明日の食卓のレビュー・感想・評価
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菅野美穂、高畑充希、尾野真千子の三者三様の家族模様
今の時代遅れな日本の子育て事情を映し出してるような作品。
未だに仕事をしてても、子育てや家事は母親の仕事と思ってる父親が出てくる。
父親の存在ってなに?
菅野美穂、高畑充希、尾野真千子の三者三様の家族模様。
演技としては、尾野真千子がダントツで上手い。序盤の頼りなげな表情が終盤少しづつ変わって見えるのと絶望的な表情が素晴らしい。高畑充希も若いママで必死に働き瑞々しい。実際にいてる様でリアル。菅野美穂は滑舌が気になるが、体当たりな芝居は良かった。どちらかというと、あすみの家庭が一番問題を抱えてるので、あすみが主演でもよかったのでは。
難しい題材を描こうとする姿勢は良かった
難しい題材を描こうとする姿勢は良かった
が、3人の女性主人公のストーリーはそれぞれ独立していて全くリンクしていない
3人+1人の子供の名前が同じだからリンクしてると言われても無理がある
人間って同姓同名の人間だけに興味を持って生きてるわけではないからだ
だから、別の話3つをただカットバックで見せられているだけで、そのカットバックのタイミングはすべて監督のご都合だ
キャラクターがアクションを移したから必然的に場面転換するわけではない
そして、主人公それぞれの子供たちの心情や葛藤はほとんどが描けていない
大事なポイントはモノローグで語らせるし、最後は何がキッカケで心変わりしたのか、子供側のカタルシスはなぜ氷解したのかが分からないまま終わった
まぁ、3人も主人公がいればさらに子供側の心情まで丁寧に描く時間が無いのは分かるし、だとしたら主人公を1人に絞ってくれたら良かったと思いました
厳しい指摘もしましたが、この難しい題材を描こうとする心意気、作家の視点には拍手を贈りたくなる映画で間違いないです
尾野真千子さんも単独主演だからといって茜色の宣伝だけするじゃなくて、こっちの映画を世間に知ってもらった方がよいかなと
普通の人だった。私と同じ。どこにでもいる、普通のお母さんだった。
三人の"石橋ゆう"と、それぞれの母親。その三組の母子のごくありふれた日常。十人十色と言わんばかりに、三組三様の家族環境。子への接し方も様々。でも、子を思う母の気持ちは一様に愛にあふれている。痛いほど、その子のために生きている母親。三人の演技がそれぞれいい。尾野真千子は「茜色に焼かれて」とは違った母親を見事に演じていた。菅野美穂の苛立ちはまるで自分にも心当たりのあるものだった。特に高畑充希が追いかけて抱きしめた時、こっちまでぎゅっと抱きしめられた気分だった。そんな、あふれんばかりの愛がありながらも、当たり前だと思ってた日常がささいなことから転げ落ちていこうとする怖さ。それがどこにでもありそうで、自分にもありそうで、それゆえ感じる背筋の寒さ。
予告でいう「息子を殺したのは私ですか?」にはオチがある。(映画ニュースなどは目にすると、見当がついてしまうので見ないほうがいい。)その言葉が気になって、観賞中、それは誰だ?、という犯人捜しの目線になってしまうのは、良し悪し。ミステリーとして見たければ良し、三人を思いやりたい気持ちで応援したいなら悪し。
時間に追われる。
貧乏から抜け出せない。
周りを気にしておろおろする。・・・
精神的に追い詰められ、そのことで忘れてしまう、一番大事なもの。
子を持つ親なら、ああこれあの時の私だ、あああれはあの時の俺だ、という疼きが必ずある。あって当たり前。もし全然ないというのなら、それはそうとう稀な幸せな家族なのか、そうそうお気楽な危機察知能力の欠けた家族だろう。
そうか瀬々監督か。監督の撮る作品は多彩だけど、中でも社会派がいい。「楽園」「64」「友罪」、特に「悪党」がひりひりしてたまらないなあ。
結婚して子供がいたら幸せなんて、誰が決めたのか?
