キャラクターのレビュー・感想・評価
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サスペンスサイコスリラー 見ごたえのある作品
この作品のタイトルが示すのは主人公の「持てなかった才能」であり、架空であるはずが現実と同化している空恐ろしいリアル感、そして犯人の人物像そのものだ。
この作品を映画化するにあたり、それぞれのキャラクターをどの俳優たちにさせるかという点において、監督は悩んだはずだ。
通常は、勝手な想像だが、その演じるキャラクターの雰囲気を容易に出せる俳優があてがわれると思うが、監督はそこで視聴者の期待をいい意味で裏切って見せた。
まさか小栗旬くんが途中で刺殺されるなど予想もしない。
そして最初から気になっていたのが高畑充希ちゃんの存在だ。なぜ彼女? これは最初から最後まで疑問だったが、何でもできるはずの彼女は、夫が刺され血だらけになっているにもかかわらず何もしないキャラを演じた。見事に視聴者をだました。
キャラクター = 役者 監督はここにトリックを仕掛けたのだろう。
私もこの世界観に見事にハマり、ハメられた。
漫画のネーミング「34」もよく考えられている。
主人公の山城圭吾は、殺人現場と犯人を見てショックを受けたことで彼のキャラが出来上がったが、その作品を犯人が見ていたことは山城にとって諸刃の刃となる。
そしてようやく犯人に尾行されていたことに気が付く。
設定上、防犯カメラに犯人が映っているにもかかわらず、また清田刑事のスマホが持ち去られてるにもかかわらず、犯人も辺見も逮捕できないのはありえないだろう。惜しかった点だ。
実家を飛び出した山城を追いかける警察の足取りの遅さもあり得ない。そのような点はいくつかあったが、基本的には物語なので問題ないだろう。
逆に、
山城の家族が4人という設定と、ある意味本当の家族ではないという設定は見事だった。
さらに生まれてくる子供が双子。幸せ4人家族という設定が完了する。それを犯人が知っているという恐怖。
犯人はサイコパスだが、彼の主張は面白い視点だ。しかしその根源が九條村のカルト「幸せな4人家族」という設定には若干疑問が残る。山城が漫画の設定を「幸せの4人家族」にする根拠が見当たらない。モロズミが居酒屋で山城に接触するのはもっと後だ。
「終幕」を犯人逮捕にこぎつける作戦と、裏目に出るのは簡単に想像できる。しかし最後の構図が漫画と一致しているという皮肉はいい。
裁判で、裁判官に何を問われても答えない犯人。「逆に聞くけど、僕はいったい誰なんだ?」
オチになっているが面白かった。
最後に夏美が誰かに見られている。 見ていたのは辺見? それともサイコスリラーでありがちのオチだろうか?
個人的にはもっと大どんでん返しがあって欲しかった。
Fukaseの殺人鬼に鳥肌
一級のサイコ・サスペンス
日本映画の中で、これまで凄まじいサイコ・サスペンスは無かったように思う。ある意味、ブラピの代表作『セブン』を彷彿とさせるストーリー展開で、後半になるにしたがって、「まさかっ」と思うシーンに、思わず息をのんだ。
原作があるのだと思っていたら、長崎尚志さんのオリジナル脚本で、ノベライズ本とコミカライズ本が映画公開と共に発売されるということ。元々、漫画編集者だった長崎さんだからこそ、描ける漫画家の仕事ぶりやリアルな悩みや葛藤が、作品の中にも覗える。
とはいうもの、凄惨な殺人事件の現場検証シーンは、何度も描写されるのだが、殺人そのもののシーンは、直接的には描かれていない。しかし、山城が描く犯人像や白黒の迫力ある漫画のシーンによって、逆にイメージを掻き立て、その残忍さを伝え、サイコパスによる異常な殺人事件の様相を強く訴えてくる。
