劇場公開日 2021年10月15日

  • 予告編を見る

「ドラマ版を見ていなくても楽しめる武内英樹監督ワールドが炸裂の、妥協のないコメディ映画。」劇場版 ルパンの娘 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ドラマ版を見ていなくても楽しめる武内英樹監督ワールドが炸裂の、妥協のないコメディ映画。

2021年10月15日
PCから投稿

見る前はドラマ版を全く見ていなかったので、ついていけるのかなと少しだけ心配しましたが、そこはやはり武内英樹監督。
ちゃんと冒頭の約1分間の「オモシロ紹介」だけでドラマ版にキャッチアップできました。
そして「復習」の後から怒涛のように繰り広げられる「小ネタの応酬」によって、すぐに作品の世界観に入り込めるのは流石の作り込みだと思います。
しかも、今回の作品は本当に「分野」が幅広く、コメディ、ホームドラマ、アクション、ミステリー、SF、ラブストーリー、さらにはミュージカルまで自然に取り入れた作りになっています。
「ミッション:インポッシブル」シリーズのようなオープニングなど、カッコイイ映像の一方で、SF的なものは逆にアナログ風な映像だったりと、まさに「カオス」な雰囲気は武内英樹監督作品の醍醐味とも言えます。
これらは、これまでの「翔んで埼玉」「テルマエ・ロマエ」「のだめカンタービレ」のように、かなり計算もされていて、緩急のバランスは非常に良いと思います。
「場所への移動のシーン」等、時間のロスになりそうな部分は削ったりと相当にテンポを考え尽くしています。
連ドラの象徴的なシーンが映画で効果的に使われていて、これらは少しの映像やセリフだけですぐに理解ができ、映画に「深み」を与えることに成功もしていました。
ゆるく楽しみたい、という欲求を満たす“武内英樹監督ワールド”は、本作でも健在でした。

コメントする
細野真宏