菅野美穂に感情移入して最後まで観ました。
職場の人には「いいお母さんだもんね」と言われますが、鬼のように怒りまくって、脅しのように威嚇して、子供の態度に感情爆発すればコントロールもできません。
育児書のようにはいかないのが子育て。
逃げ出したくても、逃げられない。
投げ出したくても、投げ出せない。
そんな想いを抱えながら、みんな必死に子育てしている。
私も石橋ゆうくんたちの母親と何ら変わりない。
自分だけが辛い想いをしているんじゃないかと思うときもあるけど、それぞれがそれぞれの環境で辛い想いも優しい気持ちも抱えながら生きている。
今日は帰ったら、子供たちに笑顔で抱きしめることができるように。
案外、帰るといつも通りになる気もしますが…💦
速水輝也の助けが必要
ワンデーフリーパスポート最後は「明日の食卓」です。
特段期待している訳でもなくて、かといって期待していない理由もない。なんとなーくで見よっかな〜と思ってたので鑑賞。
いやいや、面白いじゃないですか。
かなり見応えもあって考えさせられる。
この映画、結構好きですよ。
同じ学年で同じ石橋ゆうという名の男の子を持つ3人のお母さん。1人目の石橋ゆうのお母さん(菅野美穂)は、出版社で働きながら鬼ママと題してブログを書いている。2人目の石橋ゆうのお母さん(尾野真千子)は、姑の家の隣に家を建て専業主婦をしている。3人目の石橋ゆうのお母さん(高畑充希)は、シングルマザーとして朝から晩まであらゆる仕事をこなしている。
3人の話をひとつの映画にするのは難しい。
偏りがあったり、浅くなってしまったり、3人それぞれの終え方が難しかったりと結構大変。
だがこの映画は、3人均等に話が組み込まれており、その上でかなり考えさせられるほど深い脚本で、終え方もなかなか上出来。「糸」の監督とは思えないほど構成がしっかりとしていて驚き。
中だるみを懸念していだが、大丈夫だった。
凄くのめり込めて、あっという間にエンドロール。
結構ビックリした。この手の映画で「あっという間」という感想を抱くとは思わなかった。
しかも見応えがかなりある。
誰にもぶつけられない子育ての大変さ。子どもは想像以上に気を使っていて隠し事も沢山しているし、親が知らない部分も持っている。3人の家族を通して色々なことが考えさせられ、胸を打たれ、かなり沁みた。
また、役者全員輝いている。
菅野美穂の仕事は出来るがあたりの強い鬼ママ、尾野真千子の思いを口に出せない冷静沈着な母、高畑充希の息子の為に最善を尽くす優しいオカン、そしてその息子たちである「石橋ゆう」役の子役、夫や職場仲間、友人など全員印象に残る素晴らしい演技をしている。特に菅野美穂の叫びは恐ろしさと共に悔しさが垣間見えて、彼女の演技力の高さに驚かされる。個人的には高畑充希の関西弁母ちゃんがスゴく好きでした。役幅広っ!
ただ、ラストはどうかなと。
結構呆気ない終わり方で、菅野美穂一家単体の締め方はすごく良かったのだが、そっからが蛇足っぽくて何だかなと言う感じ。無理して繋げる必要あったのかな。繋げるにしてももっと綺麗なやり方があったのでは?
