BLUE ブルーのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
リアリティ溢れる描写で人間の光と影を表現し続けてきた吉田恵輔監督
監督自身が30年以上続けてきたボクシングを題材に
挑戦者を象徴する”ブルーコーナー”で戦い続ける若者たちを描き出す
「流した涙や汗、すべての報われなかった努力に花束を渡したい気持ちで作った」 という作品
才能があっても努力をしても
成功するのにはとても厳しい世界
そのボクシングに賭ける若者たち
そんな彼らの人生の一時を映し出し
映画を見終わっても続く人生の余韻に浸れる作品
単なるボクシング映画ではない。優しさと強さの物語
一生「青(ブルー)コーナー」=挑戦者でありながら、ボクシングに打ち込み続けた男の生き様に胸を熱くする。
ボクシングが中心ではあるが、試合にも恋にも勝てない男の内に秘めた深い情、勝ち続ける男の止められない熱い思い、強くなろうとする男の変わっていく心、大切な人を想う女の愛情、誰もが誰かのために生きる優しさと強さが滲み出る作品。
どこか淡々と進むのに、どんどん惹き込まれていく展開。
BGMを敢えてなくしていることがボディーブローのように効いてくる。脳に損傷を抱えた小川が朦朧としていく視覚効果も相まって、いつその時が来てしまうのかドキドキが止まらない。
ただ最後まで引っ張った結末の余韻に浸れるか、もの足りなさを感じるかは賛否両論分かれるところだろう。
ボクシングシーンは迫力があるというより生々しく手に汗握る。スパーリングや試合のシーンの割合が多いため、そのリアリティさは重要な部分。
無音を効果的に使い、手ブレの撮影技法を巧みに操るのは『ヒメアノ〜ル』の吉田恵輔監督らしい演出だ。
ひと握りになれなかった者たちのドラマ
なんの分野でも、成功するには才能と努力と運(タイミング)が求められる。そのどれかが欠けているだけで、うまくはいかない。
努力をしても才能がない瓜田のような人間が一番多くの割合を占めているのだろうけど、小川のように才能があっても身体の不調という運のなさに苦しまされる人間もいる。
それを言い訳にせずに、前だけを向き続ける人間のドラマ。美しいけど、ドラマチックな展開は期待できない。
anotherアオイホノオ
瓜田、楢崎、小川のブリー・スリー、皆良かった。中でも主人公を演じる松山ケンイチの抑えた演技に感動。表面的に感情が高ぶることはないけれど、彼の魂こそ灼熱を帯びている🔥
どうしようも無いリアルと戦う挑戦者たちの物語。 テレビドラマ向けの作品なのかも…。
情熱は人一倍あるが負け続きのボクサー、瓜田。
瓜田の初恋の人の婚約者であり、才能に溢れる天才ボクサー、小川。
軽い気持ちでボクシングを始めた新人、楢崎。
過酷な現実と向き合いながら、それでも挑戦を続ける人々を描いた青春群像劇。
監督/脚本/殺陣指導は『ヒメアノ〜ル』『犬猿』の吉田恵輔。
主人公、瓜田信人を演じるのは『デスノート』シリーズや『怒り』の松山ケンイチ。
瓜田の初恋の人で小川の婚約者、天野千佳を演じるのは『イニシエーション・ラブ』『ピースオブケイク』の木村文乃。
瓜田の後輩、小川一樹を演じるのは『桐島、部活やめるってよ』『コンフィデンスマンJP』シリーズの東出昌大。
映画.comさんのオンライン試写会に当選したので、一足早く鑑賞させて頂きました〜😆🎉
ありがとう、映画.comさん!
タダで鑑賞させて貰っているとはいえ、レビューは正直に書かせていただきます。
結論から言うと、、、つまらなかった…💦
吉田恵輔監督は学生時代からボクシングをされていると言うことで、本作でも自らボクシングの殺陣指導を担当している。
完全オリジナル脚本だし、思い入れがあるのはわかる。
でも、やはり3人の主人公格を2時間未満の映画で描こうとしているため、詰め込みすぎのきらいがある。
あらすじだけ読むと、ダメダメボクサーの松ケンが愛する人をかけてチャンピオンの東出昌大に挑戦する!みたいな王道スポ根物語に見える。
『ロッキー』シリーズがオール・タイム・ベスト級に好きな自分にとって、こういう映画は大好物!
