カポネのレビュー・感想・評価
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監督のメンタルを注ぎ込んだ意識混濁ムービー
アル・カポネの晩年に対する興味が強かったのだが、果たしてこれは伝記映画と言えるのか? 手元にあったはずの上下巻のカポネ伝記本は売っぱらってしまったようで見つからないが、梅毒に侵されたカポネが、出所後にたどった運命はだいたいこんな感じだったと記憶している。ただ、あまりにも譫妄の領域に入り込んでいて、果たして今観たのはなんだったのか?とわからなくなる語り口は、面白いかどうかはともかく妙に癖になる酩酊感がある。
聞けば『ファンタスティック・フォー』で大手スタジオと揉め、作品は酷評&大コケの憂き目をみた悪夢のような実体験が反映されているらしい。一映画人の苦悩と、稀代のギャング王の凋落の軽重は、正直われわれ外野にはわからない。カポネを私物化することの是非は脇に置いて、かくも強烈なヘンな表現が生み出されたことは、ジョシュ・トランクに期待を寄せていた映画好きにまた次作も観たいと思わせてくれるだけの凄みでもあったと思う。
ネタバレになりますけど、隠し財産は「それは持ち出すな!」と怒っていたあの中にあったってことですよね?今からフロリダまで行ったら手に入れられますか?(譫妄)
評価は割れるところだが、若き監督の再起を素直に喜びたい
ジョシュ・トランク監督の名を久々に見た。『クロニクル』が絶賛されながらも、『ファンタスティック4』でスタジオ側と衝突し、作品そのものも酷評されてしまった彼。もはや再起は無理と思っていたが、全く異なる作風でのカムバックを嬉しく思う。その真価はいかに。ある種のとっつきにくさはあるにせよ、映画が進むごとに「なるほど」と感じた。全然、嫌いではない。いざ映画化しようと思えば生誕から死までのあらゆる瞬間が素材となり得る「アル・カポネ」という怪物を、あえて晩年の一期間という額縁の中にギュッと凝縮させて描く。そのアイディアと視点は面白い。正気と狂気。混濁する記憶の淵に隠されたもの。怪演なのか熱演なのか、それともこれは笑うところなのか、判別つかないほどぶっ飛んだトム・ハーディの演技。私にはこれがハリウッドで満身創痍となったトランク監督の精神世界そのものに思えてならなかった・・・と言うのは極論すぎるだろうか。
「クロニクル」監督の持ち味を活かしきれず
ジョシュ・トランク監督デビュー作の「クロニクル」は、オリジナルなアイデアと低予算の割にリアルで意外性のあるVFXでSFファンを楽しませてくれた。第2作「ファンタスティック・フォー」(2015年版)は残念な出来だったので、今度こそはと期待していたのだが…。
米国のみならずおそらく世界でも史上最も悪名高いギャングであろうアル・カポネを登場させた、あるいはモデルにした映画は多々あるが、服役後の晩年を取り上げるというのは珍しく、それゆえに挑戦のしがいがあったのはよくわかる。450件もの殺人に関与したとされる大悪党が、晩年は梅毒の後遺症で認知症を患い、幻覚と現実の区別がつかなかったり人前で失禁したりなど、もの悲しいエピソードが続き、確かに全盛期とのギャップが興味深くはある。主人公の幻覚を客観的な映像とシームレスに見せる演出は、(ホラーやサスペンスを除外すると)例えばロン・ハワード監督作「ビューティフル・マインド」などを思い出させる。おそらくはカポネの意識を疑似体験させる狙いもあったと思われるが、不必要に観客を振り回している気がしなくもない。
毎日4時間の特殊メイクを施されたというトム・ハーディはさすがの熱演で、病状ゆえに表情豊かにできない制約をものともせず繊細な表現で飽きさせない。カポネの妻を演じたのは「グリーンブック」で最高にチャーミングだったリンダ・カーデリニだが、彼女の魅力も十分に活かせていなかった。
それでもユーモラスでチャーミングなトムハがいる
画面に登場するのは、長い服役を終えた後の、梅毒の末期症状と頻繁に起きる幻覚に悩まされる、年老いて(とはいえまだ40代)心身ともにボロボロになったアル・カポネの姿である。フロリダの大邸宅で最後の命を繋ぐカポネは、医者から禁じられた葉巻の代わりにニンジンを咥えさせられ、幻覚に悩まされ、目は充血し、排泄もままならずオムツのまま邸内をうろついている。邸宅の外では、隠しマイクでカポネの隠し金、1000万ドルの在処をなんとかして聞き出そうとFBIが待機している。彼らはカポネが記憶を無くしたふりをしているのではないかと疑っている。事実はどうなのか?そんな、現実と幻想、現在と過去、正気と狂気を自在に行き来する元ギャングスターを、トム・ハーディが嬉々として演じている。時々意味不明になる脚本も、演技力(腕力と言ってもいい)でねじ伏せていくハーディを見ていると、つくづく彼はアル・カポネを演じたかったのだろうと思う(実際、かつて1度あったチャンスを逃している)。特に、カポネの中で唯一の真実が何だったのかが分かる幕切れのショットは、『アイリッシュマン』のラスト30分や、あの『市民ケーン』を彷彿とさせるほどだ。『インセプション』や『ダンケルク』のハーディ・ファンは顔面蒼白だろうが、熱演と言うのは度を越すとユーモラスでチャーミングに見えてくるという魅惑の体験を、ここでお約束しよう。
欺けると思うな
過去に、レンタルで観ました💿
晩年のカポネを描いた作品ですが…。
正常なのか狂ってしまったのか分からない状態の彼を、トム・ハーディはうまく演じていたと思います🙂
反応の遅さや、一点を見つめる感じはリアルでした。
妄想に取り憑かれた感じの彼は見ていて哀れでしたね。
FBIに監視され続けるのも不憫でしたが、この映画では大金の真相は闇の中でしょう。
トム・ハーディが、“暗黒街の顔役”と恐れられた伝説のギャング、アル...
