劇場公開日 2021年7月10日

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「説得力ある短編、トランスジェンダーである主演がもたらす我々への気づき」片袖の魚 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0説得力ある短編、トランスジェンダーである主演がもたらす我々への気づき

2021年9月24日
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鑑賞方法:映画館

知的

これがリアルなんだろうな、という所感をくれる短編。アプローチが独特で深く入りにくかったが、気づきをくれる良い短編だった。

トランスジェンダーということが理解されている現場で、好きな仕事をしているヒカリ。ごくごく自然に生きているので対した違和感はないのだが、話の節々で触れられたときに生まれる軋轢が彼女にとってノイズとなり反響する。ストレートの人の聞き方に配慮がないこともないのだが、同級生たちとなると距離が近かっただけに気持ち悪く思えてくる。ある種道徳のように、相手に対してのやり取りからこちら側の配慮をする必要を再確認した。こうした気遣いも苦しく思われるとやりようがないようにも思えてくるが…。

イシヅカユウの生き方がカッコよく思えてくる。トランスジェンダーを扱う映画が増えてきた今、当事者だからこそ出せる説得力もあるように思えた。

たいよーさん。