TOVE トーベのレビュー・感想・評価
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トーベの生き方
ムーミン谷の住人は一風変わった人が多い。
今で言うマイノリティの集まりのよう。
ても、皆んなそれぞれの居場所をそれなりに確保して生きている。
そんな住民たちを生み出した作者トーベが、レズビアンでもあったことは有名だ。
彼女がどのような過程でムーミンたちを生み出したのか、自分なりの自由をどのように獲得していったのかが描かれている。
人生の後半生、ムーミンがヒットし、物語の中で〝おしゃまさん〟のモデルともなった、生涯のパートナーを見つけて、湖畔の別荘で暮らす前の
悩み多き時代、自由の獲得への道程が分かる。
ムーミンの生みの親
アルマポウスティ扮する絵も描く童話作家トーベヤンソンは、1944年戦時下のヘルシンキでムーミントロールを描き続けていた。
独身のトーベは不倫したり女性と交えたりして結構開けた考え方をしていたね。早速スナフキンもスケッチに登場していたね。感受性が豊かなのかな。こういう官能的な女性がムーミンの生みの親だったとは意外だったな。
竜は人に懐かない・・
Oトゥトゥの『愛してる愛してない』を見た時を思い出した・・。
作品/ムーミンから来る→柔らかさ?先入観で、予備知識入れずに、のほほんと視聴し始めたけど、度肝抜かれた!
これはタイトルなり事前イメージが、内容と全く違う作品よ( ・∇・)?
最初に述べておきますが、めんどくさく、散文な、駄レビューになるかも?ですが、まぁ良かったらお付き合い下さい。
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①
映画は?娯楽の商業映画か?美術(や伝記も含む)の芸術作品か?に大別されると、ウチは思う。
本作は?商業映画として見始めたのが良くなかった。
コチラは伝記?史実を元にした作品(商品では無い)です。
エンタメとかショービズでなく、フィロソフィーとかイズムとかアイゼンティティとかに関する映画。
↑↑↑の『愛してる愛してない』を添えたのも、そう言う観点からです。
②
見始めて一番に思ったの作品は『ミスポター』と『カミーユクローデル』
ミスポターはピーターラビットの作者を描いた映画、彼女は英国湖水地方の環境保全に尽くした、佳き人物と伝えられる『貞淑な』女性だった。
カミーユクローデルはロダンの事実上の一番弟子である大きな才覚と小さな野心を内包する『(恋と芸術に)一途な』女性だった。
幸せかどうか?は死する時の本人しか分からない価値観なので、誰も何も言えないけど?
映画的に↓↓↓
・幸せな生涯だったと伝えられる→ビアトリクスポター
・何も悪くないのに精神病院に強制入院させられ人生を終えた→カミーユクローデル
③
見始めて一番に思い出した人物が『コナンドイル』と『グレースケリー』
→歴史書や旅行記を書きたく医師から随筆家?になったコナンドイルは、求められて軽い気持ちで推理小説『シャーロックホームズ』を書き始めた・・。
→偉大な父親に認められたくて、懸命にがんばった『モナコ大公妃』グレースケリーは、大公と出会う迄は、ハリウッドでの共演者とそれは数多の浮名を流したそう。
初稿シャーロックホームズの成功(ラストでホームズが死する終幕)で、大きく名を馳せたコナンドイルは、この業績でやっと自身の描きたかった旅行記が書けると意気揚々。
そんなドイルの元に来た依頼は『シャーロックホームズの続編(ワトソンの回顧録としての)』だった。
生涯、ホームズ作家であり続ける事を強いられたドイルは、いつも苦々しくホームズを思っていたそう(なので作中ホームズは奇異な感じに描かれたりしてる)。
70迄生き、心臓疾患で生涯を終える。
オリンピアン(しかも金メダル!)であり富豪にも上り詰めた父から、兄弟姉妹の中で「唯一愛されなかった」グレースケリー(かなり病弱であったらしい)。
彼女の『父親から認められたい承認欲求』は強烈なファザコンとなり、ハリウッドで数多な俳優と浮名を流す。
・・父親の様な年齢の共演男性らの、ほぼ全てと・・。
子供の頃の抑圧が?成年になり性に奔放になる形で具現化する。
一見清楚に見えて奔放だった?今で言う「清楚ビッ◯チ」の走りだったケリー、最終的にはまさかの王妃になり、不運な自動車事故(脳梗塞)で52の生涯を終える。
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やっぱり、めんどくさく散文な駄レビューになってる(涙
↑踏まえて、幼少期に彫刻家として大成した父親に厳しく躾けられ(北欧で第二次世界大戦も経験した)トーベヤンセンの、芸術志向も自身の性癖も破綻?したところからが、映画の序盤です。
ムーミンの柔らかいイメージ持ってると持ったままだと、かなり度肝抜かれた最初の15分でしたよ・・。
彫刻家の父に反抗?し、画家となったが、中々上手く行かず。出会った男女と・・
なるほど、女性監督さんなのね。
かなり破天荒でエロスは数多感じるのに、ポルノをあまり感じさせない作りは上手だな、と思いました。
彼女と一緒に見たい度】☆②
見た後に飲みたいお酒】アブサンやワインやウイスキー
これはネタバレでは無いですが↓↓↓
幼少期のトーベが、彫刻家たる父親の◯◯◯をしてた、てラストにサラッと添えられてる描写も?
