キャラクターのレビュー・感想・評価
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めちゃくちゃ面白かった(怖かった)
めちゃくちゃ面白かった。本作でも編集者が言っていたが、描写全てにリアリティがあった。全登場人物が本当に実在しそうで、特にFukase演じる両角の異様で恐怖しかない雰囲気はとても引き寄せられた。両角を知らない人間は特に何も思わない部分も含めて。
『幸せそうな4人家族』という執着やそれにまつわる伏線も綺麗に散りばめられては回収されていくので、驚きながら楽し無事ができた。
一つの作品として完成されているので、見ることをお勧めします。
奥行きのある立体的な作品
本作品にはふたつの物語がある。ひとつは当然サイコパスによる連続殺人であり、犯人を追う刑事たちの物語だ。もうひとつは売れるマンガと売れないマンガの紙一重の差の物語であり、売れずに平凡な人生を送る人々がいる一方、売れて食事をする暇もなくなるほど忙しくなる一部の人がいる話である。そのふたつの物語をひとつのマンガ作品によって上手に融合させて、見ごたえのある映画が完成した。
中尾明慶が演じた編集者大村の「いい作品はたくさんありますが、売れるのは一握り」という言葉はマンガ業界の真実なのだろう。世の中にマンガ家の卵がどれだけいるのか見当もつかないが、殆どはマンガ家になれずに諦めるという訳である。
大村は売れていないときの山城圭吾には上から目線でアドバイスするが、一旦売れたら手の平を返すように「先生」と呼ぶ。これもマンガ業界の真実なのだろうが、同じことはマンガ業界だけではなくどの業界でも起きていると思う。所謂「家」がつく職業である。
音楽でも絵でも詩でも小説でも、愛好している人は沢山いるだろうし、自ら曲を作り絵を画き詩や小説を書いている人も沢山いるだろう。その殆どは世に出ることはない。世に出ないうちは商売人に相手にされないが、何かしらのきっかけで売れた途端に「先生」と呼ばれるようになる。職業が「無職」や「アルバイト」から「音楽家」「画家」「作詞家」「小説家」となるのだ。
本作品では売れないマンガ家と売れたマンガ家の経済的な差を典型的に表現しているが、同時に、売れても売れなくても同じ個人なのだということも表現している。主人公山城圭吾の変わらない人格を菅田将暉が見事に演じていて、そのブレない演技によって作品の核ができていると思う。同じように圭吾の妻を演じた高畑充希も、夫が売れても変わらないブレない人格を演じている。常識的で真っ当な感覚の持ち主であるこの夫婦のありようが素晴らしい。
さて、シリアルキラーにも美学があるようで、何かしらを完成させる達成感に喜びを爆発させる。それが普通人が決してなし得ない、恐ろしい行為であればあるほど、彼の満足感は大きい。サイコパスにも売れたい気持ちがあるのかもしれない。
本作品で両角を演じたFukaseという人は初めて観たが、演技は普通である。彼が怖く見えるのは、その相手をする菅田将暉の怖がり方が非常にリアルだからだ。山城圭吾の存在感によってシリアルキラーの怖さを浮かび上がらせているという構図である。
存在感と言えば清田刑事を演じた小栗旬の演技も見事である。登場シーンからして凄い存在感だ。一旦登場すると物語はあたかも清田刑事を中心に回っているふうな一面もあった。人間的な厚みも十分で、山城圭吾の彼に対する態度も頷ける。中村獅童をはじめとする脇役陣の演技もリアルで説得力があった。
荒唐無稽なストーリーを常識的な人々が演じると、リアリティがあるだけに怖さもスリルも増す。恐ろしくて、ハラハラして、驚愕する、そういう映画である。社会に実在するサイコパスやシリアルキラーだけでなく、意外に多く存在している無戸籍者の問題や、世に出ないまま埋もれてしまう才能の話も含めて、奥行きのある立体的な作品になっていると思う。
ゆりゆりかと思ったら浦野義治だった
6月期待値No.1映画の今作。
菅田将暉が主演ってだけで神なのに、共演は予告からして狂気を感じる本作初演技のSEKAI NO OWARIのFukaseと菅田将暉の彼女役に高畑充希、警官役には小栗旬と中村獅童。監督は「帝一の國」や「世界から猫が消えたなら」など数々の名作を手がける永井聡監督。「コンフィデンスマンJP」や「キングダム」などで知られる東宝×フジテレビの共同制作のサイコスリラー。
ここまで見たいと思える映画はかつてあっただろうか。期待でしかない。あぁ...どうだろう。。。
めっちゃ面白いですやん。
期待を裏切らない面白さと裏切られる展開。
サイコスリラーという難しいジャンルを見事に良作へと仕上げていました。素晴らしい!!
