ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日のレビュー・感想・評価
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CGでは表現し得ないことを改めて知らしめてくれる
少女ミアとホワイトライオンの友情と家族の再生が主軸に描かれるが、実は南アフリカの社会問題となっているトロフィー・ハンティングの一種“缶詰狩り”がもう一つの重要なテーマとなっている。日本ではあまり聞き馴染みのないトロフィー・ハンティングとは、トロフィー(獲物の角などから作られる狩猟記念品)や娯楽の獲得を目的とした狩猟のこと。そして“缶詰狩り”とは、人工的に増殖させた野生動物を囲いの中で狩るもので、アフリカでは産業として確立されているのだ。
ライオンファーム経営のためにロンドンから移住し、南アフリカの生活に馴染めなかった11歳のミアが、生まれたての頃から友情を育んだホワイトライオンを必死に守ろうとする姿と、家族の葛藤と再生の物語は、動物ものとして、ファミリー向け映画としてシンプルにお薦めできる。また、日本から遠く離れた地の社会問題や野生動物の実情を知ることができる作品としても、一見の価値ある作品だ。
しかも、この映画のもうひとつの見どころは、3年以上かけてCGなしで撮影されたというリアルな映像で、それが作品に説得力を与えている。たった3年で立派に育ったホワイトライオンの行動は野生動物そのもので危険。CGや合成技術などを駆使して撮られたものと思いきや、実は時間をかけて少女とライオンのリアルな関係を築き撮影されたもの。野生動物たちの迫力や大自然の圧巻の美しさは、CGでは表現し得ないことを改めて知らしめてくれる。
人間とライオンの絆
チャーリー(ライオン)とミアの温かい物語。
2人の絆に涙した。
25万頭居たライオンも今や2万頭。あと20年したら絶滅してしまう。
大人の遊びのために飼育させられるなんて
人間の身勝手さに腹が立つ。
何一つ欠けてはいけない。
世の中に必要でない動物なんていないのよ。
【少女とホワイトライオンの”友情”を通し、南アフリカの現実を映し出す感動ドラマ。娯楽のためだけに動物を狩る“トロフィー・ハンティング”が南アフリカの経済を支えている事実にもメスを入れた作品。】
ー ライオンファーム経営のために家族で南アフリカに移ったミア。
慣れない生活のなか、ファームで生まれたホワイトライオンのチャーリーがミアの心を癒やしていく。
3年の月日が流れたある日、ミアは父親が”缶詰狩り””トロフィーハンティング”の業者、ダークにライオンを売り渡している事実を知る。ー
◆感想
・手元のフライヤーを見ると”3年以上かけてCGなしで撮影された・・”とある。
ジル・ド・メストル監督や制作陣、俳優陣の頑張りに、敬意を表する。
- 以前、リチャード・リンクレイター監督の「6歳のボクが大人になるまで」を鑑賞した際に、”長い期間を掛けて映画を撮影する大変さ”を述べたコメントを読んだ事があるので・・。3年の間に、誰かが欠けても、映画製作は台無しになってしまうのであるから。-
・で、よく見るとホワイトライオンのチャーリーは、ドンドン大きくなるし、ミアも、兄のミックも確かに大きくなっている。
- だが、外見だけでなく、今作ではロンドンから南アフリカに移住してきたミアが最初は、慣れずに反抗的な態度を取っていた姿から、クリスマスに生まれたチャーリーによって癒され、心も大人になって行く様が、キチンと描かれているのである。-
・前半は、ホワイトライオンのチャーリーの誕生により、ジョンとアリス(メラニー・ロラン)の夫婦の家族の結束が強くなっていく様が描かれる。
- この作品の構成が巧いのは、家族が南アフリカに移住してきた理由が、前半曖昧に描かれているが、最後半にその哀しき理由がアリスにより明かされる所である。
それにより、劇中ミックが屡、パニック発作になる理由も、観る側は理解するのである。-
・後半は、3歳になり大人の背丈ほどもあるホワイトライオンのチャーリーと、ミアとの変わらぬ”友情”と、南アフリカが飼育されたライオンの”缶詰狩り””トロフィーハンティング”を観光業の目玉として、経済に寄与している事実が並行して描かれる。
・チャーリーを殺されまいと、ティムババティ保護区に必死に連れて行こうとする、ミアの姿。
それを追う、”缶詰狩り””トロフィーハンティング”の業者、ダークと、妻アリスにも内緒でダークにライオンを売っていた父、ジョン。
アリスと、ミックも後を追う。
スリリングなシーンが続く。
ショッピングモールをチャーリーを連れ歩くミアの姿。
ー あのシーンは、どの様に撮影したのだろう・・。ー