あと、予告とポスターが悪い。
確かにこれは動員少ないだろうなと思う宣伝。
予告は大袈裟で、ポスターはなんの映画か分かんない。非常に勿体ないなと感じた。
他にも尾野真千子の家族に疑問が残ったままだったが、全体的に見ればなかなかよく出来た映画だなと思った。不意の当たりはやっぱいいですね笑
あ、余談ですけどタイトルの速水輝也ってのは「騙し絵の牙」という小説・映画の主人公です。
見える子供、見透かされる大人
優、悠宇、勇とそれぞれ字は違う「石橋ゆう」という小学5年生の息子を持つ母親3人の子育てと家族の話。
ブログがどうちゃら程度のすれ違いはあるけれど、基本絡みのない3つの話のオムニバスを同時進行でみせていく。
優等生の息子を持ち波風立てず面倒な事から目を背ける母親、良い子過ぎて溜め込む息子に知らず知らず頼る母親、わんぱく小僧だけど彼なりに考えていることに気づけない母親等、勿論映画なので極論に近い話ではあるのだけれど、現実にもあり得る流れで、噛み合わなくなっていく姿が、恐ろしくもあり悲しくもあり胸が痛い。
あっ、あとダンナはことごとく…w
4人目をフリにも出来るし、他のケースでいくらでも続編つくれそうだけど、あまり楽しんで観る作品じゃないしもういいかな…。
我が家も!
共働きで財布も別、高1・中1の男の子がいる!
毎日子供達はお菓子を食べ、コミニケーションの
時間も少なく凄く気にしていた。
去年のロックダウン時に仕事も少なくなり
自営業だったが仕事を辞めて主夫になった!
生活費は以前と変わらず、
言われた額を渡している。
嫁は何年も前から不誠実で、
毎年の運動会も昼食になれば
自分だけコンビニ弁当を買いに行ってた
何年も会話すらまともに出来ずにいる!
昨日の鍋は嫁が作ったが、食べるのがほとんどなく
子供の前で「もう別れようか!」って
ボソッと言ってしまった・・・
重い空気の食卓で子供達は黙っていた。
予備知識なく映画を見て、
菅野美穂の夫婦と正に同じで、胸が苦しい!
今から家に帰り夕食の準備をする。
子供達を思い、自分の事を思うと
この「試練」がどうしても辛すぎる!
映画の中もそうだが親と子には愛がある
それがせめてもの「救い」!
反出生主義
とても良いストーリー
母子のそれぞれの模様が描かれているさくひんだったが、役者さん、演出...
親子の距離感って…
共に生きるとは、どういうことか。
「虐待」になるその前に、何があるのか。
誰もが一生懸命で、誰のせいでもなくて、それでもどうにもならなくなった時に、いったいどうやって立て直せば良いんだろう。最も小さな社会である家族は、本当に逃げ場がない。近くて重いテーマ。
映画を見ているだけで苦しくなるような現実が、確かにそこにある。でもどんなに近くにいたとしても、本当の苦しみや「わかってほしいこと」は伝わらない。
綺麗事で済まされない「ただ生きることの重責」に、私たちはどう向き合えば良いんだろう。
どんな人にも、抱きしめてくれる人が必要。だけど見えない。頼りきれない。
大事件が起きるわけじゃない。
それでも胸をえぐられるような、ヒューマンサスペンス。オムニバスだけど不自然さはなく、静かに3つの家庭に寄り添うことができます。分かり合いたい人と観るのをおすすめします。
中身の濃い作品
人間同士の関係はどんな組み合わせでも微妙なものだが、十歳の息子と母親となると、想像するのも難しい。自分が十歳の頃に何を考えていたのかというと、もう遠い過去でしかなく、殆ど何も思い出せない。
しかしわかりやすい考え方がふたつある。ひとつは、子供は大人と同じということ。同じ人間だから食欲はあるし、性欲もあるかもしれない。世間一般の価値観に左右されやすいから、大人以上に見栄っ張りだ。一方で怖がりであり、痛い目や怖い目には遭いたくない。そのためには嘘も吐くし、誤魔化しもする。約束は守らない。
もうひとつは、十歳にもなると人間関係に敏感になっていること。当方の記憶では、その頃の人間関係は同級生が7割、教師が1割、家が2割くらいだったと思う。それほど学校での人間関係が精神生活の大きなウェイトを占めていた。