トム・ハーディが、“暗黒街の顔役”と恐れられた伝説のギャング、アル・カポネを演じた伝記映画。「クロニクル」のジョシュ・トランクが自らのアイデアを基に脚本・監督を務め、カポネの知られざる最晩年を新たな視点で描き出す。
トム・ハーディの演技を観るだけの作品
有名なアル・カポネのストーリーとして観ると面白くない作品と思います
認知症の人の周りの家族の悲しさを感じるだけかもしれません
この作品はストーリーがどうこうより、主演のトム・ハーディの演技が残りました
若い時のカポネを演じるトム・ハーディが観たくなりました
観るのがはやすぎたようだな
観終わってから思ったこと。私、アルカポネに関わる映画、観てないなあ!元気なバリバリのギャング時代を観た後の方が感慨深いものがあったかも。
15歳で梅毒になるって、まあ強烈。亡くなったのが48歳なんて、若かったんですねえ。葉巻の代わりに人参🥕は本当の話なのか?
妄想と現実が観ていても曖昧で、実際にカポネの頭の中はああだったのか?
隠し財産はあるんでしょうね、いつか発見されたら面白い、ビックニュースですね。
アル・カポネの晩年。
2020年(アメリカ/カナダ)監督:ジョシュ・トランク
トム・ハーディと言えば、かなり屈折した知性の持ち主、顔の見えない役を好む傾向がある(?)
そのトムがギャングとして世界一有名なアル・カポネに挑んだ。
刑期を終えてフロリダの邸宅に帰った彼の、1947年に亡くなる直前までの、カポネの最晩年を描いている。
梅毒の悪化による認知症の重いカポネは、「アンタッチャブル」でエリオット・ネスと張り合った「世界一有名なギャングスター」の面影は皆無だ。
過去の悪行がフラッシュバックして蘇り、悪夢にうなされる。
失禁するシーンが2回もあって、哀れなものである。
映画の中のシーンも彼の悪夢なのか現実なのか区別がつかない事が多い。
観客もカポネの意識混濁に付き合わされて、困ったことになる。
脳梗塞の発作の後は言葉も不自由になり、ますますカポネが正気なのか?
本当に異常なのか半信半疑になる。
ガウンを羽織った下半身はオムツに素足にスリッパ。
トムの認知症患者・成り切り演技は、いつもながら天晴れ。
喋れない制約すら、目ヂカラにモノを言わせて楽しんでいるようだ。
今、予告編を見た。
これは誇大広告だわ(笑)予告編より全然面白くない。
予告編を裏切る地味な映画。
ダイナミックなアクションなんかないので期待しないでほしい。
屋敷の外ではFBIが監視して盗聴を仕掛けている。
目的は、1000万ドルをカポネが隠しているとの情報だ。
この件も本人すら忘れてるふりなので、乞うご期待・・・は、しないで(笑)?!
トム・ハーディは毎日4時間かけて特殊メイクを施したと聞く。
素顔を見せない役の映画「ダンケルク」「マッドマックス怒りのデス・ロード」。
「ダークナイト・ライジング」に至っては被り物で顔は全く見えない。
4時間の特殊メイクにしては、「素顔と変わらないじゃないか?」と言いたくなる。
実物のアル・カポネには似せてない。
顔の傷(スカーフェイス)や、梅毒による皮膚の爛れ、皺禿げ上がった額の他は、トムの素顔とほとんど変わらないじゃない!