・ティムババティ保護区直前まで来た時に、父、ジョンが身体を張ってチャーリーを撃たせまいと、立ちはだかる姿。
そして、ティムババティ保護区に足を踏み入れたチャーリーの姿。
迎えるシャンガーン人の長老らしき人物。
<エンドで流れる、子供が出来たチャーリーの家族と、再び家族の結束を取り戻したミアの家族の姿にホットする・・。
良かったなあ・・、と思いきや、ライオンの激しい減少の状況が、テロップで流される。
本当に20年後には、ライオンは動物園でしか、観れなくなるのであろうか・・。
今作は、感動ドラマであるとともに、観る側に重い問題を投げかけてくるのである。>
野生ライオンに関する「闇」の部分も
CG無しで3年半かけて撮影というだけあって、本当に素晴らしい作品でした。
鑑賞前は「ムツゴロウさん」のような、動物系ホッコリ映画を想像していたのですが、本作は南アフリカの野生ライオンに関する「闇」の部分も真正面から捉えていました。
ホワイトライオンの赤ちゃんは、少しやんちゃな中型犬のようにかわいく、少女が家の中で飼っていながら成長していきますが、数か月も経過すると「ドキッ」っとするくらいに成長し、いつか襲われる襲われるのではないかと親目線でハラハラしました。
ただ、少女はホワイトライオンの「チャーリー」と心が通じ合っていると感じていて、成長したライオンと家族の一員として一緒に過ごすことをやめません。
CG無しの、本物のライオンとの撮影がどのように行われたのか、、、。
大きなスクリーンで観て良かった作品です。
感動しました🥺
どっちも人間、だから悩ましい。
ホワイトライオンと少女の心温まる物語と思いきや、なかなかの社会派ドラマでした。相変わらず前情報無しで観ると必ず想定外になりますなー(笑)
最初は僕の苦手な人間と動物の、「さぁ感動しなさい映画」だと思ってたんです。間違い間違い。
心ある人間たちの優し祈りと願いの映画でした。
いやいや、やはり人間は地上最強の獣ですよ、ヤコペッティさん。トロフィーハンティング言わずもがな、缶詰狩り?・・・「は?」です。
あまりに、あまりにショッキングです、映像。
別途観た「さらばアフリカ」に比べればそれは薄いけど、やはり辛い。
そりゃ、トラウマにもなるわい。
ホント、まじか?アフリカ、まじか?人間!
エゴと欲求のかたまり・・・「人間」が情けなく恥ずかしい。
キリスト教じゃないの?あなた方。
生きるために命をありがたく頂戴し、神からの恵みとして感謝していた人間はどこに行ってしまったのか。
ホントに人間はくだらない
人間と動物の共存について、優しくも強いメッセージを感じる作品です。ミアお兄ちゃんか何気にかっこいいです。ミアはちと、極端すぎるというか・・・落ち着けー!って感じ。行動力はいいけどね。
ただなぁ・・・もうちょっと思慮深くあってもよかったかなぁ?
ミア、お兄ちゃんの心根を人間誰しも持ってほしいけど、アフリカはアフリカの価値観、経済的事情あるんだろうな。でも、いつかはなくなって欲しい、趣味のためのハンティング。
そのためにも、メッセージを映画で残す、伝えるって大切かなって思います。
CG無しでの撮影だからこその説得力も生まれたのかな?って思います。
この撮影のために調教したんだろうなぁ・・・。その調教っていうのもどうなんだろうか・・・?などと考えてしまいますが、殺すよりはマシかな。
良作です。ぜひたくさんの大人と子供に見て欲しいです。
ライオン保護の啓示にはなっている。
アフリカにはこんな実情があるのかと、結構驚愕の現実を知らされながら主人公のミアがホワイトライオンを守るというのはすごくよく共感できるのだけど行動は自分本位であまり共感できるものではない。自然を破壊して入り込んでくるのは人間だけどそこに猛獣を迎え入れるのは人間を脅かすことにもなるわけで…。親に銃を向けるシーンで思い切り引いてしまった…。ここまでなると単なるわがままなだけになってしまうような…。
大自然の闇に哀・・
予告編での可愛すぎるホワイトライオンに釣られての鑑賞でしたが
南アフリカの現状にかなりのショックを受けました
…動物園にライオンが一頭も居なくなる未来が決して決して訪れない様
世界中で1人でも多くの「ミア」が立ち上がり声を上げる事を願い望みたい…
単なる少女とホワイトライオンの交流物語では無いこの意味深き作品を考観していただければと思います
かなりショック
48本目。
子供に動物、鉄板感がある。
時間かけて撮影してるから結びつきが良く分かるけど、どこかでお父さんを許してはないのかな。
大人の事情とか分からなくはないけど、本当に許せないのはお父さん自身。
死ぬ迄、自分を許せなそう。
南アフリカの実情は知らぬとは言えショックだった。
不都合な真実なんだな。
今週は見たい映画が多かったがその中でも良かった映画。
今年40本目(合計107本目)。