絵の才能は抜群だが、キャラクターが無いと言われる未熟な漫画家・山城(菅田将暉)。仕事で家のスケッチをしていると、近隣住民から音がうるさいとクレームが来てしまい、恐る恐るその家を尋ねるとそこには殺された家族4人がいた。
やはり、今作1番の見所はFukaseの怪演。
どうなってんだこの人は。個人的には「君は月夜に光り輝く」の主題歌である「蜜の月」のイメージが強いのだが、同一人物とは到底思えない。実は裏で本当にこんなことしているんじゃないかなかろうかと思ってしまうほどハマっているし上手い。これからもどんどん映画やドラマに出演して欲しいけど...成田凌と同じで、殺人鬼のイメージしか無くなるだろうな笑
そして、漫画家の話ということもあって劇中に出てくる「34」のイラストが破壊力あって、凄まじい。山城と両角の絵は抜群で、最終回の絵もド肝抜かされる。どうやら漫画は出ているらしいのだが、3作全部同じ内容で出して欲しいと思った。シンプルに面白そう。と、言っているのに漫画の前に小説版を買っちゃいました笑
その漫画との掛け合いが上手いなと感じたのが、ネタバレになるのであまり触れられないが、漫画と現実の見せ方がよく出来ていた。構成もそうなのだが、やはり漫画での迫力と現実での迫力は全然違うなと。ラストは流石で照らし合わせる感じが良かったし、イラストを通してほっとする場面もある。うわぁー、しっかり伏線回収していくな〜と感動。隙がない。
どんでん返しとまでは言えないが、いい意味ですごく裏切られる。そう来たか!そこから来るか!そこまで見せるんだ!そんな終わり方なんだ!と持っていき方が非常に上手い。展開で面白いと思えるのは久々。続きを見たくなる見せ方をしている。2回目見たいし続編も見たい。こりゃいいわ。
まぁ、気になる点はもちろんあって。
特に両角のキャラクターが中途半端。家族のエピソードが雑すぎるし、コミュニティはちょいと無理やり。狂気じみているんだけど、実際の殺人シーンが少ないのでいまいち恐ろしさが伝わらない。
そして、中盤はちょっとなと。
葬式のシーンは浅くなるかもしれないが別にいらないと思うし、それもあってか少し駆け足になる。警察ものとしてはベタすぎるし面白みがないので、この映画はあくまでも漫画家と殺人鬼の話だなと感じた。
それでも最高に面白かったです。
たまんないですね、サイコスリラー。
こういう映画作れるならもっと早く言ってよね!わ
震えた
ドキドキが止まらなかった。無駄なカットがひとつもなくて、素晴らしかった。俳優さん達も素晴らしかった。自分の背後が心配になるほどのめり込んだ。絵も素晴らしかった。音楽も最高でした。何もかもが素晴らしかった。久しぶりにいい映画を見られました。
まさにキャラが立っていた
予想を超えて面白かった。
フジテレビが配給に入っていたけど、これ地上波で流せるの? って思ったくらい、死体や刺殺のグロ描写が山盛り。
殺人鬼と刑事(特に中村獅童と小栗旬の刑事コンビ)が、よいキャラクター。
客を呼ぶためと表現能力による菅田将暉の起用ではあるようだが、シナリオ的な主人公のキャラが弱い。
そして、殺人鬼役のFukase……大丈夫か、これ?
