「友を悼む・・・はちゃめちゃに、弔う!!」くれなずめ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
友を悼む・・・はちゃめちゃに、弔う!!
日本の若者を《捨てたもんじゃない》と素直に思う。
高校時代の仲間たち6人が、友人の結婚式で余興をする事になる。
5年ぶりに集まった彼ら(成田凌、高良健吾、若葉竜也・・・)が選んだのは。
ウルフルズの「それが答えだ!」を赤フン姿でダンスする余興。
(赤フンドシと言えば、北海道大学のYOSAKOIソーラン祭りの名物です)
赤褌(ふんどし、ね!)の6人衆は圧巻!!
乗り良し!曲良し!振り付け良し!
笑って泣けるメチャメチャいい映画でした。
2021年。監督・脚本:松居大悟。
監督自身の体験をもとに描いたオリジナル舞台劇を映画化しました。
《5年前に若死した友を葬る》
そして若き日の、
《なんとも形容できない愛しき時間》
そんな瞬間を積み重ね、上澄みを掬い取った奇跡の映画です。
そう言えば、松居大悟監督28歳の作品「アズミ・ハルコは行方不明」を、
思い出しました。
(あれに比べれば、松居監督も丸くなったもんです。)
ノスタルジックで友情がやけに暖かい。
死んだ友が、まるで生きているかのようです。
それがテーマなのに、前半はメチャメチャ馬鹿馬鹿しいムダ話のオンパレード。
後半も1時間位になって、ええーっ、こいつ死んでるのか?
とやっと気付く。
だってはじめから死者の扱いをしてないもん。
彼らの中では、その友達は死んでないのね。
いつも隣にいる。
少しの不思議もない。
ウルフルズの「それが答えだ!」を赤褌で踊る6人衆。
6人と言う数が味噌なのね。5人じゃないのだ!
見せ場でしたね!
友を悼む気持ちが溢れてます。
友情は永遠・・・そう思える映画でした。
松井監督の次の監督作品。
『ちょっと思い出しただけ』で、大ブレイクでした。
不思議な作品です。
映像がトリッキーなことでメリハリが出ています。
友人の死と終わるはずのないと思っていた青春。
彼の死を皆で一緒に乗り越えたとき、青春時代も同時に幕を閉じるような表現に切なくなります。