まぁ難を言えば、放送している映画館が妙に少ない点でしょうか…(大阪市でも1つしかない)。今後増えていくのかもしれません。
ここの「特集」はありませんが、公式サイトでは、問題提起されている「缶詰狩り」と「トロフィー・ハンティング」との違い、そしてなぜ「缶詰狩り」が問題なのか、詳しく書いてあります(公式サイトを見たほうが良いので、ここでは省略)。
この手の問題提起は確かに数が少なく(もしかすると初めて?)、日本ではおよそ考えられない類型なので(動物愛護法もあれば、そもそも日本では社会的非難を浴びる)、かなりの新鮮さがありました。
映画内でも触れられている通り、「こういう缶詰狩りは残酷だが、それが今の国を支えている(観光客がそれ目当てでくるので)から」という点は、単にこの類型が動物愛護の精神がどうとかという問題以前に、要は「先進国と発展途上国との考え方の違い」という点に全て帰着できるので(かつ、舞台の南アフリカは、アフリカの中では「比較的」経済的にも恵まれた国でもあるので、そこでそうであるなら、他のもっと貧しい国は語るまでもない)、単に「残酷だから」ということだけではなく、そもそも「なぜこういう類型を黙認せざるをえないような状況が生じているのか」(換言すれば、発展途上国が、このような(トロフィー・ハンティングと比較して)フェアではない「缶詰狩り」に、「わかった上で」手を出すようなことにならなければならないのか)という点も問題提起されており、かなり良かった内容です。
また、日本ではこういう問題は起きないだけであり、「動物の権利」「動物愛護の考え方」といった点、さらには一歩進んで「(理解した上で)なぜそのような産業に従事しなければならなくなtったのか」という点も考えさせる点で良い内容でした。
※ なお、このような内容ですが、射殺などのシーンは出ますが、多くの方に見てほしいという理由か、残酷な表現は回避されています。
採点は下記を踏まえて5.0(満点)としました(4.8を5.0まで切り上げてます)。
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(減点0.1) この「トロフィー・ハンティング」「缶詰狩り」といった、この映画の訴えたかたったこの2つのキーワードは、中盤から終盤にさしかかるまで一度も出てこず(描写としては出るが、語としては出ない)、事前に公式サイト等見ていないと、何が問題提起なのかわかりづらい(下手をすると、動物もの映画「だけ」と思い込んでしまいかねない)点はあろうかと思います(そのような事情なので、公式サイトを事前に見たほうが良いです。この点について、「缶詰狩り」」が「トロフィー・ハンティング」と比較していかに残酷なのか、という点について専門家の意見も結構載ってます)。
※ なので、この映画は公式サイトや関連するウェブサイト、書籍をいかに読み込んでいるか、が理解の大きな差につながります。
(減点0.1) ラスト(エンディング)、「このような事情によりライオンの生息数は減っていき…」の部分、字幕ではそれらが下側に出るのですが、原文(英語表記)は上側に出る一方、周りの風景(アフリカの大自然)と色が同化して文字が読み取りづらい上に、妙に表示時間が短いので、読み取るのが難しいです(字幕だけ見てりゃいいでしょというのもあると思いますが、字幕も正しいとは限らないので。こういう問題提起型のものは、第一次的には原文をちゃんと読むことが大切なのに、それができない。かなり早く文が切り替わるので、速読の力まで試される)。ここはなぜそこまで読み取りづらくしたのか謎です。
(減点なし) シネ○ーブルさん…「新作映画には2日間の株主優待券はご利用いただけません」とあるのですが、「したがって、2月29日以降のご利用をお願いします」って、2月29日っていったい…(たぶん単なるミス?)。ちょっと笑っちゃいました(まぁ、意味内容的に理解できるけど、ダブルチェックしないの?)。
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缶詰め狩り
なんかね、作り話感がするんだよね。元々フィクションって言ってしまえばそれまでなんだけど、どことなく作為的な匂いがして感動できなかった。
南アフリカでは、「缶詰め狩り」と呼ばれる富裕層向けの娯楽があるらしい。私有地で育てたライオンなどの大型の動物をスポーツハンティングの獲物として提供していて一大産業になっているという。後で調べたら1200億円の規模だというから驚き。この残酷な娯楽を禁止できない実情を世界に知らしめるために製作したことは評価できるが、映画としては、いまひとつかな。
この女の子達がCG なく、時間をかけてライオンとの関係を築いたのが...