シカゴを牛耳ったカポネが晩年を暮らしたのはフロリダの広大なお屋敷。
主治医を「ツインピークス」のカイル・マクラクランが演じている。
彼も隠し金の場所を聞きたそうとするが・・。
それにしても450件の殺人事件に関与したのに、逮捕容疑は脱税と酒の密売(禁酒法時代です)
10年足らずの刑期で、出所。頭のいい男だ。
悪夢に苦しむ寂しい晩年はある意味で自業自得でしょうね。
妄想と現実の区別がつかなくなってしまったアル・カポネ晩年のお話。監...
妄想と現実の区別がつかなくなってしまったアル・カポネ晩年のお話。監督のジョシュ・トランクはデビュー作『クロニクル』で大ヒットを飛ばしたが、2作目でケチがついて、3作目がこれ。
アート系と言えば聞こえはいいけれど。
過去の財産で仕事するにはちょっと勿体ないよな~。
老いは誰にでも訪れます
出所後のカポネを描いた物語。
個人的な洋画一押しのアンタッチャブル。その影の主役、アルカポネの晩年を描いた作品ということもあり、興味深く鑑賞。
結果、失敗でした。
梅毒に冒され認知症が進行するカポネ。48才とは思えない病状をリアルに描き、その合間にカポネの夢想を挟みながら物語は進みます。
しかし、認知症は個人差・程度の差こそあれ、年を取れば発症します。「カポネだから」というストーリーとは思えず、ただ人間の無常に悲しみと寂しさを感じる・・・そんな作品になってしまいました。
この作品を作るのであれば、主人公を妻のメアリーにして、ある程度客観的にカポネを見た方が、「カポネの映画」になったように思います。
私的評価は厳しめです。
どこまでが…
現実あるいは妄想、回想なのか分かりにくかった。結局隠した金も未だに出てこないということだし、48歳という若さに驚きだが痴呆が進んだ男のドラマチックでない話だった。
アルカポネの晩年とは。
数多くの映画に登場する伝説のギャング、アルカポネ。
私の場合、デニーロが演じた「アンタッチャブル」を思い出します。
登場シーンは短かったのですが、とても印象に残っていますね。
で、こちらは、全盛期の話ではなく、
刑期を終え、出所後の晩年の姿を描いた映画。
物忘れや奇行を繰り返すその姿は、果たして本当なのか?
あるいは演技なのか? そんなテーマで展開するストーリーです。
主演のトム・ハーディの名演(怪演)で、飽きることなく
鑑賞できましたが、話がわかりづらいのが難点。
現実なのか幻想なのかはっきりしないシーンが多いので、
ストーリーを追いかけているとフラストレーションがたまります。
マット・ディロン、老けたなあw
トムハで良かった
脳卒中を発症したカポネが次第に現実と妄想の境目が分からなくなる様子が、観ている側にも伝わるほど巧みに描かれていました
トムハじゃなくても良かったのでは…という意見も見ましたが、狂気と正気の違いをうまく表情で表してくれてるので、私は彼で良かったなと
なんだ‼️嘘話じゃ‼️認知症を笑いものにするコメディ‼️❓
いや、こんな方式で、キリストやブツダも描けるかも?
なんの根拠も無くカポネを凄い認知症に描いてなんの意味があるのかな。
認知症から見た映画、気持ち悪い👎
ひどい
matt dillonが好きで観たけど、認知症で倒錯したカポネが夢遊病
のように過去を回想するだけのひどい映画だった。
老老介護で糞便を漏らすシーンも何回かあって、いったい何の意味があるのか理解不明。
稀に見るつまらなさ。脚本のせいだろう。
その後数年の間に家族のほとんどは名前を変え転居した
映画「カポネ」(ジョシュ・トランク監督)から。
冒頭「これは彼のその晩年を描いたものである」と
キャプションが入り、ちょっと興醒めした。(汗)
実は、歴史に名を残す人たちの晩年の作品は、
ほとんど、最高時の自分のイメージを消すことができず、
麻薬やアルコールに溺れるか、孤独にひっそり・・
そして今回のような、認知症などのボケ症状など、
幸せな晩年を送るケースは少ない。
まぁ、それではドラマにならないのかもしれないが、
「偉人伝」の最後に、文字で表現される程度でいい。
逆に「暗黒街の顔役」と恐れられた伝説のギャング、
「アル・カポネ」の凄さを教えてもらった方が、
映画として楽しむことができたのに・・と思う。
ラストのキャプションはこうだった。
「その後数年の間に家族のほとんどは名前を変え転居した。
隠したとされるお金はまだ見つかっていない」
冒頭とラストの説明で済んでしまう気がするなぁ。
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