実は、かなりトーベの人格形成(と性癖)に影響してるよなぁ?
その辺も、なるほど女性監督さんとして上手かった、と。
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欧米の竜は、翼竜の火竜→サラマンダー
亜細亜の龍は、蛇龍の水龍→ドラゴン
ある意味、魑魅魍魎ばかり?サラマンダーとドラゴンの織りなす、怠惰で淫らな、清廉で美しい、恋物語と、サクセスストーリー。
DVD旧作百円レンタル水準で☆④(*だけどこっちの勝手な先入観で度肝抜かれたので映画ドットコム的には③にしました!)
まさに今冬ですが、冬の夜(出来れば深夜)に一人で!ネガティブな時にでも見て欲しい作品。
人生に無駄や間違いや余計な事は無い、いや有るけどさ?
回り道でも必ず!何処か素敵なゴールに辿り着ける、て思わせてくれる作品でした。
・・本作、なんだかんだ好きです。
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めんどくさく散文な駄レビューにお付き合い、ありがとうございました。
御高配に感謝申し上げます(=´∀`)人(´∀`=)
自由奔放
主人公トーベ・ヤンソン(アルマ・ポウスティ)の奔放な生き方にビックリ!本心を偽らない、というより偽れない一途な眼差しに吸い込まれそうになりました。自由を求めるがゆえに生じる衝突や軋轢に決してめげない姿に凄みを感じました。子供の頃にテレビで見ていたムーミン、実はあまり記憶にないのですが、家で珈琲を飲むときは、スナフキンのマグカップを愛用してます(笑)。
予想外のほろ苦さ
ピーターラビットの作者・ビアトリクス・ポターの半生を描いた映画『ミス・ポター』のような雰囲気かと期待して鑑賞したところ、予想外のほろ苦さを感じる作品で驚きました。
家族で楽しめる・エンタメ要素があってキャラクターも登場するような映画を想像している方にはあまりオススメできないかもしれません。
恋愛の面が多く描かれていて、次に表現者としての苦悩が。ムーミンの登場はほとんどありませんでした。
こちらが勝手に想像していたトーベの印象を壊してくれるような、強い印象を残してくれる作品です。
私はパリを愛している
ムーミンはあまり関係なく、ある一人の美術家の愛の変遷。所謂不倫と同性愛と赤裸々に語られる。そんなに劇的な事が起こるわけでは無く淡々と話が進む。
時々出てくるムーミンの絵はとっても可愛い。
父からの愛の方が私には心に響いた。
ムーミン像とは想像もつかぬトーベの内面。
ムーミンみたいに可愛くてファンタジックな映画を想像してたので、
正直言ってガッカリでした。
祖国(フィンランド/スウエーデン)の国民的画家で作家で芸術家のトーベ・ヤンソン。
1914年に生まれ2001年に85年の生涯を閉じました。
世界中から愛される「ムーミン」シリーズの作者です。
その映画はトーベの30歳から45歳頃の若い時代の彼女を描いた映画です。
たしかに妻ある議員と恋愛関係だったり、
市長の娘ヴィヴィカの誘いに乗ったりとレズビアンで、性的に奔放な人だったのでしょう。
でもこの映画、トーベの真の姿に迫っているでしょうか?