よっしゃ〜!と思って見てみたんだけど、ボクシングを扱っているが決してボクシングの映画ではなかった。
どちらかというと『キッズ・リターン』的なボクシング描写というか。ボクシングを通して、やるせない人々の姿を炙り出すという感じでしょうか。
『キッズ・リターン』も大好きな自分ですが、この映画はどうも…。
ボクシング映画として観るには爽快感や燃える描写がないし、青春映画として観るにはボクシング描写が多すぎる。どっちつかずになってしまっている印象を受ける。
まあ楽しめなかった一番の理由は、起伏に乏しい物語なのでシンプルに退屈だったっていうことなんだけど。
マジで長く感じた。
瓜田がルーキーに負けたところで、そろそろ終わりかな、と思ったらまだ残り30分もあって絶望した。
例えばこれがテレビドラマで12話、最低でも6話くらいあれば、瓜田、楢崎、小川という3人の主人公の物語を丹念に描くことが出来るため、それぞれのキャラクターに感情移入していたかもしれない。
2人の男の間を掻き乱しているだけにみえるヒロイン、千佳に関してもドラマだったならもっとキャラクターの掘り下げが出来たのかな。
映画にするのなら、瓜田と小川の対立に軸を置いて、この2人をとことん突き詰めて描くべきだったと思う。
ただ、キャストはかなり良い!
楢崎演じる柄本時生の、あの情けないけど諦めが悪そうな感じは良かったし、松ケンの自然な演技も光っていた。
木村文乃の、街にいそうな可愛い娘感、良き良き。
しかし、とりわけ良かったのは小川を演じた東出昌大!
私生活で色々あったリアル・チャレンジャー東出の、俺だってまだまだ演れるんだ的ハングリーさが画面から伝わってくるような熱演でした🔥
キャストには文句ないんだけど、一点だけ。
瓜田&楢崎と戦った態度の悪いルーキー。あれもっとヤンチャそうな人使った方が良かったんじゃない?
本物の格闘家の人なのかな?なんか本当はいい人なのにわざと悪ぶってる、イタい人に見えちゃいました💦
観ている最中は色々と不満もあったのだが、エンドロールで竹原ピストルの熱唱が聴けたので、なんか良いもん観たような気がした。
でも、やっぱりボクシング映画なら『ロッキー』とか『クリード』の方が断然面白いし、ボクシング描写のある青春映画としてなら『キッズ・リターン』の方が断然良い映画。
重たくて疲れちゃった。もう少し軽い映画が自分は好み。
ボクシングジムに流れる青春の汗、挫折と努力を知っている人への讃歌
想像以上に大人向けというか、挫折と努力を知っている人こそ観て欲しい作品。負け続けても戦う男が、何故に挑み続けるのか…爽やかに汗が飛び散る、これまでにないようなボクシング映画だった。この作品を観た後に、監督からの話も聞けたので、そこを含めながら考えていく。
はじめに、瓜田という人間について。監督は30年もボクシングを続けており、ジムも転々としていたらしいのだが、モデルがいたそう。前座で戦っては負けて、祝勝会でニコニコしているような人。実はそういう人は、努力と挫折を強いのではないか。そういうところから始まっている。実際、瓜田が活躍するようなシーンは少ない。リングで戦う仲間に声を掛け続ける方が上手く、自分が戦えばすぐに負ける。よって、主人公と呼んでいいのかと思うくらい。後輩の小川や樽崎の方が道を走っているので、スポットがあまり当たってなかったように思える。彼自身の心情を内々に描きすぎたのか、監督の意図を聞いて納得するところも多かった。そこが少し残念。
次に、ボクシングシーンについて。これがとにかくスゴい。監督自身が殺陣を指導しているので、本物の試合を観ているかの臨場感とテンポに圧倒される。それだけではない。監督が「ボクシングジム版『トキワ荘の青春』」を目指したと言うように、ジムの魅せる表情が面白い。瓜田がトレーナーとして入る昼のムードと、選手が精を出す夜のムードではまるで違う。そこで生まれるドラマは、決してリングの上だけでは生まれない重厚感を持っている。その過程がリングにのぼる時までに繋がっているため、応援に熱が入る。
最後に、キャストについて。松山ケンイチの真っ直ぐで勝てない役どころは、背中が最もカッコいい。表にしないからこそ、秘めた何かと常に戦い続け、ボクシングに誇りを持っている。ただ、それ以上にカッコいいのが、柄本時生演じる樽崎。気になる子を振り向かせたい一心で始めたボクシングだが、次第に覚悟を持って成長していく姿はグッとくる。同時に、瓜田が戦い続けた意味をもたらすので、なかなかカッコいい。若干食っている気すらする。それくらい、スポットも当たっていたように思う。
ボクシング映画に吹く青い風は、諦めの悪い人や挫折を知っている人への人生讃歌となる。故に、私の人生経験はまだまだ。大人になっても、いい年してもずっと続けられる姿は、誰が言おうと無敵なのだ。そして戦い続ければいい。自分自身に。
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