この女の子達がCG なく、時間をかけてライオンとの関係を築いたのが凄いと思う。そういう意味で星4か。アフリカの社会問題に少し触れられた気がする。
【人間の本質】
この缶詰狩りというヤラセのトロフィーハンティングについては、前に何かの記事で読んだことがあって、フィクションの映画作品とはいえ、映像になると、悍(おぞ)ましさが増すなと思った。
動物を殺害し、獲物と写真を撮って、どんな快楽を味わえるのだろうかと腹立たしくなる。
(以下ネタバレ)
映画の前半は、ミアの判断力に欠ける行動にイラっともするが、ライオンが、あんなふうに人間になつくことがあるとすると、それは奇跡的なことではないのかと思ったりもする。
弟のミックが象を操る感じもなんかかっこ良い。
人間と上手くやれなくても大丈夫だよとアドバイスしてあげたくもなる。
後半のチャーリーとの冒険譚は、自然保護区に入って行く場面で胸が本当に熱くなる。
この作品の背景にあるのは、無意味なライオンの殺害だが、実は、僕達人間は、食料にするためとか、理由をあれこれ付けて、動物の多くの種を絶滅に追い込んできた。
危機に瀕しているという点で言えば、象牙のための象狩りもそうだ。
最近は、個体数は回復したとはいえ、クジラも激減していた。
鯨油を取るために、米豪などが過度に捕鯨したこともそうだが、近海から離れ遠洋捕鯨を行った日本にも大きな原因がある。
何か利用目的がなくても、温暖化で生息地が脅かされるケースも多くある。
トロフィーハンティングは、人間の最も醜い部分だと思うが、それを考えるだけに止まらず、僕達は様々なことに知恵を絞らなくてはならない時に来ているのではないかと思う。
余談だが、ある動物学者の人が、実は、動物自身として絶滅を免れないこともあるという話をしていた。
肉食動物は、狩りの70%から80%が失敗に終わるのだそうだ。そして、草食動物が増加傾向にあるのに対して、肉食動物は安定的に食料を確保できなくて、もともと個体数の減少傾向や絶滅傾向が高いのだそうだ。
まあ、そう云う自然の摂理は置いといて、無意味だったり、人間の都合で生物を絶滅に追い込むようなことは無しにしたいものだ。
そして伝説へ
11歳のクリスマスの日に、父親の経営するライオンファームで産まれたホワイトライオンの赤ちゃんと出会い、共に成長した少女ミアとライオンのチャーリーの3年半の話。
父親が爺さんから引き継いだライオンブリーダーの仕事の為にロンドンから南アフリカにやって来た家族。
友達もおらずやさぐれるミアがチャーリーによって心を保つと共に、ベタベタラブラブになり依存していくけれど、これがCGなしってマジですか?
