片袖の魚

劇場公開日:2021年7月10日

片袖の魚

解説・あらすじ

自分を不完全な存在だと思い込むトランスジェンダーの女性が新たな一歩を踏み出そうとする姿を描いた短編映画。詩人・文月悠光の詩を原案に、ゲイ老人の性と苦悩を描いた「老ナルキソス」で高く評価された東海林毅監督がメガホンをとった。トランスジェンダーの新谷ひかりは、周囲との間に言葉にできない壁を感じながらも、同じくトランスジェンダーの友人・千秋や会社の上司である中山、同僚の辻ら理解者に恵まれ、東京で一人暮らしを送っていた。そんなある日、出張で故郷の街を訪れることになったひかりは、高校時代の同級生・久田敬に現在の自分の姿を見て欲しいと考え、勇気を出して連絡するが……。自身もトランスジェンダーであるファッションモデルのイシヅカユウが映画初主演を務めた。

2020年製作/34分/日本
配給:みのむしフィルム
劇場公開日:2021年7月10日

スタッフ・キャスト

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(C)2021 みのむしフィルム

映画レビュー

3.0 強くなることは赦すこと愛すること

2025年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

2021年公開
監督と脚本は『老ナルキソス』の東海林毅

粗筋
新谷ひかりは地方から上京し一人暮らし
仕事は水族館などの観賞魚専門の獣医師
彼女はトランスジェンダー
高校時代はサッカー部
出張でひかりの地元に行くことになりついでに誘われていた同窓会に出席することに

ひかりは久田のことが好きだったんだろう
しかし久田は父親になるという
周りの反応からしてすでに結婚し妻が妊娠したのだろう
ひかりは知らなかった
それまでは光輝と呼ばれていても受け入れていたがそれからは「光輝」を否定し「ひかり」を主張する

2020年に公開された『ミッドナイトスワン』のアンチテーゼとして制作された

白人が黒人や日本人を演じると差別だという
日本人が黒人風のメイクをすると差別だという
オカマじゃない人がオカマを演じると差別だという
だから黒人が人魚姫を演じると叩かれるのか
ベルサイユの薔薇やピーターパンやアニーは日本人が演じているのに

そんなわけでトランスジェンダーの役はトランジェンダーの人が演じている
映画初主演
前作は映画初出演でヒロイン
演技力にしては辛口のレビュアーもいるがそれほど気にはならなかった
想いを込めて演じれば大抵なんとかなるものだ

トランスジェンダーはトランスジェンダーが演じるべき
同性愛者は同性愛者が演じるべき
それならヤクザ映画のヤクザは本物のヤクザじゃないといけないのか
そうじゃないだろう

だいたいにして草彅という男が演じるうえニューハーフを小馬鹿にしてるわけがない
差別認定厨は気に食わない人を見かけたら平気で他人の人格を全否定する
レイシストだと批判する方もレイシストなんだよな
東海林毅監督は自覚しているのかな

エログロシーンはない
それが良い

配役
トランスジェンダーの新谷ひかり/光輝にイシヅカユウ
高校時代の同級生の久田敬に黒住尚生
同じくトランスジェンダーでひかりの友人の千明に広畑りか
ひかりの同僚の辻史夏に猪狩ともか
水族館A関係者の酒井に森本のぶ
水族館B関係者の藤本に杉山ひこひこ
千秋の彼氏に入江崇史
女性社員Aに平井夏貴
女性社員Bに久田松真耶
同級生Aに石橋諒
同級生Bに小池匠
同級生Cに花井祥平
同級生Dに藤本直人
ダンサーに葛原敦嘉
ダンサーに山口静
観賞魚店店主に田村泰二郎
ひかりの上司の中山恵子に原日出子

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野川新栄

3.0 【トランスジェンダーのささやかながらも、確かな一歩を踏み出すまでを描いた短編。】

2024年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■今作のフライヤーを見ると、東海林毅監督は2007年「23:60」2019年には「ホモソーシャルダンス」「帰り道」という全く違ったテーマで短編を発表している。

◆感想

・主人公のトランスジェンダー女性の新谷ひかりを演じたイシヅカユウという方は演技初挑戦だそうであるが、申し訳ないが余り惹かれない。

・今作は、ひかりが高校の同級だった男性達及び多分、ひかりが好きだったと思われる男性久田と会うのだが、彼は今度父になると言って皆を驚かせる。コーキと言う男子生徒だったひかりの女性になった姿と同じように。

・そして、宴が終わった後に久田がサイン入りのサッカーボールを渡し”又、会おうぜ!”と言うのに対し、彼女はボールを久田にぶつけ、東京に戻り颯爽と歩くのである。

<感想としては、各キャラがもう少し立って居たらな、とは思ったが、ナカナカな作品であるとは思った。今度、同監督の「老ナルキソス」を見てみよう。>

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NOBU

2.0 無意識の差別

2022年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

この映画のレビューを読んでると、マイクロアグレッション(無意識の差別)という言葉を目にした。登場する人物たちで悪意のある人はいない。でも、彼らが普通に性同一性障害の主人公接するのは、無意識の差別で溢れていて、こんなにも生きづらいのかと分かった。

時間が短いので、いろんな人に観てもらいやすい。
題材を考えると、それが重要なのでいいと思う。
性同一性障害の人が日常的に浴びせられる差別的発言を観客も当事者のように感じるのは、とてもよかった。

水槽の中の魚のようにうまく泳げない、普通の人間じゃない自分は普通に泳げないと感じているんだろうな。
たくさんの人間が普通に泳いでるように感じる。寂しさや悔しさが伝わってきた。

映画の切り抜きを観てる気分だったので、内容はいいものの、全体としてのストーリーは感じず残念。

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りりまる

3.0 説得力ある短編、トランスジェンダーである主演がもたらす我々への気づき

2021年9月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

これがリアルなんだろうな、という所感をくれる短編。アプローチが独特で深く入りにくかったが、気づきをくれる良い短編だった。

トランスジェンダーということが理解されている現場で、好きな仕事をしているヒカリ。ごくごく自然に生きているので対した違和感はないのだが、話の節々で触れられたときに生まれる軋轢が彼女にとってノイズとなり反響する。ストレートの人の聞き方に配慮がないこともないのだが、同級生たちとなると距離が近かっただけに気持ち悪く思えてくる。ある種道徳のように、相手に対してのやり取りからこちら側の配慮をする必要を再確認した。こうした気遣いも苦しく思われるとやりようがないようにも思えてくるが…。

イシヅカユウの生き方がカッコよく思えてくる。トランスジェンダーを扱う映画が増えてきた今、当事者だからこそ出せる説得力もあるように思えた。

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たいよーさん。