日本の子供が可哀想なのは学校での人間関係が精神的な負担の大半を占める状態がずっと変わっていないということだ。当方も小中学校では毎日同じ顔ぶれがずっと続くことに辟易していた記憶がある。せめて科目毎に教室が変わって面子が変わるのであれば救いもあった気がする。だから学年が進んでクラス替えになるときに意味もなく期待したものだ。しかしろくでもない子供なのはお互い様で、クラス替えがあっても何も変わらなかった。
子供は大人の権威主義にさらされて育つから、驚くほど権威主義である。殆どの親は親の権威を押し付けて言うことを聞かせながら育てるのだ。子供と言葉によるコミュニケーションを充実させて信頼関係を築くのは時間的にも労力的にも難しい。だから安易に権威主義に走る。「親に向かって」などと子供に言う親は、権威による差別を子供に植え付ける。大抵の親は、子供が生まれたときから基本的人権を持つ個人であることを認識しないで、犬を育てるように子供を育てる。まともな人間は育たない。
犬は家族と自分に順列をつけるらしい。犬のように育てられた子供は人間関係に順列をつける。権威主義であり、差別主義である。当然、いじめの主役になる。加えて学校の面子に流動性がないから、いじめも固定化する。極端に聞こえるかもしれないが、日本の小中学校の現状はそんなものである。親と教師のコミュニケーション不足と権威主義がいじめを育てているのだ。
本作品の図式は、親の言うことを聞けという権威主義、成績がよかったりサッカーが上手だったら褒めるという既存の価値観への依存、それにコミュニケーション不足の3点が典型的にはまっている。子供の行動や台詞に不自然な部分もあったが、大枠は日本の子供のいまの現実そのものの描写と言っていいと思う。
役者陣は並(な)べて好演。中でも高畑充希の演技が突出して優れていた。他の母親を演じた尾野真千子も菅野美穂もとてもよかったのだが、高畑充希の演技は圧巻だった。母親役がいずれも秀逸だっただけに、子供の演技にやや不満が残った。
映画の冒頭とラストが菅野美穂のアップで、冒頭は疲れて衰えた顔だったのが、ラストでは清々しい顔になっていた。生まれたときから権威主義で育てた息子と母の関係性が、大きな試練を経て互いの人権を認めあったのである。つまり母と息子の信頼関係がはじめて成り立ったという訳だ。中身の濃い作品である。
3人の優
役者がみんなハマってる
瀬々監督は不発が多いが、これはかなりの傑作。役者が良い。特に子役がほんとに良い。それぞれ格差がある家庭を見事に描いているし、どこの家庭でも大小問題はあると思う。この物語はたまたま普通の親が子供を殺したと言う事。どの家庭でも起きる事である、それでも生きていく、生きていかなければならない。菅野美穂、高畑充希と話は良いし、よくわかる。尾野真千子のくだりはラストもそうだがなんかモヤモヤする。サイコパスの子供なのかどうかも分からず、解決もしていないような気がする。尾野真千子パートなくして二組のパートを厚くするほうが良かったのでは。唯一痴呆になった母親の家に行って泣き崩れるシーンは良かった。
【明日からやっていくために】
もしかしたら、これは自分達だったのかもしれないと考えさせられるのは、映画を観た多くの人なのかもしれない。
この三つの石橋ユウの家族は交わることはない。
ただ、それぞれが、どこかで、もしかしたら日本中の多くの家族と状況が交錯しているのだ。
離婚を目の当たりにした子供は何を感じるのだろうか。
シングルマザーで、寝る暇もなく自分のためにと働くのを見て、どんな気持ちになるのだろうか。
一見裕福で、何不自由ない生活をしていても、身近なところに目を向けられない親を見て、なにを思うのか。
往々にして親は、子供の視点から自分の評価をしてみようとはしない。
だが、親も一生懸命子育てをしているのだ。
でも、仕事や生活や、周りや親兄弟や社会との付き合いで、見え辛くなってることも多いのだ。
この作品は、親が自分自身を否定するのではなく、ちょっと立ち止まって考えてみようと云う視点を提供しているような気がする。
思いがけず良い作品だと思った。
3つの家族が並行してうまく描かれている。いずれも重いテーマだけど、...
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