「サービス過剰」劇場版 ルパンの娘 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
サービス過剰
深田恭子ちゃんならルパンの娘よりドロンジョ様の方がお気に入り、フジTVのシリーズも観ていないので奇妙な家族キャラには翻弄されっぱなし。
ルパンの娘と言うことですがそもそもルパンの末裔って言ってるだけの泥棒一家、ストーリーは歪んだ血脈の内輪もめでした。
日本では怪盗鼠小僧が貧しい人を助ける義賊で有名だがアルセーヌ・ルパンも貴族のお宝ばかりを狙う、ある種義賊だから日本人受けの良いのも頷けます、変装の名人だったところなどは江戸川乱歩の怪人二十面相などにもインスパイアされたのでしょう、ただ日本での人気が高まったのは本家よりモンキーパンチさんのルパン三世からでしょう、ルパンを取り巻く、仲間の五右衛門や次元、お色気担当の不二子ちゃん、宿敵銭形警部など脇役のキャラも秀逸でしたね。
本作も負けじと奇妙なキャラのてんこ盛り、暗黒舞踏集団の麿赤兒さんやカメ止めのどんぐりさんなど灰汁の強い俳優さんを使ってます、必然性の無い藤岡弘さんの剣術シーンはルパン三世の五右衛門へのオマージュでしょうね。
映画のほぼ三分の一はミュージカル仕立て、市村正親さんやダンサーの大貫勇輔さんはノリノリでした。北条美雲役の橋本環奈さんは「お風呂でちゅぱちゅぱしよう」とお色気担当かと引きましたがシャーロック・ホームズの扮装、北条一族は三雲のL一族に滅ぼされたと探っているらしい。
原作の売りは泥棒一家の娘と警察一家の息子の禁断の恋愛ものというロメオとジュリエットをなぞったところでしょう。この映画、やたらと一族郎党が出てきます、敵役も逆恨みする華の実の母ですから、ドロドロですね。
ルパンぽさを出そうとディーベンブルク城の王冠を狙う設定、豪華海外ロケかと思っていましたがコロナで中止、姫路の太陽公園のドイツ・ノイシュバンシュタイン城をモチーフとした「白鳥城」で撮ったとのこと、見劣りしない優れた代替策でした。
アクション、コメディ、ミュージカルと盛りだくさんの上にタイムマシンまで出て来る驚きのSF展開、それも簡単にツッコめるタイムパラドックスをわざわざ入れる凝りよう、サービス過剰というかシッチャカメッチャカなエンターテインメント映画でした。