バンド活動に影響がでないか心配なくらい、狂気の演技がナチュラルでハマり役。
俺もうテレビ局バカにするのやめるよ。
なんか今年の映画バヤイですね。全部見てるわけじゃないですがだいたい面白い。今作もめちゃくちゃに面白い。
まず一番に挙げたいのがSEKAINOOWARIの深瀬さんの演技力ですよね。演技初挑戦とはとうてい思えない最高のサイコパスの演技を魅せてくれました。あまりこういう事を大きく取り上げるのはアレかもしれませんが若いADHD患者の方にも「自分と同じ症状をもっていてもこんなに色んなことができるんだ。」と感じていただけると僕もうれしいです。あ、もちろん菅田将暉、小栗旬、高畑充希、中村獅童さん等々全員演技がお上手でした。
脚本も上手かったですよね。今まであったモヤモヤがすべて伏線としてラストに生きてくるところは最高です。
また、テーマも面白いんですよ。キャラクターとはいったい何なのか。みたいな。でもラストまで具体的には答えは出されなかったです。それがまたいいんですけどね。
それとこれは個人的に驚いたことなんですけど、この映画テレビ局制作映画なんですよ。テレビ局制作映画ってロクなイメージがなかったので驚きました。あんな沢山血出せるんですね。驚き。
とりあえずテレビ局の悪いイメージも払拭してくれた最高の映画です。深瀬さんの演技を見に行くだけでも見に行く価値はあるでしょう。是非ご覧ください。
Fukase・・☆
サイトで若干のあらすじと菅田将暉主演、小栗旬、高畑充希出演と知って、行こうとは
思っていたが、その後のFukaseのことが余りに多く取り上げられていて、正直
「セカオワ」というグループも馴染みがあまりなかったので、へー・・くらいの気持ちで
鑑賞。
しかし・・、彼がいなかったらこの作品は成立しなかったのではないかとさえ思った。
2時間強の長さにもかかわらず、場面転換・エピソードも上手くて、伏線の回収も
面白く、最近自分が見たサスペンス(ある意味ホラー)の中ではここ数年で
最良の作品になった。
鑑賞後、長崎尚志が原案に関わっていたと知って納得。
浦沢直樹ともに数々の素晴らしい作品を手掛けてきた彼のポテンシャルの高さが
滲み出る。
「MOZU」の時に、池松壮亮がいなかったらなかったと言われたこともあって、
彼も適役だったけど、Fukaseは「両角」以外にこれから演じれるのか・・と
思うほどそのものだった。
無垢で不気味なガラスのような瞳、恐ろしいくらい。
Fukaseの出生のこととか、細部まで物語が組み立てられている。
この手の映画は、TVかDVDで十分と思うものが多い中、アトリエの描写等
映像良いので、映画館で鑑賞が良いのでは・・
他の方がコメントされているように、PG12というのは微妙・・
これは凄い!
キャラクターなんですね。絵は凄いうまいのにたいへんでした。
予告でも観ていましたが、ものすごいストーリーですね。
小栗旬さん、ビックリしました。
高畑充希さんが襲われたので、心配しました。
ラストは、いい〆でした。
いや、だから、その…
何やっても同じだよねー、って言われる役者さんを度々見かけるけれど、そういうものをそもそも求められてる気もするんですよねー。なんて、小栗さんを観ながら思ってました。僕は好きですよ小栗さんのテンプレ刑事。
入り口では録音て大事だよなぁ(悪い意味)なんて考えさせられ、連載や単行本の事を考えてると、拭えぬモヤモヤが中盤は付きまとい、ミステリーとしての思わせ振りは良いと思うけど、投げっぱなしに映ると覚めちゃうね、なラストできっちり締めて頂けました。
ネタは良かったのだけれど、ディティールが残念だっただけに、勿体ない感じでございました。
良作、されど傑作への壁は高く
エンターテイメント物としては及第点を大きく越える作品。原案・脚本が長崎氏、企画が川村氏とのことで、ある程度期待どおり。
但し、そういう意味では、良くも悪くも予想の範囲内におさまった作品。
作品として致命的なのが、登場人物のキャラクター性。
映画冒頭シーンで、菅田演じる売れない漫画家に編集者が、ホラーやサスペンスの作品は必ずフィクションなのだから犯人や登場人物達にリアリティを持たさせなければいけない、君の漫画の登場人物はリアリティに欠ける、と諭して原稿を突き返す。
この台詞をそのままこの作品に送りたい。
この作品の登場人物はひどく設定に素直な印象が否めず、いわばテンプレート化されたキャラクター達の寄せ集め。
菅田将暉演じる主人公はダボダボな古着っぽい服着た売れない漫画家。
いかにも小栗旬に演じさせたくなるような族上がりだけど根はいい奴な刑事。
Fukaseはアーティスト気質溢れる頭おかしい殺人鬼。
これらのキャラに何かオリジナリティやリアリティがあるかと問われれば、答えはNo。