トーベの芸術家としての並外れた情熱、
「ムーミン」が売れ過ぎたことの苦悩、
勤勉すぎるほど働いた姿。
自然界や生き物をどんなに愛し、好奇心いっぱいで観察した姿。
(並外れた感受性なしに、ムーミンの物語が書けたはずはありません)
ラスト近くです。
トーベの部屋を強くノックするトゥーリッキ。
この映画が終わるその後の、後半生を共にした女性で、
トーベ1人では制御出来ないほど巨大化した「ムーミン関連事業」に疲弊して、
遂には「ムーミン」を憎むまでになったトーベ。
疲れ過ぎたトーベを支えて助けたパートナーがトゥーリッキでした。
2020年(フィンランド/スウェーデン合作)監督:サイダ・バルリート。
トーベの人となりが断片的には分かるのですが、
一番大事な家族のこと。
特にムーミンママのモデルの実母。
トーベが子供時代に夏休みを過ごした海辺の生活。
そして売れ過ぎたことでバッシングを受けた「ムーミン騒動」に触れることは、ありません。
映画は、
1954年にロンドンの夕刊誌「イブニング・ニュース」の漫画連載の契約を結んだこと。
ヴィヴィカと唐突に別れたこと。
やがてパリの展覧会でグラフィック・デザイナーのトゥーリッキと出会ったこと。
そして、
「新たな旅立ち」と字幕が出て・・・
終わるのです。
「ムーミン」シリーズ
私も漠然としか知らず、今回、急遽、
「ムーミン谷の仲間たち」2019年(フィンランド/イギリス)を観ました。
トーベの「ムーミン」は自然界の宝庫です。
彼女は哲学的なまでに自然界の植物、生物を観察して愛した。
主人公のムーミントロール(=カバではなくて、トロールという妖精です)
トロールの大親友で旅人で春告人のスナフキン、
悪ガキのリトルミイ、
リトルミイの母親・ミムラ夫人、
そして架空の生き物である竜とスティンキーたち。
ホント、実にイキイキして魅力的なキャラクターたちですね。
この映画はある程度、トーベ・ヤンソンの若い日の素顔を知るとっかかりになります。
原画や創作する姿、交友関係、人となりの一面は分かるかと思います。
結局は、トーベ・ヤンソンその人より、
「ムーミン」の童話、漫画、絵本、アニメ、小説に親しむことが一番。
そんな気持ちにさせられる映画でした。
満たされないココロが創作の種
トーベ・ヤンセンの描いたムーミンの絵が、狂おしいほどに好き。
満たされない胸の中。見開いた目は純粋の証。目にした事のない風景。小さいけれど隅々まで届く光。遠いけれど、確かにあるはずの希望。引き離すとなくなってしまいそうに儚い2つの存在。
子供たちの無垢をいい事に、呑んだくれの孤独を講釈たれてるだけの「ムーミン」と言う童話と絵が、ミョーーーに刺さるんだわ。
最近、2時間超は当たり前の伝記物の中、104分に押し込むために切り取りました!感はあるけれど。良い感じの不描写になってて、個人的には好き。
親への反発ありーの、挫折ありーの、不倫に同性愛に失恋。人生イベントとしては、ワタクシも負けずに波乱万丈でしたが、小生は凡人の人生。まぁ、そこそこ満たされてるしね。ワシの場合w
良かった。
普通に。
彼女はいかに自由を愛し生きたのか(ポスターより)
10/5 映画を見終わったとき、これは絶賛の嵐だろうと思いました。ところが低評価のレビューがあってビックリ。 低評価の理由は、ほのぼのとしたムーミン誕生の話ではないことと、性描写が多いエロ映画だということのようです。私も1回目に見たときは、PG12(実際はG指定)で良い子のみんなには見せられないなと思いました。ですが2回目に見たあとは考えが変わりました。映倫の慧眼に感服です。詳しくは最後に書きます。
トーベの生き方を見て、芸術家は一般人(?)より自由を求める気持ちが強いから大変だろうと思いました。偏見かもしれません。芸術家として評価されるよりムーミンの作者として評価されてしまうことへの苛立ち、愛するものが自分だけを愛してくれないことの悲しみと戸惑いがすごく伝わってきました。そして自由を愛するトーベがそれらのことから解放されるところもよく描かれていたと思います。
