「家族愛」劇場版 ルパンの娘 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
家族愛
ドラマ版未見。
まず冒頭の怒涛のギャグ攻撃でこのドラマのギャグが自分の好みに合わないことを認識。
これが2時間続くのかと思ったが、途中から物語が動きだすとなんだかんだ苦しくなく見れた。
まず、アクションがすごい。
そして、サカナクションさんのモスがかかった時の「キタキタキター」感は異常。
ドラマ版未見の僕がそう思うのだからドラマファンの方はさらに興奮したんだろう。
テーマであろう家族愛もしっかり描かれていた。
しかし、途中のタイムスリップ辺りから頭が混乱してくる。
ギャグ映画だからでは済まされないくらいおかしな点、変な点が出てくるのだ。
現象的な点(記憶どうこう等々)に関しては後でしっかり種明かしはされて一応腑に落ちるのだが、心理的な面に関しては疑問が残る。
尊が華一家より一族を優先した→尊は実は色々なアフターケアをしていて・・・という流れになるのだが、そのアフターケアしていたっていうのを語る部分が役者さんの演技の影響なのか妙に言い訳がましく聞こえて気になった。
そしてもう一つ。
観月ありささん演じる敵役の玲が実は華の実の母親であるということが中盤で明らかになる。
これ自体衝撃的な展開でドラマ版未見の僕は少しわくわくした。
終盤に実の親子の戦闘そして邂逅が観れるのか。
ひょっとしてとても素晴らしい名シーンに出会えるのではと思ったからだ。
しかし、肝心の終盤、玲が華に対してどういう気持ちなのかが全くわからないので盛り上がらなかった。
というか、血の繋がった娘の華も他のLの一族と同じように憎んでるのだ。
家族愛を描くならそこで実の娘と対峙しなければいけない母親の情や迷いとかそっち方向にいくらでも掘り下げられたであろうに。
華自身も玲と戦ってる最中思わず攻撃の手が止まる描写があるのだが、他のアクションに紛れて少しわかりづらい。
華と玲が敵同士とはいえ血が繋がっている事でお互いに思い合っている描写があればもっと良い映画になっていたのにと返す返すも残念。