「【金環日食、コロナ】」ホムンクルス ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【金環日食、コロナ】
金環日食のような額の傷跡程度のホールではなく、もっと脳みその奥に届きそうな深く暗い穴じゃなければ、人の本当のトラウマやコンプレックスに触れることは出来ないのだろうか。
名越と奈々(ちひろ)が見た金環日食では、太陽コロナは観測できないらしい。
皆既日食の時のみ地球上から観測できるのだ。
真に闇が覆わないと、分からないことはあると言いたいのだろうか。
生半可な光で照らすなどというのは偽善者の考え方なのだろうか。
心理カウンセリングに対する皮肉のようにも思える。
僕は、原作の漫画の方はずいぶん前に読んだことがあって、映画のストーリーは、それとはまあ異なっているように思う。
ただ、トラウマやコンプレックスと云った心に巣食う苦悩や、闇などにフォーカスしたという点では、原作も映画も同じだ。
ほとんどの人は、少なからず心に苦悩や闇を抱えながら生きているはずだ。
漫画を初めて読んだ時、頭蓋骨に穴を開けるというトレパネーションという施術で、左目を通して、人の心に巣食う闇が見えてしまうという斬新なアイディアに驚き、食い入るように、この原作を読み始めたのを思い出した。
トレパネーション自体が、かなり荒唐無稽なのだけれども、登場人物が抱える心の闇は多かれ少なかれ、そして、程度の大小はあれ、皆同じだろう。
この映画、もしかしたら、ひた隠しにしている自身の心の闇と向き合うきっかけになるかもしれませんよ(そんな簡単なはずはないけど😁)。
まあ、原作があまりにもインパクトが強すぎたので、映画はちょっと物足りなく感じましたが、ミステリアスなエンタメとして楽しんでみたらどうでしょうか。
それなりに楽しめると思います。
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