Fukase演じる両角の背景や犯行動機も良く分からず、ただ宗教に影響受けて幸せそうな4人家族殺して回ってましたってだけ。なぜ漫画の模倣するようになったり、主人公に固執するのかは謎。特に知りたいとも思わない程に描写が希薄。
話も基本的に予想通りだし、後半の展開はちょっと違和感。それまで単独犯だった両角が急に手下使って刑事を襲わせて、小栗旬が殉職。フェードアウト気味だった主人公を話の中心に戻すための苦肉の策ですかね。犯人のキャラ崩れも感じて、正直興醒め。
キャラクターの造形がもっと深ければ傑作にもなったのかなと。どうして狂った殺人鬼が主人公のjokerがアカデミー賞をとれたのか考えてみるといい。
タイトルがタイトルだけに、キャラ性で減点することになるとは笑えない。
総評としては、エンタメとしては魅力十分だか、記憶に残るような傑作には遠く及ばない、そんな作品。
デートで何も決まってなければ、この映画観とけばいいって感じ。その日は楽しく過ごせるよ。数年後、デートで何観たかは覚えてないかもだけど。
((((;゚Д゚)))))))この犯人まじ怖。
予告やりすぎじゃない?これじゃ内容わかっちゃうょ!と思ってましたがさにあらず事件が二転三転して、えっ!てなるところもあり面白かったです。
FUKASEの犯人役、、、包丁ぶん回す姿、変な笑い、虚な目。まじ怖です。
彼の部屋、、、、羊たちの沈黙を彷彿するお部屋。自分で書いたと言われている壁の絵はゾクっとしますよ。
しかしながら殺人に及ぶ理由があって納得。
1番怖いのがサイコ、、、、人を面白おかしく殺す輩。理由がないのが1番怖い。
先日、茨城一家殺傷事件の犯人が奇跡的に捕まりました。彼はサイコなのでしょう。
余罪も含めて何人殺しているかわかりません。
都会の雑踏に紛れこんな奴らがいるのかと想像すると◯◯が縮み上がります。
ストーリーが好みじゃないから3.5評価だけど
知らなくて、つい人に付き合って観に行った作品。
血みどろ過ぎて怖くてたまりませんでした。
今どき映画を予備知識なしで行った私が悪いのです。
映画館でまさに目を覆って隙間から観てました!
しかし、各人の演技というかそれぞれのキャラクターはすごく濃く、演技を超えて正にその人って感じでした。
最初、冤罪(というかやってもいないのにやったというから自分のせいだけど)で捕まった人のやばい感じ、本当にすごいですよね。
獅童さんと小栗さんの自然な感じもそうだし、小栗さんと菅田くんも。
Fukaseは完全にヤバい人ですよ。
芝居、上手いんですね、すごくびっくり。
演技の実力派と人気を兼ね備えた俳優陣の中にあって見事でした。
最後に菅田将暉の描く絵を実際に描いた方、お見事でございます!!
でももう観たくないですね、この映画(怖)
内容に引き込まれ、結構ドキドキ─
グロい描写とか、都合のいい展開は目に余るものだったけれど、かなりハラハラドキドキさせられて、見入ってしまった。
正直、意味が分からないことがたくさんあったし、突っ込みどころは多々ありました。
それでも、物語としては結構バラバラ面白かったように思います。
締めも何か・・・・・・という感じでしたが、エンタメとして十分楽しめました。
怖いけど面白かった。オススメ
ビッグコミックスピリッツの元編集長の長崎尚志オリジナル脚本を「帝一の國」の永井聡監督で映画化。
主役を菅田将暉、無差別殺人鬼をバンド「SEKAI NO OWARI」のボーカル・Fukaseの二人が絶妙で見事な演技を見せてくれます。
さらに殺人事件を追う刑事に小栗旬と中村獅童、漫画家の妻に高畑充希と適材適所の配役が見事でした。
漫画家の才能の無さを痛感して苦悩している菅田将暉と狂気の殺人鬼Fukaseの迫真の演技合戦は見応えがありそれだけでも見る価値あり。
微妙な設定も登場人物たちの魅力で説得力があり最後まで時間を忘れて引き付けられました。
松田洋治演じる狂気の謎の男も物語に恐怖を添えます。ストーリーも後半二転三転し衝撃のラストまで楽しめました。
多くの方にお勧めしたい最近の邦画ベストです。EDクレジットのラストの効果音も最後まで逃さず聞いてください。
役者の演技を超えられないストーリー。
菅田将暉・高畑充希・小栗旬と名演技者に加え、
Fukaseも歌ってる時と変わらない表現力で上手い。
魅せる役者ばかりで演技としては最後まで楽しむ事が出来ましたが… ストーリーはリアルさと漫画的なバランスがチグハグでそれが進行のテンポを妨げて、時折 退屈になりました。
家族惨殺表現がリアルなだけに、デビッド・レオ・フィンチャーの『セブン』の様にある程度のエンターテイメント性が無いと、陰鬱な後味の悪い物しか残らず、
自分としてはサイコパス賛美に終わってしまっている印象でした。
役者がいいだけに作品としては物足りなかった。
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