子供の頃はもう微笑ましいの塊だし、映画として観ているから心配はないけれど、実際に撮影しているを考えると凄過ぎる。
子供と動物とか、反則級の鉄板ネタだしねw
ハクナ・マタタ的ものを想起させるヤツらも登場させながら、時に楽しく、時にすれ違い、トロフィーハンティングという辛い闇に触れて巻き起こっていく出来事は、悲しく温かく、そしてスリリングで、単純だけどとても面白かった。
多くの人が鑑賞し、改めて動物に対する意識を考えるべき
横浜アバック座にて試写会鑑賞。まだ2021年は始まったばかりだが現時点は1番心打たれ好きな作品である。
主人公の少女ミアは父親が南アフリカでライオンファームを経営することになりロンドンから移住する事となる。国を跨いだそして都会から田舎への引っ越しとなるため学校でも馴染めず、そして家族にも強く当たり不満な生活を日々送る。
当初はライオンにもそしてライオンの赤ちゃんにも興味を示さなかったがホワイトライオンのチャーリーが生まれ、時間が経過すると共に互いが心惹かれ合いそして親友となる。
ただやはり問題も付いてくる。成長するにつれて体も大きくなり力も強くなる。襲う事が目的ではないとはいえ、人間をそして家族を襲ってしまう事も時折出てきてしまう。そのような一つの出来事が大惨事を招きかねない。3年経ったあたりで父はチャーリーを売り払うことを決断する。
ただここでミアは大きな問題と遭遇してしまう。
ライオンファームはライオンを育て購入希望者に売るのがもちろん目的ではあるが、その購入者がライオンをどう扱うかまでは関与できない。
父からはサーカスや動物園に売ると聞いていたが、実際はハンターに売り彼らは買ったライオンをハンティング別名缶詰狩りをする事だけを目的とした取引しかせず、購入者の多くがそれが目的だということを知ってしまう。
それらのハンティングは南アフリカでは合法とされており世界中の多くが南アフリカに集まり行われるそうだ。その為これらの取引で儲けたお金が南アフリカの国の経済を支えているという。
そこでミアはチャーリーと共に逃げ出し、そしてライオンをはじめとした動物園にを殺す事を許されていない自然保護区に送り届ける旅に出る。
この作品は前半はミアとチャーリーの人間と動物の友情を温かくそして美しく描かれている。
そして後半になると缶詰狩りの問題が主となりミアとチャーリーが生き延びる為に必死になる強さが描かれている。
前半は温かい気持ちで見る事ができ、時にはミアの暴走に大人目線で呆れてしまうシーンもあるが、後半になるとこちらも事情を知ったが故にこのミアの勇気ある暴走を応援する気持ちに変わって見てしまう事となった。
南アフリカの経済を支えており、これらが完全に規制されれば南アフリカ国民が苦しむ事の問題ももちろんあるだろうが、そんな人間の問題に動物の命が奪われていい理由なんてのは何一つない。
難しい事かもしれないが南アフリカの経済を安定させる事は他にも方法はあるだろう。
こういう問題は多くの人が実情を知り声を上げる事が問題解決への近道に思う。
そういう意味でもこの作品は世界中の多く人が鑑賞し、そして改めて動物に対する考え意識を改めて考えなくてはいけない。
エンドロールで現在は2万頭までライオンは減り、このペースだと20年後には絶命してもおかしくないペースだと説明される。これは絶対に許されては行けないそして取り組まなくてはいけない問題であろう。
どんなに豊かな社会になってもまだまだ原始的且つ進歩のないこのような問題を知ると本当に胸が痛くなる。
前半のミアとチャーリーの愛くるしい描写を見た後だけにこの缶詰狩問題が非常に強く憤りを感じさせられた。
また映画作品としてはCGが殆どないらしくその為迫力や時には距離感の近さから恐怖感もありとても楽しめた。
動物に対する愛とそして世界が抱える問題への憤りに対する心の移り行きもいい流れで感じることができとても貴重な時間を過ごす事ができた。
人間のエゴと動物保護
南アフリカで社会問題となっているという“トロフィー・ハンティング”をテーマとした、少女とホワイトライオンの絆を描くヒューマンドラマ。
3年弱の期間をかけて本物のライオンの成長を捉えており、ある意味ドキュメンタリー的要素も兼ねている。ライオンもそうだが、主人公の少女ミアや兄ミックを演じた子役も明らかに成長しているあたり、人間と動物の共存を描いた映画はたくさんあれど、その点で本作はリアリティにあふれている。
昨年公開の『グランド・ジャーニー』もそうだったが、動物の生態系の崩壊の根本にあるのは人間のエゴ。それを一家族のドラマに集約しているあたりは巧み。
あまりにもステレオタイプな悪役や、いくらなんでも盛り過ぎな終盤の展開など気になる点はあるも、裏を返せばそれだけ南アでのライオン絶滅危機が深刻しているというアンチテーゼなのかもしれない。
愛情のカタチ
CGを使わずの撮影と知って驚きました。
動物との実際の距離も、心の距離もとても近く、とっても素敵な関係に感動しました。
ミアの孤独な心をホワイトライオンのチャーリーが癒やして、今度はミアがチャーリーを体を張って危機から救うのですが、家族との絆、動物との絆がとても素敵に描かれていたと思います。
家族を守るために一生懸命働くパパと、そんなパパを支えるママ。パニック障害を抱える兄と、家族にも心が開けない孤独なミア。すれ違いながらも、最後にはちゃんと家族がひとつになってくれたのが良かったです。
アフリカの国の情勢もあると思いますが、動物との共存がやっぱり理想です。
内情を知らないから理想を言えるんですが、こういう映画を観た人たちが何かを感じて、一人でも多くの人が現状を知ることがまずは大事なんだろうなぁと感じました。
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