のカフェにミーティング的な夕食をしに行った際に、隣のテーブルで同性のカップルが人の目を気にしてテーブルの下で手を繋いでいたのを中年の男性上司が見つけて若干侮蔑が入ったような言い方でコソコソ伝えてきたことを思いだした。
その頃『純情ロマンチカ』や『マリア様がみてる』などノーマルラブ以外にも面白い作品が多かったことで、ノーマルラブ、ガールズラブ、ボーイズラブ問わず面白い漫画作品やアニメ作品があると聞けば見ていた経験があり同性カップルに対して世間が差別的な目を向けてくる状況を知ってたので自分は愛し合ってるだけの人達を差別をしたくない思いから、そこで上司を𠮟りつける…なんてことは出来ないまでも上司の発言をカップルに聞こえないように話をすり替えたり「別に付き合っててもいいでしょ。」と、なるべく早めにその話題を終わらせて興味を無くさせようとしてたけど、今思うとあの対応が果たして最善の対応だったのか、上司に対してもっと良い対処方法があったんじゃないかとこの作品を観てたら考えてしまう。

イシヅカユウさんが演じるひかりと同じような境遇の人が日常的にこんな体験をしてるのかな…って想像するくらい、当事者の方が演じてるからこそ演技が上手いだけでは出せないような説得力が出てたし、作品の中で様々な種類の熱帯魚がひとつの水槽で何の気兼ねもなく生きているのを見ているはずの顧客が人間相手だとひとつの世界という水槽の中で生きてるのに(意識的にしろ無意識にしろ)差別という加虐をしてしまう対照的なシーンを見ると差別のない世界の難しさと、生まれた時からそんな世界が当たり前って認識を持っていない人間は段々とLGBTQ+への認識が広がっている過渡期の今、正解とは何かを常に考えていく必要があるとも感じる作品だった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
神社エール

3.0 強くなることは赦すこと愛すること

2025年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

2021年公開
監督と脚本は『老ナルキソス』の東海林毅

粗筋
新谷ひかりは地方から上京し一人暮らし
仕事は水族館などの観賞魚専門の獣医師
彼女はトランスジェンダー
高校時代はサッカー部
出張でひかりの地元に行くことになりついでに誘われていた同窓会に出席することに

ひかりは久田のことが好きだったんだろう
しかし久田は父親になるという
周りの反応からしてすでに結婚し妻が妊娠したのだろう
ひかりは知らなかった
それまでは光輝と呼ばれていても受け入れていたがそれからは「光輝」を否定し「ひかり」を主張する

2020年に公開された『ミッドナイトスワン』のアンチテーゼとして制作された

白人が黒人や日本人を演じると差別だという
日本人が黒人風のメイクをすると差別だという
オカマじゃない人がオカマを演じると差別だという
だから黒人が人魚姫を演じると叩かれるのか
ベルサイユの薔薇やピーターパンやアニーは日本人が演じているのに

そんなわけでトランスジェンダーの役はトランジェンダーの人が演じている
映画初主演
前作は映画初出演でヒロイン
演技力にしては辛口のレビュアーもいるがそれほど気にはならなかった
想いを込めて演じれば大抵なんとかなるものだ

トランスジェンダーはトランスジェンダーが演じるべき
同性愛者は同性愛者が演じるべき
それならヤクザ映画のヤクザは本物のヤクザじゃないといけないのか
そうじゃないだろう

だいたいにして草彅という男が演じるうえニューハーフを小馬鹿にしてるわけがない
差別認定厨は気に食わない人を見かけたら平気で他人の人格を全否定する
レイシストだと批判する方もレイシストなんだよな
東海林毅監督は自覚しているのかな

エログロシーンはない
それが良い

配役
トランスジェンダーの新谷ひかり/光輝にイシヅカユウ
高校時代の同級生の久田敬に黒住尚生
同じくトランスジェンダーでひかりの友人の千明に広畑りか
ひかりの同僚の辻史夏に猪狩ともか
水族館A関係者の酒井に森本のぶ
水族館B関係者の藤本に杉山ひこひこ
千秋の彼氏に入江崇史
女性社員Aに平井夏貴
女性社員Bに久田松真耶
同級生Aに石橋諒
同級生Bに小池匠
同級生Cに花井祥平
同級生Dに藤本直人
ダンサーに葛原敦嘉
ダンサーに山口静
観賞魚店店主に田村泰二郎
ひかりの上司の中山恵子に原日出子

コメントする (0件)
共感した! 0件)
野川新栄

3.0 【トランスジェンダーのささやかながらも、確かな一歩を踏み出すまでを描いた短編。】

2024年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■今作のフライヤーを見ると、東海林毅監督は2007年「23:60」2019年には「ホモソーシャルダンス」「帰り道」という全く違ったテーマで短編を発表している。

◆感想

・主人公のトランスジェンダー女性の新谷ひかりを演じたイシヅカユウという方は演技初挑戦だそうであるが、申し訳ないが余り惹かれない。

・今作は、ひかりが高校の同級だった男性達及び多分、ひかりが好きだったと思われる男性久田と会うのだが、彼は今度父になると言って皆を驚かせる。コーキと言う男子生徒だったひかりの女性になった姿と同じように。

・そして、宴が終わった後に久田がサイン入りのサッカーボールを渡し”又、会おうぜ!”と言うのに対し、彼女はボールを久田にぶつけ、東京に戻り颯爽と歩くのである。

<感想としては、各キャラがもう少し立って居たらな、とは思ったが、ナカナカな作品であるとは思った。今度、同監督の「老ナルキソス」を見てみよう。>

コメントする (0件)
共感した! 1件)
NOBU

2.0 無意識の差別

2022年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

この映画のレビューを読んでると、マイクロアグレッション(無意識の差別)という言葉を目にした。登場する人物たちで悪意のある人はいない。でも、彼らが普通に性同一性障害の主人公接するのは、無意識の差別で溢れていて、こんなにも生きづらいのかと分かった。

時間が短いので、いろんな人に観てもらいやすい。
題材を考えると、それが重要なのでいいと思う。
性同一性障害の人が日常的に浴びせられる差別的発言を観客も当事者のように感じるのは、とてもよかった。

水槽の中の魚のようにうまく泳げない、普通の人間じゃない自分は普通に泳げないと感じているんだろうな。
たくさんの人間が普通に泳いでるように感じる。寂しさや悔しさが伝わってきた。

映画の切り抜きを観てる気分だったので、内容はいいものの、全体としてのストーリーは感じず残念。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
りりまる