私はムーミンのアニメも小説もまったく見たことも読んだこともなく、当然作者も知りませんでした。2年ぐらい前にムーミンがカバではないと知って驚いたぐらい知りません。ムーミンに興味がないから、その作者の物語の映画を見る気も起きませんでした。たまたま見たい映画がなかったので暇つぶしに見ただけでした。今は見てほんとに良かったと思ってます。
ポスターがまた素晴らしい。軽やかに踊るトーベとその投影であるムーミンのシルエット。 スナフキンの言葉 『大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ。』 『彼女はいかに自由を愛し生きたのか』。 観賞後にこのポスターを見て、映画の全てを表していると思って感服しました。
最後に性描写が多いエロ映画という件ですが、全然エロ映画ではありません。2回目に注意して見ましたが、抱擁、キス、SEXシーンを全部合わせても5分いかないと思います。濃厚なSEXシーンなど全くありません。キスやSEXもあっさりで普通のラブストーリーやラブコメと変わりません。一般映画では女どうしのレズシーンは見かけないのでインパクトがすごく強いだけです。もしこの映画で描かれた女どうしのシーンが男女のシーンだったら全く印象に残らないでしょう。それからトーベの恋愛がすごすぎます。 男との恋愛も、女との恋愛もどちらも不倫、しかも同時進行の二股です。そこにヴィヴィカが誰とでも寝てしまう設定が加わります。これをムーミンが大好きで、ほんわか映画を期待していた人が見たらブチキレてクズ映画に決定ですね。さきに映倫の慧眼に感服と書きましたが、あらためてG指定と言われると当然であることがわかります。
2021/10/5(火),11(月)眠,13(水) city1
11/11(木) ヒューマントラスト有楽
これは伝記ではない
この作品は、トーベのヤンソンの伝記映画ではありません。ムーミンもほとんど出てきません。映画としては、ごく普通の、人間ドラマの小品です。秘密も葛藤も、想定内で、北欧の雰囲気が好きな方にはおすすめできるかと思いました。映画としては普通です。
私にとって大切な作品になった
事前にレビューをチラチラ見ていたので、好意的なものとそうでないものの差があり、自分はどう受け止めるか、出たとこ勝負と思い鑑賞したが、忘れたくない作品となった。
今よりずっと表現その他について規制の厳しかった事が容易に想像できる時代において、トーベの内心が何者にも囚われない自立した自由を確立していたことに打たれた。
現代を生きる私は、表現の自由を保障され、多様性を目指す社会にいるはずだが、その内心の蝕まれている様よ。
スクリーンから伝わる鼓動が問う。
自己の納得の上において
もっと命を思うまま使えばいいんじゃないか
もっと散らすように
もっと踊るように
誰に何を言われようと
それは自分の命の外側の話なのだから
ムーミンは、そんなに出ません
「ムーミン」の作者の半生ではあるけれど、ムーミンが生まれるまで、みたいなエピソードは、ない。一人のバイセクシャルな芸術家の生き方を体感できた、という面で楽しかった。(ムーミンは最初から作者の頭の中に明確に存在していて、溢れ出続けます)
油絵も舞台芸術もマンガも、みんなみんなやりたい、という気持ちは、才能ある人には当たり前なのだろうな、と感じた。一方で、芸術で食えるかどうかは、それこそ誰にもわからず、半分は運次第なのかなぁ、と成功した側にいる主人公トーベの目線で感じました。
まあ、そういうことは芸術に限らず、どこにでもあるか。世の中には、見出された才能の数と同じくらいの見出されなかった才能があるのかもしれないなあ…
もっと、踊って欲しかったなぁ
実話だから仕方ないけど、おしゃまさんとはそう言う関係だったかぁ。ちょっと残念かなぁ。
フィンランドがNATOに加盟!
大変に殘念だ。世界で一番好きな国だったのに、大変に大変に殘念だ。トーベはスウェーデン人だから、スウェーデンはNATOに加盟してもらいたくない。若しくは、全世界NATOに加盟してもらいたい。
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