主人公の漫画家・山城役の菅田将暉は、今やどんな役柄でも、安定感のある演技を見せてくれる。売れない漫画家から、殺人事件現場を目の当たりにしたことで、非情な殺人犯のキャラクターを生み出し、一気に一流の漫画家に…。そして、その後に待ち構えている、非情な運命へと引きずり込まれながらも、山城自身の中に隠れていた、真の恐怖と向き合う姿を演じている。
それ以上に、この作品を一級のサイコパス映画としたのが、映画初出演のセカオワのFUKASE。死んだ魚のような濁った眼。しかし、どこまでも深く真っ暗な闇を見つめている猟奇的な眼。セカオワの音楽とのイメージも重なる中、学生時代に深い闇に心を閉ざしたFUKASEだからこその、真に迫るサイコパスの演技は、適役とも言える。演技の良し悪しとは別の次元の、サイコパスの異常さがヒシヒシと伝わってくる怖さを感じさせた。
また、脇を固めた、刑事役の小栗旬と中村獅童、そして、山城の妻役の高畑充希は、主役級の俳優陣だが、それぞれのシーンで、大切な脇役としての存在感を示し、ストーリーのクオリティーを高めている。特に、小栗旬は、これまでなかったような、「えっ、まさか…」と思う役どころでもあった。
唯一の心残りは、ラストまでイヤミスで終わっていれば、サイコ・ミステリーとしてのインパクトは、もっと強いものが残ったように思うこと。『セブン』のように非情に迫り切れないところが、日本映画の良さでもあるかもしれない。しかし、しかし、エンドロールの時に響いたあの音は、新たな恐怖の余韻を残すには、十分に効果があった。
絵を描く閉塞感
死体発見後のオープニングは、菅田将暉視点からの映像で、characterの文字と共にゲームのような一人称視点なのが良い。
ただ今から殺されるかもしれない家族がここまで冷静なのが不思議。冷静なら冷静で理由が欲しい。
再婚なのは序盤で感じていたが、物分りが良すぎる。
最後の殺人の選択で、外側にいた主人公が内側になってしまうストーリーは良い。猟奇サスペンスの条件もあっており、終盤に向けてもスピード感は展開として素晴らしい。
個人的には両角がナイフを落とした理由がわからなく、この演出の理由が知りたくなってしまった
複数刺されてここまで動ける主人公は不思議で、普段体力のある人間ならまだしも、連載や操作で疲労した主人公がここまで動けるのはアドレナリンが出てるから?
家具にこだわりがあると言ったように美術もストーリーを確立させるにおいて、必要な部分であったが、主人公の拾いながらも本棚であっぱくされる閉塞的な空間は、まさに主人公の心情を表したものになっていたと思う。
人の闇
Fukaseの演技力
面白かった!
テンポの良いストーリー展開
なかなか良かった
SEKAI NO OWARIのボーカルFukaseくんが出演してい...
始めと終わりが・・・
お話だから奇天烈な事が起こるのは当然としても、理屈に合わない筋立てはダメでしょう。
本作の場合、物語のきっかけとなる出来事と、最後の山場になる部分の2箇所、つまり最も重要な2つの場面に全く合点が行きませんでした。
きっかけとなる出来事とは、主人公の山城圭吾が一家4人殺しの現場に入っていくシーンですが、そもそも普通勝手に他人の家の中に入らないでしょう。仮に入るにしても、相当な理由があればいいのですが、本作ではその説明があまりに薄くて、全くリアリティを感じませんでした。
また犯人の両角と山城の直接対決となる最終シーンにしても、警察と一緒に自宅に戻らないのは如何にもあり得ない設定でしょう。対決をドラマチックにしようと言う意図なのかも知れませんが、如何にもご都合主義だと感じました。
終わりよければすべてよしということもあるので、最後の展開が違っていれば序盤の納得が行かない部分は忘れていたようにも思いますが、結果的にこういう展開になっていた事が残念でした。
この演者だから見れる。
最後まで気が抜けない!
漫画が原作じゃないことに驚き
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